月別アーカイブ: 2017年7月

J2第24節 愛媛に2-1 粘り勝ち、PO圏内射程に

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試合開始早々に先制して2-0で折り返しながら、後半は相手の猛攻にさらされ「今季一番苦しかった試合」(反町監督)。昨季から3戦続けて引き分けていた愛媛に粘り勝ちし、ホームでは2連勝で8位に浮上。昇格プレーオフ(PO)進出ラインの6位との勝ち点差を1まで縮めた。
「3点目を取るチャンスもあったが、最後は本当によくしのいだ。そこは今季前半戦で見られなかった部分」。指揮官は課題を挙げながらも、勝ち点3をもぎ取った選手をたたえた。
橋内は「われわれがシーズン後半になって大きく変わったとは思わない」とし、「危機感を持ってもう1メートル走る、もう1歩足を出すなど、細かい部分を一人一人が突き詰める意識が、少しずつ形になってきたのでは」と話す。
愛媛の間瀬監督が「中盤でうちのパスをつぶし、足の速いシャドーが(守備の)裏へ抜け出す狙いは分かっていたが、分かっていながらやられた」と悔やんだとおり、10試合ぶりに先発したセルジーニョが2アシストに加えて守備でも躍動。
9試合ぶり先発のパウリーニョもボール奪取の持ち味を発揮し、反町監督は「彼らが強みを見せてくれたのはうれしい」とうなずいた。
一方、前線で攻撃の起点となった高崎は「失点してからリズムに乗れず、追い付かれてもおかしくない試合。苦しい時こそ前に出なくては」と課題を挙げた。
橋内も「力は付いてきているが、(5戦続けて)無失点の試合がないのは気がかり」と指摘。「『1失点は仕方ない』という展開にしないことが大事。加えて3点目が取れるチームになるように練習しなくては」と力を込めた。
指揮官は「この勝ちを次につなげなくては意味がない」と、2週連続のホーム戦を見据えた。

J2は7月22、23日、24節を行った。11位の山雅は22日、14位の愛媛FCとアルウィンで対戦し、2-1で勝った。
前半2分、セルジーニョが倒れながら出したスルーパスに石原が走り込み、GKとの1対1を冷静に決めて先制。35分には高崎が頭でそらしたロングボールをセルジーニョがシュートし、GKの弾き返しを石原が蹴り込んだ。
後半7分に1点を返され、選手と並びを変えた相手に押し込まれたが、最後まで集中して守り切った。
次節は29、30日。山雅は29日に17位ツエーゲン金沢とアルウィンで対戦する(午後6時開始)。今季、金沢とは16節(5月28日)に敵地で対戦し、4-0で勝っている。

【選手コメント】
8番・セルジーニョ 先制点はよいタイミングが重なった。スライディングすれば間に合うと思い、石原が絡んでくれると信じていた。2点目はGKの上を狙ったシュートは防がれたが、こぼれ球を石原が狙っていたのでよかった。
ポジション争いがあるのはよいことだが、ベンチに座っていたくない。仲間をリスペクトしながら、先発のチャンスが来るのを待っていた。試合に出られない時も、ひたむきな姿勢は持ち続けなければ。自分のゴールより、チームの勝利のために戦う。
20番・石原 (2シャドーを)セルジーニョと組む機会は今季ほとんどなかったが、うまく得点に結び付けられた。勝てたのはよかったが、続けていくことが大事。修正すべき点はしなくては。
金沢との前回の対戦では自分が得点している。2節続けてホームで戦えるのは強み。また決められるようにしっかり準備する。
(取材班)

天皇杯3回戦「格上」サガン鳥栖を撃破

170715yampサッカーの第97回天皇杯全日本選手権大会は12日、3回戦を各地で行った。J2松本山雅FCは、松本市神林のアルウィンでJ1サガン鳥栖と対戦。2-1で勝ち、16強入りを果たした。「格上」相手の勝利で、4試合無敗中のリーグ戦にも弾みがつきそうだ。
リーグ戦とほぼ同じメンバーの鳥栖に対し山雅はリーグ戦で出場機会の少ない選手や若手主体で臨んだ。
前半から押し気味に試合を進め、0-0で迎えた後半22分、志知孝明選手が先制。4分後にはセルジーニョ選手が追加点を挙げた。
33分には相手FKから失点したが、試合終了の笛が響くと、入場者5037人の大半を占めた山雅側の観客は喜びを爆発させた。
反町監督は「最後まで足を止めず走り切ってくれた」と評価。スタンドで観戦した主力組についても、「危機感を持つはず。相乗効果が生まれればいい」と期待を込めた。
4回戦は9月20日。組み合わせは8月7日に決まる。

松本山雅FCは13日、前日に公式戦初得点を決めた志知選手がJ3福島ユナイテッドFCに2018年1月31日までの期限付きで移籍すると発表した。志知選手は東海学園大4年だった15年、特別指定選手として加入。今季はリーグ戦6試合に出場していた。
(長岩将弘)

癒やしの世界、野鳥さえずる初夏の草原(松本市・美ケ原高原)

170715sikip咲き誇るレンゲツツジの群落を背景に飛び立つ瞬間のノビタキ。野鳥のさえずりがにぎやかな初夏の草原は癒やしの世界=ニコンD3S、ニッコールED600㍉、6日午前8時43分、武石峰遊歩道から

松本市と上田市、長和町にまたがる美ケ原高原の朝。レンゲツツジが鮮やかに赤く彩る初夏のステージで、ノビタキが、草原のソリストの美しいさえずりを披露する場面に出合った。
6日、午前6時半。武石峰の遊歩道を登りながら立ち止まる。近くでノビタキとホオアカが自慢の美声でデュエット。少し離れたコナシの木で、俳句の夏の季語である老鶯(ろうおう)が流麗に歌う。時折、存在感を知らせるモズの鳴き声も。遠いカラマツのこずえで時を刻むようにカッコウが鳴き、谷の底からひんやりした風に乗ってホトトギスの忍び音が上って来た。気が付くと撮影で登って来た遊歩道に腰を下ろして1時間。野鳥たちの“草原合唱団”のコーラスにうっとり聴き入り、時間を忘れ大自然のヒーリングの世界に浸ってしまった。
長年、構図の主役にしてきたレンゲツツジの株を望遠レンズで探すが見つからない。ようやくファインダーに捉えたのは、枯死した株の変貌した姿。咲き誇る群落を背景にした自然界の「生と死」の構図だ。その光景に、はかない人生がオーバーラップし、急にむなしさに襲われた。
偶然、枯れた株の先端にノビタキが飛来。いたわりの明るい美声でさえずり、励ましてくれた。美ケ原“草原合唱団”の癒やしの自然力に感謝である。
(丸山祥司)

J2第22節 2カ月ぶりホーム白星 横浜FCに3-1

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今季開幕戦で敗れた相手に快勝し、シーズン後半を白星で発進。ホームでは10節・讃岐戦(4月29日)以来、約2カ月ぶりの勝利となった。押し込まれる時間が長かったが、しっかり耐えて好機をものにする「われわれらしさがふんだんに出たゲーム」と反町監督。今季最長の4試合無敗とし、ようやく浮上の気配が見え始めた。

ハードワークや球際の強さ、体を張った守備、セカンドボールへの執着心-など、今季は鳴りを潜めていた“らしさ”が随所にうかがえる試合だった。
「どの試合もそうだが、非常に難しいゲームだった」と切り出した反町監督は、最も評価できる点として、リーグトップの15点を挙げている横浜FWイバを抑え込んだ守備の頑張りを挙げた。イバを「相手の攻撃戦術の大部分を担う選手」とし、「彼をしっかり抑えられたことが、少ないチャンスで勝てた要因」。
橋内も「(イバは)高くて強いのでボールを収められてしまうこともあったが、それでもチームとして慌てず対応できた」と胸を張った。
山口との前節は追い付かれながら終盤に勝ち越した。2試合続けて勝ち切れた理由を橋内は「チームが成長した」と話す。
反町監督も「シーズン前半の課題を少なからず修正できた。押さえるべきところを整理して臨めた」とうなずく。
今節の勝利で勝ち点で横浜を抜き、順位も5月上旬以来の一桁に。次節も上位の長崎との対戦で、勝てば昇格プレーオフ進出圏の6位以内に浮上する可能性も。指揮官は「マラソンも折り返し地点を過ぎてからどれだけ走れるかが勝負」と闘志をたぎらせた。

J2は8、9日、第22節を行った。12位の山雅は8日、8位の横浜FCとアルウィンで対戦し3-1で勝った。山雅は8位に浮上した。
落雷の可能性で30分遅れて試合開始。山雅は序盤からイバを軸とした相手の攻撃に押され守勢に回ったが、決定的な場面をつくらせずにしのいで前半終盤、右の深い位置からの宮阪のFKに高崎が頭で合わせて先制し、ロスタイムには右後方から橋内が浮かせたボールを高崎が頭で決めて追加点。
後半にも宮阪の右FKからのこぼれ球を橋内が押し込み3点目。終了間際にPKを与えたが、相手の反撃をほぼ完璧に防ぎ切った。
山雅は12日、天皇杯3回戦でJ1サガン鳥栖とアルウィンで対戦(午後7時開始)。リーグ次節は15日、トランスコスモススタジアム長崎(諫早市)で4位V・ファーレン長崎と対戦する(午後7時開始)。今季、長崎には7節(4月8日)にホームで3-0で勝っている。

【選手コメント】
9番・高崎 2得点ともいいボールが来たので当てるだけだった。3点目は僕に当たりこぼれた球をハシ(橋内)が決めた。自分で決めたかったが、ハシのほうがいい体勢だった。
シーズン前半になかなか勝てなかったのは、得点できなかった自分の責任も大きい。これからしっかり挽回したい。
5番・岩間 90分間を通して苦しい展開だったが、自分たちらしさを出せた。前半に2点取ってくれたので、余裕を持って戦えた。
シーズン前半に僕らの良さが発揮できなかったのは、開幕戦で出し切れず、ずるずるきてしまった部分も。「成長したところを見せよう」とミーティングで確認して試合に臨んだ。
皆(今季前半からの)切り替えはできているし、後半はよいスタートが切れた。ここからの継続が大事だ。
23番・岡本(負傷の田中に代わり後半途中から出場) サイドはリーグ戦では初めて。緊張したが楽しめたし、周りを見る余裕もあった。積極的かつ冷静な判断もできた。こういうプレーを継続したい。まだまだやれる部分がある。
(取材班)

日本クラブユース選手権 予選突破目指して U-18山﨑新監督に聞く

170706yampU-18(18歳以下=高校年代)チームが全国のクラブ王者を決める第41回日本クラブユース選手権(23日~8月2日)に出場する。2年連続3度目、北信越予選1位での出場は初めて。今季就任した山﨑茂雄監督(53)に、指導してみての手応えや現状、大会での目標などを聞いた。
-半年ほど指導した感想は。
辛抱強く、まじめで素直な選手が多い。一方で破天荒なプレイヤーは少なく、個々の特徴を発揮するのに時間がかかりそう。
昨年指導した東ティモール代表とはかなりタイプが違う。彼らは失敗も多いが判断が速く、どんどんチャレンジする。
ただ、短期間で結果が求められる代表と違い、クラブは継続性が大事。時間をかけて築き上げたものは強固。この半年で彼らなりに力を積み上げてきている。
-目指すスタイルは。
攻守両面で全員が関わるのが原則。ボールを持つ人も持たない人も、プレーに関わるためにどうするべきかを、走りながら考えるよう要求している。
-プロ選手輩出は育成組織の使命。山雅はまだ実現できていない。
日々の積み重ねがプロにつながる。ピッチ内外で自分たちで考え、判断する経験を積み、人間性も含めて成長することが必要。
若くしてプロで活躍する選手も、チャレンジ精神を持ち、力の出し惜しみをせず、周囲がよく見えている-など、私たちから見れば「やるべきことができている」ということ。そういった基本をしっかり身に付けさせることが、ユースに携わる私たちの役割だ。
山雅にも素質がある選手はいるし、継続的にトップチームの練習に参加する選手も出てきている。近いうちにトップチームに昇格させたい。
-チームの長所と課題は。
走力や組織力といった元来の強みに加え、狭いエリアでボールを動かして相手を崩す攻めや、全員がボールに関わる守備などに取り組み、少しずつできてきている。
課題は個々の状況判断。一つの状況に対して二つ、三つの引き出しで対応できるようなケースはまだ少ない。
-今大会と今季の目標は。
予選突破。前年覇者で秋のJユース杯も制したFC東京を筆頭に厳しい試合ばかりになる。
かといって「これだけをやり続ける」という展開にしたくない。粘り強く戦い、短時間でも攻勢に出て、強敵相手に勝機を見いだす戦い方をしたい。われわれの良さを出し、選手に自信を持ち帰ってほしい。
今年の大きな目標の一つが、県リーグからプリンスリーグ北信越への昇格。今大会でひと回りもふた回りも成長、シーズンの最後に成果を発揮し、より高いレベルの環境をつかみ取りたい。

【第41回日本クラブユース選手権(U-18)大会】
全国9地域の予選を勝ち上がったJクラブ育成や一般クラブ計32(うち北信越2)チームが出場。8組で予選リーグを行い、上位各2チームが決勝トーナメントへ。山雅は予選で23日に京都、24日にFC東京、26日に町田と対戦する。
【やまざき・しげお】
1963年、埼玉県生まれ。順天堂大、埼玉教員SCを経て、主に高校やナショナルトレーニングセンターなどで指導。昨年は東ティモールU-21、U-19代表監督。Jクラブ育成組織での指導は2006年の大宮以来11年ぶり。日本協会公認S級コーチ。
(長岩将弘)

柴田ユースアドバイザー、JFL浦安監督に就任

ユースアドバイザー兼U-15監督で、2011~15年にトップチームのコーチを務めた柴田峡さん(51)が1日、JFLのブリオベッカ浦安(千葉)の監督に就任し、山雅を去った。「私のわがままだが、何かを変えないといけない」と決断したという。
今季前半を終えて最下位で、前監督を解任した浦安から急きょ要請を受け、引き受けた。
ユース全国大会制覇の実績や全国の育成指導者とのパイプを買われ、育成に力を入れるクラブの要請で昨年から現職に。「やり残したことも多いが、のんびりとした風潮の中で『地域を変えるのはよそ者とばか者』という思いでやってきた」
12年のJリーグ入りは「皆で協力して実現した得難い経験」。二人三脚でJ1昇格も果たした反町監督については「勤勉で常に手を抜かない指導者。一緒に仕事ができて勉強になった。成功体験や学んだ方法論に、これから自分の持ち味を加えたい」。
J2降格でトップチームを離れ、「あの悔しさを晴らせていない。いつか松本に戻り、恩返ししたい」と言い残した。
(長岩将弘)