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J1昇格ならず 生命線の堅守破れ岡山に1-2

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J1復帰かなわず-。サッカーJ2の松本山雅FCは27日、J1昇格の残り1枠を争うプレーオフの準決勝でファジアーノ岡山と松本市のアルウィンで対戦し、1-2で敗れた。降りしきる雨の中、1万人を超すサポーターが声をからして山雅を後押ししたが、あと一歩で決勝進出を逃した。
山雅は前半23分に先制される苦しい展開だったが、後半29分にパウリーニョ選手がコーナーキックに頭で合わせて同点にした。しかし、残り数分となった後半ロスタイムにまさかの失点。試合終了の笛が鳴り響くと選手はグラウンドに崩れ落ち、倒れ伏した。
決勝進出を確信していたサポーターもしばし沈黙したが、すぐに健闘した選手たちをスタンドからたたえ、「来シーズンこそJ1へ」と大きな声でエールを送った。
山雅を北信越リーグ時代から応援しているという菊田直由さん(40、笹賀)は「シーズン3位で来たのに、こういう結果は悔しい」としながらも「選手はみんな頑張った。J1だろうがJ2だろうが、山雅を応援する気持ちは変わらない」と来季を向いていた。

負ければ終わりのトーナメントで争うプレーオフの初戦。年間順位で上回る山雅はホーム開催で、引き分けでも決勝に進める有利な立場だったが、土壇場の失点で敗れた。「1年を通して、こういう場面は何度もあった。改善し切れなかった」と岩間が悔やんだ通り、最後も詰めの甘さに泣いた。
山雅はほぼボールを支配して攻め続けていた前半23分、カウンターのロングボールにヘディングで競り負け、拾った岡山FW押谷に決められ先制を許す。
後半も開始直後から何度も決定機をつくったが、時に5バックを敷いてブロックをつくる岡山は最後の一線を割らせない。それでも29分、途中出場の宮阪の左CKにパウリーニョが頭で合わせ、同点に追い付いた。
しかし、リーグ1~40節は1試合平均0・7失点だったのが41、42節は2失点し、この日を含めて3戦続けて前半に先制された山雅は、生命線の「堅守」を取り戻せなかった。後半ロスタイム2分過ぎ、岡山FW赤嶺に最終ラインの裏にフリーで走り込まれ、勝ち越し点を奪われた。
年間勝ち点で2位清水と並びながら得失点差で自動昇格を逃し、勝ち点19差をつけた6位岡山に昇格の望みを絶たれる厳しい現実。
反町監督は「気持ちの整理がつかないが、実力がなかったということ。全て私の力不足」と責任を背負い、「これより強いチームをつくるのは至難の業。選手には、年間勝ち点84は胸を張っていいと伝えた」と健闘をたたえた。問われた来季の去就は明言を避けた。
打ちひしがれる選手が多い中、田中は「何かが足りないから負けた。悔しさをばねにその何かを見つけ、埋めていかなくては」と、必死で前を向いた。
試合後、今季限りでの現役引退を表明した在籍最長の鐡戸は「(加入した)09年からいろいろなことがあったが、山雅は着実に前に進んでいる」とし、「来季もチャンスはある。昇格、J1定着と前進し続けてほしい」。
それは雨の中、最後まで声をからしたファンやサポーターの願いでもある。ここから立ち上がり、新たな一歩を歩みだすことができるか。
プレーオフもう1試合の4位C大阪-5位京都は1-1の引き分け。年間順位で上回るC大阪が、J1昇格を懸けて12月4日の決勝で岡山と対戦する。
(取材班)

山雅J1懸けプレーオフへ 最終節勝利も自動昇格届かず

161122yampサッカーJ2は20日、最終節(第42節)を各地で行った。3位の松本山雅FCはJ1自動昇格(2位以内)を目指して8位横浜FCと松本市のアルウィンで対戦。3-2で勝ったものの、2位清水エスパルスが勝ち、1位北海道コンサドーレ札幌も引き分けたため、順位は3位のまま。3~6位がJ1昇格の残り1枠を争う「プレーオフ」へと、決戦の舞台を移す。
自動昇格のためには勝利が絶対条件。選手の背中を押そうと、アルウィンには過去最多の1万9632人が詰め掛け、大声援を送った。
試合は前節同様、前半序盤に先制を許す厳しい立ち上がりだったが、前半ロスタイムと後半5分に高崎寛之選手が連続得点するなど攻勢。4分後に同点にされたが、37分に三島康平選手が値千金の決勝ゴールを決めた。
山雅はそのまま勝ちきったが、選手に笑顔はなし。サポーターも山雅と同時刻に行われた他会場の結果にかたずをのみ、アルウィンは静寂に包まれた。間を置かず清水と札幌の試合結果がスタジアムに流れると、サポーターは「あと2つ勝つぞ」と選手を鼓舞。
北信越リーグ時代から応援する田川正樹さん(39、島内)は、JFL昇格を懸けて4チームが戦った2009年の全国地域リーグ決勝大会決勝ラウンドを回想。「あの時もアルウィンで昇格を決めた。もう一度あの喜びをここで味わいたい」、小岩井尚直さん(39、里山辺)は「(プレーオフ初戦で対戦する)ファジアーノ岡山には10月にアルウィンで引き分けに持ち込まれた。まずそのリベンジをして弾みを付けたい」と力を込めた。

プレーオフ初戦となる6位岡山との対戦は、27日午後3時半からアルウィン。リーグ戦とは別大会の扱いのため、別途観戦チケットが必要。
27日のチケットは価格・席種とも今季リーグ戦と同じで、23日午前10時から一般販売。各コンビニエンスストアなどで購入できる。
シーズンパス保持者とクラブガンズ会員には先行販売。詳細はクラブ公式サイト。問い合わせは株式会社松本山雅電話88・5490

◇  ◇  ◇

リーグ最終戦を白星で飾ったものの、勝ち点で並ぶ清水に得失点差で及ばず、昇格プレーオフへと進んだ山雅。ただ、田中は「勝って3位と負けて3位とでは、勢いの面で全然違う」と指摘。難しい試合を勝ちきったことは、プレーオフに向けた自信と手応えになるはずだ。
山雅の試合の立ち上がりはやや硬く、前半9分に一瞬の隙から自陣右サイドを破られ、先制を許した。
だが、その後は押され気味ながらも浮き足立つことなく冷静に試合を進め、徐々にリズムを引き寄せる。
すると前半ロスタイム、ペナルティーエリア内での相手ハンドでPKを獲得。これを高崎が落ち着いて決め、試合を振り出しに戻して折り返した。
高崎はさらに後半5分、工藤からのパスを左サイドで受けると、小さくヘディングで浮かせて巧みに抜け出し、そのままミドルシュート。リードを奪った。
しかしその4分後、自陣左CKに頭で合わせられ、再び同点に。
互いに攻撃的な選手を送り込んで3点目を狙う中、試合が動いたのは終盤の37分。途中出場した宮阪の左CKに、同じく途中出場の三島が倒れ込みながら頭で合わせ、勝ち越しゴール。これが決勝点となった。

プレーオフはトーナメント形式で、27日に3位山雅と6位岡山、4位C大阪と5位京都を行い、それぞれの勝者が12月4日の決勝へ。会場はいずれも年間順位上位クラブのホームで、引き分けの場合は上位クラブの勝ちとなる-など、リーグ戦結果の優位性が保たれる。
反町監督は試合後、「今にして思えば、勝ち点1の重みを痛感する」と悔しさものぞかせつつ、「これも42試合やってきた結果。真摯(しんし)に受け止め、次へのエネルギーとしなくては」ときっぱり。
選手たちも「また2試合、アルウィンで勝ちたい」(高崎)、「今まで通り、1試合ずつ集中するだけ」(工藤)と意気込む。
一昨季、山形で6位からプレーオフを勝ち上がってのJ1昇格を経験した宮阪は「前回のプレーオフは楽しかった」とし、「一発勝負の怖さはあるが、どれだけ自分たちのサッカーを自分たちらしく表現し、楽しめるかだと思う」と見据えた。
(取材班)

J2第41節 痛恨の敗戦で昇格争いは最終節へ

161115yamp敵地で7位町田に敗れて17試合ぶりの黒星を喫し、山雅は自動昇格圏から滑り落ちた。首位の北海道コンサドーレ札幌、2位清水との自動昇格争いの決着は最終節に持ち越したが、勝ち点で並ばれた清水には得失点差で18上回られており、自力での自動昇格は事実上消えた。痛すぎる敗戦から立ち上がることができるか。
試合後、反町監督が「どこかに重圧や、普段なら出ないおごりがあった」と絞り出したように、動きが硬かった前半が勝負を決定づけた。
山雅は序盤から相手の速さや球際の激しさに負けて押し込まれた。12分、自陣右を破られ、逆サイドへのクロスに合わせられ先制を許した。
前半ロスタイムには再び自陣右をえぐられ、深い位置の折り返しから痛恨の2失点目。
相手の出足が鈍った後半は主導権を握り、21分に喜山、石原とつないだボールを高崎が決めて1点を返し、さらに宮阪ら攻撃的な選手を送り込んだが、追加点は遠かった。
前線からの圧力や、人数をかけるサイド攻撃など「狙いが明確。対策は立てやすい」と町田を評していた反町監督だが、「分かっていてやられてしまったのが恥ずかしい」と苦りきった。
飯田が「いつもより勝ちたい気持ちは強かったが、早い時間に失点し、前半はいい形で気持ちを出せなかった。守備ラインでゲームを壊した」と振り返れば、工藤は相手の圧力に屈した攻撃を「ボールの出どころが詰まった」と表現。
田中は「重圧はあるが、それをはねのけてこそ昇格できるチーム。自分たちの試合ができなかった自分たち自身に負けた」と唇をかんだ。
反町監督は「(昇格争いが)最終戦までもつれる経験は初めてではない。まず、指導陣がしっかり構えて精いっぱいの準備をし、選手を送り出す」と決意を語った。
最終節、山雅の自動昇格が決まるのは、勝って清水が引き分け以下の場合と、引き分けて清水が負けた場合。山雅と清水が勝って札幌が負けた場合は、山雅と札幌の得失点差の争いになるが、現状は札幌が3上回る。
3位になると、3~6位で昇格1枠を争うプレーオフ(準決勝27日、決勝12月4日)に回る。山雅が出場した場合の試合会場は準決勝、決勝ともアルウィン。

昇格を信じて最後の一戦へ-。サッカーJ2の松本山雅FCは12日、FC町田ゼルビアと東京・町田市陸上競技場で対戦し、1-2で敗れた。山雅はこの日勝った清水エスパルスと入れ替わり、J1自動昇格圏内の2位から3位に後退した。
敵地に乗り込んだ山雅サポーターは約3500人。アウェー側のゴール裏を埋め尽くし、メインスタンドも半分近く緑で染めた。
前半に2失点した山雅が後半、反撃に出ると大声援を送り、押せ押せの雰囲気をつくった。試合後、沈痛な面持ちで引き揚げる選手に「次があるぞ」と力強く言葉をかけた。
近藤潔さん(48、松本市内田)は「まだ終わったわけではない」、長女の春菜さん(14)は「山雅のワンソウル(心を一つに)な感じが大好き。最後に昇格を決め、みんなで喜びを分かち合いたい」と話した。
最終節の20日、山雅は8位の横浜FCと松本市のアルウィンで午後2時から対戦する。

サッカーJ2松本山雅FCのJ1昇格が決まる可能性があった12日、敵地での試合を放映するパブリックビューイング(PV)が松本市と塩尻市で行われた。山雅は敗れて自動昇格争いで一歩後退したが、決着がつく20日の最終戦の会場は松本市のアルウィン。来場者は「次こそ目の前で昇格決定を」と願った。
イオン南松本店(松本市双葉)の立体駐車場で行ったPVは、山雅の運営会社の主催で約600人が来場。縦3・6メートル、横5・5メートルの大型スクリーンで、かたずをのんで試合の行方を見守った。
前半は2失点にため息が漏れ、相手のシュートが2度バーをたたいて悲鳴が上がった。それでも後半に1点を返すと歓声を上げ、ハイタッチをして喜び合ったが、追い付けず敗戦が決まると肩を落とした。
最前列で観戦した望月真奈美さん(55、安曇野市堀金)は「前半は迫力がなかった。せめて同点にしてほしかったが仕方ない。今日のことは忘れて次は勝って」と選手の奮起を期待した。

塩尻市大門一番町のウイングロードビル駐車場で行ったPV「塩尻エキサイティングビジョン」(しおじり街元気カンパニー主催)には380人が来場。塩尻中学校2年の青木樹さん(13、金井)は「後半は追い上げムードだったが、決め切れなかった。次はしっかり勝って昇格してほしい」と願っていた。
(取材班)

3強し烈な戦い 東京Vに2-0 昇格争い残り2戦

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J2は6日、第40節を各地で行った。J1自動昇格圏内の2位の山雅は、15位東京ヴェルディとアルウィンで対戦し、2-0で勝った。山雅は今季3位以上が確定。首位札幌が敗れ、山雅は得失点差1で順位は下回るものの勝ち点で並んだ。3位清水も勝ち、山雅との勝ち点差は3のまま。次節(12日)山雅が町田に勝ち清水が引き分け以下、または山雅が引き分けでも清水が負ければ、山雅の2度目のJ1昇格が決まる。
山雅は3日前の前節に続くホーム試合。8試合ぶりに先発した當間が3バックの左に入り、喜山を左ウイングバックで起用した。
コイントスで勝った山雅は前半に風上を選択し、攻撃のリズムをつかむ。前線から圧力を掛けて高い位置でボールを奪い、追い風に乗って手早く攻め込んだ。
23分、左サイドでボールを受けた石原が逆サイドの田中に長いパス。田中が折り返したボールに、石原が滑り込むように合わせて先制。
その6分後には、センターサークル付近で工藤がボールを奪い高崎へ。高崎はドリブルで駆け上がり、相手DFを冷静にかわしてシュート。2点リードで折り返した。
しかし、後半は選手の並びを修正した相手のペースに。山雅は押し込まれる時間が増えたが、シュミットが好セーブを連発するなど守備陣が踏ん張り、無失点でしのぎ切った。
最終盤の過密日程3戦を無失点で全勝し、連続無敗記録は16に。喜山が「全員が守備の戦術を徹底できている」と言えば、パウリーニョも「無失点は大事。チームの自信につながる」とうなずく。
札幌の失速で最終節で優勝の可能性も出てきたが、反町監督は過密日程を乗り切った選手たちをねぎらいつつ、「自分たちのリズムで、目の前の一戦に向けて良い準備をしていくだけ」と、これまで通りの姿勢を強調。
田中も「僕らにできるのは、勝ち点6を取ることだけ。そのためにどうすればいいかをしっかり考え、練習に取り組む」と、表情を引き締めた。
(長岩将弘、松尾尚久)

J2第39節 集中切らさず熊本を零封

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J2は3日、第39節を各地で行った。J1自動昇格圏内の2位につける山雅は15位ロアッソ熊本とアルウィンで対戦し、1-0で勝って連続無敗記録を15に伸ばした。首位札幌、3位清水も勝ち、両者との勝ち点3差と順位は変わらず、自動昇格争いは混戦。残り3試合、緊迫した戦いが続く。

1週間で3試合を戦う今季最後の過密日程の2戦目。山雅は序盤からボールを保持し、両サイドを軸に攻撃を仕掛けて多くの好機をつくったが、決め切れない時間が続く。
31分に高崎が倒されてPKを獲得し、自ら蹴ったがGKに防がれた。山雅は前半だけで13本のシュートを放ったが0-0で折り返した。
後半も攻めあぐねたが、22分に試合が動く。パウリーニョから右サイドでボールを受けた工藤が、中央でフリーだった高崎目がけて後方からクロス。高崎は頭でどんぴしゃりのシュートを決め、待望の先制点を奪った。
熊本は前線の選手を入れ替え、長いボールを多用して攻勢を強めたが、山雅は集中を切らさず守り零封。33節(9月25日)清水戦以来のホームでの勝利にサポーターは沸き返った。
試合後、反町監督は「相手に合わせず、われわれが今までやってきたことを繰り返し、粘り強く戦った成果」と強調した。
残り3試合。自動昇格争いは4位C大阪がほぼ脱落し、上位3チームに絞られた。得失点差で17上回られている清水とは、反町監督が「勝ち点2差と考えている」と言う通り、山雅が負けて清水が勝てば順位が入れ替わる。
「みんな状況は分かっているし、チームの雰囲気もいい。俺から改めて言うことは何もない」と田中。
高崎が「他力本願ではなく、自分たちが勝つことが大事」と言えば、工藤も「勝ち続ければ昇格できる。残り試合は少ないが、チームとしてさらに高い完成度を目指し、戦っていくだけ」と力を込める。
指揮官は「この勝ちを無駄にしないためにも、さらにまい進したい」と中2日、ホームで迎える次節をにらんだ。
(取材班)

最終盤を展望 優勝狙い2位死守を

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1年でのJ1復帰を目指し、今季J2で戦う山雅。10月30日に敵地で山形を1-0で下し、38節まで終えて21勝12分け5敗の勝ち点75。クラブ最長となる14試合無敗で、J1自動昇格圏内の2位を維持している。2位で昇格した2014年シーズンと比較し、ここまでの戦いぶりを振り返りながら、残り4試合の最終盤を展望する。
今季の山雅は昨季J1での苦戦を基に、縦への速さやセットプレーの強さ、堅い守りという従来の特長に加え、パスをつないで相手を崩す新たな攻撃の形に挑戦。
そのスタイルを確立し切れなかった序盤はもたついたが、7節から3連勝で急浮上すると、14~23節は9勝1敗とし、中盤戦で波に乗った。14年シーズンと同じ22節でJ1自動昇格圏の2位に浮上し、以降は維持し続けている。
今季、思わぬ困難となったのが、けが人の多さだ。昨季は主力だったオビナ、安藤らが序盤で長期離脱し、6月初めには精神的支柱でもある田中が右目網膜剥離(はくり)のため、約3カ月間チームを離れた。
9月には一時10人以上を欠き、練習にも影響が出た。警告累積による出場停止も重なり、反町監督が「(選手のやりくりが)これほど厳しいのは初めて」と嘆くほどだった。
それでも、3月に緊急で獲得した高崎、夏の移籍期間に加わったパウリーニョら、途中加入の即戦力がチームに適合。けが人に代わり出場機会を得た飯尾、那須川らも遜色のない働きを見せ、敵地で札幌に惜敗した24節を最後に、38節まで3カ月以上負けていない。
36節には敵地で千葉に快勝し、J1昇格プレーオフ進出圏内の6位以上を確定させた。

38節終了時点の状況を前回J1昇格を決めた2年前と比較すると、山雅は同じ2位だが他の上位チームとの勝ち点差が開いておらず、混戦なのが大きな違いだ。
14年は、湘南が3節以降1度も首位を譲らない独走で2位以下を大きく引き離し、最終的に勝ち点101で優勝。山雅も38節時点で3位磐田に勝ち点10差をつけ、最終的には3位千葉を15上回る勝ち点83とした。
ところが今季は、1~4位が勝ち点9差内にせめぎ合う。11節以降首位を維持し続けてきた札幌が37、38節と連敗し、2位山雅との差は1勝分の勝ち点3に縮まった。
札幌は中~下位チームとの対戦を残すのみだが、山雅は残り4試合で優勝が狙える状況に。しかし、勝ち点3差で迫る3位清水は得失点差で山雅を15上回っており、このまま勝ち点で並ばれると順位が入れ替わる。
4位C大阪を含めて4チーム間の直接対決は全て終わっており、自動昇格争いは勝ち点を取りこぼしたチームが脱落するサバイバルレースだ。

38~40節は、1週間で3試合を戦う最終盤のヤマ場だ。山雅は39節(3日)と40節(6日)は移動の負担がないホームでの連戦。好条件だが、重圧や隙といった“内なる敵”との戦いにもなる。
ここ14試合無敗だが、その内訳は7勝7分け。「引き分けが多過ぎる。『負けてない』という感覚はない」と田中が言う通り、強さが際立つという数字ではない。
しかし、けが人や出場停止が重なった時期を、無敗で乗り切ったのは大きい。現在、出場停止選手はおらず、警告あと1回で停止になるのは石原と飯尾だけ。練習には安藤、オビナ、柴田を除く全員が参加し、終盤を戦い抜く戦力は整った。
「どの相手も強敵。楽に勝てる試合など一つもない」と、反町監督は繰り返す。残り4試合、チームとクラブ、サポーターの総力を結集し、来季J1の舞台に戻る資格があることを証明したい。
(長岩将弘)