月別アーカイブ: 2017年2月

1日からちひろ美術館開館20周年記念企画展

4月に開館20周年を迎える松川村の安曇野ちひろ美術館は3月1日~5月9日、記念企画展の第1期としてアニメーション映画監督高畑勲さん(81、東京都)が監修する「ようこそ!ちひろの絵のなかへ」と、美術家奈良美智さん(57、栃木県)がつくる「茂田井武展夢の旅人」を開く。24日、オープニングレセプションが開かれ、二人が展覧会への思いなどを語った。
「ようこそ!」は、絵本作家いわさきちひろ(1918~74年)の原画など103点を展示。見どころの一つは、ちひろの絵を6~7倍に拡大した10点のピエゾグラフ作品。大きいものは縦2・5メートル、横4・5メートルほどあり、壁全体に展示。「戸口に立つおにた」は、おにたが等身大になっている。絵の具のかすれやにじみ、紙質などまで原画を精巧に再現した。
「茂田井武展」は、同館が収蔵する童画家茂田井武(1908~56年)の作品約800点の中から奈良さんが選んだ約170点を展示。作品選びだけでなく、配置の仕方なども奈良さんが手掛けた。
また、白い布を洗濯ばさみでつるし、そこに茂田井の日記などを拡大して映し出すユニークな展示もある。
同館は過去2回、茂田井の作品展を行ったが、学芸員によると「これほど多く展示したのは初めて」という。

レセプションで高畑さんは「現代の技術があるから絵を大きくして見ることができる。大きくして悪くなったためしがなく、魅力はそのまま伝わる。ぜひやってみたかったことが実現した」。
奈良さんは「展覧会の話をもらった時に収蔵作品が全部見られるなら引き受けなければと思った」とし、「数が多いので全部見る必要はない。ただ、一人の作家がこれだけの数の作品を描いた。その数に着目してほしい」と思いを語った。
竹迫祐子副館長は「こんな展覧会が開催できるところまでやってこられた。新しい取り組みに一歩踏み出すことができ誇らしく思う」と話した。
4月16日午後2時から高畑さんの講演会を開く。期間中の休館日は3月22日、4月12、26日。同館電話0261・62・0772
(浜秋彦)

子らの感性光る 空穂記念館「子どもの短歌」入賞者表彰

松本市和田の窪田空穂記念館が市内の小中学校、特別支援学校を対象に募集した「松本の子どもの短歌(うた)2016」で、小中学生各2人が最優秀賞に輝いた。学校生活や日々の暮らしの中で感じたことなどを素直な言葉でつづり、子どもたちの情緒あふれる思いが作品に表れている。
同市出身の歌人・窪田空穂(1877~1967年)を顕彰し、子どもたちの豊かな感性を育もうと14回目。本年度は中学生の部に2627首、小学生の部に4382首の応募があった。
24日は高綱中学校で入賞者への賞状授与式があり、記念館の勝野恒彦館長が最優秀賞の塩原香葉子さん(3年)らに賞状を手渡した。
塩原さんの作品は「雲間から光の雨が降りそそぐ父と二人で帰る夕暮れ」。県外で単身赴任する父を思って作ったと言い、「雨上がりに空を見上げた時、ふと父と一緒に買い物に行った帰りの日のことを思い出した」。
塩原さんは「まさか最優秀賞に選ばれるとは思わなかった。驚きとうれしさでいっぱい。父も家族もみんな喜んでいる」と笑顔。勝野館長は「とても素晴らしい歌で、塩原さんの素直な気持ちが伝わってくる。これからも学業をはじめ、いろいろなことを頑張って」と激励した。
審査は歌人の小柳素子さんと中根誠さんが行い、それぞれ小学校と中学校の部で最優秀賞1点、優秀賞10点ずつを選んだ。特別賞の空穂会賞を含め、入選作269点は3月18日~4月16日、同館の作品展で展示する。
その他の最優秀賞作品と受賞者は次の通り(敬称略)。
▽小学生の部「本を読むページめくれば楽しくて私の心広がっていく」(福田菜奈・筑摩6年)
「すみ渡る寒空の下かけぬける北風さんと一年生が」(伊藤恵理子・芳川6年)
▽中学生の部「乗鞍の頭に雪がのったとき僕の頭にニットの帽子(酒井孝瑛・鎌田2年)
(高山佳晃)

J2開幕 攻守に精彩欠き横浜FCに0-1

170228yamp今季のサッカーJ2は26日に開幕し、J1再昇格を目指す松本山雅FCは横浜FCと横浜市のニッパツ三ツ沢球技場で対戦して0-1で敗れた。現地に駆け付けた約6000人のサポーターをはじめ、地元でも多くのファンや市民が声援を送った。
サポーターの交流の場やクラブの情報発信の拠点として、前日に松本市大手4に開店した「喫茶山雅」は、開幕戦をライブ配信で観戦する催しを行い、参加希望者のうち抽選で当たった約50人が来場。プロジェクターが映し出す大画面を見てチャンスに歓声、失点に悲鳴を上げ、好プレーに拍手を送った。
山雅を応援して3年目という松川村の田中晶さん(19)、葵さん(17)姉妹は「新しい選手が加わりレベルアップしたと感じた。昨季は悔しさしか残らなかったので、今季は優勝してJ1に昇格してほしい」。
喫茶山雅の食事(有料)付きの観戦は、3月は山雅が敵地で戦う5、12日に行う。アルウィンでのホーム開幕戦は19日。

「われわれらしさが3分の1くらいしか出せなかった」(反町監督)という言葉通り、山雅は攻守に精彩を欠き、2シーズン続けての黒星スタートとなった。昨季序盤のもたつきを反省し、今季は早めにチームをつくり完成度を高めたはずだったが、キャンプ中の練習試合でも目立った得点力不足は解消できていない。
反町監督が攻撃の工夫不足や緩慢な守備を嘆き、「省エネで勝てるチームではないし、そういう(労を惜しまない)チームづくりをしてきたが…」と話した90分間。
「攻守でめりはりが付けられず、ずっと同じようなペースで終わってしまった」と振り返ったのは岩間。
新加入の橋内は「もっとボールを動かせるようにならないと。自分たちでチャンスがつくれなかった点に目を向け、やっていかなくては」と力を込めた。
「ここからはい上がっていくのが山雅。底力を出し惜しみせず、次の試合に向かっていく」と指揮官は前を向いた。

山雅は試合序盤に両サイドやCKから好機をつくったが、前半16分にパスをつながれ、ミドルシュートを決められ失点。その後は狙いがあいまいなクロスなど単調な攻撃を繰り返した。
後半も相手ペースを覆せず、パスのミスや連携のほころびでピンチを招く場面も。宮阪、志知、三島を投入して得点を狙ったが、試合を通じて決定機は少なかった。
次節(3月5日)は愛媛FCと松山市のニンジニアスタジアムで対戦する。昨季の対戦成績は2引き分けの難敵。ホーム開幕戦を制し、勢い付く相手にどう挑むか。

【選手コメント】
21番・鈴木(リーグ初出場)「失点は誰かが悪いのではなく、ああいう場面を作らせてしまったチーム全体の責任」
3番・田中「敗因を一つに絞るのは難しく、経験がある僕が、何が悪いかを皆に伝えることができなかったのも一因。足りなかった『何か』を改善したい」
4番・飯田「引いたつもりはなかったが、互いに蹴り合う展開で(横浜FW)イバにボールが収まってしまい、そこでファウルをしてFKで押し込まれた。失点は、組織が崩されたわけではない」
10番・工藤「攻撃のスイッチの入れ方など課題が残った。まだ発展途上。悪かった点を探すより、これからどうしていくかが大事」
8番・セルジーニョ(新加入)「たくさんのサポーターがいて良い雰囲気の中で、本当に幸せな気分でプレーできた。こういう環境だとモチベーションが上がる」
20番・石原「横や後ろへのパスが多く、勝負に行けなかった。もっとゴール近くでボールをもらい、自分で仕掛ける場面を増やさなくては」
9番・高崎「自分たちの力を出せていない。出せていたら負ける試合ではなかった」
15番・宮阪「もっとボールに触れればよかったし、シュートチャンスも決めきれず悔しい」
11番・三島「久々の雰囲気で硬さがあったかもしれない。もっとゴールに向かうプレーをしなければ」
25番・志知(リーグ初出場)「中に切り込んでのシュートや、縦に仕掛けてクロスというのが求められていたと思うが、得点につなげられず悔しい」
(長岩将弘、大山博)

松本への愛着度は?信大生が学内調査

学生の約7割が県外出身者の信州大松本キャンパス(松本市旭3)。卒業後はそれぞれの故郷や都会で就職するため松本を離れる人が多い。「卒業後も住み続けたり、訪れたりしたいと思ってもらうには-」。人文学部文化情報論分野の学生が、「松本への愛着」をテーマに初めて行った調査・研究の成果を、このほど市内でフォーラムを開いて発表した。
2年生の伊藤貫太さん(20)と品田正太郎さん(21)は昨年末、松本キャンパスに通う学生320人(有効回答295件)に行ったアンケートの結果を公表した。
買い物や交通などが便利な都市的生活を志向する人ほど、松本への愛着度が低い-という仮設を立て、男女別に検証したところ▽全体的に女性の方が松本への愛着度が高い▽男性は都市的生活を望む人ほど愛着度が低く、女性は左右されない-という結論に。
多くの学生が行うアルバイトを通じ、地域との関わり方や愛着度を探った2年生の前川晴奈さん(19)と福元聖矢さん(21)は「個人経営の店でアルバイトしている人の方が、全国展開のチェーン店などで働く人より松本への愛着が強い」という結果を示した。
3年生の小山未来さん(21)と田中日奈子さん(20)は「松本に愛着を持ってもらうために何が必要か」を、信大生171人にインターネット調査した結果を基に推論した。
小山さんは、大学への愛着が強い人ほど松本への思い入れが深く、卒業後も住み続けたい気持ちが強い-という調査結果を踏まえ、「学業をはじめ交友関係など松本でのキャンパスライフを充実させることが、結果的に愛着を強めることにつながる」とまとめた。
(高山佳晃)

26日から塩尻でメッセージを書いた帯を絵本に巻くサービス

直筆メッセージを書いた帯を絵本に巻いてプレゼントしませんか-。塩尻市立図書館と塩尻書店組合は26日から、メッセージを書き込める「贈り帯(たい)」と名付けた帯を組合加盟の6店に置き、店で買った絵本にその帯を巻いてプレゼント用に包装するサービスを始める。「図書館と書店が手を取り合って読書活動の推進を図る、全国におそらく例がない取り組み」(同組合)という。
帯を扱うのは神田堂、興文堂書店(塩尻、平田、アイシティ21店)、中島書店、丸文ウイングロード店。帯を巻く対象の絵本は、原則として、市立図書館で働く2人の「絵本専門士」が選んだ10冊で、各書店は専用コーナーを設ける。
ただし、この10冊以外でも、6店で購入した絵本ならば帯を巻くことができる(本のサイズにより、難しい場合もある)。
本の購入者は、店のカウンターで贈り帯を受け取り、メッセージを記入。帯を巻いた本は書店が無料で包装し、郵送にも応じる。
今回は「入園、入学のお祝い」を想定し、「とべ!ちいさいプロペラき」「ラチとらいおん」など、入園、入学児向けの本を5冊ずつ選出。▽新しい環境に入っていく勇気をもらえる▽家族で楽しめる▽絵がしっかりしている-などの基準で選んだ、と絵本専門士の鎌倉美枝さん(49)。
もう一人の選者、松本美幸さん(48)は「大きくなってから読んでも深いメッセージが感じられるものばかり。中学、高校などの入学者に贈っても楽しんでもらえる」と話す。

「塩尻は、本を買ってもらいたい書店と本を無料で貸し出す図書館が敵対せず、『本を愛する人を増やそう』と協力する、全国でもまれな地域」と、書店組合事務局を務める興文堂の奈良井功社長(56)。
これまでも、図書館の講座で組合加盟書店が販売ブースを設けるなどしてきたが、今回は「書店に足を運んでほしい、本を贈る文化を育てたい、との思いも込めた企画」(中野実佐雄館長)。鎌倉さんも「絵本はすぐ手に取れることが大事。ぜひ家の中に本をそろえてほしい」という。

贈り帯は200枚制作。対象10冊は図書館本館1階に展示し、読むことができる。中野館長は「どの本にしようか迷ったら、図書館の司書や絵本専門士、書店店員に気軽に相談してほしい」と話している。市立図書館電話53・3365
(松尾尚久)

小谷に若者集まれ 来月地域おこし企画

小谷村好きの若者が、1泊2日の日程で交流するイベントが3月4、5日、村内で開かれる。村のことをより深く知り、結果的に移住やカップルの成立につながればと、村の地域おこし協力隊員などが「集まれ!小谷好き!!信州小谷若者交流会」と銘打って企画、運営。村内在住か、村が好きな20~40代の独身者の参加を募っている。
初日はチーム対抗のスノーシューハイキングや交流会などで親睦を深める。2日目は村内集落の散策ツアーや、民家でのお茶会、住民との交流などを計画。「栂池高原ロッヂ大樹」(千国乙)に宿泊する。
地域おこし協力隊員が運営する「おたり自然学校」と村住民係が運営を担当。協力隊員の大日方冬樹さん(29)は「村好きの若者が、アットホームに交流できるイベント。カップルも生まれれば」、住民係の大日方繁文さん(26)は「村外の小谷好きの人にも現地をより深く知ってもらうことで、移住などにもつなげたい」と話している。
4日正午集合。定員は男女15人ずつ。男性7000円、女性4000円。4日のみの日帰りの参加は男性4000円、女性2000円。トラベルプラザ大町店(大町市大町)が主催する。
インターネットで「信州小谷若者交流会」と検索し、上位に出る「ハピネスナビ信州」内のイベントページから申し込む。村住民係電話0261・82・2581
(大山博)

「貧乏神送り」の行事で現れた神秘な現象(松本市入山辺厩所)

170225sikip松本市重要無形民俗文化財の「貧乏神送り」で焼き払われるわら馬の背後に“炎の神馬”が幽玄神秘な姿を現した=ニコンD3S、ニッコールED28-70ミリ

四季彩の図

燃えるわら馬の背後に“炎の神馬”が現れた-。
2月8日、松本市入山辺の厩所(まやどころ)地区で行われた「貧乏神送り」。26軒が寄り添うように暮らす山里で昔から連綿と受け継がれてきた事八日(ことようか)の伝統行事だ。
体長2メートル、高さ1・5メートルの大きなわら馬を作り、背にジジ、ババと呼ぶわら人形を乗せて貧乏神に見立てる。わら馬の周りで数珠を回しながら「南無阿弥陀仏…」と念仏を唱えた後、薄川の堤防に運んで焼き払い、安穏と無病息災を願う。
点火から約2分後、炎がわら馬を包む。燃え盛る火が風を呼び、炎が宙に踊り舞う。貧乏神が昇天する瞬間。撮影は終始、般若心経を唱えながら続けた。
わら人形のジジ、ババに火が付いた瞬間、カメラのファインダーの中で怪しげに揺れる大きな炎。“炎の神馬”だ。とっさにシャッターを切った。驚愕(きょうがく)の光景を目の当たりにし、ことばを失い、身も心も震えた。
口を開けた馬の顔がリアルだ。目、耳、たてがみも。背には「火」や「大」の文字にも見てとれるジジとババが乗り、尾を振り上げている。貧乏神が炎の神馬に乗り立ち去る神秘な場面。厄が払われた瞬間だ。「厩所の人たちはみんな守られている」。そんな安堵(あんど)の思いが伝わってきた。
(丸山祥司)

ハンマー・ダルシマー 貴重な生演奏

伊那市在住のハンマー・ダルシマー奏者前澤朱美さん(46)が夫のアコースティック・ギター奏者前澤勝典さん(51)と組むデュオ「亀工房」は3月11日、「ハンマー・ダルシマーとギターの調べ亀工房」を、松本市大手2のジュレ・ブランシュで開く。
ハンマー・ダルシマーは、イランを起源にヨーロッパで生まれたピアノの原型とも言われる楽器。台形の木箱に張った83本の弦を木製のバチでたたく演奏法で、温かく美しい響きが特徴だ。
ライブでは、アイリッシュ音楽をはじめ、クラシックや日本の歌など幅広い曲を演奏。残響の広がり方など、音色の相性が良いギターとの共演を楽しめそうだ。
朱美さんは25年前、ハンマー・ダルシマーの魅力にひかれ演奏を始め、独学でさまざまな奏法を習得し、日本で数少ないプロの奏者に。勝典さんと1992年、「亀工房」を結成し、全国で年間50回ほどの演奏活動を続けてきた。
楽器の入手が難しいほか演奏者も少なく、認知度が低いハンマー・ダルシマー。当日は演奏体験や質問コーナーも設ける。朱美さんは「音に包まれている感覚がとても楽しい。より多くの人に魅力を知ってほしい」と話している。
午後7時開演。参加費4000円(軽食、ワンドリンク付き)。定員16人。予約、問い合わせはジュレ・ブランシュ電話33・2252
(井出順子)