月別アーカイブ: 2015年11月

降格…成長の糧に J1初挑戦16位終戦

151126yamp今季、県内のクラブとして初めてJ1に参戦、残留できる「トップ15(年間15位)入り」を目指して戦った山雅。苦闘の末に目標達成はかなわず前節でJ2降格が確定し、7勝7分け20敗、勝ち点28の年間16位でシーズンを終えた。今季の戦いを振り返りながら、今後について考察する。
シーズン序盤こそ健闘し残留圏の順位を維持したが、第1ステージ13節から7連敗。2連勝を挟んだものの、その後は8戦勝ち星なし-と、中盤以降は苦しんだ。順位も、8戦未勝利の皮切りとなった第2ステージ5節の川崎戦(7月29日)で降格圏に転落して以降、最後まで巻き返すことはできなかった。
同13節の清水戦(10月3日)で9試合ぶりの勝利を手にし、勝ち点3差に迫った15位・新潟との直接対決を迎えたが、反町監督が「土壇場で力を発揮できなかった」と悔やんだとおり、内容的にも乏しい試合で敗戦。
続く鳥栖戦は終盤の2失点で敗れて窮地に追い込まれ、勝利が絶対条件だった神戸戦も、同じ展開で終盤に2失点し逆転負け。降格が決まった。
新潟戦で金甫炅(日の下に火)、鳥栖戦で工藤を欠き、さらに神戸戦ではオビナが欠場するなど、ここ一番で主力の負傷が相次いだ点も痛かったが、「けが人のせいにはできない。それも見越して戦力を整えられるかどうか」と指揮官は言う。
力を発揮できなかった一因として、反町監督は「1試合を見渡すと、リズムのいい時と悪い時とがはっきりしている」点を挙げ、「悪い時なりに我慢できるかといえば、できない。実力不足と言えばそれまでだが、相手を褒めるというより、われわれに落ち度がある」と苦りきった。
20敗に上るリーグ最多の黒星も気になるところだ。「先制してもひっくり返されたり、追い付かれたりした試合があまりにも多かった」と指揮官が振り返ったように、先制しながら逆転負けを喫したのは5試合、同じく引き分けに持ち込まれたのも5試合あった。
関連して目立つのは、先の鳥栖戦、神戸戦に象徴される終盤の失点。それまでリードしていたり同点だったりしながら、残り15分(後半30分以降)で追い付かれたり逆転されたり、勝ち越されたりといった試合は、計9試合。勝ち点を取りこぼした印象は否めない。
最終節を終えた反町監督は「選手だけでなく、自分も、スタッフも、会社も、全員の力の足りなさがこの結果になっている」と受け止めつつ、「ただ、最終節に表れているように、持っている力は尽くした」。指揮官や選手が口をそろえたとおり、今後どう生かすかが、今季の経験の価値を決めるだろう。

続投が決まっている指揮官は、今後のチームづくりについては「これからじっくり考える」という。
山雅とともに今季昇格した湘南は、育成型に舵を切って鍛え上げてきた生え抜きの若手らが選手層を支え、3度目のJ1挑戦で初の残留を果たした。理想的ではあるが、同じスタイルを目指しても結果が出るまで相当な時間がかかるだろう。
一方で、即戦力ばかりを補って即座にJ1に戻ったところで、今季の繰り返しになるおそれもある。
「クラブの規模を考えながら、できる範囲で最大限いいマネジメントをし、トライすることが大事。いずれにしても、いばらの道だ」と、反町監督は悲壮な覚悟を漏らす。
北信越リーグ、JFL、J2-と、これまで順調にステップを上がってきた山雅にとって、わずか1年でのカテゴリー降格は初めての経験だ。
この「試練」を乗り越え、クラブとしてさらなる成長曲線を描けるかどうか。来季は正念場となりそうだ。
(長岩将弘)

出し尽くした最終戦 悔しさを力に

0-0で終わった今季最終節(第2ステージ17節)の22日の横浜F・マリノス戦は、持てる力を出し尽くした、1年の締めくくりにふさわしい内容。詰めかけた1万人のサポーターの心を震わせた。
最前線にポストプレーヤーを置くこれまでの戦い方を変え、速さのある前田と石原を配置。中盤の工藤、喜山、田中、那須川らを絡めて短いパスをリズム良く交換し、相手ゴールへ迫った。
前半4分、前田のクロスに喜山が右足で合わせたが、わずかにクロスバーの上。しかしその後も、那須川が頭と左足で立て続けにゴールを強襲。迫力の攻めを見せた。
しかし、相手は試合巧者。次第に横浜ペースになり、後半は防戦一方。全員で体を張ってしのぎ、反撃の時を待ち続けた。
32分、反町監督が俊足ウィリアンを投入すると、攻撃のスイッチはオンに。1年のすべての思いを込めて勝利を目指す、魂の時間帯に入った。
カウンター攻撃時には中盤の選手も相手ゴール前へなだれ込み、手薄になった守備を突かれた時には村山が好セーブを連発。しかし、執念実らず、試合終了の笛を聞いた。

「ファン、サポーターを最後、笑顔にして終わらせようと臨んだ」と村山。選手の気持ちが伝わる試合に、涙を流すサポーターも。試合が終わり客席へ歩みを進める選手たちを、サポーターは「どんな時でも俺たちはここにいる」と歌うチャントで迎えた。
点を取りきれなかったり、細かいミスでボールをつなげなかったりと、課題が散見する試合だったが、無失点に抑えた組織的な守備と集中力は1年の経験と成長を感じさせた。
「最後に追いつかれたり逆転されたりする試合も多かった中、僕たちがばらばらにならなかったのはサポーターのおかげ」と飯田。
田中は「1年間悔しくてつらい思いしかしていない。この悔しさをエネルギーに変えたい。このまま終わったら男じゃない」と来季を見据え、喜山は「またこの舞台に戻ってきたい」と誓った。
(取材班)

今季最終戦 横浜Mとドロー 敵地で1万人声援

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J1昇格初年でのJ2降格(年間16位以下)がすでに決まっている松本山雅FCは、今季最終(第2ステージ第17)節の22日、敵地で横浜F・マリノスと対戦、0-0で引き分け、7勝7分け20敗の年間16位で今季を終えた。山雅側は約1万人のファンやサポーターが駆けつけ、最後まで全力で戦う選手たちに熱い声援を送った。
互いにタイトルなどが懸からない「消化試合」とも言える一戦だったが、会場の日産スタジアム(横浜市)には今季最多の4万4226人が詰めかけ、緊張感がみなぎった。
前半、山雅がチャンスをつくる場面もあったが、横浜の堅守を崩しきれずに折り返すと、後半は横浜ペース。それでも決定的な場面はしのぎきり、10月3日以来となる勝ち点をもぎ取った。
試合後は今季の感謝を込めるように、選手や指導陣が観客席に深々とこうべを垂れてあいさつ。ピッチに最後まで残った反町康治監督は「1年間、本当にありがとうございました」と声を張り上げた。
息子の凌雅君(9)と訪れた山田一秀さん(43、松本市空港東)は「最後に思い入れのあるマリノス戦で、いい試合を見られてよかった。結果的には(J2降格で)つらいけれど、戦力を十分に養って、またJ1を目指してほしい」。
JFL時代から応援しているという北原江里子さん(27、同市清水)は「反町監督が残ってくれることもあるし、1年で(J1に)戻ってほしい」と期待し、「今年の熱い応援を引き続き続ける」と誓った。

反町監督の下、再びJ1へ 来季続投決定

151114yampサッカーJ1松本山雅FCの反町康治監督(51)が、就任5年目となる来季もチームの指揮を執ることが決まった。山雅はすでに来季のJ2降格が決まっており、反町監督の下で再びJ1昇格を目指すことになる。
反町監督は13日、クラブを通し「来年はより難しいチャレンジになると思いますが、われわれを応援してくれる方々とともに、1つになって頑張っていきたいと思います」とコメントした。
クラブ側は監督の手腕を高く評価。今季開幕にあたって結んだ複数年契約の期間を残していることもあり、続投を要請していた。
北京五輪代表も指揮した反町監督は、山雅がJ2に昇格した12年シーズンに就任。史上最速となる3年でチームをJ1に導き、アルビレックス新潟、湘南ベルマーレに続いて、監督として3度目のJ1昇格を果たした。
今季はJ1に残留できる「トップ15(年間15位)入り」を目標に掲げて戦ったが苦戦。7日のヴィッセル神戸戦で敗れ、J2降格が確定した。

神戸に敗れJ2降格確定

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国内最上位リーグの壁は厚かった-。サッカーJ1の松本山雅FCは7日、敵地でヴィッセル神戸と対戦、1-2で敗れ、最終節を残してJ2降格(16位以下)が確定した。地元でも大型スクリーンでテレビ中継を観戦するイベントで多くの人が声をからしたが、願いはかなわなかった。

塩尻市大門一番町のウイングロードで開いた「塩尻エキサイティングビジョン」(しおじり街元気カンパニー主催)には、ユニホームや応援グッズを身に着けた100人ほどが集まった。
山雅は前半から積極的に攻めて42分、FW阿部吉朗選手が先制点。ロスタイムには相手選手がPKを外し、会場の興奮は最高潮に。
しかし、後半は徐々に神戸ペース。しのぎ続けた山雅だったが、40分に同点にされるとロスタイムには逆転を許し、会場は重い静けさに包まれた。
塩尻市大門田川町の栗田喜美江さん(66)はタオルを目頭に当て、「選手や監督たちはよく頑張ってくれた。切ないけれど、みんな(選手ら)はもっとつらいはず」。
同市広丘堅石の本田康弘さん(41)は「悔しいけれど、ここから強くなればいいだけ」ときっぱり。「1年で(J1に)戻ってこられるよう、来年も全力で応援します」と力を込めた。

サッカーJ1の松本山雅は、来季のJ2降格が決まった7日夜遅く、松本に帰着した。8日は松本市かりがねサッカー場で、疲労回復のための運動や控え組主体の練習試合をこなした。
自身の進退も含めた来季のチームづくりについて、反町康治監督は「昨日の今日で、少し混乱してはいる」と、まだ落ち着いて考える余裕はなさそうだ。
シーズンはまだ続き、選手たちにも「特別なことは言っていない」という反町監督。これまで通り、目前の戦いに集中する姿勢を強調した。

鉢伏山で出合った金星、木星と火星の共演(松本市・岡谷市)

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鉢伏山山頂の「鉢伏大権現」の祠の上で繰り広げる天体ショー。金星(右)と木星が並んで輝き、火星(左下方に赤く見える)が共演。幽玄神秘な雰囲気が辺りを包む=ニコンD3、ニッコールED80―200ミリ、10月26日午前3時20分

松本市と岡谷市の境にある鉢伏山(1928・5メートル)。山岳信仰の山として知られ、昔から「雨乞い神事」が行われてきた神聖なる山だ。
10月26日未明、この鉢伏山の山頂で金星と木星、火星が接近し共演する天体ショーに出合った。
午前1時半。誰もいない氷点下3度の山頂は、枯草を揺らし、耳元で不気味に騒ぐ風の音があるだけだった。祀(まつ)られた鉢伏神社の前に立つ。十三夜の月の光が鳥居の影を映し「鉢伏大権現」の祠(ほこら)を浮かび上がらせる。身が引き締まる凛(りん)とした光景だ。
午前2時55分。金星と木星が寄り添い、鉢伏大権現の祠の真上に昇る。金星のきらめきが、星とは思えないほどまぶしい。後を追うように赤ら顔の火星が祠の上に輝く鉢伏山で観望する天体ショー。こんな神秘で壮麗な光景を前にした時、人はただ祈るしかない。撮らせてもらった大自然との感動の出合いに感謝し、思わず般若心経を唱えた。
午前3時50分。月が沈むと天頂に1等星6個を結んだ「冬のダイヤモンド」が豪華に輝く。北斗七星がひしゃくの柄を立て、南天の地平線付近にカノープスがきらり。朝焼けが始まった東の空に輝くおとめ座のスピカが一際明るい。希望と幸せの新しい朝を連れて昇ってきた。
(丸山祥司)