月別アーカイブ: 2015年5月

過去最多の観客動員も横浜Mに0-3の完封負け

150526yampJ1は23日、各地で第1ステージ第13節の8試合を行った。ここ3節無敗で暫定9位の山雅は、同5位の横浜F・マリノスとアルウィンで対戦。過去最多入場者数を更新する1万8906人が詰め掛けたが、0-3で完封負けを喫し、ホーム3連勝も逃した。
試合後の会見で、敵将モンバエルツ監督が「狙い通りのパーフェクトな内容」と胸を張った一方、反町監督は「完敗という言い方はしたくないが、そう言わざるを得ない」とうめいた。
相手の高い技術とスピード、強烈なプレッシャーに、山雅は立ち上がりから自陣に押しこめられた。
8分、ゴール前で飯田がクリアしたボールを、角度のない位置からアデミウソンにダイレクトボレーで決められ、先制を許した。
31分には、相手シュートをブロックした岩間からのこぼれ球を押し込まれ、0-2で折り返す。
後半はリードを広げて攻勢を緩めた相手に対し、山雅は攻撃的な選手を相次いで投入。打開を狙ったが、元日本代表の中澤率いる守備陣に付け入る隙はなかった。終盤の45分には逆にダメ押しのミドルシュートを浴び、3点目を失った。

かつて横浜に所属、横浜時代の先輩だった故・松田直樹さんから背番号3を受け継いだ田中は、スプリント(時速24キロ以上走行)回数が両軍通じて断トツの36回と気を吐いた。秘めた思いもあっただろう。「言葉が見つからない。自分の力のなさを感じている」と、いつになく悔しさをにじませた。
多くのタレントが居並び、反町監督が「今までで一番いい試合運びだったのでは」と評するほど、チーム全体で好連携を見せた横浜。J1の厳しさを再認識させられたとも言えるが、その中でも勝たなければならないことに変わりはない。
途中出場の鐡戸は「マツさんに、これが現実だよと言われた気がする。だからこそここから学び、また顔を上げて戦っていかなければ」と力を込める。
次節の鹿島も、長い歴史と実績を持つ名門。打ちひしがれている時間はない。
(長岩将弘、松尾尚久)

「らしさ」凝縮で快勝 神戸に2-0

150519yamp

サッカーのJ1第12節は16日、各地で行った。松本山雅FCはアルウィンでヴィッセル神戸を2-0で撃破。山雅の魅力と成長が凝縮する快勝だった。
得点機は神戸に何度も訪れた。司令塔森岡と俊足FW小川を中心に、山雅最終ラインの裏を狙って決定機を演出。山雅のラインが下がるとミドルシュートで強襲した。
しかし、山雅は全員が最後まで相手に体を寄せ、体を投げ出してシュートを防いだ。先制後の神戸の猛攻では、中盤の守備枚数不足を察知すると、すぐさま選手たちの判断で岩間をアンカーに置いた3ボランチに変更。体力と知力で神戸を零封した。
得点シーンも山雅らしかった。1点目はセットプレーから前田の個人技で奪取。しかしこの背景には、志願の居残り練習という地道な努力があった。
2点目は後半ロスタイム、神戸の波状攻撃を体を張って跳ね返した直後。神戸スローインにオビナが猛然とプレスしてボールを奪取。GKと1対1の場面で自らシュートを打たず、中でフリーだった阿部にゴールを託した。
「阿部の方が良い状態だった。仲間を信じてパスできたことが大事。次は自分がパスをもらえるかもしれない。チームの勝利が何より大切」と試合後のオビナ。
試合終盤の集中力、驚異的な体力と献身的な守備、仲間への敬意と信頼。山雅がこれまで培ってきた財産のすべてを詰め込んだような得点で、「今日は一番うちららしいサッカーができた」(飯田)、「理想的な形での勝利。こういう試合をすれば勝てると一人一人が手応えを感じたと思うし、自信になったと思う」(田中)と選手たち。
山雅を見続けてきたサポーターはチームの成長ぶりに、初観戦の人はサッカーの魅力に、それぞれ胸を熱くして家路に就いたのではないだろうか。
(松尾尚久、長岩将弘)

通年リーグ戦3分の1を消化-序盤振り返り中盤戦を展望

県内クラブとして初めてJ1に昇格し、国内最高峰のリーグに挑んでいる山雅。公式戦はここまで5勝4分け7敗。リーグ戦はシーズンの3分の1に当たる第1ステージ第12節までを終え、4勝3分け5敗、勝ち点15で9位だ。J1初年度に掲げたのは、残留できる「トップ15入り」。リーグ序盤の戦いぶりを振り返りながら、中盤戦を展望する。
過去3シーズンにおける15位だったチームの最終勝ち点をみると、14年の清水は36、13年の甲府は37、12年の新潟は40-となっている。一概に比較はしにくいが、年間勝ち点で争う今季も、このあたりが実質的な残留ラインだろう。
仮に山雅がここまでと同じペース(1試合あたり1・25)で勝ち点を重ねたとすると、最終勝ち点は42・5。ここ3戦の無敗が大きいが、安泰と言える数字ではない。
気になるのは、試合終盤の失点の多さだ。
ここまでの総失点13のうち、半分近い6点が後半30分以降。その時間帯の失点により、リードした状況から引き分けで終わったのが3試合、同じく同点から負けを喫したのが2試合ある。
反町監督は「(終盤に得点が動くのは)今季のリーグ全体の傾向」と分析するが、「最も(点を)取られてはいけない時間に取られている。勝ちきることができない要因のひとつ」と悔しがるのは村山だ。「自分のパフォーマンスもそうだし、もっとうまくチームを集中させなければ。まだまだだと感じる」と明かす。
チームで断トツのJ1出場経験を持つ田中は「一瞬の隙やミスの代償は小さくないと思うが、(J1)経験の少ない選手たちにとって、それぞれが得たものや手応えはあるはず。それをどう生かしていくか。遠くを見るのではなく、目の前の試合に全力で臨む。それを積み重ねていくしかない」と力を込める。

反町監督は、今季のJ1の印象について「開幕前の予想通り、個の力量も戦術面でも、非常にレベルが高い」と話す一方、ここまでのチームの出来については「もう少しやられるかもしれないと思っていたが、失点は少なくなってきた。いろいろな意味で、そこそこできているとは感じる」と、一定の手応えを明かした。
4月18日から5月10日にかけ、ヤマザキナビスコ・カップを含む7試合を約3週間でこなした過密日程を2勝2分け3敗で終えたことは、前向きにとらえられるだろう。
リーグ戦に限れば2勝2分け2敗。無失点も3試合ある。
だが5月に入り、谷奥、後藤、那須川と、守備陣が相次いでけがに見舞われ、長期離脱を余儀なくされた。
特に後藤は第9節前半で負傷交代するまで、開幕戦から3バックの中央でフル出場を続けてきた。指揮官も「やっと(山雅の戦い方に)慣れてきたところだったが…」と、口惜しさを隠さない。
守備陣の「緊急事態」を乗り切れるか。夏の補強をにらみつつ、塩沢など他ポジションからのコンバートも、既に練習で試している。山雅の代名詞でもある夏場のタフさも発揮し、チームの真価を示したい。
「J1の中ではあらゆる意味で小さなクラブだが、どの試合に対しても、今できることの最大値をもって臨んでいることは胸を張って言える」と反町監督。「ここまでの結果を受け止め、より上を目指すだけ」と誓った。
(長岩将弘)

選手の「呼び名」あれこれ

150512yamp初めて挑むJ1の舞台で激闘を続ける山雅。チームが一丸となって力を最大限発揮するため、ピッチ内外でのコミュニケーションは欠かせない。その基礎になるのが、選手同士の呼び掛けだ。スムーズな意思疎通のために、工夫や特徴はあるのだろうか。選手間で使われる互いの呼び名について探ってみた。
選手会長の村山は「呼びやすさは大事だが、特にルールなどがあるわけではなく、人によってもまちまち」と話す。周囲が呼びやすいように呼んでいるうちに定着するようだ。
具体的にはユウゾウ(岩上)、ユウダイ(岩間)、ナオキ(前田)などファーストネームそのままだったり、ムラ(村山)、イシ(石原)、シオ(塩沢)など姓を縮めたり。イーチャン(飯田)、テッチャン(鐡戸)といったパターンもある。
年長者に対しては、ヨシロウさん(阿部)、ハユさん(田中)など「さん・君」が付くが、プレー中ははしょられることも。
「この世界では当然なので気にしたことはないし、年下の選手もピッチ内で遠慮はいらないと思う」と最年長の阿部。「上下関係に厳しい育成組織や学校部活動などでは(さん・君付けを)徹底させるところもあるらしいが、大学以上だと、こだわるチームはないのでは」とも話す。
ほかにもシュンスケ(岩沼)は「シュン」など、プレー中に短く呼ぶ例は多いようだ。
同じ名前がある場合はフルネームを短縮。リュウタロウ(飯尾)と柴田コーチがいるため、柴田は「シバリュウ」、サカイ(酒井)、タツヤ(和田)とかぶる坂井は「サカタツ」といった具合だ。
「サカタツ」について坂井は「競技生活の中では初めてだが、大学時代に部活以外の友達からそう呼ばれたことがある」とか。「でも、考えてみれば(酒井)隆介君が『リュウスケ』で定着しているので、僕は『サカイ』でいい気もしますけど…」と、首をかしげていた。
呼び名とは少し違うが、柴田は太ももがゾウのように太いことから「モモゾウ」、練習中、右サイドで切れのあるプレーを見せる道上は「ベッカム」-など、若手はさまざまなあだ名を付けられ「いじられる」こともあるようだ。
ブラジル人選手2人は、登録名そのままで呼ばれることがほとんど。ドリバはファーストネームの「ドリバル」から。オビナは人名に由来する愛称だ。
「オビナ」は、かつて母国で所属したヴィトーリア入団時、オビナと入れ替わりでチームを去ったナイジェリア人練習生の名前だという。面識はないが似ていたらしく、周囲から呼ばれ始めた。
それまではファーストネームの「マヌエル」にもひっかけ、「馬鹿、愚か者」などといった意味(ただし侮辱的なニュアンスはなく、冗談めいた表現)のポルトガル語「マネ」と呼ばれることが多かったそうだ。
オビナは母国でも高名なため、母国の若手選手や子どもたちの中にも、オビナにちなんだ愛称や登録名が増えているという。
オビナは「自分の仕事が結果として表れていると感じるし、人間としてもよい手本でありたいと思う。もっともっといいプレーをしたいね」と、励みにしているようだ。
(長岩将弘)

後援会の大町支部が発足

松本山雅FCの支援団体、山雅後援会の大町支部が発足した。後援会役員や、山雅関係者など約70人が出席し5月3日、市内の大北農協会館アプロードで発足式を開催。「チームをさらに盛り上げる組織づくりを」と気勢を上げた。
駒澤宗浩支部長(54、平)が、後援会の山村和永理事長から認証書を受け取った。駒澤支部長は、その後のあいさつで「大町市民に山雅の選手のプレーを身近で見てもらうことから活動を始める。まだまだ駆け出しだが、ほかの支部の力も借りながらチームを応援したい」と抱負を話した。
支部は、6月と10月に市のグラウンドでトレーニングマッチを開催。パブリックビューイングや選手と市民の交流する催しも企画していく予定だ。

ホーム戦連勝ならず 新潟に1-2

150505yampJ1は2日、各地で第1ステージ第9節を行った。前節まで14位の山雅は、同15位のアルビレックス新潟とアルウィンで対戦。一時は追い付きながら、わずかなほころびを見逃してもらえず勝ち越され、1-2で敗れた。7節・仙台戦(4月25日)に続くホーム2連勝はならなかった。
5連休初日で好天もあってか、入場者数は過去3番目に多い1万8398人。特に相手側観客は、過去最多とみられる約4000人が詰めかけてアウェーゴール裏の半分以上を占め、これまでにない雰囲気の中で試合が始まった。
山雅は前半7分、後藤がPKを献上。思わぬ形で序盤に先制を許すと、勢いづいた新潟に攻め込まれた。
しかし23分、右サイド深くでパスを受けた前田が思い切りよくミドルシュートを突き刺し、同点。攻勢に出るが追加点は奪えず、1-1で折り返す。
後半は風上に立った新潟が、足元の技術や球際の強さで上回り、再び優勢。山雅はセカンドボールも拾えず、じりじりと押し下げられた。
それでも猛攻をしのぎ続けていた山雅だったが38分、阿部が失ったボールからショートカウンターを受け、痛恨の失点。終盤に何度かチャンスをつくったものの、ゴールは遠かった。
反町監督は「切り替えや戻りの速さといった、技術じゃない部分は非常によくやった」としつつ、「ボールコントロールの違いなどが少しずつ、全体的な流れに影響を与えてしまった」。田中も「決定的な場面は、失点の2度だけだった。それで負けるのが現実」と認めた。
次節(6日)甲府戦に敗れれば、最下位に転落する可能性もある。「ぎりぎりのせめぎ合いで負けたが、その差こそがすごく大きい。強気でチャレンジする回数を増やし、それを続けていくしかない」と大久保。第1ステージも後半戦に突入し、真価が問われる。
(長岩将弘、松尾尚久)