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明科の古根さん東京五輪に向けアイスランドをモチーフにした振り袖制作

2020年の東京五輪に向け、世界各国をイメージした着物を作るプロジェクトが進んでいる。安曇野市明科の友禅作家、古根香さん(44)も参加し、アイスランドをモチーフにした振り袖を手掛けた。海と氷河を表す青、かわいらしい顔つきの渡り鳥、短い夏を彩る花々-。完成した振り袖は11月23日、都内で開いた制作発表会で披露された。
東京五輪に向けて「世界は一つになれる」というメッセージを伝えたいと、世界の着物を作る「キモノプロジェクト」が始まったのは14年。福岡県久留米市の呉服店を経営する高倉慶応さんの発案だった。これまでに69カ国の着物が完成した。
古根さんが同プロジェクトに関わったのは今年2月。友禅を学んだ坂井教人さん(神奈川県鎌倉市)から声がかかり、いくつかの候補から「自然が豊かなイメージ」のアイスランドを選んだ。
それから猛勉強が始まった。インターネットや書籍で資料を集め、「火と氷の国」と呼ばれる同国は、厳しい自然環境の中で短い夏にルピナスやアイスランドポピーが咲き、国鳥のシロハヤブサや渡り鳥のパフィン、アイスランドホースなどがたくましく生きていることが分かった。
「安曇野に住んでいるだけに、豊かな自然のイメージを膨らませることができた」と古根さん。夏ごろにデザイン画を描き、2カ月余りで氷割(ひわり)という地紋がある絹に絵を描き込んだ。
「思いっきり描きました」という右袖は前にシロハヤブサ、後ろにパフィンとアイスランドホース。左袖には国旗の赤い十字を描いた。前身頃には咲き誇る花々。海と氷河を表す青に動物や鳥の目が印象的だ。「初めて振り袖を描いた難しさと、国を表現するという重圧を感じながらの作業は大変だった」と古根さん。それでも「日本人から見たその国のイメージを着物という形で表現できるのはおもしろい。日本ならではのおもてなしで、そこに関われてうれしい」と喜ぶ。

古根さんは安曇野市出身で、短大卒業後、絵を描くことを仕事にしたいと鎌倉の坂井さんのもとで働きながら手描き友禅を学んだ。04年に地元に戻って「友禅工房香庵」を開設し、着物や染額、小物などを制作。日本現代工芸美術展や日展に入選するなど、活躍している。
キモノプロジェクトは個人や法人の寄付により、20年までに196カ国の着物を制作する予定。全国の作家や老舗企業が携わっている。どんな形で東京五輪に関わるかは決まっていないが、参加国の着物が一堂に会する場をつくろうと活動している。
(井上裕子)

松本第一高食物科3年生が卒業記念作品展

松本市の松本第一高校は2、9日、食物科3年生(2クラス、68人)の卒業記念作品展を同校で開いた。入学以来、調理師を目指してきた3年生が、一人ずつ自分の作りたい料理のフルコースを手掛け、訪れた保護者や在校生に実習の成果と腕前を披露した。
3年間の集大成として開き21年目。今年は和洋中のほかカフェや製パン、創作料理など新ジャンルに挑戦する生徒が目立った。料理の器や盛り付けにも工夫が見られた。
2日は5組の34人が早朝から調理室で料理を仕込み、昼の見学会に合わせ奔走した。
両親が市内でそば店を営む川船龍星さん(18)は、そばガレットのスモークサーモンサラダ、そばスープ、そばクレープなど全ての料理にそば粉を使った創作料理を作った。野球部のエースとして活躍し、「3年間、支えてくれた両親への感謝の気持ちを料理に込めました」。
柔道部で全国高校総体に出場した百瀬敦也さん(18)は「スポーツ栄養」をテーマに、ブリの和製カルパッチョ、ゆで豚のステーキ、白菜と鶏肉のグラタンなどジャンルにとらわれない多彩な料理を披露した。
「豚肉はビタミンB2が豊富で、疲労回復にお勧め。タマネギやニンニクと一緒に食べると吸収力がアップする」と食材の効能も紹介した。
1年目から日本料理の外部講師として指導してきた勝野武昇さん(73)は「高校生が作ったとは思えないほどの出来栄えで、年々レベルが上がっている。全員が時間内に料理を作り終えたことも評価できる。卒業しても自信を持ってそれぞれの道で頑張って」とエールを送った。
(高山佳晃)

社会人野球チーム発足へ準備 松本のトレーナー宮入さん

松本市柔剣道場(中央4)内のトレーニング室で「スポーツクラブラフ」を営むスポーツトレーナーの宮入正太さん(37)が、社会人の硬式野球チームを発足させようと準備中だ。中信地域で活動するチームがない現状も踏まえ、「野球をやりたい人の受け皿になれれば」と、選手や指導者など、協力者を募っている。
選手は高校生以上が対象で、技術レベルは問わない。練習は来年1月から週1回以上を予定。冬場でもあり、当面は宮入さんが営むジムや松本市野球場の室内練習場で、身体能力の向上に重点を置く計画だ。
宮入さんはゼネラルマネジャーとトレーニングコーチに就く。スポンサーを探したり、資金繰りを含めたチーム運営法を学んだりと動いており、本年度内にチームとしての体裁を整え、社会人野球を統括する日本野球連盟に登録したい考えだ。
若い世代の競技力向上やスポーツ愛好者の増加を目指し、数年前から市内の高校に出向いてボランティアで運動部の指導も行う宮入さん。「学校を卒業した途端、プレーの場は意外に少なくなってしまう」との懸念を持っていたという。
自身も小学生時代、少年野球チームでプレー。競技人口の減少も叫ばれる中、子ども向けの教室など普及や地域貢献活動にも取り組みたいとし、「地域に根差した環境で、多くの仲間と野球ができればいい」と話す。
(長岩将弘)

車のフロントガラスに出現した“霜銀河”(美ケ原高原)

171209sikip日を浴びて輝く車のフロントガラスにできた霜。幻想的で不思議な造形が宇宙の世界を連想させる=ニコンD3S、ニコンAFマイクロニッコール105ミリ、11月20日午前8時10分、美ケ原高原

氷点下11.8度と厳しい冷え込みになった11月20日朝の美ケ原高原。満天の星空の駐車場に一晩置いた車に戻ると、フロントガラスにできた霜の一角に目を奪われた。まるで宇宙の世界へ誘うような不思議な“霜銀河”の造形をマイクロレンズで切り撮った。
斜光線の日を浴びて霜の造形が際立つ。日陰を背景に撮影しながらレンズの位置を変えた瞬間、オレンジ色の星形を散りばめて輝く銀河を連想させる光彩が浮かび上がった。
俳句の冬の季語でもある「霜」は、放射冷却で冷やされた大気中の水蒸気が、地面や地物(ちぶつ=樹木や建物など地上にある一切の物)の表面に昇華してできた氷の結晶だ。樹木に付いた霜を「樹霜」(じゅそう)と呼び、積もった雪の表面にできる「雪面霜」(せつめんじも)は、朝日を浴びて昼蛍(ひるぼたる)のようにきらきら輝く。窓ガラスにできる「窓霜」(まどしも)はよく知られ、「霜の華」とも。
近年、話題を呼んでいるのが同高原にある「王ケ頭ホテル」の窓霜だ。車の場合と違い部屋の内側に付く。繊細で幻想的な造形ができるメカニズムが知りたくて、かつて記者は、何日も徹夜で撮影に挑んだ。窓霜は一晩かけてでき上がるのではない。外気温と室内の湿度や温度のタイミングで数秒間でできる自然が秘めた“瞬間芸術”である。
(丸山祥司)

王滝村の滝越地区 観光資源を発掘し“秘境”PRへ

王滝村の滝越(たきごし)地区の観光資源を発掘し“秘境”としてPRしていこうと、木曽郡出身者などの有志が「木曽の秘境落人(おちうど)の里木曽王滝滝越を愛する会」を発足した。村も御嶽山以外の観光にと滝越に着目。村役場からさらに8キロ離れたのどかな集落に、新たな誘客の可能性を探り始めている。
「愛する会」は、木曽町出身の郷土史家、楯英雄さん(81、塩尻市大門三番町)が世話人となり、林野庁OBや風景写真家など5人で発足。11月21、22日に現地見学と意見交換会を開いた。
滝越の歴史的、自然的価値に着目する同会は21日、日本の近代産業発展を担った王滝森林鉄道の「白川鉄橋」跡地や、1944(昭和19)年、中国人労働者が建設に携わった「滝越ダム」、日本二百名山の一つ「小秀山」の登山口などを見学。宿泊先の三浦屋旅館で、同館経営者の三浦幸二さん(80)、地域おこし協力隊員の石黒力也さん(36)と倉橋孝四郎さん(33)らを交え9人で観光客を呼ぶための方法や、滞在中の楽しみ方について意見交換会をした。
楯さんは、滝越には鎌倉時代に北条氏に滅ぼされた落人の伝承があることや、手つかずの自然、貴重な遺構が残ることで「秘境としてブランド化する地にふさわしい」と提案。協力隊員の倉橋さんは、集落内の「自然湖」で民間事業者が行うカヌーツアーが定着してきていることや、起業を志す若手も数人いることなど、将来に向けた動きを報告した。三浦さんは、県西部地震の数年前に開園した観光施設「水交園」は当初、大変にぎわったが地震を機に来場者が激減した経緯などを説明した。
22日は県西部地震で被災した濁川周辺を見学。木曽森林管理署職員の案内で治山事業による復旧に感心し、「県最大の土石流災害を風化させないため『災害遺産』として多くの人に知ってもらう必要がある」と観光ルートの一つとして見学会が可能か考えた。
「愛する会」は来年、活動の第1弾として「自然湖」をテーマにした写真展を滝越で開くことを計画。楯さんは「山や川を守る意味でも重要な集落。観光客が訪れ、若者が定住できるようサポートしていきたい」。
村も御嶽山の噴火以来、御嶽山だけに頼らない観光施策を模索し、滝越に着目する。住民や観光関係者などで検討委員会をつくり、今後について検討を始める予定だ。

「滝越」の再生で期待がかかるのが地域おこし協力隊員だ。倉橋さんと石黒さんは、静岡県出身の兄弟で、集落支援担当として移住した。
倉橋さんは3年前から協力隊として活動し、この秋から営業担当として、村役場から離れた場所にある滝越の住民と他地区をつなげる役割を担う。
石黒さんは、倉橋さんの声かけでこの夏から協力隊に。料理人の経験を生かし郷土料理やジビエ料理を担当。魚釣りや食堂のある村営施設「水交園」で新メニューの提供も始めている。
2人は今後、「水交園」を拠点にした観光策を充実させていく予定で「ここで暮らす皆さんは生き抜く力や知恵がすごくある。自分たちもそれに学び地域に貢献したい」。
2人の“相談役”となっている三浦さんは「若い人の力に期待している。まずは生活基盤をしっかりつくってもらい、その上で住民と助け合い、意見を出し合い、滝越を次世代に残すため共に活動していきたい」と話している。

【王滝村滝越地区】国道19号から約30キロ、岐阜県下呂市との県境にある県最西端、世帯数12戸の集落。1984(昭和59)年、県西部地震で御嶽山南斜面の大規模崩落「御嶽崩れ」の被災地でもある。オートキャンプ場や釣り堀、食堂などを設けた村営施設「水交園」、自然湖のカヌーツアーがあり、村観光総合事務所によると今年の利用者は約3000人。
(井出順子)

穂高区初の「スポーツフェスティバル」開催

安曇野市の穂高区は3日、初の「スポーツフェスティバル」を開いた。参加者集めに苦労して数年前に取りやめた運動会に代え、区に加入していない地域住民も参加できる催しとして企画。約500人が参加し、区内を巡るウオークラリーや景品が当たる抽選会を楽しんだ。
ウオークラリーは園児・小学生がいる家族対象のファミリーの部(3・1キロ)と、中学生以上の一般の部(5・1キロ)で、ともに穂高南小学校を発着。
ファミリーの部に参加した同校2年の加集花菜さんは「(チェックポイントで)スタンプを押すのが楽しかった」。母親の阿紀子さん(39)は「沿道に住む人が外に出て応援してくれたり、知人が交通整理をしていたりし、多くの人に支えられてると感じた」。
穂高区の加入世帯は、対象約1500戸の約6割の900戸ほど。「災害時などは住民同士の協力が大事。区に入らない人が増え、何とかしなくてはと考えた」と飛島克己区長。
区民以外も参加するスポーツフェスティバルの運営を区役員が担当することや、区費を使うことに賛否両論があったが、市の地域力向上事業交付金を受けることなどで理解を得て、1年がかりで計画した。
運動会は100人集めるのに一生懸命だったといい、「こんなに多くの人に参加してもらえると思わなかった」と飛島区長。「地域にどんな人が住んでいるかが分かると同時に、交流の場になった。これを機会に区の活動を理解してもらい、加入世帯が増えれば」と話した。
(田原利加子)

塩尻市で昆虫食講座

塩尻市立図書館の連続講座「信州しおじり本の寺子屋」地域文化サロンは3日、「昆虫食」をテーマに市民交流センターえんぱーくで開いた。同市大門一番町のフレンチレストラン「ラ・メゾン・グルマンディーズ」シェフの友森隆司さん(39)が作った創作昆虫料理が提供され、参加者が試食した。
「四大珍味」とされる虫を使った、イナゴ入りのハンバーグ「バッタバーグ」、蚕のさなぎなどをギョーザの皮で包んだフライ、ざざ虫などを入れた卵焼き、ハチの子と蜂蜜を混ぜたムースの4品。「できるだけ虫の形を残すようにした」と友森さん。
デンマークでアリを食べることを知り、昆虫料理に取り組み始めたといい、「バッタバーグ」は同店の日替わりランチメニューの一つ。ハチの子入りムースもメニュー化を検討中という。
子どもの頃に食べたイナゴが懐かしくて参加したという竹原文子さん(68、塩尻町)は「おいしかった。初めての人でも抵抗なく食べられそう」と話した。

講座は、県内の昆虫食文化を紹介した本「信州人虫を食べる」(信濃毎日新聞社刊)に着想を得て開催し、約50人が参加。
著者のうち日本鱗翅(りんし)学会評議員の田下昌志さん(55、長野市)と「松本むしの会」代表幹事の丸山潔さん(68、安曇野市)が講演し、四大珍味のほか「セミはエビのような味」「カメムシは疲労に効く」など、さまざまな昆虫の食べ方や味、効用などを紹介した。
(有賀則正)