月別アーカイブ: 2016年2月

雨氷の世界クリスタルファンタジー(松本市内田・崖の湯温泉)

160227sikip陽光を浴びて煌めき、幻想的な世界を演出する雨氷。見る人の心を癒やし、光の宝物を届ける=ニコンD3、ニッコールED300ミリ、2月4日、松本市内田(崖の湯温泉)

1月末から2月初めにかけ、松塩地域の標高800~約1000メートル付近で、過冷却となった雨が樹木などに纏(まと)わり凍り付く雨氷(うひょう)現象が見られた。倒木や停電など被害の規模は近年にないほど大きかった。一方、雨氷がつくりだす壮麗な光景は、氷細工の世界を連想させ、まさにクリスタルファンタジー。
青空を背景に太陽光を浴びると、キラキラと強烈なまぶしさを放つ。雨氷現象は珍しくはないが、今回は何日も解けず多くの人の目に触れた。「生まれて初めて」とか「60年生きて来たが見たことがない」など自分の人生を重ねて語るほど衝撃的な光彩に映った。
言葉でこの光景を伝えるのは難しい。そう思いながらも脳裏に次々と似た言葉が並ぶ。「光る」だけでもない。「輝く」では物足りない。ダイヤモンドのような雨氷の透明さが際立つキラキラした光彩は「煌(きら)めく」が一番似合う。
差し込む太陽光の角度によって、雨氷は壮大なプリズムに変わり、光は魔術師になる。心のカメラのファインダーに描かれた水玉模様の「虹色のページェント」。雨氷のステージで光の精たちがにぎやかに奏でながら風のリズムに合わせ踊っている。どうやら雨氷と光が演出する幻想的な真昼の舞踏会に記者は招待されてしまったようだ。
(丸山祥司)

「鉄塔」を撮影 山形のふじのさん写真展

松本地方の鉄塔を被写体に撮影している山形村の写真家ふじのえみこさん(本名・藤野恵美子、40)は、同村の松本信用金庫山形出張所で29日まで初の作品展を開いている。3月2日~4月27日は松本市蟻ケ崎の実家カフェで開く。「風景を壊す」などと悪者にされがちな鉄塔を「人と人を結ぶもの」と捉え、巨大な構造物に愛情を注いでいる。
ふじのさんが鉄塔を撮り始めたのは4年前。それまでは意識的に見たことがなかった鉄塔が突然、「かっこいい」と思えたからだ。
それ以降、猛烈な撮影意欲にかられ、ほぼ毎日、愛用のコンパクトカメラを携え、松本、塩尻市、山形、朝日村を徒歩で回り撮影。これまでに撮った枚数は「1万枚を超えるのでは」と笑う。
撮影を重ねるうちに鉄塔に対する思いも変化。「一日中見ていても飽きない」とし、「送電用の鉄塔は電線が伸びていて、よく見ると人と人が手をつないでいるよう。それで電気を運び、人間の生活に潤いを与えてくれる。電波塔も目には見えないが、人間の声を運んでくれる」。
また「鉄塔は二つとして同じ形の物はない。人間もそれは同じだが、人種、宗教などによって争い事をしている。鉄塔のように手をつないでくれたら」という願いもある。
昨年末には2冊の写真集を自費出版。1冊目の題名を「手と手と鉄塔」にしたのも、ふじのさんのこうした思いを込めたからだ。2冊目の「松本鉄塔さんぽかぽか」は、撮影されている鉄塔の場所が特定できるように、ヒントとなる建物などが映り、「この写真集をマップ代わりに持って街を巡って。多くの人が鉄塔を意識的に見てくれるようになったらうれしい」と話す。

ふじのさんの作品を見た友人の「いい写真だから作品展ができたら」という声に押され、松本信金山形出張所にふじのさん自ら作品を持ち込み、展示を依頼。同出張所に快く応じてもらった。実家カフェでの作品展は写真集を見た人から縁がつながり実現した。
こうした活動が徐々に注目され、1月22、29日にはFM長野の番組に出演。ふじのさんは、美ケ原の台上の電波塔を撮影するのが大きな夢といい、「写真はまだ撮れていないが、あの電波塔を通じて私の声がラジオから流れたと思うと、うれしくてしかたがない」と満面の笑みを見せた。
実家カフェ電話070・6985・4111
(浜秋彦)

焙煎そば粉EXを使った「信州アルクマそばクッキー」1日発売

松本大学(松本市)とあづみ野食品(安曇野市)、ひだの(上田市)は、信州産の焙煎(ばいせん)そば粉100%を使った「信州アルクマそばクッキー」を共同開発し、3月1日発売する。これまでより焙煎を強くし、香ばしくし、チョコチップを入れて仕上げた。
個別包装で13枚入り、1箱530円。県内のJRの駅の売店、高速道路のサービスエリアなど50カ所で販売を始める。アルクマのイラストが印象的なパッケージ。焙煎そば粉EXは、通常のそば粉より、タンパク質、食物繊維を2倍以上含んでいるといった栄養面についての説明も加えた。
信州アルクマそば、信州アルクマそばバウムに続く第3弾。手軽に手に取ってもらえる土産品をと、クッキーの開発を企画。これまでより焙煎の程度を強くし、香ばしさが出、色も黒くなった。
焙煎そば粉EXは、製粉時に出るが、通常は捨てられるそばの実の甘皮を有効利用しようと、松本大学の矢内和博・専任講師(44)の研究室が、2013年から生産をスタート。これまでに、約11トンを作った。
矢内専任講師は「焙煎そば粉そのものという商品ができ、純粋にそばの風味を楽しんでもらえるのではないか。この商品を通して、さらに商品の販路、可能性が拡大。焙煎そば粉を知ってもらえるきっかけになればうれしい」と話している。
28日には、長野市のJR長野駅改札前で、プレ販売などのイベントを予定している。商品についての問い合わせは、あづみ野食品電話71・2600
(八代けい子)

塩尻のブドウ農家・臼井さんがワインのプロに

塩尻市広丘郷原のブドウ農家・臼井喜子さん(64)は、10年越しの夢だったワインのプロ資格を取得し、この春から講師活動も始める。生産者と消費者の立場からワインの魅力を伝え、仲間の輪も広げていきたいと願う。
臼井さんは120アールの畑を持つブドウ農家。以前はワインをあまり飲まなかったが、10年前、塩尻志学館高校のフランスワイン研修に参加したのをきっかけに興味を持った。
同じころ、ワインのプロ資格があることを知り、挑戦を決意。いくつかのワイン講座を受けたほか、独学で知識を深めた。毎年、1回だけの試験にあと数点のところで不合格が数年続き、「あきらめきれず受け続けた」。
農業や親の介護の合間を縫って勉強。また、3年前には口腔(こうくう)の病気で手術をし味覚不全になる危機も乗り越えた。
日本ソムリエ協会認定のワインエキスパート試験に昨秋合格、ワイン検定ブロンズクラス講師に1月合格。臼井さんは「夢がかなったと共に、スタートライン」。今後は野菜ソムリエの資格や農家の経験も生かしながら農産物とワインを一緒に広める講座も検討中だ。
「この10年間、ワインでさまざまな人との輪が広がったのが何よりうれしい。恩返しのつもりで、同じような人を増やしていきたい」と話す。
講座の第1弾は4月17日、日本ソムリエ協会認定「ワイン検定ブロンズクラス」を同市大門八番町の「フォンターナデルヴィーノ」で開く。ワイン初心者が楽しみながら知識を得られる内容で、同市で初開催だ。
午後2時20分~4時40分(講習会と試験)。受講料は1万1000円(テキスト代、認定料含む)。検定後に懇親会(5000円)も行う。3月22日締め切り。申し込みは日本ソムリエ協会のホームページから。問い合わせは臼井さん電話52・0749
(井出順子)

28日、J2開幕 目指すは1年J1返り咲き

160225yamp今季のプロサッカーJリーグは、27日にJ1、28日にJ2、3月13日にJ3が開幕する。昨季初めてJ1に挑んだが年間16位で降格、2季ぶりにJ2で戦う松本山雅FCは28日、ロアッソ熊本と敵地で初戦を迎える。目指すは1年でのJ1返り咲き。昨季の経験からJ1で戦える新たなスタイル構築も模索中で、結果と内容を同時に追う、厳しい戦いが待ち受ける。
指揮を執るのは5季目の反町康治監督。新加入9人を加えた計28選手と、4人中3人を入れ替えたコーチ陣で、開幕を迎える。
チームは1月15日に松本市かりがねサッカー場で始動。同18日から静岡県御殿場市、静岡市、鹿児島市で計3次にわたるキャンプをし、練習試合も6戦を行った。
2月24日からは、御殿場市で事実上の第4次キャンプを行って最終調整。そのまま開幕戦に臨む。
開幕戦でぶつかる熊本は、ここ2季連続で13位。昨季は前半こそ最下位に沈む時期もあったが、途中加入したGKシュミットらの奮戦もあり、終盤は昇格プレーオフ進出をうかがう位置にもつけた。
昨季12得点のFW齊藤和の他、シュミットやDF權韓眞ら守備を支えた主力もチームを離れたものの、13日の練習試合では横浜FCに7-0と大勝。戦力低下とは言い切れなさそうだ。
山雅は熊本とこれまでに6度対戦し、4勝1分け1敗。アウェー3試合は全て勝っており、相性の良さも追い風にしたい。

今季の山雅は攻守にわたる運動量や縦に速い攻撃、セットプレーからの得点-といったこれまでのベースを継承しつつ、新たなスタイルとして、最終ラインからパスをつないで組み立てる攻撃も追求している。
ただ、16日のJ3鹿児島との練習試合は0-0、開幕前最後の練習試合となった20日のJ1名古屋戦(非公開)は0-2と、詰めの段階の実戦で無得点が続いた。
指揮官は、ボールを持っていない選手の動きなど「攻撃のダイナミックさがまだ足りない」と指摘する一方、「大事なのは本番で、ここで負けたことはよかった。開幕までに反省点をどう落とし込み、どう練習するかがわれわれの仕事」とにらんだ。

21日はかりがねサッカー場で軽めの練習をした後、山形村のアイシティ21で恒例のキックオフイベントを開いた。
反町監督や選手が地元のファンらの前に姿を見せるのは、約1カ月ぶり。サッカー通で知られるタレントの平畠啓史さんをゲスト司会者に迎え、選手全員が1人ずつ壇上に立って意気込みを語り、800人余の来場者とともに気勢を上げた。
反町監督は「けが人も少なく、順調に終えられた」とキャンプを振り返り、「昨季までと逆に、6対4くらいで攻撃に多く時間を割いた。主体的にアクションを起こす時間を増やしたいし、そういう力を出せる選手もそろってきている」と力を込めた。
2季前のJ2との違いを聞かれ、「やってみなければ分からないが、レベルは上がっているし、(自分たちの力に)あぐらをかいているチームもない。厳しいリーグになるだろう」と予想。「毎試合、120%の力を出していくしかない。この1週間は熊本戦のことだけを考え、一戦必勝でやっていく」と、決意を話した。
塩尻市柿沢の上條裕貴さん(22)は初の来場。2月初めにはキャンプを見学に行き、「あの時より、みんな自信に満ちた顔つきになった」との印象。
「一昨年より難しい試合も増えるかもしれないが、自動昇格圏(2位以上)を目指してほしい」と期待を寄せた。
(長岩将弘)

今季J2も22クラブ総当たり42節

今季のJ2に参戦するのは、山雅と共に降格した山形や清水、J3から昇格した町田、山口など22クラブ。本拠地と敵地で1戦ずつ行うホーム・アンド・アウェー方式の総当たり2回戦、全42節で争う。
順位は勝ち点(勝ち=3、引き分け=1、負け=0)の合計で決め、勝ち点が並んだ場合は、得失点差、総得点数、当該チーム間の対戦成績-の順で優劣を決める。
J1には3チームが昇格できる。年間1、2位は自動昇格し、3~6位で残り1枠を争うトーナメント形式のプレーオフを行う。
プレーオフの準決勝(3位-6位、4位-5位)は11月27日、決勝は12月4日。いずれも90分間で決着がつかない場合は、年間順位上位のクラブが勝者となる。
ただしクラブライセンス制度により、財務や施設など各分野でJ1基準を満たしていないクラブは昇格できず、プレーオフにも出場できない(その場合も7位以下の繰り上げ出場はなし)。
またJ3でJ2基準を満たすクラブが上位になった場合は、21、22位が入れ替え戦などの対象となる。

【チケット情報】
ホーム試合は、松本市神林の総合球技場アルウィンで21試合を予定している。前売り券は大人がS席4500円(高校生以下2000円)、A席4000円(同1500円)、ホーム・アウェー側とも自由席2200円(同700円)など。各コンビニエンスストアの情報端末などで購入できる。
当日券はいずれも500円(高校生以下のホーム・アウェー自由席は300円)増し。未就学児は大人1人につき1人、車いす席は1人につき付き添い1人、それぞれ無料となる。試合によって、松本市や周辺自治体の小中学生には学校を通じ、ホーム自由席の招待券を配る予定だ。
ホーム全試合を割安に観戦でき、さまざまな特典も付く「シーズンパス」もある。問い合わせは株式会社松本山雅・電話88・5490

小池平田線の出川西~寿橋西交差点区間が29日開通

松本市のJR南松本駅東側で新設工事を行ってきた都市計画道路(市道)小池平田線の出川西~寿橋西交差点区間(1050メートル)が29日正午、全面開通する。午前10時から松南地区公民館で式典を開く。長らく平田地区と市中心部を結ぶ主要道路だった県道平田新橋線に代わって、新市道が幹線道路になり、渋滞解消が期待される。
新設区間は市が2002年度に事業化し、約32億円かけて用地取得や工事を進めてきた。幅3・5メートルの歩道が両側に付いた2車線道路。
「県道は交通量が多く、歩道は狭く、非常に危険だった。新市道は安心して歩くことができる」と地元・出川町会の宮田和宣町会長(74)。「高齢化しているので、新市道沿いに住宅が増えるとありがたい」と期待する。
新設区間のうち、出川西~出川南交差点間は、主に田畑だった所。すでにアパートや医院、事業所などが進出しているが、今後も道の東側を中心に、開発の行方が注目される。

出川は、歴史に翻弄(ほんろう)されてきた場所だ。江戸時代は善光寺道(現在の県道)の間宿(あいのしゅく)として、芝居小屋が建つなど栄えた。
しかし、戦時中、国鉄篠ノ井線を挟んで西側の地域が軍需工場の疎開地になり、戦後、国道19号バイパスが通ると、開発の中心は篠ノ井線の西側へ。車社会の到来や大型店の出店などで、駐車場のない個人商店は次々と姿を消した。
1980年代には、地元住民が資金を出し合って独自に宅地造成するなど、懸命に街づくりを進めたが、今回の新道や、同時進行の県道寺村南松本停車場線の整備で、その宅地造成の一部や、銭湯、衣料、手芸、クリーニング、美容など残っていた店が一気に姿を消した。
住民の一人(72)は「県道の交通量が減ったり、歩道のある道ができるのはうれしい。しかし、時代の大きな力にあらがえないまま、多くのものが消えていく無力感も感じる」と寂しげに話した。

【都市計画道路小池平田線】1961(昭和36)年に都市計画決定。全長は、あがたの森通り(国道143号)の小池町(深志三丁目交差点)から国道19号の平田交差点までの3・8キロ。
庄内の柳橋北~出川西交差点間は整備済み。その先の庄内町~柳橋北間も用地取得が進む。
(松尾尚久)

「安曇野わさび田湧水群」が名水百選選抜総選挙にエントリー

安曇野市の「安曇野わさび田湧水群」が、名水百選30周年を記念して環境省が行う「『名水百選』選抜総選挙」にエントリーされた。市が、あらためて安曇野の水の美しさを認識し、環境保全に関心を持ってもらおうと応募。投票はインターネットで3月13日まで。松本市の湧水群もエントリーされている。
選抜総選挙は、(1)観光地としての素晴らしい名水(エントリー数20)(2)景色が素晴らしい名水(同20)(3)秘境として素晴らしい名水(同5)(4)おいしさが素晴らしい名水(同10)|の4部門。わさび田湧水群は、(1)と(2)にエントリー。
名水百選は、昭和と平成それぞれ100カ所選ばれている。わさび田湧水群は、昭和の名水。観光地として魅力があり、安曇野の田園風景や自然の1つの要素であることから、両部門に応募した。どちらも36件の応募の中、事前の選考を通り、選抜された。
締め切り後、投票結果を集計、精査し、3月中に同省の「ウオータープロジェクト」のサイト内などで、各部門5位以上を公表。交通アクセスや周辺の観光情報などを含めて紹介される。さらに市は「選ばれれば、旅行会社のパッケージ商品などに利用してもらえるのではないか」と期待。市独自でも活用を考えていく。
投票は、「名水百選」選抜総選挙の専用サイト(ウォータープロジェクトのサイト内)からできるほか、市ホームページのトップページのバナーからもできる。市環境課は「投票することで、地元、故郷の応援につながる。市民だけでなく、安曇野を離れた人など、多くの人に投票してほしい」と話す。
市環境課電話71・2491
松本市は、「まつもと城下町湧水群」(平成の名水百選)。(1)にエントリーされた。
(八代けい子)