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PVの魅力 喜び膨らみ悔しさ分け合う

171019yampファンやサポーターが集まり、大画面で試合を観戦する「パブリックビューイング(PV)」。敵地を含め、今季はインターネット動画配信サービスでリーグ全試合を見ることができるが、わざわざPVに足を運ぶのはなぜだろう。松本市が主催し、山雅の協力で14日にアルウィンで行われた千葉戦のPVを取材し、魅力を探った。
当日は屋根があるメーンスタンドと、バックスタンド南側の一部を使用。肌寒い曇り空だったが、試合開始2時間前の開場直後からユニホームや応援グッズを身に着けたサポーターが次々と来場し、約1200人が集まった。入場は無料だ。
ピッチ上でサッカー教室などのイベントが行われるのは、アルウィンでのPVならでは。コンコースに飲食ブースが出店、試合直前には出場選手の紹介映像が流れて手拍子も起こり、ホーム試合さながらの雰囲気だ。
安曇野市三郷の太田浩一さん(36)は長男で小学2年生の空伴(そらとも)君(7)とPV初参加。今回は市街地のホールなどで行う一般的なPVより規模が大きいこともあり、「大勢で熱気を共有できるのが魅力」と浩一さん。空伴君も「アルウィンに来るのが好き」と笑顔だ。
「一度参加してみたかった」と言う山形村の山下恒平さん(37)は、長女で小学4年生の詩乃さん(10)と次女の結乃さん(4)を連れて“参戦”。
山下さんは、コールやチャントなど組織だった応援がない点などを挙げ、「(ホーム戦と)全く同じというわけにはいかない」としつつ、「松本にいながら大勢でアウェー戦を見て盛り上がれるのは楽しみ」。
松本市神林の太田清子さんは、夫の誠一さん(74)や友人ら5人で来場。動画配信サービスに加入していないのも理由の一つだが、何より「みんなで大声で騒げるのがいい。家での観戦は楽かもしれないが、この雰囲気は味わえない」と強調した。
試合が大型ビジョンに映し出され、山雅は押され気味で序盤に失点。前半は何度かあった得点機を逃し、歓声がため息に変わった。後半、工藤のループシュートで同点に追い付いた時は、目の前で試合を見ている時と同様にタオルマフラーを振り回して盛り上がったが、その後は失点を重ねて大敗。
「最悪。悔しい!」と言う空伴君の手を引き、太田浩一さんは「こういう思いも共有できるのがPV。悔しさが晴れるわけではないが、周りを見ればみんな同じ気持ちだと分かります」。
太田誠一さんは「悔しさもやるせなさもあるが、みんなであれこれ話しているうちに、次こそ勝とう、また応援しようという気になる。家で見てたら、感情の持って行き場がないよね」とほほ笑んだ。
皆で観戦すれば勝利の喜びは何倍にも膨らみ、敗れた悔しさは分け合えるのがPVの魅力。ただ、やはり勝って盛り上がりたいものだ。
松本市は今季、9月以降のアウェー戦5試合でPVを開催し、残りは2回=表。問い合わせ先は主管する松本商工会議所電話32・5345。同市大手4の「喫茶山雅」はアウェー戦すべてで、事前申し込み者を対象にした観戦イベント(有料)を開いている。喫茶山雅電話75・8050
(長岩将弘)

J2第37節 千葉に大敗、自動昇格厳しく

J2は14、15日に37節を行った。5位の山雅は14日、10位ジェフユナイテッド千葉と敵地で対戦し、1-5で敗れた。4点差以上での負けはJ参入(2012年)以降3度目で、J1だった15年の2ndステージ2節・広島戦(0-6)以来。
山雅は順位は変わらないが、2位福岡との勝ち点差が7に広がり、残り5試合でのJ1自動昇格圏入りは厳しさが増した。4位名古屋との差も4に広がり、6位徳島、7位東京Vには1差に迫られた。
次節は20~22日。山雅は21日、アルウィンで9位の大分トリニータと対戦する。午後2時開始。山雅は勝っても順位は上がらず、引き分け以下なら昇格プレーオフ圏外に転落する可能性も。大分とは今季、11節(5月3日)に敵地で対戦し、0-0で引き分けている。

氷河の大地を彩る“涸沢・光のページェント”(涸沢カール)

171019sikip全国に誇る山岳紅葉を見ようと訪れた登山者のテントであふれんばかりのテント場。幻想的に浮かび上がる夜景は、夢の国の光の祭典を連想させる=ニコンD3S、ニコンED AF VR-ニッコール80~400ミリ、9月30日午後6時20分、北穂沢から

山岳紅葉で知られる氷河の大地、北アルプス穂高連峰の涸沢カール。錦秋の彩りがピークに達した9月30日の土曜日に張られたテントは過去最高の1400張りを超え、テント場をあふれ出した。色とりどりのテントが織りなすカラフルな夜景は、今まで見たことのない衝撃的で感動的な光景だった。
午後6時。目に焼きつく昼間の鮮やかな光彩は失せ、カールに夕闇が足早に迫る。次々とテントに明かりがともり始めた。北穂沢に構えたカメラのファインダーをのぞいていると時の流れがはっきり見え、昼から夜への「光のリレーゾーン」を見ているようだ。
午後6時15分。赤、黄、青、緑…。明かりがともるテント場の夜景は幻想的な雰囲気。光の祭典を連想させ“涸沢・光のページェント”さながらに映る。
近年、テントの素材がカラフルになったことと、照明の光源がLEDになったこともあり、テント場の夜景はより鮮やかで明るくなった。
夕闇に浮かぶ1人用の黄色いテントを眺めていると、思いが昭和30年代にタイムスリップした。記者が中学生の時、常念岳で見た小さな黄色いテントの記憶…。後にそれが安曇野に住んだ山岳写真家で高山蝶(ちょう)や雪形の研究で知られる田淵行男さん(1905~89年)のテントと知った。「田淵マーク」が入ったそのテントは現在、安曇野市の田淵行男記念館に展示されている。
(丸山祥司)

「しおじり1%プロジェクト」立ち上がる

塩尻市内の店や会社の商品を購入したりサービスを利用したりすると、売り上げの一部が地元の市民団体やNPO法人の活動に役立てられる「しおじり1%プロジェクト」が立ち上がった。企画運営は一般社団法人「信州アルプス大学校」(同市)。支援第1弾は市内の子ども関連団体への援助で、現在、参加企業と支援希望団体を募っている。
市民向けの講座などを開く同大の新たな社会貢献事業。「1%」は小さな力の象徴で、集まれば大きな力になるという思いを込めた。参加企業の寄付付き商品・サービスを購入・利用すると、寄付金が事務局に貯蓄される。2割は運営費に充て、残りの資金で市民団体やNPOに人材派遣、技術提供などをする。
支援の方法が資金提供ではなく知識や技能の提供であることが特徴で、同大に携わる中小企業診断士、ファンドレイザー(資金調達専門家)、デザイナー、プログラマー、ライターなど多彩な人材を派遣する。
9月終わり頃から市内の企業に声をかけ始め、電気店、カフェ、レストラン、ワインメーカー、配管工事会社など7つの店や企業が参加に名乗りを上げている。参加企業が10社に達した時点でプロジェクトを始める。寄付金がある程度たまると予想される半年後をめどに支援活動を開始。支援団体は公開プレゼンテーションを経て1団体に絞る。塩尻市が「子育てしたくなるまち日本一」を掲げていることから、第1弾では子どもを支える団体を対象とした。

プロジェクトの狙いは大きく3つ。
1つ目は、社会貢献活動に興味があってもなかなか実行できない中小企業などのCSR(企業の社会的責任)活動を促すこと。「寄付付き商品は本業がそのまま寄付=社会貢献活動につながるため、取り組みやすい」と、企画者の吉國明夫理事(69、広丘堅石)。
2つ目は参加企業の売り上げアップ。全国的に寄付付き商品は菓子、ビール、トイレットペーパーなどさまざまな商品に広がっている。販売促進や企業イメージ向上につながるコーズ・リレーテッド・マーケティング(CRM)と呼ばれ、注目されている。
3つ目は地域課題解決のために奮闘する団体の支援。「資金調達の仕組みや広報の手法などを改善し、組織の力を強化してもらえたら」(吉國理事)。
今は塩尻限定だが、将来的には対象エリアを広げたい考え。吉國理事は「志ある小さな買い物が、団体の大きな力になる。取り組みを軌道に乗せるためにも、第1弾を成功させたい」と力を込める。
問い合わせは吉國理事電話090・8597・2875
(松尾尚久)