カテゴリー別アーカイブ: がんばれ!山雅

J2第24節 愛媛に2-1 粘り勝ち、PO圏内射程に

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試合開始早々に先制して2-0で折り返しながら、後半は相手の猛攻にさらされ「今季一番苦しかった試合」(反町監督)。昨季から3戦続けて引き分けていた愛媛に粘り勝ちし、ホームでは2連勝で8位に浮上。昇格プレーオフ(PO)進出ラインの6位との勝ち点差を1まで縮めた。
「3点目を取るチャンスもあったが、最後は本当によくしのいだ。そこは今季前半戦で見られなかった部分」。指揮官は課題を挙げながらも、勝ち点3をもぎ取った選手をたたえた。
橋内は「われわれがシーズン後半になって大きく変わったとは思わない」とし、「危機感を持ってもう1メートル走る、もう1歩足を出すなど、細かい部分を一人一人が突き詰める意識が、少しずつ形になってきたのでは」と話す。
愛媛の間瀬監督が「中盤でうちのパスをつぶし、足の速いシャドーが(守備の)裏へ抜け出す狙いは分かっていたが、分かっていながらやられた」と悔やんだとおり、10試合ぶりに先発したセルジーニョが2アシストに加えて守備でも躍動。
9試合ぶり先発のパウリーニョもボール奪取の持ち味を発揮し、反町監督は「彼らが強みを見せてくれたのはうれしい」とうなずいた。
一方、前線で攻撃の起点となった高崎は「失点してからリズムに乗れず、追い付かれてもおかしくない試合。苦しい時こそ前に出なくては」と課題を挙げた。
橋内も「力は付いてきているが、(5戦続けて)無失点の試合がないのは気がかり」と指摘。「『1失点は仕方ない』という展開にしないことが大事。加えて3点目が取れるチームになるように練習しなくては」と力を込めた。
指揮官は「この勝ちを次につなげなくては意味がない」と、2週連続のホーム戦を見据えた。

J2は7月22、23日、24節を行った。11位の山雅は22日、14位の愛媛FCとアルウィンで対戦し、2-1で勝った。
前半2分、セルジーニョが倒れながら出したスルーパスに石原が走り込み、GKとの1対1を冷静に決めて先制。35分には高崎が頭でそらしたロングボールをセルジーニョがシュートし、GKの弾き返しを石原が蹴り込んだ。
後半7分に1点を返され、選手と並びを変えた相手に押し込まれたが、最後まで集中して守り切った。
次節は29、30日。山雅は29日に17位ツエーゲン金沢とアルウィンで対戦する(午後6時開始)。今季、金沢とは16節(5月28日)に敵地で対戦し、4-0で勝っている。

【選手コメント】
8番・セルジーニョ 先制点はよいタイミングが重なった。スライディングすれば間に合うと思い、石原が絡んでくれると信じていた。2点目はGKの上を狙ったシュートは防がれたが、こぼれ球を石原が狙っていたのでよかった。
ポジション争いがあるのはよいことだが、ベンチに座っていたくない。仲間をリスペクトしながら、先発のチャンスが来るのを待っていた。試合に出られない時も、ひたむきな姿勢は持ち続けなければ。自分のゴールより、チームの勝利のために戦う。
20番・石原 (2シャドーを)セルジーニョと組む機会は今季ほとんどなかったが、うまく得点に結び付けられた。勝てたのはよかったが、続けていくことが大事。修正すべき点はしなくては。
金沢との前回の対戦では自分が得点している。2節続けてホームで戦えるのは強み。また決められるようにしっかり準備する。
(取材班)

天皇杯3回戦「格上」サガン鳥栖を撃破

170715yampサッカーの第97回天皇杯全日本選手権大会は12日、3回戦を各地で行った。J2松本山雅FCは、松本市神林のアルウィンでJ1サガン鳥栖と対戦。2-1で勝ち、16強入りを果たした。「格上」相手の勝利で、4試合無敗中のリーグ戦にも弾みがつきそうだ。
リーグ戦とほぼ同じメンバーの鳥栖に対し山雅はリーグ戦で出場機会の少ない選手や若手主体で臨んだ。
前半から押し気味に試合を進め、0-0で迎えた後半22分、志知孝明選手が先制。4分後にはセルジーニョ選手が追加点を挙げた。
33分には相手FKから失点したが、試合終了の笛が響くと、入場者5037人の大半を占めた山雅側の観客は喜びを爆発させた。
反町監督は「最後まで足を止めず走り切ってくれた」と評価。スタンドで観戦した主力組についても、「危機感を持つはず。相乗効果が生まれればいい」と期待を込めた。
4回戦は9月20日。組み合わせは8月7日に決まる。

松本山雅FCは13日、前日に公式戦初得点を決めた志知選手がJ3福島ユナイテッドFCに2018年1月31日までの期限付きで移籍すると発表した。志知選手は東海学園大4年だった15年、特別指定選手として加入。今季はリーグ戦6試合に出場していた。
(長岩将弘)

J2第22節 2カ月ぶりホーム白星 横浜FCに3-1

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今季開幕戦で敗れた相手に快勝し、シーズン後半を白星で発進。ホームでは10節・讃岐戦(4月29日)以来、約2カ月ぶりの勝利となった。押し込まれる時間が長かったが、しっかり耐えて好機をものにする「われわれらしさがふんだんに出たゲーム」と反町監督。今季最長の4試合無敗とし、ようやく浮上の気配が見え始めた。

ハードワークや球際の強さ、体を張った守備、セカンドボールへの執着心-など、今季は鳴りを潜めていた“らしさ”が随所にうかがえる試合だった。
「どの試合もそうだが、非常に難しいゲームだった」と切り出した反町監督は、最も評価できる点として、リーグトップの15点を挙げている横浜FWイバを抑え込んだ守備の頑張りを挙げた。イバを「相手の攻撃戦術の大部分を担う選手」とし、「彼をしっかり抑えられたことが、少ないチャンスで勝てた要因」。
橋内も「(イバは)高くて強いのでボールを収められてしまうこともあったが、それでもチームとして慌てず対応できた」と胸を張った。
山口との前節は追い付かれながら終盤に勝ち越した。2試合続けて勝ち切れた理由を橋内は「チームが成長した」と話す。
反町監督も「シーズン前半の課題を少なからず修正できた。押さえるべきところを整理して臨めた」とうなずく。
今節の勝利で勝ち点で横浜を抜き、順位も5月上旬以来の一桁に。次節も上位の長崎との対戦で、勝てば昇格プレーオフ進出圏の6位以内に浮上する可能性も。指揮官は「マラソンも折り返し地点を過ぎてからどれだけ走れるかが勝負」と闘志をたぎらせた。

J2は8、9日、第22節を行った。12位の山雅は8日、8位の横浜FCとアルウィンで対戦し3-1で勝った。山雅は8位に浮上した。
落雷の可能性で30分遅れて試合開始。山雅は序盤からイバを軸とした相手の攻撃に押され守勢に回ったが、決定的な場面をつくらせずにしのいで前半終盤、右の深い位置からの宮阪のFKに高崎が頭で合わせて先制し、ロスタイムには右後方から橋内が浮かせたボールを高崎が頭で決めて追加点。
後半にも宮阪の右FKからのこぼれ球を橋内が押し込み3点目。終了間際にPKを与えたが、相手の反撃をほぼ完璧に防ぎ切った。
山雅は12日、天皇杯3回戦でJ1サガン鳥栖とアルウィンで対戦(午後7時開始)。リーグ次節は15日、トランスコスモススタジアム長崎(諫早市)で4位V・ファーレン長崎と対戦する(午後7時開始)。今季、長崎には7節(4月8日)にホームで3-0で勝っている。

【選手コメント】
9番・高崎 2得点ともいいボールが来たので当てるだけだった。3点目は僕に当たりこぼれた球をハシ(橋内)が決めた。自分で決めたかったが、ハシのほうがいい体勢だった。
シーズン前半になかなか勝てなかったのは、得点できなかった自分の責任も大きい。これからしっかり挽回したい。
5番・岩間 90分間を通して苦しい展開だったが、自分たちらしさを出せた。前半に2点取ってくれたので、余裕を持って戦えた。
シーズン前半に僕らの良さが発揮できなかったのは、開幕戦で出し切れず、ずるずるきてしまった部分も。「成長したところを見せよう」とミーティングで確認して試合に臨んだ。
皆(今季前半からの)切り替えはできているし、後半はよいスタートが切れた。ここからの継続が大事だ。
23番・岡本(負傷の田中に代わり後半途中から出場) サイドはリーグ戦では初めて。緊張したが楽しめたし、周りを見る余裕もあった。積極的かつ冷静な判断もできた。こういうプレーを継続したい。まだまだやれる部分がある。
(取材班)

日本クラブユース選手権 予選突破目指して U-18山﨑新監督に聞く

170706yampU-18(18歳以下=高校年代)チームが全国のクラブ王者を決める第41回日本クラブユース選手権(23日~8月2日)に出場する。2年連続3度目、北信越予選1位での出場は初めて。今季就任した山﨑茂雄監督(53)に、指導してみての手応えや現状、大会での目標などを聞いた。
-半年ほど指導した感想は。
辛抱強く、まじめで素直な選手が多い。一方で破天荒なプレイヤーは少なく、個々の特徴を発揮するのに時間がかかりそう。
昨年指導した東ティモール代表とはかなりタイプが違う。彼らは失敗も多いが判断が速く、どんどんチャレンジする。
ただ、短期間で結果が求められる代表と違い、クラブは継続性が大事。時間をかけて築き上げたものは強固。この半年で彼らなりに力を積み上げてきている。
-目指すスタイルは。
攻守両面で全員が関わるのが原則。ボールを持つ人も持たない人も、プレーに関わるためにどうするべきかを、走りながら考えるよう要求している。
-プロ選手輩出は育成組織の使命。山雅はまだ実現できていない。
日々の積み重ねがプロにつながる。ピッチ内外で自分たちで考え、判断する経験を積み、人間性も含めて成長することが必要。
若くしてプロで活躍する選手も、チャレンジ精神を持ち、力の出し惜しみをせず、周囲がよく見えている-など、私たちから見れば「やるべきことができている」ということ。そういった基本をしっかり身に付けさせることが、ユースに携わる私たちの役割だ。
山雅にも素質がある選手はいるし、継続的にトップチームの練習に参加する選手も出てきている。近いうちにトップチームに昇格させたい。
-チームの長所と課題は。
走力や組織力といった元来の強みに加え、狭いエリアでボールを動かして相手を崩す攻めや、全員がボールに関わる守備などに取り組み、少しずつできてきている。
課題は個々の状況判断。一つの状況に対して二つ、三つの引き出しで対応できるようなケースはまだ少ない。
-今大会と今季の目標は。
予選突破。前年覇者で秋のJユース杯も制したFC東京を筆頭に厳しい試合ばかりになる。
かといって「これだけをやり続ける」という展開にしたくない。粘り強く戦い、短時間でも攻勢に出て、強敵相手に勝機を見いだす戦い方をしたい。われわれの良さを出し、選手に自信を持ち帰ってほしい。
今年の大きな目標の一つが、県リーグからプリンスリーグ北信越への昇格。今大会でひと回りもふた回りも成長、シーズンの最後に成果を発揮し、より高いレベルの環境をつかみ取りたい。

【第41回日本クラブユース選手権(U-18)大会】
全国9地域の予選を勝ち上がったJクラブ育成や一般クラブ計32(うち北信越2)チームが出場。8組で予選リーグを行い、上位各2チームが決勝トーナメントへ。山雅は予選で23日に京都、24日にFC東京、26日に町田と対戦する。
【やまざき・しげお】
1963年、埼玉県生まれ。順天堂大、埼玉教員SCを経て、主に高校やナショナルトレーニングセンターなどで指導。昨年は東ティモールU-21、U-19代表監督。Jクラブ育成組織での指導は2006年の大宮以来11年ぶり。日本協会公認S級コーチ。
(長岩将弘)

柴田ユースアドバイザー、JFL浦安監督に就任

ユースアドバイザー兼U-15監督で、2011~15年にトップチームのコーチを務めた柴田峡さん(51)が1日、JFLのブリオベッカ浦安(千葉)の監督に就任し、山雅を去った。「私のわがままだが、何かを変えないといけない」と決断したという。
今季前半を終えて最下位で、前監督を解任した浦安から急きょ要請を受け、引き受けた。
ユース全国大会制覇の実績や全国の育成指導者とのパイプを買われ、育成に力を入れるクラブの要請で昨年から現職に。「やり残したことも多いが、のんびりとした風潮の中で『地域を変えるのはよそ者とばか者』という思いでやってきた」
12年のJリーグ入りは「皆で協力して実現した得難い経験」。二人三脚でJ1昇格も果たした反町監督については「勤勉で常に手を抜かない指導者。一緒に仕事ができて勉強になった。成功体験や学んだ方法論に、これから自分の持ち味を加えたい」。
J2降格でトップチームを離れ、「あの悔しさを晴らせていない。いつか松本に戻り、恩返ししたい」と言い残した。
(長岩将弘)

今季前半ホーム最終戦 岡山と1-1 終盤失点また勝ち切れず

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今季3度目の連勝を期した、勝ち点で並ぶ岡山との一戦。昨季のJ1昇格プレーオフで敗れた相手でもあり、先制してサポーターのボルテージも上がったが、終盤の失点で引き分けた。「今の実力と承知はしているが、同じような試合を繰り返しているようでは…」と反町監督。浮上の兆しは見えてこない。
「相変わらずというか、いつも通りというか、あっさりという感じで…。何ともコメントできない試合でつらい」と会見で絞り出した指揮官。ホームでは2カ月以上勝利から遠ざかった。
追い付かれた直後に得たPKを失敗した田中は、自身がマークした選手に同点弾を許したことも含め「俺1人のせいで勝ち点3を取れず、申し訳ない」とうなだれた。
1|0の終盤、工藤に代えてパウリーニョを入れ、追い付かれたのは17節(4日)東京V戦と同じ展開。1点を守り切るのか、2点目を取りにいくのかという、ベンチの判断や選手間の意思疎通は明確だったか。
飯田は「もう1点取らなくてはいけなかったし、守り切らなければいけなかった。そのどちらもできなかったのはピッチ内11人の問題」と危機意識の共有を訴える。
反町監督は「リードしても2点目が取れないし、走力も落ちてくる」とし、守備についても1点を守り切った試合が今季一度しかないことを挙げ、「フィジカルも含めて能力を出し切れているかどうか。人を代えることも必要かもしれない」と、次節以降のメンバー変更を示唆した。
今季前半のホーム戦が終了。飯田は「これ以上いろいろなものを失う前に、何かをしなくてはならない。皆が顔を洗って自分たちの立場を認識し、(シーズン)後半は違う顔で戦わなくては」と話した。

J2は25日、第20節を各地で行った。12位の山雅は13位ファジアーノ岡山とアルウィンで対戦し、1-1で引き分けた。山雅は12位のまま。
山雅はボールへの執着心を見せて試合立ち上がりから攻勢に出て、前半終盤に工藤の右クロスに飯田が頭で合わせて先制した。
しかし、後半は防戦一方になり、失点は相手ロングスローのクリアをヘディングでつながれ、守備陣がボールを見て足が止まった瞬間に相手に抜け出された。
その1分後に安川が倒されてPKを得たが、GKに止められた。
次節は7月1日、山口市の維新百年記念公園陸上競技場で21位レノファ山口と対戦する。昨季の対戦成績は2分け。

昨季まで山雅に5季在籍し、主力としてチームを支え続けたDF喜山が昨年11月のプレーオフ以来、今度は対戦相手の主将としてアルウィンのピッチに立った。
「敵になってみると、山雅サポーターがつくり出す雰囲気のすごさをいっそう感じた」と喜山。「(岡山は)チーム状態が少しずつ良くなってきており、難しいアウェーで勝てれば自信になると思っていた。好機は多くつくれたが、悔しい引き分け」と振り返った。
山雅がJ2入りした12年、岡山から期限付きで移籍していた讃岐(当時JFL)から加入。高い技術と優れた戦術眼でボランチとして定着し、15年からはDFでもプレー。
3バックの左で攻撃の組み立てにも力を発揮した昨季は、リーグ40試合に出場しながら不可解な契約満了に。試合後は再会を望む大勢の山雅サポーターがスタンドに残る中、しばらくしてピッチに姿を現し、移籍を惜しむ声に応えた。
「5年間でたくさん試合に出させてもらい、いろいろな経験を積めたからこそ今がある」と喜山。いっそうの奮闘を誓っていた。
(取材班)

【19節までを振り返り今後を展望】シーズン折り返し間近で12位・結果出せず苦闘

170622yamp得失点差で自動昇格を逃した昨季(3位)の悔しさを胸に、来季3年ぶりのJ1復帰を目指してJ2で戦う山雅。今季は折り返しに近い19節まで終えて7勝5分け7敗、勝ち点26で12位ともがいている。ここまでの戦いぶりを、昨季や年間2位でJ1自動昇格を果たした2014年シーズンと比較して振り返り、今後を展望する。
今季は主力を含む昨季のメンバーが多く残ったこともあり、昨季をベースにキャンプの早い段階でチーム構築を終え、各部分の精度を上げる作業に取り組んで開幕を迎えた。
序盤は3、4節と6、7節で2回連勝するなど、まずまずの成績で乗り切ったが、5月に入ってから勝ちなしが5戦(11~15節)続き、順位もじりじりと後退。
アルウィンで水戸に敗れた18節(11日)終了時点で、2節以降では今季最低の15位まで低下。ホームでは4月29日の10節・讃岐戦以降、2カ月近く白星から遠ざかっている。
ただ、内容的には決して悪くない試合を続けており、安藤や當間らけがで長く戦列を離れていた選手が戻ってきたのも好材料。試合内容や戦力を結果に結び付けられるかが、上位浮上の鍵を握る。

今季が過去のシーズンと比べて異なるのは、序盤を終えてもチーム状況が上向かない点だ。
大きなけが人もなく、例年になく順調にキャンプを終えて迎えた横浜FCとの開幕戦。当日は「キング・カズ」三浦の50歳の誕生日で注目を集めたが、緊張や焦りからか動きが硬く、0-1で2季連続の黒星スタート。
しかし、4節・千葉戦は3-1で快勝し、Jリーグ6季目で初めてホーム開幕戦を白星で飾った。
続く5節は名古屋に逆転負けして10位に下がったが、それ以外は一桁順位を維持して10節まで終了。この辺りまでの順位推移は最終3位だった昨季とあまり変わらない。
だが、過去のシーズンはこの辺りからチームに安定感が出てきたのに対し、今季は逆に成績を落としていく。
反町監督が「前半戦のヤマ場」と位置づけた10~12節、13~15節の過密日程(9日間で3試合)で思うように勝ち点を積み上げられず、特に11節からは5試合勝ちなし(2分け3敗)と低迷。
16節の金沢戦で大勝し、ようやく6試合ぶりの勝利を手にしたが、続く17節の東京V戦は先制しながら終盤に追い付かれて引き分け。18節の水戸戦も優位に試合を進めながら隙を突かれた失点で黒星と、同じパターンで勝ち切れない試合が続いた。
ただ、東京V戦の後、敵将ロティーナ監督が「これまでのアウェーで最も難しい試合だった」と振り返ったように、内容が低調なわけではない。
反町監督が水戸戦の後、「いま、われわれがかかっている病気」と苦り切ったように、安易な失点は課題だが、数字からはむしろ深刻な得点力不足が浮かび上がる。
19節終了時の総失点14はリーグ最少。3失点以上した試合はなく、2失点も3試合にとどまる。
一方で総得点24は水戸、徳島と並び上から6番目の中位。4得点が2度、3得点が1度と「固め取り」があり、僅差の試合をものにする決定力は、実際はもう少し低い。
2点以上取った6試合は全て勝っており、仮に敗れた7試合全てでもう1点ずつ取れていれば、6試合が引き分けに。勝ち点6が足されて32になれば現在の3位に並ぶ。
得点者は8点の高崎がトップで工藤と宮阪が3点ずつ、石原と岩間、飯田が2点ずつ。前線の選手を中心に奮起が求められる。

J2の直近3シーズンで、2位の最終勝ち点は昨年が84(清水)、15年は82(磐田)、14年は83(山雅)。単純な比較はしにくいが、自動昇格圏にたどり着くには80が目安になる。
山雅が勝ち点80に達するには、今後の23試合で54が必要。仮に昨季あった「16戦無敗」(9勝7分け)を再現して勝ち点34を得たとしても、残り7試合を全勝しなくては届かない数字だ。
J1昇格プレーオフ制度が導入された12年シーズン以降、19節を終えて二桁順位だったチームが自動昇格した例はなく、状況は厳しい。
同様にプレーオフ進出圏である6位の最終勝ち点を見ると、昨年は65(岡山)、15年は60(長崎)、14年は64(山形)。仮にプレーオフ進出を争う目安を65とすると、23試合で必要な勝ち点は39で、この辺りが現実的な目標と言えそうだ。それでも1試合平均で2に近い勝ち点が求められ、厳しい状況は変わらない。
19節を終えて勝ち点差は2-3位の間で5、17-18位と18-19位の間で4ずつ開いており、上・中・下位の色分けが見え始めている。
山雅を含む中位は勝ち点9差内に15チームがひしめく。特に3位の横浜FCから11位の大分までは3差内の大混戦だ。
ただ、その下につける山雅にとっては、ジャンプアップのチャンスでもある。下位を突き放すためにも、勝ち点で並ぶ岡山との次節は重要な一戦だ。
間もなく、山雅が例年強みを発揮してきた夏を迎える。諦めずに走り切ることで浮上のきっかけをつかみ、巻き返しを図りたい。
(長岩将弘)

J2第18節 水戸に0-1 今季象徴する失点

170613yamp山雅は過去8度の対戦で負けなし(6勝2分け)だった水戸に敗れ、15位に後退。7敗目を喫し、黒星の数はすでに昨季(24勝12分け6敗)を上回った。攻め込みながら得点できず、隙を突かれて失点-という、繰り返してきたパターンを脱せず「今季を象徴するような試合」(反町監督)。試合後の観客席は激励と怒声が相半ばした。
試合後、ここ11戦負けなしとなった水戸を「数年前のわれわれのような粘り強さ」と反町監督。相手の攻勢に耐え、少ない好機をものにする、山雅のお株を奪うような展開を見せつけた。
シュート数は山雅14、水戸8。CKは山雅9に対し水戸1と、好機の数で上回っていたのは明らかだ。「ベストを尽くした結果なので受け入れなければならないが、最後のキレ、スピード、精度は今季の大きな課題」と反町監督は絞り出した。
「無得点か失点か、悔やまれるのはどちらか」と問われた指揮官は「両方」と答え、失点の場面を「いま、われわれがかかっている病気」と表現。「スーパーなシュートを決められたのなら諦めもつくが、多くはなかったセットプレーをあっさり…」とうなだれた。
「くじけるのは簡単。勝てずに苦しいし申し訳ないが、ここでどれだけ頑張れるか」と力を込めたのは宮阪。「いつまでも『今日の負けが…』と繰り返していられない。課題の修正に取り組み、好転のきっかけを一つつくれれば」と自らを奮い立たせた。

J2は10、11日、第18節を各地で行った。13位の山雅は11日、10位の水戸ホーリーホックとアルウィンで対戦し、0-1で敗れた。
山雅は開始直後から激しいプレスでボールを奪っては高崎、工藤らがゴールに迫ったが得点できず。次第に押し返されたが、危ない場面はつくらせず前半を終えた。
失点はペナルティーエリア左前で与えたFKに頭で合わせられた。前線の選手を入れ替えて最後まで攻めたが、ゴールが遠かった。
次節は18日、正田醤油スタジアム群馬(前橋市)で21位ザスパクサツ群馬と対戦する。昨季の対戦成績は山雅の1勝1分け。

【選手コメント】
11番・三島(後半32分から出場。昨夏まで水戸に4年半在籍)点を取らなければいけない状況だった。内容は前半から良かったので、セットプレー一つでやられたのは悔しい。(古巣との対戦に)複雑な思いはあったが、ピッチに入ればゴールに向かうだけ。そこは割り切ってやった。
今季はあと一歩という場面が多く、自分を含めて最後を決め切れるかどうか。失点も、このチームなら防げるものばかり。厳しい状況だが、少しでも良い方向に持っていけるよう頑張るしかない。
21番・鈴木(前節負傷した村山に代わり第2節以来の先発)(失点したセットプレーの場面は)僕からもっと発信してやれば何か変わったのかなと思う。率直に言ってもったいなかった。失点ゼロで守れば負けない。前線の選手が1点取ってくれるのを信じて、やっていくしかない。
ポジティブに考えれば首位との勝ち点差はまだ11。でも、上位がもたついている間に、こちらが勝てないのはもったいない。
(取材班)

J2第17節 好内容も痛恨ドロー 東京Vと1-1

170606yamp前節(5月28日)は金沢に敵地で大勝し、6試合ぶりの白星。連勝を狙った山雅は前半から躍動し、後半立ち上がりに先制したが、終盤に追い付かれて勝ち点の上積みは1にとどまった。反町監督は「前半は今季で一番良かったが、それを90分間続けられないのが現状」と指摘。浮上への模索が続く。
「内容を考えると引き分けは悔しい」と試合後の反町監督。上位の敵将ロティーナ監督に「これまでのアウェーで最も難しい試合だった」と言わしめた内容だっただけに「勝ち点2を失った」印象は否めない。
「1点を守り切れたら僕たちらしいが、今季は守り切れない」と工藤。
「先制後はボールを受けに行かなくなったり、ロングボールで逃げたり。それならあの時間帯に点を取らないほうがいい」と言い切り、「あれだけ押し込まれたらいつかは点を取られる。取り返す力もない」と唇をかんだ。
「ハイプレスを90分間は続けられない。行く、行かないのめりはりや、ボールの奪いどころをはっきりできたら、後半ずっと引く展開にならなかった」と悔やむのは岩間。
「いい時間帯に先制したのに、その後の守備の意思統一ができずずるずる引いて、自分たちで苦しい展開をつくってしまった。選手がピッチ上でどれだけ対応できるか。昇格した一昨年はうまくできていた」
ただ、前半は昨季取り組んだ「つなぐサッカー」が戻って来つつあると感じさせた。岩間も「あの流れで得点できなかったのは課題」としつつ、「後方からのビルドアップも今季で一番よかった。主体的にボールを動かし、ゴールに迫れた」と振り返った。
次節もホーム戦。明るい兆しを結果につなげることができるか。

J2は3、4日、第17節を行った。12位の山雅は6位の東京ヴェルディとアルウィンで対戦し1-1で引き分けた。
山雅は前半、前線からの激しいプレスでパスをつなぐ相手の攻撃を封じ、後半2分、宮阪の左CKに安川が頭で合わせて先制。しかし、以降は選手交代などで活性化した相手の攻撃をまともに受けて守勢に。38分に左クロスに合わせられ、追い付かれた。
次節は11日、10位の水戸ホーリーホックとアルウィンで対戦する。昨季の対戦成績は山雅の1勝1分け。

バス車中の過ごし方は?

170601yamp敵地で試合するアウェー戦の移動に、山雅は大型バスをよく使う。相手によってはかなりの長時間を揺られて行くことになるが、選手たちは車内でどのように過ごしているのだろう。おおまかな座席の位置とともに聞いてみた。
毎回メンバーが異なるため座席は固定されてはいないが、だいたいの位置は決まっている。前方に監督やコーチ、スタッフが固まって座り、ベテラン選手たちは後方。若手は前寄りに座ることが多いようだ。
前日移動の車中は何人かで談笑したり、一人で音楽を聞いたりタブレット端末で動画配信サービスの映画、ドラマを見たりするなど、多くの選手がリラックスして過ごす。
「サッカーからちょっと離れる感じ」と話す工藤や飯田、武井、山本、鈴木らはゲーム機を持参し、通信プレーに興じることが多い。飯田は「バスの中ではあまり眠れない」と、たいてい起きて過ごすそうだ。
一方で「ひたすら寝ている」のは村山。乗り物酔いしやすい体質で、画面を見たり本を読んだりするのは避ける。窓を開けて景色を眺めたりもするが「ほぼ寝てるか食ってるかですね」。
三島も乗り物酔いしやすいというが「活字を追うのは厳しいが、映像は大丈夫」と映画を見ていることが多い。
同じく映画好きの石原も「思わずじわっときてしまうことがある。意外と作品に入り込める環境かも」。ただ、石原の席はブラジル人選手に囲まれることが多く、「楽しそうに何かしゃべってますが、輪に入っていけなくて…」と苦笑い。
岡も映画を見たり音楽を聞いたりすることが多い。「バス移動が好きなので苦にならない」と言う。
映画より「とりためたテレビ番組を見る」というのは宮阪。車内は空気がこもって暑く感じるため、少し薄着で過ごすなど「くつろいで過ごせる環境づくりを意識している」と話す。
映像派が多い中、「最近はミステリー小説を読んでいる」というのが橋内。徳島に在籍した昨夏、けがで精神的にも苦しかった時に「これまでしていなかったことをやってみよう」と、妻の助言もあって本を手に取った。
面白さにはまり、「山雅に来て読書量が増えた」とうれしそう。遠隔地だと片道で1冊読んでしまい、敵地で本を調達することもあるそうだ。
宿舎からスタジアムに向かう車中は、三島や宮阪、石原、村山ら好きな音楽を聞いて気持ちを盛り上げる選手が多い。宮阪は缶コーヒーを飲むのがルーティン。プロ入り間もない山形時代、チームメートの外国人選手をまねたところ、その試合がうまくいったため続けているそうだ。
(長岩将弘)