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宿泊者が1ページずつ描くリレー絵本

松本市安曇のさわんど温泉にある「渓流荘しおり絵」は、2年ほど前から、宿泊者が1ページずつ描いて話をつなげる「みんなで作るリレー絵本」を提案し、7冊が完成している。子どもから年配客、外国人観光客が「作家」となってできた絵本は、思いがけない展開になり、宿泊客だけでなく、スタッフの心もほっこりとさせている。
ロビーに置いてある「みんなで作るリレー絵本」と書かれたA4ファイルを開くと、ページごとに違う人の文字で物語が進む。小さな子どもが描いたものと分かるページ、本格的なタッチで絵が描かれたページとさまざまだ。
たとえば「子どもカッパの話」は、「昔、子どもカッパがきゅうりで釣りをしていました。やっぱきゅうりじゃ駄目か!?」で始まる。次の人は「手応えが大きい。何かがかかった!」と続け、かかった大マスは逃げたが、川に落ちた子カッパが大マスに助けられ、きゅうりの宮殿に行くと、きゅうり姫と友達になって…。奇想天外な展開で意外な結末が生まれた。
「さわんど村のうまいもの」は、「さわんど村は裕福ではなかったが、助け合い幸せに暮らしていた。あの人が来るまでは…」で始まり、次の人が選んだ「あの人」は「鬼」。村人と鬼と地区のおいしい物の話になった。
祖父が絵を描き、孫が物語を書いたページ、外国人がカッパと露天風呂の絵でつないだページなどがある。読みながら書いた人を想像するのも楽しい。
ある程度、話が進んだところで製本する。題はスタッフが考え、表紙の絵は物語の中から選ぶ。これまでにA5判で24~46ページの本が6冊、A4判で24ページが1冊完成し、今は2つの物語が続いている。

同館の周辺は宿泊者がチェックインした後に出かける場所が少なく、館内で過ごす時間が多い。「ゆったりとした時間を過ごしてほしい」と、宿泊の楽しみの一つとして若旦那の齊藤雄太さん(32)が、提案して始まった。母でおかみの敦子さんは絵本好きで、雄太さんを主人公にした絵本を作って読み聞かせもしてきた。その中で育った雄太さんならではの発想だ。
展開が難しく止まってしまう時もあるが、スタッフが1ページ描き軌道修正するなどこっそりと参加している。辞めていくスタッフが記念に描くこともある。
若おかみの陽香さん(28)は「リピーターのお客様が多いので、何年かして来ていただいた時に、懐かしく思ってもらえたらうれしい」と話す。
(田原利加子)

来月10日「一日だけの生坂食堂」

生坂村の女性有志25人ほどでつくる「女・人(ひと・ひと)輝きくらぶ」は3月10日、村内産食材を使った手作り料理や郷土食を提供する催し「一日だけの生坂食堂」を、村健康管理センターで開く。食を通して村をPRしようと始めて5年目で、今年は健康を意識したメニューが充実。1~7日に参加予約を受け付ける。
県などが主催する本年度の「信州の味コンクール」で入賞した4品や、減塩や野菜の量などに配慮したメニューを中心に、20品ほどをバイキング形式で楽しめる。
同コンクールで県知事賞を受けたヘルシーロールのゼリー巻きは、塩麹(こうじ)に漬けた鶏胸肉で野菜を巻き、コンソメ味のゼリーでくるんだ。車麩(ふ)のタルタルソースがけは、まるで肉のような食感。シフォンケーキに使う米粉は、伝統的な寒ざらし製法だ。同村ならではのサプライズメニューも企画中という。
22日は同センターに会員18人が集まり、メニューの検討会を開いた。詳細を詰めきれていなかった5品について、味付けや具材などを変えて数種類ずつ試作。味わいながら意見を交わした。
竹内清枝会長(67)は「どれもおいしくヘルシーで、ボリュームも満点。みんなで協力し、生坂の魅力を伝えたい」と話す。
中学生以上1000円、小学生500円、未就学児は無料。午前11時半からと午後0時40分からの2回(入れ替え制)で、おおむね50人ずつ。定員に達し次第締め切る。村振興課電話0263・69・3112
(長岩将弘)

てくてくでおもてなし学ぶ「喫茶サービス講習会」

障害者の就労支援などを行うNPO法人てくてく(松本市元町2)は21日、運営する「コミュニティカフェてくてく」で喫茶サービス講習会を開いた。ホテルブエナビスタ(本庄1)総支配人で、障害のある人が職場などで培った技能を競うアビリンピック指導者の重山敬太郎さん(53)ら3人を講師に、利用者7人と職員8人がおもてなしを学んだ。
重山さんは「接客ではなく『もてなす』の意味がある字を使う接遇を。身だしなみ、表情、言葉遣い、立ち居振る舞いが大切」と説明。ホテル職員の加藤奈美さん(26)が同所の食器やメニューなどを使って実演し、動作や言葉をまねて利用者も練習。お盆のコップの置き方や、コーヒーと紅茶のカップの向きの違いなど、それぞれの動作に込められた意味も聞き、利用者も職員も、真剣な表情でメモを取ったり、質問をしたりしていた。
利用者の島田遥奈さん(21、大村)は「緊張したけど、練習できて良かった」。奥原晶さん(26、七嵐)は「こういう勉強は初めて。言葉遣いなど、生かしていきたい」と話した。
講座は県の「信州ものづくり未来塾事業」の一環で開いた。「多くの人に愛される店になってほしい。学ぶだけで終わらずに、今後に生かしてほしい」と重山さん。てくてく管理者の鈴木かおるさん(50、岡田)は「実際の場所で、小さな疑問に対する答えも教わることができた。職員がしっかり理解してここのやり方にアレンジし、利用者に分かりやすく説明して、活動に生かしていきたい」と話していた。
(上條香代)