月別アーカイブ: 2016年10月

ハッシュパピーSS松本店が11月6日閉店

松本市の中町通りにある靴店・ハッシュパピーSS松本店(中央3)が、11月6日で閉店する。戦後の1949(昭和24)年、伊勢町で「ヒカリ靴店」として創業。現在は塚田良次さん(75)、明美さん(73)夫妻が切り盛りするが、後継者がいないこともあり、67年の歴史に幕を下ろす。
塚田さんは2人の子どもが独立し、店を継ぐ人がいない上、仲間や同級生らが病気になったこともあり、閉店を考え始めた。1年ほど迷ったが、「(夫妻の)どちらかが欠けても、店は立ち行かない。年齢的なことが一番大きな動機。動けるうちに余裕を持って」と決断した。
父の故・武勇さんが注文製作の靴店を開き、51年に現在地に移転。間口は現在の半分ほどの小さな店だったが、女鳥羽に専門の工場を持ち、何人も職人がいた。仕上がるまでに最低3カ月待ちという人気だった。「東京で腕を磨いた職人もいて、斬新な技術を取り入れていた。当時、1カ月分の給料では買えなかったと聞く」
塚田さんは21歳で店を継いだ。昭和30年代後半から既製品も店に並べた。まだまだ注文が多い時代で、武勇さんから「既製品なんか靴じゃない」と言われたこともあった。70(昭和45)年には既製品販売に完全に切り替え、リーガルの前身・日本シューの靴、ハッシュパピーの靴など高級靴を扱った。
昭和50年代後半から10年間ほど、大型店出店の影響などで思うように売れなくなり、苦労した時代も。中町もさびれていた頃で、「じり貧になっていった」と振り返る。信大付属病院などの外売りでしのいだという。
ハッシュパピー専門店に切り替えたのは97年。売り上げの半分が同製品だったことに加え、「丈夫で履きやすい。靴として一番では」と、塚田さんがほれ込んだのも大きな理由だ。靴だけでなく、塚田さん夫妻の誠実な対応で、顧客も増えた。

9月15日から閉店セールを実施。初日は300足を売った。コーヒー、サンドイッチの差し入れがあったり、感謝の花束が届いたり。「これから、どこで靴を買ったらいいの」と、途方に暮れる人もいる。思い出とともに訪れる人もあり、多くの人に支えられたことを痛感する毎日だ。
閉店後は、「落語や旅行と、2人で人生を楽みたい」と塚田さん。「長いこと支えてくれて、ありがとうございました。中町再生に関わったので、地域とのつながりもできた。夢中で走ってきたが、お客さま、地域の人、取引先に恵まれたから、やってこられた。閉店を実感するには、まだまだ時間がかかりそう」と話した。
同店電話32・0224
(八代けい子)

3~6日「安曇野スタイル2016」

安曇野地方のクラフト工房や飲食店、美術館などを巡って魅力を知ってもらうイベント「安曇野スタイル2016」が11月3~6日、安曇野市、池田町、松川村で行われる。今年は95会場で、113組・人が参加。運営委員会は公式ガイドマップを作り、参加施設、お薦めのプランなどを紹介している。
マップはA4判の冊子で、見開きの表紙には参加者でもある伊藤陽さん(松川村)のシルクスクリーン版画を使い、今回のコンセプト「地図を片手に、ひと・もの巡り」の一文を入れた。
参加店の紹介の他、楽しみ方として「計画を立てて巡る」「訪ねた会場で次のお薦め会場を教えてもらう」「安曇野散策をしながら気ままに巡る」を挙げ、写真を使ってモデルプランを紹介。交通手段として公共バスの利用も呼び掛け、時刻表を分かりやすく示した。
また、小さな工房などでは駐車場が少なく、路上駐車が問題になるため、参加会場が集中している通称・山麓線(県道塩尻鍋割穂高線)沿いの富士尾山荘に駐車場を設けたことも知らせている。
期間中、参加会場は普段は非公開の工房内の公開や、限定作品の展示・販売、商品の割引などを行う。

今回で12回目を迎えるが、昨年のイベントが終わった時点では次回からの運営委員がおらず、開催が危ぶまれていた。そこに「このまま終わってしまっては寂しい」と増井裕壽さん(28、安曇野市穂高北穂高)ら4人が運営委員に立候補し存続することになった。
代表になった増井さんは「参加する人たちの多くは移住者で、作品などを見せながら、なぜ安曇野で暮らすかなどを来場者に語ってほしい」とし、「このイベントは一過性の経済効果だけでなく、移住促進など将来の安曇野に貢献できる。とにかく魅力を発信したい」と力を込める。
マップは安曇野市役所や穂高交流学習センターみらいなどの公共施設に置いてある。増井さん電話090・9354・1279
(浜秋彦)

来月12日、波田で児童虐待防止訴えるゴスペルコンサート

児童虐待防止を訴える「オレンジゴスペルコンサート全国ツアーin長野2016」が11月12日午後7時、松本市の波田文化センターアクトホールで開かれる。
オレンジゴスペルとは子ども虐待防止オレンジリボン運動(本部・東京)の啓発のための活動。2011年より昨年まで「声を合わせて歌い、みんなで考えよう」とゴスペルのワークショップを各地で開いてきた。6年目の今年はニューヨーク在住のナンシー・ジャクソン・ジョンソンさんを招き11月3~23日、全国9カ所でコンサートーを開く。地元のゴスペルグループが共演し、サポーターの打木希瑤子さん(米国在住・音楽プロデューサー)が虐待防止のスピーチを行う。
当日は「蔵スタジオ三谷ファミリーゴスペル」、「Precious Precious」、「松本グレースクワイア」(以上松本市)と「YAMAHAゴスペルクワイアSAKU」(佐久市)が出演。松本在住の共にママさん歌手のカレン・リックスさん(米国出身)と三谷ノコさん(松本会場実行委員長)がデュオを奏でる。
初回からのサポーターで海外での子育て体験を持つ三谷さんは「日本の子育ては内向きで無理をしがち。歌で『子育てはみんなで』と伝えたい」と話す。
大人2000円、学生500円、小学生以下無料。問い合わせは三谷さん電話090・3847・0521
(谷田敦子)

11月6日、松本でレトロ自転車ミーティング

バイクの部品で作品作りに取り組む工房「キックス」の太田光亮さん(43、安曇野市穂高)は11月6日、松本市の松本城公園を集合場所に、レトロ自転車ミーティングを開く。広く参加を呼びかける。自慢の愛車を持ち寄り、街中をサイクリングしたり、写真を撮ったり。なくなりつつある物にスポットを当て、古きよき時代に思いをはせる。
最近は、デザインや機能性を追求した自転車が多い中、あえてクラシックな自転車に注目した。
レトロ自転車ミーティングは、太田さんが、自転車店で1950年代末に作られた自転車を手に入れたのがきっかけ。バイク仲間にも、古い自転車を持っている人がいたことから、ツーリングに出かけられない冬場に、「古い自転車を持ち寄りサイクリングを」と、今年1月スタート。これまでに4回行った。
現在は、20~60代の男女11人がメンバーで、50年代~70年代の自転車を持つ。変速ギアがない、鉄製のため車体が重い、サドルが革でできていてお尻が痛いなど、不便は多い。
半面、一つ一つの部品に手作り感、こだわりがあったり、今にないデザインだったり。メーカーごとのフェンダーマスコット、砲弾型のライト、ハンドルと鉄の棒でつながるロッドブレーキ、三角フレーム、ベルの音-。こうした物が郷愁を誘い、ほっこりとした気分になるといった面もある。

骨董(こっとう)店や自転車店にある、使われていない、見向きもされていない宝を見つけ、パンクを直し、フレームを磨いて、サビを取る。再び命を吹き込む喜びは大きいが、メンバーの1人、小口剛さん(30、塩尻市広丘郷原)は「車やバイクに比べると、レトロ自転車は趣味として認知されていない」。捨てられるケースも多いという。
「無くなるのは、寂しいので、残したい。遠くへは行けないが、街中を走ると、いろいろな人に声をかけられるなど、楽しさもたくさん」と太田さん。「古い自転車に興味がある人は、来てほしい。自転車は古くなくてもいいので、一緒に走りませんか」と話している。
午前10時~10時20分に松本城埋橋集合。11時まで写真撮影。11時から中町などをサイクリングし、ランチを取る。キックスレトロ自転車部(太田さん)電話83・6057
(八代けい子)

日本山岳ガイド協会が白馬で上映会や登山ツアー 来月13、14日

公益社団法人日本山岳ガイド協会は11月13、14日、白馬村内で映画「エヴェレスト~神々の山嶺(いただき)」の上映会や原作の著者夢枕獏(ゆめまくらばく)さんを招いたトークショー、登山ツアーを行う。
「エヴェレスト-」は、岡田准一さん、阿部寛さん、尾野真千子さんらが出演。冬期エベレスト南西壁の無酸素単独登頂に挑む登山家と、それを追うカメラマンの姿を描いたストーリー。今年3月に公開された。
上映会は14日、ウイング21(北城)で。上映に先立ち、午後3時20分から夢枕さんとエベレストへ登頂した協会会員らによるトークショーがあり、4時20分から上映。どちらも参加無料で、申し込み不要。定員は250人。
13日はプレイベントとして「鹿島槍ケ岳カクネ里氷河探訪ツアー」を開催。中遠見山山頂付近から、鹿島槍ケ岳のカクネ里雪渓を遠望する。協会会員で立山砂防博物館(富山県)学芸課長の飯田肇さんが同行し解説する。白馬五竜スキー場ゴンドラ駅発着。悪天候の場合は飯田さんの講演会に変更する。
参加者は冬山登山用の身支度で、雨具、昼食などを持参する。参加費4000円。先着30人。10月31日までに申し込みが必要。

一連のイベントは、全国の協会会員約200人がウイング21に集い、代表者会議や遭難対策研修会など(全て非公開)を行う「白馬自然ふれあい集会2016」(14、15日)の一環。
集会は年1回全国各地で開催し、例年、登山ツアーも会場付近で行っているが、今年は祝日「山の日」が初めて施行されたことを記念し、一般向けのトークショーや映画上映も設けた。
集会を主管する北アルプス山岳ガイド協会事務局長の石田弘行さん(71、北城)は「山の深さやロマンを肌で感じ、山岳ガイドに親しんでもらう機会にしたい」と話す。事務局電話090・8723・5134
(大山博)

鎌池錦秋、幻想神秘な絵画の世界(小谷村・雨飾高原)

161027sikip鎌池の水面に映る壮麗神秘な命の輝き。鮮烈に彩るブナ林が有終の美を飾る。命はいつか必ず終わりが来ることを諭すように、秋色に染まる水面を揺らして風が通り過ぎる=10月22日午前、ニコンD3S、ニッコールED300ミリ×1.4倍

ブナ林に囲まれた小谷村雨飾高原の鎌池。水面のカンバスに映し出された錦秋の光彩は、幻想神秘な絵画の世界を連想させる。
池巡りの約2キロの遊歩道を歩く。周辺には推定樹齢200年近いブナも点在。青空にひと際高く、落葉高木のブナ林がワインレッドの秋色の領域をつくっている。林床に息づく落葉低木の光彩も鮮やかだ。朱、赤、紅に彩る樹種は、ハウチワカエデ、ウリハダカエデ、ヤマウルシ。黄色は、イタヤカエデ、アブラチャン、ダンコウバイ、クロモジなど。
ブナの学名は、ファグス・クレナータ。実が食用になり「ファグス」は食べるという意味のギリシャ語に由来する。人の営みに多くの恵みを与え、動物たちを育み豊かな生態系を形成してきた。ヨーロッパでは、ブナは「森の母」と言われ、日本の研究者らは、ブナ林に親しみを込め「母なる森」と呼んでいる。
10月22日早朝、決めた構図の池の端に立った。有終の美を飾るブナ林。木々の葉は、別れの時を知り精いっぱいの彩りが頂点に達した。朝日が林内に差し込むと、鮮烈な光彩に変幻。風がささやく水面に映る“母なる森”の秋色のゆりかごが優しく揺れる。
心のカメラのファインダーを通し、大自然の母に抱かれていると、癒やしと安堵(あんど)感がブナ林の鼓動とともに伝わってきた。
(丸山祥司)

地域に学びの場を 11月「まつもと市民大学」開講

松本市大手1のコワーキングスペース「Kower(s)」(ノウアーズ)は11月、まつもと市民大学を開講する。地域で活動する人材に、学びの場を提供し、コミュニティーを形成する狙い。大学生と企画に取り組んだり、市内の具体的な場所をフィールドにしたりするなど、より実践的なプログラムになっている。
セミナー、ワークショップを開き、その後は同じ関心を持つ人同士のグループをつくり、「webサイトを立ち上げる」「イベントを開く」など、具体的な活動を実践する。2月には成果発表の場も設ける。
「コミュニティをつなぐコネクターコース」(11月12日)、「地域の発進力を高めるクリエイターコース」(19日)、「地域課題を解決するイノベーターコース」(26日)の3コース。ゲスト講師は、各コース3人の計9人。経営者やPRの専門家らを東京などから招く。
初めて企画した昨年は、講座を開いたが、実際の活動につながらなかったため、内容を大幅に見直し、地域と実際に連携。企画に、信大生4人がかかわることで、学生にも、学びの場を提供する。
Knower(s)コーディネーターの原伶磨さん(22)は「全国の一線で活躍するゲストの話を聞きつつ、自分が本当にやりたいことを考え、実践につなげる。かなりエネルギーのある場になるのでは」と話している。
各コースとも1日12時間(午前9時~午後9時)。受講料は1コース一般6000円、大学生以下は3000円。3コース通しは一般1万5000円、学生以下7500円。飲食費(昼食、夕食、軽食)が別途1500~2000円。各20人定員。申し込み、問い合わせは、Knower(s)電話36・8890
(八代けい子)