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攻撃不発も今後に手応え J2第1節 横浜FCと0-0

今季のサッカーJ2は25日に開幕し、松本山雅FCは横浜FCと横浜市のニッパツ三ツ沢球技場で対戦して0-0で引き分けた。駆け付けた約5000人の山雅ファン・サポーターは勝利を喜ぶことはできなかったが、J1再昇格に向け、戦力の厚みが増したチームに期待を高めた。
山雅は先発11選手のうち今季の新加入が6人と、昨季とメンバーが大幅に入れ替わった。前後半を通じて放った計10本のシュートは得点に結び付かなかったが、守備は体を張って無失点。寒さに震えながら大声援を送ったサポーターは試合後、「これからだ」と選手を激励した。
観戦した藤原大輔さん(22、松本市笹部)は「昨季よりスピードやパスの精度が上がり、わくわくした。試合内容はとても良かった」と笑顔。髙橋ひろみさん(24、安曇野市穂高)は「新加入や復帰した選手がいい動きをしていた。ポジション争いが激しくなれば、もっと強くなる」と期待した。

昨季開幕戦で敗れた相手にリベンジとはならなかったが、3シーズンぶりに初戦で勝ち点を得た山雅。反町監督は「難しい試合だったし、まだまだ足りない部分もあるが、開幕戦としては上々」と総括。大きく顔ぶれを変えた選手たちからも、一定の手応えが聞かれた。
この試合、ピッチに立った13人のうち7人が、新加入か期限付き移籍からの復帰。現時点でのチームの完成度について反町監督は「1カ月半ほどの準備で100%とは言えない部分も正直ある」とし、「破壊力がある相手FW(イバ)にも最後までよく対応できた。攻撃面は最後の精度が足りないが、次第に良くなっていくだろう」と前向きに捉えた。
在籍2年目で初めてゲーム主将を務めた橋内も、「チームの完成度は60~70%くらい」とする一方、「皆で『これをやって、こういう形に向かう』という共通理解が昨年より進んでいる。それが、これから試合を重ねる中で良くなるという予感につながっている」と言う。
次節(3月3日)は敵地で新潟と対戦。J1で14年間戦い続けてきた強敵との対戦で、早速チームの真価が問われる。

山雅は前半立ち上がりこそ前田直らがゴールに迫ったが、高崎と永井の新2トップは試合を通じてシュートゼロと不発。徐々に相手に押し返されて守勢に回った。
後半も、イバを中心とした相手の攻撃に押されたが、GK守田らの好守で無失点。25分、スピードがある前田大を投入し前線を活性化させたが、ロスタイムのCKに合わせた飯田のヘディングはゴールポストをたたき、得点できなかった。

【1】守田
弾く、取るの判断など積極性を出せた。0点に抑えられたがそれで良しではなく、見えた課題もしっかりつぶしていかなくては。
【2】浦田
個人的にもまだまだな部分が多かったが、勝ち点1を前向きに捉えたい。昨季のJ2得点王(イバ)がいる相手でも、粘り強い守備ができるのがチームの強み。これを勝ちにつなげたい。
【4】飯田
展開は良くも悪くもなかった。自分たちのボールの動かし方ができず、後半はオープンな展開になってしまった。
【7】前田大
出たら何かしてやろうとベンチで見ていた。前線の選手がゴールへの意識をもっと出していかなくては。チームも個人も、相手の背後への動きを増やしたい。
【9】高崎
2トップでボールを収められず、失うことも多かったのは課題。ただ、勝ち点1を取れたのは次につながる。去年と違い、守備陣は良いパフォーマンスを出せていた。あとは攻撃陣がしっかりやっていきたい。
【14】パウリーニョ
開幕戦は独特の緊張感があるが、もっと落ち着いてもよかった。チームはこれから良くなる。サイドからの崩しも何回か良い形があった。それをもっとやっていくことが必要。
【25】前田
直開幕戦でピリピリした試合。ファールを取ってもらえずイライラし、自分のプレーができなかったのは未熟な部分。そこで相手を剥がせれば、もっと好機をつくれた。
【29】下川
コンディションは悪くなかったが、イバに相手ボールが収まり、セカンドボールもほとんど拾われ、攻撃面での持ち味を出し切れなかったのは課題。最後の精度などもっと突き詰めていかないと得点できないと痛感した。
【38】永井
納得がいく内容ではなかったが、まだ初戦。勝ち点1をプラスに捉え、これから良くしていければいい。攻撃に厚みがなく、単調でもあった。シュートがなければ得点はない。それ以前にボールを収めることができず、FWとして責任を感じている。
(長岩将弘、大山博)

雪すだれの松本城歴史に思いはせ(松本市)

激しい雪の中、通り過ぎていった長い時の流れを語るかのような国宝・松本城。はかなく消える雪模様に何世代もの人の命が重なる=ニコンD3S、ニコンEDニッコール28~70ミリ

激しい雪すだれの中で幻想的な雰囲気を漂わせる国宝・松本城。2月上旬の厳寒の夜、墨絵の世界へ誘うような風情を目の当たりにして、城を巡る長い歴史に思いをはせた。
築城当時は「深志城」と呼ばれた。現存する五重六階の天守は日本最古と言われる。四季折々の風格は市民の心象風景だが、一枚の写真で城の全容を表現するのは難しい。栄華を誇る「正」の世界に対し、悔しさや恨み、怨念といった「負」の世界が絡んで見えてくるからだ。
撮影は、激しく雪が降りしきる夜に決行した。「動」の雪に「静」の松本城を対比。雪の流れに人の命、情念、時の流れを重ねた。
脳裏に浮かんだのは、松本藩で起きた「貞享騒動」。1686(貞享3)年に元庄屋の多田加助を中心に起こした百姓一揆で「加助騒動」とも。この年代は太陽黒点が著しく減少した「マウンダー極小期」に当たる。ミニ氷河期、小氷期とも呼ばれ、安曇平の凶作との関連が推測される。
騒動の処刑者は28人。馬に乗り庄屋への伝令役だった16歳の少女「おしゅん」も含まれる。本紙文化面「せせらぎ」の筆者で作詩家の岩淵順子さんが詩を書き中川村出身の作・編曲家、原賢一さん(東京)が作曲した「おしゅん物語」が、雪の松本城に重なって聞こえてくるような気がした。
(丸山祥司)

 

開幕直前J1復帰を目指して 今季J2最大3枠昇格懸け激戦

今季のJリーグはJ1が23~25日、J2が25日、J3が3月9~11日に開幕し、J2松本山雅FCは25日、横浜FCと敵地で初戦を迎える。3年ぶりのJ1返り咲きを狙った昨季は、昇格プレーオフ(PO)進出の可能性を残していた最終節で敗れて8位。J2で戦った5シーズンのうち、参入初年(2012年=12位)に次ぐ低い順位に終わった。今季、再びJ1復帰を目指して長丁場に挑む。
指揮を執るのは7季目の反町康治監督(53)。チームは新加入13人を含む33選手と、新たに2人を加えたコーチ5人で開幕戦に臨む。
昨季はシーズンを通して不安定な戦いぶりが目立ち、自動昇格(2位以内)争いに終始絡めず、昇格PO進出をうかがう位置につけたのもシーズン終盤。運動量や攻守の切り替えで相手に及ばなかったり、守備のもろさを露呈したりと「山雅らしさ」が揺らぐ場面も。先発に定着した新戦力は橋内だけで、主力の若返りや新陳代謝といった課題が浮かび上がった。
その反省から、今オフはかつてない積極的な補強を実行。特に攻撃陣は金沢で昨季12得点の中美、長崎で一昨季16得点の永井をはじめ、以前の在籍時に実績を残した前田直や岩上らを獲得。昨季、期限付き移籍先の水戸で13得点した前田大も復帰させた。
GKはJ1の経験が豊富な守田、守備陣も愛媛で主力だった藤田と浦田ら実力者を補強。昨季の主力はほぼ残っており、ポジション争いは熾烈(しれつ)。
ホームスタジアムのアルウィン(松本市神林)が芝の張り替えで3月いっぱい使えず、6節まで県外での試合が続く序盤をどう乗り切るかも、今季の結果を左右する要因の一つになりそうだ。

開幕戦の1週間前の18日は、恒例の「キックオフイベント」が山形村のアイシティ21で行われ、けがの村山、体調不良の下川を除く31選手と反町監督が参加。1人ずつ壇上に立って意気込みなどを語った。
チームは1月22日から前日まで、県外で3次にわたるキャンプを行い、公開した練習試合5戦は大学生やJ3チームを相手に苦戦することもあったが、反町監督は「キャンプはプラン通り進んだ。チーム構築はまだ途中でいろいろと試した部分もあり、結果が全てではない」と説明。
「その段階で大勝すると気の緩みも出かねないので、むしろよかった」とファン・サポーターの不安を打ち消し、17日には非公開で練習試合を行ったことも明かして「攻守にわたり非常に手応えがある好ゲームだった」とうなずいた。
指揮官は今季の戦い方について「昨季と同じでは結果も同じ。ケン(堅/賢)守を追求すると同時に攻撃のバリエーションを増やし、柔軟かつ多彩な攻めをする」と強調。「それができる選手はそろった。『今年の山雅は強いな』と思わせるように、最初から飛ばしたい」と開幕戦をにらんだ。
チームは21~24日に静岡市で直前キャンプを行い、コンディション調整と相手対策に取り組む。
山雅の開幕戦の相手は昨年と同じ横浜FC。昨季25点を挙げたJ2得点王のイバ、守備陣を統率したヨンアピンら主力がほぼ残り、元日本代表の松井ら即戦力が加入。昨季39節から指揮を執るブラジル人のタバレス監督の手腕はまだ未知数だが、チーム力の上積みは間違いない。
昨季は0ー1で敗れ、リーグ序盤につまづく原因の一つになった。今季はすっきりと勝って波に乗りたい。

今季J2は実力でずば抜けた存在が見当たらず、上位争いは例年以上に見通せない。
J1から降格した3チームに加え、リーグ屈指の戦力を擁する千葉や福岡、昨季好成績を収めたスペイン人監督が続投する東京Vと徳島などが、昇格を争うライバルになりそうだ。

今季のJ2は、J1から降格した甲府と大宮、新潟や、J3を制し3年ぶりに復帰した栃木など22クラブが参戦。本拠地と敵地で1戦ずつ行うホーム・アンド・アウェー方式の総当たり2回戦、全42節で争う。
前後半45分ずつ、計90分の試合を行い、同点の場合は引き分け。順位は勝ち点(勝ち=3、引き分け=1、負け=0)の合計で決め、勝ち点が並んだ場合は得失点差、総得点数、当該クラブ間の対戦成績-の順で決める。
J1には最大で3クラブ(経営状況や施設面などでJ1基準を満たすライセンス保有が条件)が昇格できる。年間1、2位はJ1の17、18位と入れ替えで自動昇格。3~6位とJ1の16位が、昨季までの昇格プレーオフを衣替えする「J1参入プレーオフ(PO)」を戦い、残り1枠を決める。
POは3~6位がトーナメントで争い、勝者がJ1の16位との決定戦へ。1回戦(3位対6位、4位対5位)は11月25日、2回戦は12月2日。いずれもリーグ戦上位クラブのホームで行い、90分間で決着がつかない場合はリーグ戦上位クラブの勝ち。決定戦は同8日で、会場はJ1クラブのホーム。引き分けの場合はJ1クラブが残留する。
J2とJ3の入れ替えは、J2の21、22位とJ3の1、2位(J2ライセンスを持つ場合のみ)が入れ替わる。

ホーム試合は松本市神林の総合球技場アルウィンで20試合(4節は甲府市・山梨中銀スタジアムで開催)。前売り券は大人がS席4500円(高校生以下2000円)、A席4000円(同1500円)、ホーム・アウェー側とも自由席2200円(同700円)など。インターネットやコンビニエンスストアの情報端末などで購入できる。
当日券はいずれも500円(高校生以下のホーム・アウェー自由席は300円)増し。未就学児は大人1人につき1人まで、車いす席は1人につき付き添い1人まで、それぞれ無料。松本市や周辺自治体の小中学生には学校を通じ、ホーム自由席の招待券を配る試合もある。
ホーム全試合を割安に観戦でき、さまざまな特典が付く「シーズンパス」や、多彩な企画チケットもある。問い合わせは株式会社松本山雅電話0263・88・5490
(長岩将弘)