月別アーカイブ: 2016年8月

天皇杯1回戦 若手躍動で大勝 内容に課題も

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サッカーの第96回天皇杯全日本選手権は27、28日、各地で1回戦36試合を行った。山雅は28日、山口県代表の徳山大学とアルウィンで対戦し、6-0で大勝した。リーグ戦で出場機会がない若手らが躍動した一方、大学生の相手にペースを握られる時間帯も長く、課題を残した。
山雅は直近のリーグ戦(21日)から先発7人を入れ替え、3年目の柳下と高卒新人の前田が公式戦初先発。GKは今季初出場の白井。
前半はほぼ一方的な展開。山雅は開始直後から押し込み7分、前田が左サイド深くから上げたクロスに三島が滑り込みながら合わせて先制。28分にも安川が蹴ったFKの流れから後藤が頭で折り返し、三島が蹴り込んだ。
さらに1分後、ウィリアンスのシュートはゴールポストをたたいたが、跳ね返りを前田が蹴り込み3点目。42分にはゴール正面で前田から絶妙なヒールパスを受けたウィリアンスが決めて4-0。
しかし、後半は様相が一変。相手に中盤を支配され、セカンドボールを拾われ続けた。決定機こそつくらせなかったが、攻めあぐねる時間が続く。
潮目が変わったのは終盤。42分、柳下の右クロスを途中出場の石原が合わせて突き放し、ロスタイムには相手GKをかわした三島が途中出場の山本にゴールを譲って駄目を押した。
スコアは圧倒。しかし、反町監督は「練習で繰り返しているミスが出てしまい、大きな収穫とは言えない。もっとこだわりを持ってやってほしい」と、若手に一層の奮起を求めた。
前田は準公式戦(3月のプレシーズンマッチ)を除きプロ初得点を挙げたが、「ボールを失うことも多く、まだまだ。次の(出場)機会があれば頑張るだけ」と表情を緩めず、7月末の加入後、初ゴールを含め2得点の三島も「チャンスはもっとあった。悔しさの方が大きい。全体的にプレーも良くなく、特に後半は見つめ直す必要がある」。
次週(9月3日)の2回戦は、1回戦でJ2岐阜を破ったJFLのホンダFC(静岡県代表)をアルウィンに迎える。JFL時代の対戦成績は山雅の2勝1分け1敗。
(長岩将弘、田中信太郎)

暑さ乗り切るこつを選手に聞く

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「酷暑」とされる今年の夏は、お盆を過ぎても暑い日が続いている。ナイトゲームとはいえ過密日程が相次ぎ、山雅の選手たちも体にかかる負担は軽くないはずだ。厳しい暑さや日程の中で良いプレーをするため、彼らはどんなことに気を付けているのだろう。夏場の疲労回復法や体調管理のこつなどを聞いた。
暑いと食も細りがちだが、そんな時こそしっかり栄養を取ることが大切。食事をポイントに挙げる選手は多い。
石原は「回数を分けたり、時間をかけてゆっくり」と食べ方を工夫。
那須川は「全体の量は減っても野菜や果物をきちんと取り、栄養のバランスが偏らないように気を付けている」そうだ。
「好物のうなぎを食べに行って夏を乗り切る」というのは飯尾。パウリーニョはフルーツゼリー。「食欲がなくても食べやすく、水分も取れる。何より好きだしね」
工藤は武井を誘って食事に行き、「明るい人と一緒だと楽しく食べられて食が進む」。雰囲気も大事だ。
逆に「夏場は体重が増えがち」というのは當間。沖縄出身で「ばてないように昔から夏は多めに食べるよう心掛けている。ついそういうペースに」なるそうだ。
ただ、山形在籍時代に食べ過ぎを気にしたあまり、体重が減り過ぎたことがあり、「量をセーブしつつ、意識し過ぎないようにしている」という。
休養も大きなポイント。シーズン中はまとまった休日が取れないため、日々の入浴や睡眠を大事にし、「疲れをためない」姿勢が共通する。工藤や飯尾、那須川、宮阪らは血行を良くして疲労回復を早めるという「温冷交代浴」の愛好者だ。
宮阪は寝る前に長めの半身浴でしっかり汗をかき、仕上げに冷水を浴びる。一気に体温を下げることで寝付きが良くなるそうで「プロになってから毎日続けている」。
三島は入浴施設でリラックスし、棒を使って入念にセルフマッサージ。なじみの東京の治療院で教わった方法で、マッサージ棒も同じものを使い続ける。水戸に加入した12年から続けており、「ルーティンになっている部分もある」。
「冷房はほぼ使わない」というつわものは前田。別に我慢しているのではなく、「大阪の実家にエアコンがなかったためか、暑くても割と平気」なのだとか。「松本は心地よい風が吹き、大阪や(高校時代を過ごした)山梨より過ごしやすい」と涼しい顔だ。
「特別なことはしない」という声もあり、高崎は「いつも変わらない生活のリズムを刻むことで、体調を保つ」。これも一つの工夫と言えそうだ。
(長岩将弘)

氷河の大地に現れた涸沢“光の国”(北アルプス穂高連峰・涸沢)

160820sikip「山の日」を盛り上げるイベントで出現した涸沢の夜景。ステージの照明に霧が流れ、幻想的な何かを暗示するかのような光景が浮かび上がった=7月29日午後8時32分、ニコンD3S、ニコンEDニッコールAFVR80~400ミリ

盛夏を迎えた北アルプス穂高連峰の氷河の大地・涸沢カール。7月29日、テント場の夜景は、今まで見たことのない衝撃的な感動の光景だった。
宇宙の未来都市“光の国”を連想させるように映った。この光景をつくり出したのは、「2016 ヤマケイ カラサワ フェスティバル」(山と渓谷社主催)。
上部に太陽のように輝くのは、涸沢ヒュッテの特設ステージの照明。突然、テント場の上空低く這(は)うように通り過ぎる霧の一団が、ステージの照明を浴びて幻想的な光の輪を浮かび上がらせ空想の世界へ誘う。
光の輪が、宇宙の未来都市のメイン基地。点在するテントの明かり一つ一つが未来都市…。メイン基地と未来都市は、光の道でつながっている。SF映画や夢の宇宙旅行へと思いが広がる。
一方、この光景は「母なる大地・涸沢」を象徴する構図でもある。テント場の夜景は、お母さんの胎盤。輝く光の輪を胎児に見立てると、まぶしく輝く光の道のへその緒でしっかりと結ばれている。
輝く光の輪の中では約300人の登山者が参加し、百名山一筆書き踏破の田中陽希さんのトークが行われている。「山の日」元年の「カラサワ フェス」の夜景に、新しい山の命の鼓動が重なり伝わってきた。
(丸山祥司)

ブラジル人3選手に聞くリオ五輪への思い

160818yamp日本勢の活躍でテレビの前での応援も盛り上がるブラジル・リオデジャネイロ五輪。熱戦の真っただ中だが、山雅に在籍する3人のブラジル人選手は、母国での一大イベントをどう見ているのだろう。開催への思いや注目の競技・選手、観戦エピソードなど、リオ五輪にまつわる話を聞いた。
■母国の良さ伝えるチャンス(オビナ)
南米大陸で初めて、さらに豪州以外の南半球でも初の五輪開催。3人は「うれしいことだが、いい部分も悪い部分もある」と冷静だ。
ウィリアンスが「明るい国民性や陽気な盛り上がりがポジティブな点」と言えば、オビナも「治安の悪さは心配だが、ブラジルの良い部分を世界の人たちに見てもらうチャンス」。
「ただし、熱狂で悪い部分が覆い隠されてしまわないか心配」とパウリーニョ。ウィリアンスは「貧富の差や不安定な政情は事実。この五輪が、より良い国になるきっかけになれば」と願う。
■サッカーで初の金メダルを(ウィリアンス)
注目競技を尋ねると、3人は「もちろん、男女のサッカーだよ」。
オビナは「オーバーエージ(OA)枠で出場、主将としてもチームを引っぱるFWネイマール(バルセロナ)に期待」。
ネイマールと交流試合で対戦経験があるウィリアンスは、個人的に接したこともあり、「人柄も素晴らしく、目標の選手」とリスペクト。「まだ金メダルを取ったことがないので、自国でぜひ果たしてほしい」。
パウリーニョはOA枠のGKフェルナンド・プラス(パルメイラス)と、母国のバスコ・ダ・ガマでチームメートだった。前評判に反して苦戦した予選について、「五輪で簡単に勝てる試合なんてない。厳しい戦いが続くだろうが頑張ってほしい」。
3人は予選で敗退した日本代表にも声援を送った。8日のコロンビア戦は山雅のチームメートらとクラブハウス内のテレビで観戦。「両方気になって」と、ウィリアンスは日本代表の試合を見ながら、同時刻の開催だったブラジル代表の試合をスマホでチェックした。
3人は他にバレーボールやビーチバレー、柔道などにも注目しているという。
■スポーツには大きな力ある(パウリーニョ)
ブラジルに今大会初の金メダルをもたらした柔道女子57キロ級のラファエラ・シルバは、貧民街に生まれ育ち、貧困や暴力、差別などと戦いながら栄冠をつかみ取った軌跡が日本でも紹介され、3人の間でも話題に。
ウィリアンスは「困難を乗り越え、多くの人に夢と勇気を与える姿は、同じアスリートとしても人間としても刺激を受ける」。
パウリーニョも難民選手団の初参加やドーピング問題を挙げ、「決して美しい物語ばかりに彩られているわけではない。が、スポーツには人の心を動かし、困難を克服させる大きな力がある」とうなずく。

パウリーニョは母国の女子ハンドボール代表と縁がある。出身地のサンタカタリーナ州ブルメナウはハンドボールが盛んで、14年の世界最優秀選手に選ばれたエドゥアルダ・タレスカは同郷。今大会の代表チームの主力選手ジェシカ・キンチーノは、友人の恋人なのだとか。
ブラジル女子は13年の世界選手権を制した強豪。今大会は準々決勝(16日)でオランダに敗れてメダルは逃したが、ブラジル人選手の「イチオシ」競技にも注目してみては。
(長岩将弘)

J2第28節 岐阜と1-1 終了間際に追い付かれ

160813yampJ2は8月11日、各地で第28節を行った。暫定2位の山雅は20位のFC岐阜とアルウィンで対戦し、1-1で引き分けた。山雅は3戦連続のドロー。3位岡山も引き分けたため順位は変わらなかったが、2戦前と同様に終了間際に追い付かれた。下位相手に勝ち切れない試合が続き、スタンドから厳しい声が飛んだ。
「2点目を取れなかったのが響いた。それと、2試合前と同じせりふで何を言っているんだと言われてしまうが、ラスト5分の戦い方を考えなくては」。反町監督は試合後、ぶぜんとした表情で振り返った。
8日間で3試合する過密日程の2戦目。山雅は選手の体調も考慮し、前節から先発5人を入れ替えた。夏の補強で加わったパウリーニョと三島が初先発。
開始直後にウィリアンスが負傷して退くアクシデントはあったが、山雅は序盤からペースを握った。相手がファウルを多発するのに乗じ、先制点はセットプレーから。前半18分、ペナルティーエリア手前右からの工藤のFKに、マーカーをうまく外して遠いサイドに回り込んだ後藤が頭で合わせた。
その後も優勢に試合を進めた山雅だが、追加点が遠い。後半20分には岩間の左クロスに飛び込んだ三島のヘディングが左ゴールポストをたたき、跳ね返りを蹴った工藤のボレーは右ポストに嫌われた。
そして45分、中央後方からのFKを頭で合わせられ痛恨の失点。石原を送り込んで5分のロスタイムで勝ち越しを狙ったが、かなわなかった。
「最後まで集中しろ」「いつになったら勝てるんだ」-。引きあげる選手たちの背に、叱咤(しった)する観客の声が降った。
次節は14日、今季初の中2日での試合で、勝ち点2差で3位に浮上したC大阪と敵地で対戦する。J1自動昇格圏を直接争う大一番だ。
「ストレスがたまる試合だったが、回復に努め、次で発散させる」と指揮官。工藤も「下を向いている暇はない。連戦の苦しさは相手も同じ。白星は勝ち点6の価値があり、それを手にするチャンス」と前を向いた。
(長岩将弘)

J2第27節 水戸と0-0 守る相手崩しきれず

160809yampJ2は8月7日、各地で第27節を行った。暫定2位の山雅は14位の水戸ホーリーホックとアルウィンで対戦し、0-0で引き分けた。前回対戦(21節・7月3日)は前半0-2から後半3得点して逆転勝ちしたが、今回は守備の対策を徹底され、山雅は崩し切ることができず、前節に続く引き分け。ホームでの連勝は6で止まった。
8日間で3試合をこなす連戦の初戦。山雅は前半、相手に決定的な場面をつくらせなかった一方、球際に激しく穴のない相手守備を攻めあぐねた。33分、相手のトラップミスでボールを奪った工藤が前方にパス。抜け出した高崎のシュートはゴール左にそれた。
後半は山雅が徐々にペースを握ったが、相手守備にほころびは見えず、頼みの綱のセットプレーもことごとく跳ね返された。
終盤は高崎に代え、今季水戸で9得点して先月山雅に移籍した三島を投入したが、エースを引き抜かれた水戸は意地の守りで得点させず。試合終了の笛が響くと双方の選手がその場にしゃがみ込んだ。
反町監督は「前回の対戦のようなわけにはいかない。相手の対策を上回るよう考えていかなければ」と話し、工藤も「守備の意識を高めてくる相手をこじ開けなければいけない。普段の練習から追求しないと」と戒めた。
ただ、後半ロスタイムに追い付かれた前節を振りかえれば、攻撃が好調な水戸を零封したのは好材料だ。
中3日でアルウィンに岐阜を迎える次節(11日)は喜山が警告累積で出場停止。1試合多く残す首位札幌との勝ち点差は7に開き、背後に勝ち点3差で3位岡山が迫る。反町監督は「選手の疲労も考えながら、この引き分けをポジティブに捉えて次につなげる」と締めくくった。
(取材班)