カテゴリー別アーカイブ: がんばれ!山雅

今季振り返り3選手に聞く

171130yamp来季3年ぶりのJ1復帰を目指したが、今季8位に終わり目標に届かなかった山雅。自動昇格(1、2位)争いに絡めず、昇格プレーオフ(PO、3~6位)進出をうかがう位置につけたのもシーズン終盤。19勝9分け14敗、積み上げた勝ち点66は7位に終わった2013年と同じで、順位はJ2入りした12年の12位に次いで低い。厳しい現実を突きつけられた今季を振り返る。

不安定だった戦いぶりは、順位の推移を見ても明らかだ。序盤こそ昨季とさほど変わらなかったが、12節以降1度もPO圏外に落ちなかった昨季と違い、最後まで安定軌道に乗れなかった。
過去に強さを発揮してきた夏場も中位での戦いが続き、28節から6試合無敗(5勝1分け)でようやくPO圏内に食い込んだ。が、34節・山口戦は試合終了間際の10分足らずで3失点し、衝撃的な逆転負け。今季最長の無敗が止まると、以降も大事なところで勝ち切れず、PO進出の当落線上をさまよった。
アルウィンでの最終節は、勝てば自力でPO進出が決まる状況だったにもかかわらず、J入り以降の対戦で一度も負けていなかった京都に0-1。勝負弱さは最後まで修正できなかった。

アルウィンでの今季終幕から1週間余り。ピッチで唇をかんだ選手たちは今季をどう受け止め、来季に向けて何を思うのか。シーズンを通して主力として奮闘した3選手に聞いた。

【20番・石原崇兆】
個人的にはキャリアハイ(リーグ出場37試合・7得点)の数字を残し、プラスに捉えている。が、チームのことを考えると、もっと点を取らないといけなかった。前線で使ってもらっているので結果で応えたかったが、出場数に比べて得点が少ない。
チームとしてはすごく残念なシーズン。調子に波があり、良い時期と悪い時期を繰り返した。勝てない試合が続いたり、ホーム戦での白星が少なかったり。象徴的だったのがアルウィンでの山口戦の逆転負け。あそこから徐々に崩れていった感じだ。
昨季は、守備が好調な時は攻められても零封して終われる試合が多く、勝ちパターンができていた。今季はリードしていても残りの5~10分で追い付かれたり、逆転されたりが多かった。技術的な部分はすぐには直らないが、気の緩みとか精神的なところは改善できたはず。
今季はヒロ(高崎)さんだったり(工藤)浩平さんだったり、先輩に引っ張ってもらった部分が多い。来季はもっと若手が頑張らないと。個人的には2桁得点を目指す。

【3番・田中隼磨】
結果が出せず、非常に残念なシーズンだった。自分が生まれ育った街でもあり、常に後押ししてくれてるファン・サポーターに対しては感謝しかない。
ただ、僕がこのクラブに来た年こそJ1昇格という結果を出せたが、その後は応えられていない。自分自身まだまだと感じている。
来季もこれまでと変わらず、前シーズンの悔しさや課題を克服し、少しでもバージョンアップできるようにやり続けていくだけ。

【10番・工藤浩平】
悔しくて申し訳ない気持ちでいっぱい。昨季も最後は悔しい幕切れだったが、今季は1年を通して消化不良というか、ずっと悔しい思いがあった。
自分の年(33歳)は意識していないが、監督が言う通り試合に出ている選手の年齢層が高く、若手がいなかったのは確か。
相手に研究・対策され、押さえるべきところを押さえられ、それを上回る力が出せなかった。セットプレーでの得点が減り、逆に(セットプレーで)やられる場面も増えた。シーズン中に修正できない点が積み重なり、勝ち切れる試合が少なかった。
個人的には昨季の11点に続き、今季8点というゴール数は前向きに捉えている。点を取るタイプではないが、得意でない分野でも伸びていると思う。
反町監督は来季を「ゼロからのスタート」と言ったと聞く。チームの若返りとともに結果も厳しく求められるはず。来季のことは分からないが、このチームにいられるのであれば、そこに貢献しつつ楽しくプレーしたい。
(長岩将弘、大山博)

「ゼロからのスタート」反町監督一問一答

来季、7季目の指揮を執ることが決まった反町康治監督(53)。「ゼロからのスタート」と出直しを強調し、新たなチームづくりに挑む。現状の課題や来季への意気込みを聞いたシーズン終了後の取材を基に、一問一答の形式にまとめた。

-続投にあたり、今後の方針などを巡りクラブと話し合った。
急に出てきた話ではなく、シーズン中から提議してきたこと。現状で足りない点や、クラブがさらに成長していくには何が必要かを、しっかり話ができたことには感謝している。少しずつだが方向性も明確になってきた。整った環境の中で、自分や選手の力を最大限に出していきたい。
-既存の選手の高齢化や不十分な戦力補強を苦戦の要因に挙げ、特に強化のあり方を課題とした。
クラブの考え方もあるし、私にも非があり、誰が悪いという問題ではない。ただ、クラブ内でのコミュニケーションも含め、どういうものを築き上げていくかが、不透明になってしまった。
いろいろな意味で限界はあるだろうが、その透明性を増していくということ。例えばわれわれがJ1に挑んだシーズン(2015年)などは、そこはしっかりできていた印象がある。
他クラブがどんな点に力を入れてやっているのかは分かっているつもり。われわれは力点の置き方が明確ではなかった。山雅はスモール(小規模)クラブからミドル(中規模)クラブになりつつある。対応するための手助けを含め、いろいろな意味で「リスタート」させていければと考えている。
新しいことに取り組むには大きなエネルギーが必要。いったん膝を屈しなければならないかもしれないが、そうしなければ昇格争いどころではなくなる。他クラブはどこも必死で努力しており、限られた資金や人員の中で、どれだけ競争力を上げていかれるかだ。
-強化を担うチーム統括本部に編成部が新設され、11~15年にトップチームのコーチを務めた柴田峡さんが部長に就く。
(柴田さんとは)かつて一緒に現場で仕事をした仲だが、今度は立場が違う。互いに「ノー」と言わなければならない場面が増えるだろう。役割の詳細はこれから詰めるが、選手獲得を中心にチーム編成に徹してもらうことになる。彼はそうした仕事は未経験のはずだが、情報の仕入れ方なども含め、これまでと違う目線でやってもらうことは大事だ。
-自身も編成に関わるのか。
積極的に望んだわけではないが、選手獲得のために監督もあちこち出向くのは当然。プレーが見られる機会には、できる限り足を運ぶ。
今季はスタート時点で30歳前後の選手が多く、それで1シーズン戦うことの不安は、多くの人が感じていたはず。奏功するかどうかは分からないが、そこを変えていかないと、同じことの繰り返しになる。
ただ、若くて質の高い選手は、そう簡単に得られるものではない。もちろん経験値が高い選手も必要だし、全てを一気に変えられるわけでもない。
外から獲得するだけでなく、自分たちで選手を育てていくことも必要。私が育成にどう関わるかはまだ分からないが、現状では週の始めのスタッフミーティングには、育成組織の指導者にも必ず加わってもらっている。
現場を預かる立場としては、目前の試合の勝利と最終的な目標に向かっていくしかない。(昇格POの1位とJ1の16位との入れ替え戦導入で)来年はそれがもっと難しくなる。チームづくりと結果を求めることの両立は、いばらの道であることは間違いない。
-新たなチームづくりを模索する中、プレースタイルの変化は。
今後ゆっくり考えるが、走れないチームが強いはずはなく、走力は生かさなくては。ただ、走力だけをピックアップするのでなく、躍動感や切り替えの速さなども現代サッカーにおいては必須。見失ってはならない部分だ。

反町監督7季目へ

171128yamp

サッカーJ2松本山雅FCの反町康治監督(53)が、就任7年目の来季もチームの指揮を執ることが決まった。初年の12位に次いで低い8位に終わった今季を踏まえ、「心機一転、ゼロからのスタート」と再出発の姿勢を強調している。
24日にクラブ運営会社が発表した。取材に応じた反町監督は「期待に応えることができず、どうするのが最もよいか考えてきた。皆さんの反応や会社の熱意なども鑑み、クラブの将来にまだ貢献できると思い決断した」と続投の理由を説明。
「この成績にもかかわらず、感謝の言葉や『続けてほしい』という声が聞けるのは、他のクラブではないこと」とし、「山雅は『わが町のクラブ』という感じで成長してきた。その成長の手助けをもう少しできれば」と地域への思いもにじませた。

J2最終節 課題修正できず京都に敗れ今季8位

171121yamp

J1再昇格には届かず-。サッカーJ2は11月19日、今季の最終42節を行った。7位の松本山雅FCは12位の京都サンガFCと松本市のアルウィンで対戦し、0-1で敗れた。山雅は最終8位で、3~6位がJ1昇格を争うプレーオフ(PO)に進めず、3季ぶりの再昇格を目指したシーズンが終わった。
勝てば昇格POに進出できる一戦で山雅は前半20分、自陣ゴール前の混戦から失点。その後は何度かチャンスをつくったが、得点できなかった。
寒風が吹き付けるアルウィンには今季最多の1万5872人が来場。熱い声援を送り続け、試合後にピッチを1周する選手たちに「来年こそ頼むぞ」と激励の言葉が飛んだ。
会社役員の荒木信明さん(57、同市大手)は「絶対にJ1に上がると信じていた」と悔しさをにじませ、「メンタル面の改善や選手の若返りを図り、来季こそ」と期待した。
6年目の指揮を執った反町康治監督(53)の去就は未定。団体職員の木舩由莉さん(28、同市梓川)は「来季もソリさんとJ1を目指したい」と続投を願っていた。

Jリーグ参入以降、過去9回対戦して一度も負けたことがない京都に敗れ、山雅はJ1昇格プレーオフ(PO)進出を逃した。試合後、反町監督が「今季を象徴するような部分があった」とした通り、隙を突かれて失点し、何度もあった好機を決め切れず、ここ一番での勝負弱さを露呈。シーズン中に繰り返した課題を修正できないまま、J2初年(2012年)の12位に次いで低い8位で今季を終えた。
「現場を預かる人間として力不足と責任を強く感じる。シーズン初めから調子が上向かないのを何とか修正してやってきたが、成績が伴わなかった」。試合後、反町監督はそう絞り出した。
勝負弱さの要因を問われた指揮官はその一つとして、新戦力の上積みが乏しかったことを挙げ、「他クラブは資金繰りなども含め、必死の努力を続けている。新戦力が“化学変化”をもたらす部分もあり、われわれはそういった刺激に欠け、他チームに圧倒された」と振り返った。
実際にこの試合の先発を見ても、今季の新加入は橋内だけ。戦術への適応やけがに苦しみフル稼働できなかったセルジーニョ、決定力を期待されて夏に獲得したものの無得点に終わった鈴木武ら、試合に絡んだ選手も力になり切らなかった。
指揮官は「どう努力すべきだったのか、自分の反省点でもある。起用法を変えるなどやり繰りしてきたが、適切だったかと言われれば、そうではない」と選手事情の苦しさを吐露した。
チーム最古参の飯田は「どう振り返っても、今年の山雅だったという試合。修正し切れなかったのはふがいない」とし、「地域やサポーターの熱を含め、山雅はJ1にいなければいけないクラブ。来季も力になれるのであれば、そのために何が足りないかをしっかり伝えていきたい」と力を込めた。

山雅はこの試合、序盤こそ攻勢に出たが好機を逃し続け、徐々に押し返されて一進一退の展開に。失点はセンターサークル手前で与えた相手FKからゴール前で混戦になり、中途半端なクリアを拾われシュートされた。
後半は再び主導権を握り、石原とセルジーニョ、鈴木武の攻撃的な選手を送り込んで攻め立て、終盤は飯田も前線に上がって力押ししたが、ゴールが遠かった。
この日、東京Vに敗れた徳島が7位に落ちてPO進出を逃し、7連勝で勝ち点68とした千葉が6位に入った。PO準決勝は26日、福岡-東京V、名古屋-千葉の組み合わせで行う。
【選手コメント】
9番・高崎 ボールを保持して動かすことはできたが、ゴールできなかった。チャンスをものにできなかった自分が歯がゆく、悔しい。昨季に比べて失点が多く、大事なところで点が取れなかった。力が足りない。
3番・田中 気持ちを一つに勝つだけと臨んだが結果が出せず、非常にふがいなく申し訳ない気持ちでいっぱい。今季だけが大変だったわけではないが、大事な試合に限って勝ち切れなかった。
31番・橋内 ピンチは少なく、チャンスもあっただけに失点がもったいなかった。サポーターに支えてもらっている気持ちを忘れず、来季こそ昇格を決めたい。
21番・鈴木智 (失点について)左側から見ればニアに来たシュートを止められたと思うが、くせで右から見てしまい、ボールの行方や人が見えず、打たれた時にはどうしようもなかった。勝ち切れない試合が多かったのに加え、連勝やホームでの勝利は少なく、ふがいないシーズンだった。
24番・那須川 失点して難しい展開になった。勝つチャンスもあったので悔しさしかない。いつも通りの気持ちで試合に入り、やるべきこともできて感覚的には良かった。今のチームにはビハインドをはね返す力がない。もっと勢いを出し、負けを引き分けに、引き分けを勝ちにしなくてはJ1には届かない。
8番・セルジーニョ 結果が全て。J1を逃して非常に残念だが、来季に向けて顔を上げていくしかない。
50番・鈴木武 好機もあっただけに、悔やんでも悔やみきれない。これを忘れず、来季につなげることが大切だ。
(長岩将弘、大山博)

プレーオフ進出かけ19日ホームで運命の最終節

171116yamp全42節のJ2は残り1節。41節で引き分けた山雅は、5位からJ1昇格プレーオフ(PO)進出圏(3~6位)外の7位に後退したが、最終節の対戦の組み合わせにより、アルウィンでの京都との一戦に勝てば、自力でPO進出を決められる状況だ。最終節は19日午後4時、全11試合が一斉にキックオフされる。
J2上位はこれまでに、来季J1に自動昇格する1位が湘南、2位は長崎に決まった。最後の昇格1枠を争うプレーオフ進出チームは、3、4位は福岡か名古屋で最終節に順位が確定。激烈なのは5、6位争いで、山雅を含む4チームに可能性がある。
山雅は最終節で京都に勝って勝ち点69とすれば、最終6位以上が決まる。最終節で直接対戦する5位徳島と6位東京Vが引き分ければ、両者の勝ち点は68で山雅が最終5位。勝敗が付けばどちらかが70に達し、山雅は同6位に。
引き分けて勝ち点67にとどまった場合、得失点差で山雅に及ばない東京Vが敗れ(または徳島が11点差以上で敗れ)、かつ8位千葉に勝ち点で上回られなければ、最終6位が確保できる。
京都に敗れると、千葉と9位横浜FCの対戦で千葉が勝てば山雅は最終8位、横浜FCが勝てば山雅と勝ち点で並び得失点差の争い、両者が引き分ければ同7位で、いずれもPO進出を逃す。

最終節で対戦する京都は今季、一度も一桁順位になっておらず低迷したが、直近は41節で東京Vに敗れるまで9試合負けなし(4勝5分け)と上昇気配で現在12位。足の不調で38節以降ベンチを外れていた攻守の要・田中マルクス闘莉王も、41節で復帰し途中出場した。
今季一巡目のアウェーでの対戦(9節・4月22日)は後半、闘莉王に先制されたが、飯田のゴールで追い付き1-1で引き分けた。Jでの対戦の通算は4勝5分けと山雅は一度も負けておらず、分のいい相手だ。
徳島と東京Vは、ともに直近5試合を3勝1分け1敗と好調。今季開幕戦では徳島が1-0で勝ったが、ほぼ1シーズンを経ての再戦はどうか。
千葉は9節で横浜FCに0-4で完敗しているが、現在は6連勝中。41節は名古屋を3-0で圧倒した。すでにPO進出の可能性がない相手を勢いで上回りそうだ。
反町監督は12日の取材で、シーズンをマラソンにたとえ「競技場に入ってきて、ゴールが見えたところでリタイア(するチーム)が多くなってきた。残り(トラック1周分の)400メートルをどう走り切るか」と、最終節に向けた1週間をにらんだ。

J1昇格プレーオフ(PO)は、J2年間3~6位の4チームによるトーナメント。準決勝(3位対6位、4位対5位)は26日、決勝は12月3日に、いずれもリーグ上位のホーム試合で開催する。準決勝、決勝とも90分間で決着がつかなかった場合は、リーグ上位を勝者とする。
来季はJ1とJ2の入れ替え戦が10年ぶりに復活することが決定。J2上位2チームの自動昇格は変わらないが、PO優勝チームはさらにJ1年間16位に勝たないと昇格できなくなる。詳細は未定だが、PO経由での昇格が難しくなるのは間違いなく、山雅は今季のチャンスを逃したくないところだ。
POに進出した場合、準決勝の相手が福岡だとホームのレベルファイブスタジアム(福岡市)が改修工事のため、熊本市のえがお健康スタジアムで対戦する。午後1時開始。相手が名古屋だとパロマ瑞穂スタジアム(名古屋市)で午後4時開始。
(長岩将弘)

J2第41節 福岡と敵地でドロー

J2第41節は11、12日に各地で行い、5位の山雅は11日、4位福岡と敵地で対戦し、1-1で引き分けた。
山雅は前半、多くのセットプレーも得て攻撃の形をつくったが、相手の堅守に阻まれ続けると逆に42分、自陣右からのクロスを中央で合わせられて失点。
後半は押し込まれる時間が続いたが39分、途中出場のセルジーニョがかかとで後方にパスを出し、これを受けたパウリーニョがミドルシュートを決めて追い付いた。
(長岩将弘)

「楽しさ」を成長に U-15今季の戦い 増本監督に聞く

171109yamp昨季県リーグを制し、今季初めて北信越リーグ2部で戦ったU-15(15歳以下、中学年代)チーム。8チーム中6位に終わったが各県リーグ上位との入れ替え戦(3日)に勝ち、来季の残留を決めた。今季コーチとして加入し、夏から監督としてチームを指揮する増本浩平さん(35)に、今季の収穫や課題、育成の手応えなどを聞いた。
-今季の結果について。収穫や課題は。
(北信越2部の)チーム間の力の差はそれほどなく、もう少し上位に行きたかった。ただ、おとなしく打たれ弱い印象があったシーズン前と比べ、厳しいリーグ戦を通じて選手たちは心身両面でタフになった。
技術的にはまだ全く足りない。ボールを止める、蹴る、運ぶといった基礎的な技術は、試合中のどんな場面でどう使うかということとリンクさせ、もっと質を高めなくては。
-U-15を1シーズン担当した手応えは。
意識づけを含めて特に気持ちの面で、高校年代よりきめ細かい指導が必要と感じる。心身両面が大きく変化する年頃にセレクションで入ってきて「Jの下部組織」として結果が求められ、さらにレギュラー争いやユース(U-18)昇格というふるいにかけられる。
「楽しい」だけではない部分とも向き合わさせなければならないが、サッカーが嫌いになっては元も子もない。その兼ね合いが難しい。1人1人と密にコミュニケーションを取るよう心掛けている。
-クラブは育成組織からのいち早いプロの輩出を目指している。
「楽しさ」は成長の源泉。例えば選手は「このタイミングに、この角度で、こういうパスを決められたら」というように、楽しみの質を上げてほしい。「サッカーは遊び」と言われればそれまでだが、必死に取り組むことで将来、遊びでなくなる可能性がある。
「光るものはあるが(トップチームで)最大限に生かせるか」と迷う選手は、トップに上げないこともあり得る。近年は大学で成長し、育成年代を過ごしたクラブに戻ってプロ入りする選手も増えた。将来を見据えた指導をすることが育成だと思う。
-来季の目標は。
より厳しい環境に身を置くために1部昇格を目指す。2部はチームが入れ替わり、来季は顔ぶれががらりと変わる。どういう戦いになるかまだ見通せないが、それよりも自分たちのプレーとどう向き合うかが大事だ。

【ますもと・こうへい】1982年、神奈川県生まれ。湘南ユース、東京農大を経てJFL時代の鳥取でプレー。引退後はJFLの横河武蔵野FC(現・東京武蔵野シティFC)で2009、10年に中学年代を指導し、11~16年はU-18監督。今年7月、JFLブリオベッカ浦安監督に就任した柴田峡ユースアドバイザーの後任としてU-15監督に。JFA公認A級ジェネラルライセンス所持。
(長岩将弘)

5位以下が確定 J2第40節讃岐と引き分け

J2は5日、40節を行った。5位の山雅は19位カマタマーレ讃岐と敵地で対戦し、PKで先制したものの10分後に追い付かれ、1-1で引き分けた。
山雅の順位は変わらないが、ともに勝った3位名古屋、4位福岡との勝ち点差が7に広がり、残り2試合では逆転できず、年間5位以下が確定した。J1自動昇格の可能性はなくなり、5、6位で昇格プレーオフに進んだ場合、初戦は敵地開催で引き分けは敗退となる。
プレーオフ圏内残り2枠を、5位山雅から10位大分までの6チームが争い、このうち山雅を含む5チームが勝ち点3差内にひしめく混戦。
次節は11、12日。山雅は11日、4位アビスパ福岡と福岡市のレベルファイブスタジアムで対戦する。午後2時開始。今季は12節(5月7日)にアルウィンで対戦し、0―1で敗れている。

J2第39節 雨の激闘 岐阜に逆転勝利

171031yamp2連敗でJ1昇格プレーオフ(PO)圏外の7位に転落し、負ければ自動昇格(2位)の可能性が消えてPO進出争いからも大きく後退する正念場。山雅はFKからの2得点で31節・徳島戦(9月2日)以来今季3度目の逆転勝ちで踏ん張った。強い雨にも見舞われた厳しい試合を勝ち切り、勝ち点で並んだ東京Vを得失点差で上回り5位に浮上した。
反町監督は試合後、「パス数もボール保持率もリーグ首位の相手とどう戦うか。1週間やってきた成果がわずかだが出せた」と振り返り、「選手もユニホームを汚し、泥臭かったかもしれないが、非常に大きな勝利。これを続けていかなければいけない」と話した。
橋内は「自力でPO進出を勝ち取れる位置につけたのは大きい」とうなずき、決勝点のパウリーニョも「残り試合が少ない中で貴重な勝利。逆転できたのも自信につながるし、自動昇格もあきらめていない。修正点も多いが、残りも山雅らしい試合を続けていくだけ」と意気を上げた。
ただ、2節ぶりの5位も安泰ではない。6位東京Vと勝ち点で並び、勝ち点3差の7位徳島は得失点差で山雅を大きく上回る。両者とも次節は下位との対戦で、結果次第で再びPO圏外にはじき出される可能性がある。
「先の2試合は非常に悔しい思いをしたが、今日は努力や勝利の喜びをあらためて感じた」とも話した反町監督。原点に立ち返り、残り3試合も山雅らしさで勝ち点3を積み重ねられるか。

J2は28、29日、39節を行った。7位の山雅は29日、17位のFC岐阜とアルウィンで対戦し、2-1で勝った。
山雅は序盤、前線のプレスが機能し、高い位置でボールを奪って攻撃を仕掛けたが得点できず、次第に岐阜が持ち味を取り戻すと一進一退に。
後半5分に左CKから失点したが、18分にペナルティーエリア左手前で得たFKを高崎が直接決めて同点。さらに30分、左サイドの深い位置から那須川が蹴ったFKにパウリーニョが頭で合わせて逆転。終盤の得点が多い相手の攻撃も集中して守り切った。
この日、首位の湘南が岡山と引き分けて勝ち点81とし、今季のJ2優勝と来季2年ぶりのJ1復帰を決めた。次節は11月5日。山雅は19位カマタマーレ讃岐と敵地で対戦する。午後2時開始。今季は10節(4月29日)にアルウィンで対戦し、2人が退場した相手に高崎の2得点などで4-0で勝っている。
【選手コメント】
16番・村山(再三の好守で逆転勝ちを呼び込む) 連敗した前2試合で計7失点し、フィールドのみんなに申し訳ない思いがあった。練習でGK4人とコーチとで切磋琢磨(せっさたくま)した結果。連敗を止めてひと安心だが、今日も失点したのでまだまだ。
7番・武井(負傷の岩間と替わり前半15分から出場) 急な出番だったが、セットプレー時のマークだけ頭に入れ、考え過ぎないようにして入った。先制されてもそれ以上のパワーを出して逆転できたのはよかった。
9番・高崎 (同点のFKについて)ナス(那須川)に「ぜひ蹴らせてくれ」と言った。FKを蹴るのは初めてだったが、練習でいいコースに飛んでいたし、“専門職”の宮阪にもこつを教わった。あの1本で流れを引き寄せられた。僕らを含め上位が苦しんでいる中、こういう試合を勝ち切れたのは大きい。
24番・那須川(今季3試合目の出場。FKで決勝点をアシスト) 自分が出てから勝てず、悔しい思いがあった。得点につながるプレーはできたが得点機を決め切れず、守備ではクロスを上げさせてしまった。ファンやサポーターの期待を感じ、中途半端なプレーはできない。
(長岩将弘、大山博)

厳しい戦いJ2最終盤 PO進出圏内目指す

171026yamp来季3年ぶりのJ1復帰を目指してJ2最終盤を戦う山雅。10月21日の38節・アルウィンで行った大分戦に敗れて順位を7位に下げ、J1昇格プレーオフ(PO)進出圏内(6位)から後退するなど厳しい戦いを続けている。ここまでの戦いぶりを振り返り、3位でPOに出場した昨季と比較しながら、リーグ残り4試合を展望する。
今季序盤は2度の2連勝もあり10節まで5勝2分け3敗。順位推移を見ても、昨季より順調だったといえる。が、この辺りからチームに安定感が出てきた昨季に対し、今季は逆に低迷。5月に入って5試合(11~15節)勝てず、18節で水戸に敗れた時点で15位まで後退。ホームでは10節(4月29日)以降、2カ月近く勝てなかった。
その後も中位での戦いが続いたが、28節・山形戦(8月16日)から今季最長の6試合無敗(5勝1分け)で一桁順位に戻し、32節(9月10日)で22試合ぶりにPO進出圏内の5位まで浮上した。
ところが34節(9月24日)で下位の山口を相手に終盤の10分足らずで3点を失い、まさかの逆転負け。その後2連勝し、上位のもたつきもあっていったんは自動昇格圏の2位も見えたが、37節(14日)から連敗。最終盤に至ってなお、今季のチームにつきまとう勝負弱さを露呈した。
反町監督は大分戦後、「戦っていない選手は1人もいない」としながら、「相手を分析する努力などでシーズン当初から苦し紛れに勝ち点をつかんできた。われわれが実力を付けているとは言い難い」と絞り出した。
今季の新加入選手で先発に定着したのは実質的にDF橋内だけ。夏の移籍期間で獲得したリオ五輪代表FW鈴木武らも出番を得ているが、決定的な仕事をしているとは言えない。
昨季と顔ぶれがほぼ変わらないことでチームの継続性が見込めた一方、若手の成長を含めた新戦力の台頭や、競争を促す刺激に欠けた感は否めず、現状では選手の半数以上を入れ替える思い切った補強をした長崎、有望な若手を積極的に起用した徳島の後塵(こうじん)を拝している。

今季のJ2は湘南が独走し、次節(28、29日)にも優勝が決まる。2位以下は混戦だが、山雅と2位との勝ち点差は現在7。残り4試合での逆転は難しく、PO進出が現実的な目標といえる。
昨季は38節を終えた時点で6、7位間の勝ち点差が8に開き、PO進出チームがほぼ絞られていたが、今季は6~10位が勝ち点5差内にひしめき、進出争いは熾烈(しれつ)を極めている。
昨季は最終的に6位岡山と終盤に猛追した7位町田が勝ち点65で並び、得失点差で岡山がPOに進んだ。今季も勝ち点65以上がPO進出を争う目安になりそうだ。直近5試合は2勝3敗の山雅に対し、東京Vは4連勝中で徳島は6試合、大分と名古屋は5試合それぞれ負けがないなど、ライバルたちは好調だ。
山雅の残り4試合の相手は41節(11月11日)の福岡以外は下位。それだけに勝ち点の取りこぼしは致命的だ。選手たちが「ここでぶれるわけにはいかない」と口をそろえる通り、堅守や走り負けない姿勢、攻守の切り替えの早さといった“らしさ”に立ち返り、ピッチで表現し切れるか。
大分戦後、反町監督は「火事場のばか力を出せるかどうかというところにきている。持てる力を最大限まで引き出せるようにやっていくだけ」と自らを奮い立たせた。
(長岩将弘)