月別アーカイブ: 2016年7月

J2第25節 長崎に1-0、最終盤で根比べ制す

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J2は24、25日、各地で第25節を行った。前節まで暫定2位の山雅は24日、10位のV・ファーレン長崎とアルウィンで対戦し、1-0で勝った。北九州、札幌へ遠征した2戦を含め、9日間で3試合をこなす過密日程の最終戦。ここ6戦無敗と好調な相手との「根比べ」(反町監督)を最終盤の得点で制し、ホーム6連勝で自動昇格圏内を維持した。
4日前の前節は首位の札幌に敵地で惜敗。連勝は5で止まったが、「決して下を向くような内容ではなかった。われわれが持っているものを出し切り、連敗しないことが大事」と話した指揮官。それを実行し、厳しい試合を勝ちきった。
前半は連戦の疲れもあってかパスやクロス、ボールコントロールなどプレーの精度を欠く場面が散見された。相手に決定機は与えなかったものの、山雅の攻撃も迫力を欠き、0-0で折り返した。
後半は立ち上がりこそ攻め込まれたが、20分あたりから主導権を握り攻勢に。
41分、相手ボールを奪った後藤が工藤に預け、そのまま左へ駆け抜ける。工藤は中央をドリブルし、右を上がった高崎へパス。左から中央へ切れ込んだ後藤が相手DF2人を引き付け、高崎は左でフリーになった途中出場の山本へクロス。
終盤のカウンターで4人が前線へ駆け上がる走力に、今季攻撃の形として追求する連携が融合。山本は倒れ込みながらも左足を振り抜き、試合を決める先制点をもぎ取った。
石原らが復調した15節以降、先発が激減した山本。悔しさをばねに短い時間で結果を出し、「何も考えずに打った。守備陣も無失点で終えてくれ、みんなの勝利」と充実感を漂わせれば、指揮官も「チームの総合力で切り抜けることができた」と、うなずいた。
山雅は22日、水戸で今季チーム最多の9得点を挙げているFW三島の獲得を発表。ライバルが増える山本だが「自分の特長を生かし、負けないよう頑張る」。
チーム内の切磋琢磨(せっさたくま)もシーズン後半戦の推進力にしたい。
(長岩将弘、松尾尚久)

4連勝で2位に浮上 J2第22節 金沢に4-2苦しい展開乗り切る

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J2は9、10日、各地で第22節を行った。前節まで暫定3位の山雅は10日、最下位のツエーゲン金沢とアルウィンで対戦し、4-2で勝った。2-0から追い付かれる苦しい展開だったが、最終盤に石原の加入後初ゴールを含む2得点。今季2度目の4連勝でJ1自動昇格圏内の2位に浮上し、シーズン後半を好発進した。
山雅は開始直後から相次ぎセットプレーを得るなど主導権を握り、攻め立てたが得点できず前半は0-0。
後半は一転、激しい点の取り合いに。山雅は5分、ペナルティーエリア左で宮阪が蹴ったFKを相手がクリアし、こぼれたボールを工藤が蹴り込み先制した。
さらに5分後、石原がドリブルで相手守備を中央に引きつけ、右から抜け出した高崎にパス。高崎がきっちり決めて加点した。
しかし19分、自陣左を深くえぐられ、クロスからシュートを許し1点を返されると、流れはじわじわと金沢へ。34分には右CKを頭で合わせられ追い付かれた。
諦めない山雅はロスタイム突入直前の44分、ゴール正面でボールを受けた高崎が相手と交錯しながら絶妙な落とし。走り込んだ岩間が落ち着いてゴール左隅に蹴り込み土壇場で勝ち越し、さらにロスタイムには中央付近でボールを受けた石原がドリブルで独走。相手2人を振り切って追加点を挙げ、試合を決めた。
試合後、反町監督は「2失点しても下を向かず前向きにプレーできた点はよかった。終盤で追い付かれた時の反応が昨季と違う。今季は試合を重ねながら自信が芽生えてきた」と選手をたたえた。
一方、前節に続くCKからの失点や、リードした時の不用意なプレーを挙げ、「相手が良かったというより、われわれに問題がある」と指摘した。
選手も苦しい試合を勝ち切った手応えとともに「2失点は自滅」(工藤)、「負けてもおかしくなかった」(飯田)と厳しい反省を口にした。
北九州と敵地でぶつかる次節(16日)を終えると、中3日で首位の札幌と敵地で対戦。今季を左右する大一番を含む連戦を、勢い付く攻撃と守備の修正で乗り切りたい。
(長岩将弘、松尾尚久)

華麗に舞う中岳の雪形「舞姫」(北アルプス・中岳=松本市)

160707sikipモルゲンロート(朝焼け)に染まる中岳の残雪の中に黒型(ネガ型)で浮かび上がり、しなやかに踊る雪形「舞姫」。右手が舞扇に届いた時が観望の最適季。今シーズンは3週間ほど早く整った=6月11日、午前4時34分。常念乗越の常念岳寄りから。ニコンD3S、ニコンEDニッコールAFVR80-400ミリ

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梅雨の晴れ間の北アルプス・中岳(3084メートル)に現れる雪形「舞姫」の華麗に踊る姿がリアルだ。6月11日、手前の赤沢山(2670メートル)をステージに見立て、常念乗越(のっこし=2466メートル)から、モルゲンロートに染まる艶(あで)やかな雰囲気の「舞姫」を撮ってみた。
1966(昭和41)年、この雪形を発見し命名したのは、日本の雪形研究第一人者の田淵行男さん(1905~89年)だ。左を向きしなやかに舞う女性の大きな雪形。観望最適季は、例年6月下旬から7月上旬の梅雨の真っただ中。まつげ、鼻、口元の雰囲気がそれとなく見てとれる。1982年夏、田淵さんは自宅での雪形談議で「最高傑作の雪形で、まれに見る掘り出し物」と「舞姫」を自賛していた。
田淵さんは、高山蝶(ちょう)の細密画を描く画才の持ち主だったが、雪形の絵画は一枚もない。著書「山の紋章雪形」には、雪形研究のため設立した「信濃雪形株式会社」のメンバーだった山岳画家の加藤淘綾さん(1901~87年)の絵画「舞姫」が掲載されている。
雪形と向かい合う田淵さんは、写真家に徹し、画家にはならなかった…と、常念乗越の昼下がり「舞姫」を眺めながら偲(しの)んでいると、ハイマツの上を高山蝶のタカネヒカゲが舞った。「田淵先生…見えますか」
(丸山祥司)

 

育成が開く未来 U-18全国に挑む 日本クラブユース選手権

160707yamp山雅の選手育成チームU-18(18歳以下=高校年代)が、全国のクラブチーム王者を決める第40回日本クラブユース選手権(25日~8月4日・群馬県前橋市ほか)に出場する。北信越予選(5、6月)を3位で突破し、2011年以来2度目の出場。指導する臼井弘貴監督(36)と岸野靖之ユースアドバイザー(58)に、U-18の現状や大会への意気込みを聞いた。
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【臼井弘貴U-18監督】
トップチームの良い部分を継承しつつ、この年代で必要なことを身に付けさせるのがわれわれの役目。鍛え上げてきたフィジカルの強さ、特に走力は全国の舞台でも通用するはずだ。
けが人が治ってきたし、チーム全体としても少しずつだが調子が上向きの手応えはある。過酷な日程や気候への備えも大きなポイント。厳しい暑さが予想される群馬で、4日間で予選3試合を行い、決勝トーナメントに進むと5日間で4試合を行うことになる。関東へ繰り返し遠征し、対策を進めている。
課題は大きく二つ。まずボールを簡単に失い、守備に走り回ることが多い点。こちらがボールを動かし、相手を走らせることができれば、持ち味の走力をさらに生かせる。
もう一つは試合中のメンタル面のコントロールだ。劣勢でも焦らない試合運びや、したたかさがほしい。
予選はどの試合も主導権を握り続けるのは難しいだろうし、押し込まれる時間も長くなるはず。その時々の個人の判断だったり、その結果でチームとしてどう戦えば良いか、考えられるようにならなければ。目標は予選グループ突破と個々の成長だ。
初戦(25日)の清水戦がとても大事。予選同組の中でおそらく最も手ごわい。別の見方をすれば、われわれが戦う長野県リーグ(1部)では得難い成長の場にもなる。
松本市かりがねサッカー場を昨年から使わせてもらい、今年はユニホームスポンサーもついた。1試合、1プレーにも責任があり、そこはプロと同じだと思っている。責任を自覚しつつ臆せず挑戦し、成果と成長の両方を持ち帰りたい。
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【岸野靖之ユースアドバイザー】
クラブが「育成元年」と位置付ける今年、育成組織の最上年代チームが全国の舞台で戦う意義は大きい。
全国における自分たちの立ち位置を知るのはもちろん、サッカーをする中学生が進路を考える時の判断材料にもなり得る。その意味でも県内高校年代の代表という意識で戦わなければ。
高校年代がプレーする場として山雅はまだ形になっていない。こういうサッカーをするんだ、こういう選手を育成するんだ、という流れをつくる一つのステップにしたい。
予選で当たる3チームとも、力はわれわれより確実に上。1点も挙げられず全敗した前回出場時ほどではないにせよ、厳しい戦いになるだろう。まずは萎縮せず、思い切りぶつかることだ。
アルウィンで6月29日に行われたU-23代表の国際親善試合に際して、知り合いの関係者と話す機会があった。日本の若い世代のレベル向上を目の当たりにすると同時に、われわれがプロ選手や代表選手を輩出するには、指導陣やスタッフも含め、やることが多いとも感じた。
全ての試合で勝ちにこだわるのは当然。その中で選手には個人として、チームとして、何が通用し、何が足りないか、肌で感じてほしい。

【第40回日本クラブユース選手権(U-18)大会】全国9地域の予選を勝ち上がったJクラブ育成と一般のクラブ計32(うち北信越3)チームが出場。4チームずつ8組に分かれて予選リーグを行い、上位各2チームが決勝トーナメントへ。山雅は予選で25日に清水エスパルス、26日にサガン鳥栖、28日に三菱養和SC(東京)と対戦する。
(長岩将弘)