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【19節までを振り返り今後を展望】シーズン折り返し間近で12位・結果出せず苦闘

170622yamp得失点差で自動昇格を逃した昨季(3位)の悔しさを胸に、来季3年ぶりのJ1復帰を目指してJ2で戦う山雅。今季は折り返しに近い19節まで終えて7勝5分け7敗、勝ち点26で12位ともがいている。ここまでの戦いぶりを、昨季や年間2位でJ1自動昇格を果たした2014年シーズンと比較して振り返り、今後を展望する。
今季は主力を含む昨季のメンバーが多く残ったこともあり、昨季をベースにキャンプの早い段階でチーム構築を終え、各部分の精度を上げる作業に取り組んで開幕を迎えた。
序盤は3、4節と6、7節で2回連勝するなど、まずまずの成績で乗り切ったが、5月に入ってから勝ちなしが5戦(11~15節)続き、順位もじりじりと後退。
アルウィンで水戸に敗れた18節(11日)終了時点で、2節以降では今季最低の15位まで低下。ホームでは4月29日の10節・讃岐戦以降、2カ月近く白星から遠ざかっている。
ただ、内容的には決して悪くない試合を続けており、安藤や當間らけがで長く戦列を離れていた選手が戻ってきたのも好材料。試合内容や戦力を結果に結び付けられるかが、上位浮上の鍵を握る。

今季が過去のシーズンと比べて異なるのは、序盤を終えてもチーム状況が上向かない点だ。
大きなけが人もなく、例年になく順調にキャンプを終えて迎えた横浜FCとの開幕戦。当日は「キング・カズ」三浦の50歳の誕生日で注目を集めたが、緊張や焦りからか動きが硬く、0-1で2季連続の黒星スタート。
しかし、4節・千葉戦は3-1で快勝し、Jリーグ6季目で初めてホーム開幕戦を白星で飾った。
続く5節は名古屋に逆転負けして10位に下がったが、それ以外は一桁順位を維持して10節まで終了。この辺りまでの順位推移は最終3位だった昨季とあまり変わらない。
だが、過去のシーズンはこの辺りからチームに安定感が出てきたのに対し、今季は逆に成績を落としていく。
反町監督が「前半戦のヤマ場」と位置づけた10~12節、13~15節の過密日程(9日間で3試合)で思うように勝ち点を積み上げられず、特に11節からは5試合勝ちなし(2分け3敗)と低迷。
16節の金沢戦で大勝し、ようやく6試合ぶりの勝利を手にしたが、続く17節の東京V戦は先制しながら終盤に追い付かれて引き分け。18節の水戸戦も優位に試合を進めながら隙を突かれた失点で黒星と、同じパターンで勝ち切れない試合が続いた。
ただ、東京V戦の後、敵将ロティーナ監督が「これまでのアウェーで最も難しい試合だった」と振り返ったように、内容が低調なわけではない。
反町監督が水戸戦の後、「いま、われわれがかかっている病気」と苦り切ったように、安易な失点は課題だが、数字からはむしろ深刻な得点力不足が浮かび上がる。
19節終了時の総失点14はリーグ最少。3失点以上した試合はなく、2失点も3試合にとどまる。
一方で総得点24は水戸、徳島と並び上から6番目の中位。4得点が2度、3得点が1度と「固め取り」があり、僅差の試合をものにする決定力は、実際はもう少し低い。
2点以上取った6試合は全て勝っており、仮に敗れた7試合全てでもう1点ずつ取れていれば、6試合が引き分けに。勝ち点6が足されて32になれば現在の3位に並ぶ。
得点者は8点の高崎がトップで工藤と宮阪が3点ずつ、石原と岩間、飯田が2点ずつ。前線の選手を中心に奮起が求められる。

J2の直近3シーズンで、2位の最終勝ち点は昨年が84(清水)、15年は82(磐田)、14年は83(山雅)。単純な比較はしにくいが、自動昇格圏にたどり着くには80が目安になる。
山雅が勝ち点80に達するには、今後の23試合で54が必要。仮に昨季あった「16戦無敗」(9勝7分け)を再現して勝ち点34を得たとしても、残り7試合を全勝しなくては届かない数字だ。
J1昇格プレーオフ制度が導入された12年シーズン以降、19節を終えて二桁順位だったチームが自動昇格した例はなく、状況は厳しい。
同様にプレーオフ進出圏である6位の最終勝ち点を見ると、昨年は65(岡山)、15年は60(長崎)、14年は64(山形)。仮にプレーオフ進出を争う目安を65とすると、23試合で必要な勝ち点は39で、この辺りが現実的な目標と言えそうだ。それでも1試合平均で2に近い勝ち点が求められ、厳しい状況は変わらない。
19節を終えて勝ち点差は2-3位の間で5、17-18位と18-19位の間で4ずつ開いており、上・中・下位の色分けが見え始めている。
山雅を含む中位は勝ち点9差内に15チームがひしめく。特に3位の横浜FCから11位の大分までは3差内の大混戦だ。
ただ、その下につける山雅にとっては、ジャンプアップのチャンスでもある。下位を突き放すためにも、勝ち点で並ぶ岡山との次節は重要な一戦だ。
間もなく、山雅が例年強みを発揮してきた夏を迎える。諦めずに走り切ることで浮上のきっかけをつかみ、巻き返しを図りたい。
(長岩将弘)

J2第18節 水戸に0-1 今季象徴する失点

170613yamp山雅は過去8度の対戦で負けなし(6勝2分け)だった水戸に敗れ、15位に後退。7敗目を喫し、黒星の数はすでに昨季(24勝12分け6敗)を上回った。攻め込みながら得点できず、隙を突かれて失点-という、繰り返してきたパターンを脱せず「今季を象徴するような試合」(反町監督)。試合後の観客席は激励と怒声が相半ばした。
試合後、ここ11戦負けなしとなった水戸を「数年前のわれわれのような粘り強さ」と反町監督。相手の攻勢に耐え、少ない好機をものにする、山雅のお株を奪うような展開を見せつけた。
シュート数は山雅14、水戸8。CKは山雅9に対し水戸1と、好機の数で上回っていたのは明らかだ。「ベストを尽くした結果なので受け入れなければならないが、最後のキレ、スピード、精度は今季の大きな課題」と反町監督は絞り出した。
「無得点か失点か、悔やまれるのはどちらか」と問われた指揮官は「両方」と答え、失点の場面を「いま、われわれがかかっている病気」と表現。「スーパーなシュートを決められたのなら諦めもつくが、多くはなかったセットプレーをあっさり…」とうなだれた。
「くじけるのは簡単。勝てずに苦しいし申し訳ないが、ここでどれだけ頑張れるか」と力を込めたのは宮阪。「いつまでも『今日の負けが…』と繰り返していられない。課題の修正に取り組み、好転のきっかけを一つつくれれば」と自らを奮い立たせた。

J2は10、11日、第18節を各地で行った。13位の山雅は11日、10位の水戸ホーリーホックとアルウィンで対戦し、0-1で敗れた。
山雅は開始直後から激しいプレスでボールを奪っては高崎、工藤らがゴールに迫ったが得点できず。次第に押し返されたが、危ない場面はつくらせず前半を終えた。
失点はペナルティーエリア左前で与えたFKに頭で合わせられた。前線の選手を入れ替えて最後まで攻めたが、ゴールが遠かった。
次節は18日、正田醤油スタジアム群馬(前橋市)で21位ザスパクサツ群馬と対戦する。昨季の対戦成績は山雅の1勝1分け。

【選手コメント】
11番・三島(後半32分から出場。昨夏まで水戸に4年半在籍)点を取らなければいけない状況だった。内容は前半から良かったので、セットプレー一つでやられたのは悔しい。(古巣との対戦に)複雑な思いはあったが、ピッチに入ればゴールに向かうだけ。そこは割り切ってやった。
今季はあと一歩という場面が多く、自分を含めて最後を決め切れるかどうか。失点も、このチームなら防げるものばかり。厳しい状況だが、少しでも良い方向に持っていけるよう頑張るしかない。
21番・鈴木(前節負傷した村山に代わり第2節以来の先発)(失点したセットプレーの場面は)僕からもっと発信してやれば何か変わったのかなと思う。率直に言ってもったいなかった。失点ゼロで守れば負けない。前線の選手が1点取ってくれるのを信じて、やっていくしかない。
ポジティブに考えれば首位との勝ち点差はまだ11。でも、上位がもたついている間に、こちらが勝てないのはもったいない。
(取材班)

J2第17節 好内容も痛恨ドロー 東京Vと1-1

170606yamp
前節(5月28日)は金沢に敵地で大勝し、6試合ぶりの白星。連勝を狙った山雅は前半から躍動し、後半立ち上がりに先制したが、終盤に追い付かれて勝ち点の上積みは1にとどまった。反町監督は「前半は今季で一番良かったが、それを90分間続けられないのが現状」と指摘。浮上への模索が続く。
「内容を考えると引き分けは悔しい」と試合後の反町監督。上位の敵将ロティーナ監督に「これまでのアウェーで最も難しい試合だった」と言わしめた内容だっただけに「勝ち点2を失った」印象は否めない。
「1点を守り切れたら僕たちらしいが、今季は守り切れない」と工藤。
「先制後はボールを受けに行かなくなったり、ロングボールで逃げたり。それならあの時間帯に点を取らないほうがいい」と言い切り、「あれだけ押し込まれたらいつかは点を取られる。取り返す力もない」と唇をかんだ。
「ハイプレスを90分間は続けられない。行く、行かないのめりはりや、ボールの奪いどころをはっきりできたら、後半ずっと引く展開にならなかった」と悔やむのは岩間。
「いい時間帯に先制したのに、その後の守備の意思統一ができずずるずる引いて、自分たちで苦しい展開をつくってしまった。選手がピッチ上でどれだけ対応できるか。昇格した一昨年はうまくできていた」
ただ、前半は昨季取り組んだ「つなぐサッカー」が戻って来つつあると感じさせた。岩間も「あの流れで得点できなかったのは課題」としつつ、「後方からのビルドアップも今季で一番よかった。主体的にボールを動かし、ゴールに迫れた」と振り返った。
次節もホーム戦。明るい兆しを結果につなげることができるか。

J2は3、4日、第17節を行った。12位の山雅は6位の東京ヴェルディとアルウィンで対戦し1-1で引き分けた。
山雅は前半、前線からの激しいプレスでパスをつなぐ相手の攻撃を封じ、後半2分、宮阪の左CKに安川が頭で合わせて先制。しかし、以降は選手交代などで活性化した相手の攻撃をまともに受けて守勢に。38分に左クロスに合わせられ、追い付かれた。
次節は11日、10位の水戸ホーリーホックとアルウィンで対戦する。昨季の対戦成績は山雅の1勝1分け。
【選手コメント】
33番・安川(加入2季目で初得点)(頭でボールに)触った感じはあったが、まさか入るとは思わなかった。得点のうれしさより、チームが勝てなかったので悔しい。
6番・安藤(故障から10カ月ぶりに復帰し、後半24分から途中出場)
復帰はうれしいが、追い付かれてしまい残念。押し込まれた時間帯で難しい状況だったが、そこでもう一つパワーを出せるようにやっていかなければ。自分はここがスタート。試合と練習では感覚も違う。しっかり反省し、もっとコンディションを上げ、チームに貢献するのが目標。
15番・宮阪(先制につながったCKは)追い風でもあり、速いボールで少し触れば入る、あるいは直接入れば|くらいのつもりで蹴った。CKでのアシストはしばらくなかったので、今後も相手の対策を超えて増やしたい。前半は守備がしっかりはまり、攻撃もつないで崩せていた。ただ、前半のうちに点が取れていれば違った。
(取材班)

バス車中の過ごし方は?

170601yamp敵地で試合するアウェー戦の移動に、山雅は大型バスをよく使う。相手によってはかなりの長時間を揺られて行くことになるが、選手たちは車内でどのように過ごしているのだろう。おおまかな座席の位置とともに聞いてみた。
毎回メンバーが異なるため座席は固定されてはいないが、だいたいの位置は決まっている。前方に監督やコーチ、スタッフが固まって座り、ベテラン選手たちは後方。若手は前寄りに座ることが多いようだ。
前日移動の車中は何人かで談笑したり、一人で音楽を聞いたりタブレット端末で動画配信サービスの映画、ドラマを見たりするなど、多くの選手がリラックスして過ごす。
「サッカーからちょっと離れる感じ」と話す工藤や飯田、武井、山本、鈴木らはゲーム機を持参し、通信プレーに興じることが多い。飯田は「バスの中ではあまり眠れない」と、たいてい起きて過ごすそうだ。
一方で「ひたすら寝ている」のは村山。乗り物酔いしやすい体質で、画面を見たり本を読んだりするのは避ける。窓を開けて景色を眺めたりもするが「ほぼ寝てるか食ってるかですね」。
三島も乗り物酔いしやすいというが「活字を追うのは厳しいが、映像は大丈夫」と映画を見ていることが多い。
同じく映画好きの石原も「思わずじわっときてしまうことがある。意外と作品に入り込める環境かも」。ただ、石原の席はブラジル人選手に囲まれることが多く、「楽しそうに何かしゃべってますが、輪に入っていけなくて…」と苦笑い。
岡も映画を見たり音楽を聞いたりすることが多い。「バス移動が好きなので苦にならない」と言う。
映画より「とりためたテレビ番組を見る」というのは宮阪。車内は空気がこもって暑く感じるため、少し薄着で過ごすなど「くつろいで過ごせる環境づくりを意識している」と話す。
映像派が多い中、「最近はミステリー小説を読んでいる」というのが橋内。徳島に在籍した昨夏、けがで精神的にも苦しかった時に「これまでしていなかったことをやってみよう」と、妻の助言もあって本を手に取った。
面白さにはまり、「山雅に来て読書量が増えた」とうれしそう。遠隔地だと片道で1冊読んでしまい、敵地で本を調達することもあるそうだ。
宿舎からスタジアムに向かう車中は、三島や宮阪、石原、村山ら好きな音楽を聞いて気持ちを盛り上げる選手が多い。宮阪は缶コーヒーを飲むのがルーティン。プロ入り間もない山形時代、チームメートの外国人選手をまねたところ、その試合がうまくいったため続けているそうだ。
(長岩将弘)

第16節 6試合ぶりの白星 金沢に4-0で大勝

J2は5月27、28日に第16節を行った。14位の松本山雅FCは28日、19位ツエーゲン金沢と石川県西部緑地公園陸上競技場(金沢市)で対戦し、4-0で大勝した。山雅は6試合ぶりの白星。
前半は得点機の数など両者ほぼ互角の展開。試合が動いたのは後半なかば。山雅は工藤のパスを決めた石原の2試合連続ゴールで先制すると、続く4分間でさらに2得点。前節に続いて守備が崩壊した相手に終盤にもダメを押し、4得点は今季最多タイ。
山雅は順位を2つ上げて12位に。次節は4日に6位の東京ヴェルディとアルウィンで対戦する。午後1時開始。昨季の対戦は山雅の2勝。
(長岩将弘)

J2第15節 湘南に1―2 今季初の連敗

170523yamp

前節(17日)、敵地で山形に0―1で敗れ、中3日で強敵の湘南をホームに迎えた山雅は、今季初の連敗を喫し5戦勝ちなしで14位に後退した。1、2位がJ1に自動昇格する現行制度になった2012年以降、15節以降に2桁順位を記録したチームが自動昇格した例はない。「これが今の実力」と力なく繰り返す反町監督の表情に、浮上への光明は見えない。
「チーム力の上積みが、いろいろな意味で足りていないという言い方になるかもしれない」。躍動感や前への推進力が薄れていること、主力を脅かす若手の不在などを挙げながら、指揮官は現状をそう分析した。
「完全に崩されているわけではなく、『あれ、どうしちゃったんだろう』でやられている。そこをどう修正していくか」とし、「私やスタッフの考え方を集約して何かを変えなくては、このままシーズンが終わってしまう」と焦りも口にした。
「山形に負け、がむしゃらさやハードワークが足りないのを選手間で再確認した」と言う岩間は、「今日は久々に自分たちらしさを出せたが、結果がついてこない」。
飯田も「勝つためには今日の後半のようなハードワークや球際での争いを練習から追求し、チームとしてそういう姿勢を取り戻すことが大事」と訴えた。
首位との勝ち点差は11に広がり、逆に降格争いの20位とは9差に。「しっかり前を向き、選手たちとともに死にものぐるいで頑張る」。反町監督は自らを奮い立たせるように話した。

J2は21日、第15節を行い、10位の山雅は3位の湘南ベルマーレに1-2で敗れた。
山雅は前半から相手のスピードや球際の強さに押され、後半開始早々に先制を許した。6分後に安川の左スローインを受けた石原がペナルティーエリア手前からシュートを決めて追い付いたが、9分後、自陣右CKの流れから左クロスを頭で合わせられ、勝ち越された。
次節は28日、19位ツエーゲン金沢と石川県西部緑地公園陸上競技場(金沢市)で対戦する。午後7時開始。昨季の対戦成績は山雅の2勝。

【選手コメント】
20番・石原(今季初得点) 今日は前のほうで使ってもらったのでシュートと得点は意識していた。いい形でゴールでき、自分自身はプラスに捉えているが、チームは勝っていない。前線の選手が得点に絡むのは当然。ミスをつぶし、しっかり準備して次節を戦う。
33番・安川(先発で8試合ぶり出場) チームの役に立てればと思ったが負けて悔しい。前半、カウンターや早い切り替えで、もっと前に出ていければよかった。得点の場面は、とにかく早いリスタートを心掛けて投げた。狙ったというよりイシ(石原)がうまかった。
13番・後藤(J2通算200試合出場) 昨年の結果に慢心しているとは思わない。まだシーズン3分の1が終わったところ。チャレンジを恐れず、しつこく頑張っていけば道は開けるはず。
31番・橋内 2、3試合勝てなかった時点でみんな危機感を持ったはず。昇格を目指すなら、ここまでの状況になってはいけない。
今日はしっかり走れていたし、相手の長所の球際でも僕らが上回った部分がある。少しでも良いところを拾い、継続していかなくては。
(長岩将弘、大山博)

J2第13節 町田と1-1 10位に後退

170516yampリーグ戦ホームゲームの観客数が1万人を下回ったのは、3年前のJ2第32節以来49試合ぶり。これまで天候にかかわらずアルウィンに足を運んできたサポーターの目にも、今季のもたつきは物足りなく映るのだろう。この日も先制しながら追い付かれ、以降は攻めあぐねて引き分け。肩を落とす選手たちにスタンドから「前を向け!」と叱咤(しった)も飛んだ。
反町監督が「正直なところ、現在持ちうる力を出し切った。これが今の力と認識している」と言葉少なに振り返れば、田中も「同点にされたり、2点目が取れなかったりするのが現状」と認めた。
3試合未勝利で二けたの10位に後退。山雅を中心に勝ち点上下3差内に6~16位がひしめき、一つの勝敗で大きく変わる状況とはいえ、上位との差はじわじわと開いている。単純に比較できないが、昨季は13節を終えた時点で6位。以後、一度もプレーオフ進出圏外(7位以下)に下がらなかった。
指揮官は「われわれは強いと見られているかもしれないが、決してそうではない」とし、「(昨季よりも)周囲が力を付け、われわれがそのままであれば、相対的にこういう状況になる」。
一朝一夕で劇的にチーム力が向上するわけではないが、初先発でまずまずの存在感を示した岡など、チームに刺激を与える存在は好材料だ。
今節から再び、9日間で3試合を行う過密日程。1勝1分け1敗だった2週前を確実に上回りたい。「厳しいゲームが続くが、強気でやっていく」と指揮官は前を向いた。

J2は5月13日、第13節を行い、9位の山雅は12位の町田ゼルビアとアルウィンで対戦し、1-1で引き分けた。
山雅は大卒ルーキーの岡が初先発。ほぼ互角に攻め合い前半40分、石原の左クロスに中央の工藤が滑り込みながらダイレクトで合わせて先制。しかし後半7分、自陣左スローインの流れからペナルティーエリア手前でシュートされて同点に。
以降はセットプレーも交えて押し込んだが、勝ち越せなかった。
次節は17日。山雅はモンテディオ山形と山形県天童市のNDソフトスタジアム山形で対戦する。午後7時開始。昨季の対戦成績は山雅の2勝。

【選手コメント】
26番・岡(出場3戦目で初先発) 思い切ってプレーできたし、チームが大事にする守備の意識も出せたと思う。ただ、自分が出て勝てなかったのは悔しい。
もう少しボールタッチやスピードなどの点でうまくやれていれば、得点につながったはず。前への勢いや裏への抜けだしは自分の持ち味。今日の苦い経験を次に生かす。
10番・工藤(チーム3試合ぶりの得点) イシ(石原)のボールがよく、落ち着いてミートするだけだった。フリーで打てたのは岡やヒロ(高崎)が(相手選手を)引きつけてくれていたから。
勝ち切れない試合が続くが、出場機会に恵まれていない選手にはチャンスだろう。僕もいつも出られるとは思っていないし、出ている選手がもっと頑張るのは当然。競争から勝ち点3が生まれれば。
16番・村山(再三の好守や飛び出しでピンチを防ぐ) 2試合続けてぴりっとせず、サポーターにフラストレーションを与えてしまっている。失点は集中を欠いていたのでも隙があったのでもなく、シュートを止める技術が自分になかった。
(長岩将弘、田中信太郎)

警戒クロスで失点 福岡に0-1

170509yamp元日本代表や若い年代別代表ら実力と実績がある選手がそろう福岡に、早い時間帯で失った1点を巧みに守りきられ山雅は4試合ぶりの黒星。9日間で3試合を行った今季最初の過密日程は、前節(3日)は敵地で大分と0-0で引き分け、1勝1分け1敗の勝ち点4。終盤の昇格争いが昨季のような接戦になり、悔やまれる大型連休にならないとよいのだが…。

反町監督は守勢だった前半から一転、後半は好機をつくり足を止めず攻め続けた選手たちをねぎらいつつ、「やられてから目覚めるようでは駄目。ボールコントロールのミスもあり、自分たちでリズムを壊してしまった。後悔ばかりが残る」と歯がみした。
「相手が特別強かったとは思わない。こちらにミスや後ろ向きなプレーが続き、反省点が多い」と振り返ったのは村山。自身の好セーブも「それはこちらの状況が良くなかったということ。それに、ああいう決定機(失点の場面)を防がないと上位には行けない」と戒めた。
失点は警戒していたクロスボールから。後藤も「あの1点が試合を決めた。ぎりぎりでやられたのではなく、余裕を持って打たれた。問題は大きい」と危機感をあらわに。「気持ちを切り替えることは大切だが、今日はなぜ負けたのかを、しっかり受け止めなくては」
2試合連続の無得点も課題。工藤は「そもそもシュートがあまり打てていない」とし、「決まるかどうかより、それ以前のゴールに向かう段階の精度を上げなくては」。
次節から再び、水曜夜(17日)の山形でのアウェー戦を含む過密日程。「今季は10節ちょっとを終えて抜きんでたチームがなく、その中で勝ち点を積み重ねていくのは大変なこと。われわれも、ここぞというところで勝ち点3を取れていない」と指揮官。「幸い、けが人も出場停止もいない。またここから奮起し、ファイティングポーズをとっていく」と前を向いた。

J2は7日、第12節を行い、7位の山雅は9位のアビスパ福岡とアルウィンで対戦し0-1で敗れた。
山雅は前半、ほぼ一方的にボールを保持され、失点は自陣右深くで福岡の亀川にこぼれ球を拾われ、クロスを中央に走り込んだウェリントンに合わせられた。
相手の出足が緩んだ後半は押し返し、カウンターやセットプレーで何度も好機をつくったが、ゴール前を固められて得点できなかった。山雅は5勝3分け4敗の勝ち点18。順位を9位に落とした。
次節は13日。アルウィンで町田ゼルビアと対戦する。町田は4勝4分け4敗で山雅と勝ち点2差の12位。昨季の対戦成績は1勝1敗。

【選手コメント】
17番・ジエゴ(後半途中から初出場) 大きな経験になった。いつもスタンドから見ていて、アルウィンでプレーできる仲間がうらやましかった。ピッチ上で(応援の)熱を感じることができ、うれしい。
リードされている状況だったので、相手を上回る走力、激しいマークなどを心掛け、流れを変えるプレーをしようと思った。ロングスローは自分の武器。今日は相手の守備を打ち破れなかったが、どんどん投げたい。
5番・岩間 後半にスペースが空くことは分かっていて、狙い通りに攻めることができたが、流れの中から決められないのが現状。改善しないと厳しいシーズンになる。
昨季は流れの中から得点できた。後方からのビルドアップは昨季よりしっかりできている。誰でもいいので流れの中から得点したいし、前の選手が取れればチームに勢いが出るはず。
(取材班)

J2第10節 今季最多得点で大勝 内容に課題も

170502yamp

「前半戦のヤマ場」と反町監督が語った8、9節のアウェー連戦は1分け1敗で、3試合ぶりのホーム戦の相手も前2戦と同じ下位チーム。山雅はこれ以上の取りこぼしが許されない状況で、今季最多の4得点で大勝。2人が退場した相手の自滅でもあったが、9日間で3戦する過密日程の初戦を制し弾みをつけた。
「11人対11人だったら、どちらに転んでもおかしくなかった」。大勝にも反町監督は表情を緩めず試合を振り返った。
2点目を挙げたPKが試合を決める「ターニングポイント」だったとし、「得点機を決め切り、それ(ターニングポイント)を前半のうちに自分たちでつくらなければ」と注文。「相手の精度不足に助けられた。決してわれわれが強かったわけではない」
3点リード後に投入した選手たちも、志知に消極的なプレーが目立つなどレギュラーを脅かす動きに乏しく、指揮官は「交代には理由がある。それを証明してほしかった」とおかんむりだった。
それでも、思うように勝ち点を積み上げられなかった前2節を仕切り直せたのは大きい。
「一度の好機で決められればいいが、そうはいかない。チャンスを多くつくったのは良かったし、もっと増やすことが大切」と橋内。田中は「昇格を狙うチームが3試合続けて勝ち点3を取れないことはあり得ない。プレッシャーはあったが、それに打ち勝つのが俺たち」とうなずいた。
10節までを終え、6位の山雅を含む1~7位が勝ち点3差にひしめく。5月は13~21日にも過密日程があり、シーズンを左右する重要な時期になりそうだ。
田中は「得意な夏場にトップに立つ。そのために、この3連戦で勝ち点9を」と力を込めた。

J2は4月29日に第10節を行い、8位の山雅は20位カマタマーレ讃岐とアルウィンで対戦。4-0で快勝した。
山雅は前半、宮阪の右FKを高崎が右足ボレーで決めて先制。後半はセルジーニョのシュートが讃岐DF李栄直のハンドを誘い、李は2度目の警告で退場。PKを高崎が決めた。さらに讃岐DFエブソンも石原を倒して警告2度で退場。宮阪のFKのこぼれ球を後藤が右足先で押し込み、終了直前には岩間がダメ押しした。
次節は3日。山雅は昨季J3優勝で昇格した大分トリニータと大分市の大分銀行ドームで対戦する。大分は現在、山雅と勝ち点1差の9位。

【戦い終えて・選手コメント】
9番・高崎 前2節も内容は悪くなかったが、決定機を外し続けた。今日は決めるべきところを決められた。もっと点を取れたとは思うが、無失点で抑えたのは大きい。
相手が9人になってから点が欲しくて前掛かりになり、中盤でボールを受けにくくなったのが課題。
4番・飯田 (前2節の反省から)コンパクトにプレーしようという狙いを研究され、裏に走り込まれた。それでもラインを高く保ったので、結果として高い位置でボールを奪ってカウンターに転じ、相手のファウルを誘えた。
昨季のようなもったいない失点が今季は少ない。相手のスーパーシュートが入ったり、オウンゴールがあったりはするが、守備は昨季よりできている。
13番・後藤(今季初得点) イイさん(飯田)とヒロさん(高崎)がつぶれてくれたところを自分が押し込み、役割を果たせた。すぐに大分戦がある。アウェーで良い結果が出ていないので全力で勝ちにいく。
5番・岩間(今季初得点) 3点リードの終盤も無失点で終えるよう心掛けた。ミシ(三島)からいいパスが来て、ファーストタッチでイメージ通り打てた。その前にシュートを外していたので決められてよかった。
(長岩将弘、田中信太郎)

激闘を彩る曲たち~スタジアムBGMやチャント~

170427yamp大観衆の声援に加え、アルウィンでの選手たちの激闘を彩るのが、さまざまな音楽だ。試合の前後に流れるBGMや、サポーターが歌うチャント(応援歌)はどのように選ばれているのか。関係者に聞いた。
アルウィンで流れるBGMを選ぶのは、クラブ運営会社の上條友也副社長(60)、演出担当で広告会社アドソニック松本支社の三村敦さん(37)、ディレクターで映像制作などのワーナックス(松本市大手4)代表・大野善裕さん(41)。毎試合かかる“定番”を時系列で紹介してもらおう。
先行・一般入場開始時はJ’S THEME。Jリーグ開始時(1993年)からある曲だが、近年はスタジアムで耳にする機会は少ないという。山雅では「やっとたどり着いた舞台への思いを込めて」(大野さん)、J2入りした2012年から使っている。
同じくJリーグを象徴する曲THE GLORY/Jリーグ・アンセムは、審判団やボールパーソン、担架隊などの紹介時に。「試合を支える人たちに敬意を」(三村さん)との思いという。
対戦相手の選手紹介はアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」からDECISIVE BATTLE。作中で人類の敵とされる「使徒」の襲来時に使われ、同作の舞台の「第2新東京市」が松本市という設定にもちなんだ。“人類の敵”になぞらえられた相手サポーターの反響が大きいそうだ。
山雅の選手紹介の前に観客の手拍子に合わせて流れるのは、ジョー・サトリアーニのCrowd Chant。テレビ東京系「カンブリア宮殿」オープニングテーマ曲としても使われている。
今季、選手紹介の映像に使われているのはBLUESTAHLIのSecret AgentBusiness。映像の雰囲気も曲から決めたといい、「ハードボイルド、スリリングといったキーワードが思い浮かび、『ルパン三世』のようなテイストをイメージした」(大野さん)。
選手紹介の映像はサポーターが注目するため、使えそうな曲を1年かけてストックし、じっくり選ぶという。
ハーフタイム終了時はThe Pretty  RecklessのHeaven Knows。冒頭に「ジリリリリ…」と非常ベルのような効果音が入り「後半開始の合図としても定着したのでは」(大野さん)。
勝利時はMVP表彰の後にザ・ハイロウズの日曜日よりの使者。地域リーグ時代からサポーターがチームチャントとして歌い継ぐ曲でもあり、最も長く使われている。最後は観客を見送るように、チャントの原曲をいくつか流す。
三村さんは「メインはお客さんによる応援で、全ての音楽演出はその気持ちや雰囲気を盛り上げるのが目的」とし、チャントやコールの邪魔にならないよう、オン・オフや音量は臨機応変に変える。
上條副社長は「音楽による演出は、アルウィンの“らしさ”の一つで、観戦のリズムも生む。さらに魅力的な演出を目指して努力する」と話す。
チャントを選ぶのはサポーター組織「ウルトラスマツモト」。選手1人ずつのチャントは以前は中心メンバーが考えていたが、5、6年前からウェブサイトで公募するように。一選手に50点ほどが寄せられることもあるという。
各部署のリーダーら選考委員がある程度絞り込み、最終的には中心メンバーの会議で実際に歌って決める。責任部署「リズム隊」のリーダー古池智さん(45)は「いいものがいくつあっても採用するのは一つ。プレッシャーを感じる」と言う。
基準は歌いやすさや覚えやすさ、応援が盛り上がるかに加え、独自性も重視。「応援を始めた時から曲も『山雅らしさ』にこだわってきた」と疋田幸也代表(41)。
応募は原曲がある「替え歌」の割合が高いが、近年は完成度が高いオリジナル曲も増え、採用もされている。今季の所属選手ではパウリーニョや橋内、呂成海、鈴木らがオリジナル曲だ。
古池さんは「多彩な曲を一緒に歌ってもらっている。責任感を持って選びたい」。疋田代表は「チームチャントも新しいものを加え、チャレンジしていきたい」と話す。
(長岩将弘)