月別アーカイブ: 2015年3月

ヤマザキナビスコ杯予選2節はFC東京と1-1 手応えと悔しさ

150331yampヤマザキナビスコ・カップ1次リーグ第2節は21日に各地で行い、A組の山雅はアルウィンにFC東京を迎え、1-1で引き分けた。代表への招集で主力4人を欠いたとはいえ、今季公式戦無敗の強豪を相手に先制し善戦。それだけに、監督や選手たちは悔しさも隠さなかった。
前半、風上に立った山雅は、序盤から攻撃のペースをつかんで押し込んだ。33分、右サイド深くからの岩上のロングスローは相手2選手に当たり、そのままオウンゴール。リードして折り返した。
しかし後半は、東京が立ち上がりから攻撃のギアを上げる。11分、自陣でヘディングでの競り合いからこぼれたセカンドボールを拾われ、同点シュートを許した。
その後は勝ち越し点を得るべく互いに激しく攻め合ったが、得点は動かなかった。
東京とは昨年8月の天皇杯3回戦で対戦。J2で既に2位を固めつつあった山雅だが、防戦に追われ、0-2で完敗だった。
諸々の状況が違い一概には言えないものの、当時もフル出場した村山は「強い相手だなと感じたのは前回のほう」。岩上も「今回は僕たちのやりたいことができていた」と、チームの成長に関して一定の手応えを語る。
ただ、それが勝利という結果に結びついていないのも事実。失点も、飯田や酒井が「あの瞬間だけ(スペースが)ぽっかり空いてしまった」と悔やんだように一瞬の隙を突かれた痛撃だったが、そこを逃さないのがJ1ということだろう。
J1の舞台で5試合を終え、ここまで1勝2敗2分け。反町監督は「今後のわれわれの財産になる戦いができたのでは」と評し、「これからもできることをしっかりやっていくだけ」と前を見た。
次はリーグ第4節の4月4日、国内屈指のビッグクラブ浦和に、初めて敵地で挑む。
(長岩将弘、松尾尚久)

「フットワーク強み」就任2カ月の神田社長に聞く

150326yamp松本山雅の社長に、元選手で取締役管理本部長を務めた神田文之さん(37)が就任し、2カ月近くがたつ。県内のクラブチームとして初めてJ1で戦う今年は、くしくもクラブ創設50周年の節目。22日にはアウェー清水戦で記念すべきリーグ戦初勝利を挙げた。新たな歴史を踏み出したクラブのかじ取りを担う若きトップに、今の思いや意気込みを聞いた。

「会社のために何かできたかというとまだまだなんですが、あっという間でした。こんなに忙しかったのは初めてです」。神田社長は就任以後を振り返り、苦笑した。
もともとシーズンオフ期間は、以前の主な仕事でもあった営業がピークを迎える時期。関係先へのあいさつ回りや社長業の引き継ぎも重なり、多忙を極めたという。
それでも「忙しいのはありがたいこと」と前向きだ。「立場上、厳しくしなければいけない部分はもちろんありますが、社長になったからといっても(力を尽くす姿勢は)変わらない。自分のスタイルを社内外に知ってもらう期間でもあったかなと考えています」

常勤で社長業に集中できる点は、家業を持ち非常勤役員だった大月弘士・前社長(現代表取締役会長)との最大の違い。加えて12歳若返り、自身も「フットワークの軽さは強み」と話す。
プレシーズンマッチも含め、アウェーの公式戦は全て足を運ぶ予定だ。これまではアウェー会場に行っても「先入観や固定観念にとらわれないように」との考えから、会場運営などを注意深く見ることはなかったという。
今季はそこにも目を配り「すぐに取り入れることはできなさそうでも、参考になる点を持ち帰り、自分なりに整理しておくようにしている」。
キャンプや普段の練習など、チームの現場にも可能な限り足を運ぶ。「(チームスローガンの)『ワンソウル』の言葉通り、クラブの一体感を大事にしたい」との思いからだ。
指導陣と同じ練習着に身を包み、ボール拾いを手伝ったり、ジョギングをしたりしながら、選手や現場スタッフらと言葉を交わす。
「自分が体を動かしたいっていうのもあるんですけど」と笑いつつ、「舞台裏を整え、気持ちよく試合に臨んでもらうのが、われわれの務め。これからは育成組織にも顔を出したい」と言う。

一方で育成組織や練習場、新スタジアム構想も含めた観戦環境など、課題は山積みだ。
「優先順位はつけられない。幾つものことを並行して、少しずつでも停滞させず進めていかなくては。トップチームが頑張ってくれている中、われわれもどのくらいスピード感を上げていかれるか」と力を込める。
確かな手応えがある。2月に就任あいさつのため、かつて選手として所属した甲府を訪ねたときのことだ。海野一幸会長から「サポーターがサポーターを呼ぶ仕組みができている」と言われた。
「山雅は人から人へつながりを広げ、ここまで来たクラブだと思う。自分も感じていたことを指摘され、確信になった」と明かす。
「そもそもプロ化を目指したきっかけも『サッカーで地域を盛り上げよう』という市民の声だった。先人たちがここまで育ててきた方向は間違っていない。それを引き継ぎ、いろいろな人の意見を尊重しながら、枝葉を広げていくことが仕事」と神田社長。
「山雅を身近に感じる人をさらに増やしたいし、その点に関してはまだまだ成長の余地があると思う。多くの人を巻き込みながら、『山雅劇場』ではないですけれど、夢を見せられるクラブにしていきたいですね」
(長岩将弘)

ガンズくん上高地線に再び アルピコ交通が最終節まで掲出

アルピコ交通(松本市)が運営する上高地線の列車に、山雅公式マスコット「ガンズくん」をあしらったヘッドマークが掲出され、話題になっている。
掲出しているのは列車1編成の前後。大きなガンズくんの顔の横に「がんばれ!松本山雅FC」のメッセージを配した。
ヘッドマークは昨季、J1昇格決定(11月)を受けて1カ月ほど掲出したもの。反響が大きかったため、「記念すべきJ1初シーズンを応援しよう」との気持ちも込めて、再び掲出を決定。ホーム開幕戦に合わせて14日に登場した。第2ステージ最終節の11月22日まで掲げる予定だ。
同社鉄道事業部によると、写真を撮る人がいたり、運行状況に関する問い合わせがあったりと、すでに反応は上々。「山雅と一緒に地域を元気にできればいい。見かけたら、安全に注意して楽しんでみて」としている。

J1ホーム開幕戦 勝利ならず広島に1-2

150317yampサッカーJリーグ1部(J1)の松本山雅FCは3月14日、松本市アルウィンでサンフレッチェ広島と戦い、1-2で敗れた。0・8度まで冷え込んだ浅春のナイトゲーム。1万7091人が声を枯らして声援を送ったが、歴史的なホーム開幕戦を白星で飾ることはできなかった。
アルウィン周辺には試合開始3時間以上前から、待ちわびた人々の長い列ができた。
家族5人で訪れた松本市惣社の北原博文さん(40)は「(7日の)開幕戦にも行ったけれど、アルウィンは独特の熱気を感じる。山雅らしい熱い戦いを」。次女のまこさん(7、清水小1年)は「オビナ選手が決めて勝ってほしい」と期待した。
試合は序盤から押し込まれ開始7分で失点したが、5分後にオビナ選手がPKを決め同点に。しかし前半ロスタイムにFKを直接沈められ、再びリードを許した。終盤の山雅は広島ゴールにたびたび迫り、場内のボルテージも上がったが、得点はならなかった。
同市岡田の柳澤袈裟清さん(57)は「勝ちたかった。最後は攻めていただけに、余計悔しい」。妻の夏世さん(55)は「いつも一生懸命戦ってくれて、応援しがいがある」と選手をねぎらった。
鎌田中2年の牧内佑大郎君(14)は「途中まではいけると思っていたけれど、さすがはJ1」とため息。片桐力君(14)は「最後まで走り抜く山雅スタイルを貫き、次は勝ってほしい」と願った。
山雅は18日にヤマザキナビスコ・カップ1次リーグの鳥栖戦を敵地で行い、次節は22日、清水と敵地で対戦する。

死力尽くすも勝ち点手繰り寄せられず-J1第1ステージ2節

敗れはしたものの、山雅は試合を通じて、組織だった堅い守備を披露。ラスト15分間は分厚い攻撃で勝ち点1をすぐそこまで手繰り寄せ、寒さを忘れさせる熱い戦いを見せた。反町監督は「選手は死力を尽くした。私の知恵が足りなかっただけ」と敗戦の責を背負い込み、敵将森保監督は「追加点が取れず松本に勢いを与えてしまった。松本で勝つのは至難の業だと感じた」と疲労感を漂わせた。
我慢の試合だった。強豪広島が「松本よりハードワークしよう」(森保監督)と意気込んで臨んだ前半、広島の速さと技術の高さから2失点。その中で、PKを得た場面は、自陣からオビナへのロングパスに何人もの選手が鋭く反応した結果で、山雅らしさが出た。
1点を追う後半、山雅は得点を焦ることなく我慢の姿勢を貫き、失点のリスクを最小限に抑えながら同点の機会を虎視眈々(たんたん)と狙った。「しっかりと意思統一されていた」(飯田)という戦いぶりは見応え十分。堅い守備で広島に決定機を与えなかった。
我慢の末に繰り出した残り15分からの波状攻撃は山雅の真骨頂。後半36分、後藤が自陣ゴール前のクリアボールを岩上へつなぐとそのまま敵陣ゴール前へ駆け上がり、左からの前田のクロスに頭で合わせた。39分の喜山、40分の前田のシュートも含め、同点まであと一歩と迫った。
しかし、巧みな試合運びをしてもなお得点に結び付かなかったのがJ1の厳しさ。反町監督の言う「知恵」が今後どうピッチ上で表現されるのか注目だ。
丁寧にパスを回してすきを突いてくる広島との戦いは、初戦の名古屋とはまた違う「J1基準」を知る機会だった。また、途中投入の前田や石原が確実に攻撃を勢いづけたことも明るい材料。今後がますます楽しみになる、実りあるホーム開幕戦だった。
(松尾尚久、長岩将弘)

J1初戦 名古屋と3-3で勝ち点1

150310yamp【敵地で1万人が声援】
サッカーのJリーグ1部(J1)に今季初めて参戦した松本山雅FCは7日、名古屋グランパスと豊田スタジアム(豊田市)で戦い、3-3で引き分けた。観客3万3558人のうち約1万人を山雅側が占め、激闘を繰り広げる選手たちを後押し。新戦力が躍動し3得点の一方、先行しながら2度追い付かれるなど、手応えとともに課題も見える初陣となった。
「これはすごいな」-名古屋側の報道陣も嘆声をもらすほど、アウェー側スタンドは緑一色に染まった。
試合は短時間にめまぐるしく得点が動く展開になった。
前半32分、左CKからオビナ選手が頭で押し込み先制したものの、直後に同点弾を許し、1-1で後半へ。
後半は18分に池元選手、31分に喜山選手が得点し3-1としたが、その後のわずか4分間で2失点。45分にはPKを与え万事休したかと思われたが、村山選手が好守。そのまましのぎきった。
池田町会染の高山比呂志さん(58)は「とてもいい試合だった。やはりJ1は簡単には勝てないが、この勝ち点1は大きい」。元同僚の中平考さん(45、伊那市)も「全員で点を取る意識がうかがえた。臆せず今年のスタイルを示せたのでは」と話した。
家族4人で訪れた松本市波田の加茂周作さん(37)は「山雅らしいサッカーで引き分けたが、個の力でやられた部分もある。そういったところを振り切れるようにならなくては」。長女の杏菜さん(8、波田小3)は田中隼磨選手のファンで「負けなくてよかった」と、ほっとした様子。

ホーム初試合となる14日は午後7時から、アルウィンにサンフレッチェ広島を迎える。

【松本でも熱く応援】
松本山雅の初戦。会場に直接行けなかったサポーター約60人が松本市桐2のスポーツカフェガレージに集結し、試合を見守った。
名古屋グランパスと点の取り合いとなった展開に、店内は歓声とため息の繰り返し。後半45分に与えたPKでは、GK村山選手が死守した瞬間、大歓声に包まれた。松川村の平林怜さんは友人の加藤あづみさんと観戦。「本当は勝ちたかった。でも、PKをしのいで勝ち点1を得たのは大きいと思う。J2で見た良い試合のようなゲームだった。これからが楽しみ」と話した。

【スタイル貫き健闘】
初のJ1の舞台で選手は浮き足立つことなく「山雅のスタイル」を貫き健闘した。ただ、3-1とリードした後は、攻撃の厚みを増した名古屋の前に個の力で圧倒され、なんとか勝ち点1を持ち帰る形となった。
3得点は自分たちのスタイル、スカウティングの力、サポーターの後押しなど、持てる力を結集した成果。
新戦力もチームにフィット。オビナはポストプレー、パス展開、シュートと能力をいかんなく発揮し、池元も攻守両面で躍動。最終ラインの後藤、酒井も上々の守備を見せた。
得点やPKセーブは選手の力と分析精度のたまもの。岩上は「名古屋は速いボールが苦手でマークも離れて付く。速いボールを入れて自分たちが先に触る意図で中に入れた」と得点を振り返り、PKを止めた村山も「闘莉王のキックの傾向は分かっていた。試合の流れや時間、相手の性格を考え、真ん中にきそうだなと感じていたので、ぎりぎりまで動くのを我慢した」と打ち明ける。

ただ、そうした力が結集した上でなお3失点したという事実が重くのしかかる。
1失点目は前線へプレスをかけた岩沼の穴を埋められず、左サイドで数的不利をつくってしまっての「ミス」とも言える失点だったが、2失点目は飯田が闘莉王に競り負け、3失点目は酒井が川又に勝てずにボールを中へ折り返され、さらに後藤がノバコビッチに振り切られた形。いずれも高い個人能力の前に屈する形で、J1で戦っていく末恐ろしさを感じる。
試合終了の笛が鳴ると、山雅サポーターは選手にずっと拍手を送り続けた。選手も「今日犯したミスを繰り返さなければ必ず勝ち点3を得られる」(田中)、「セットプレーはJ1、J2関係ない。もっと極めたい」(岩上)、「試合ごと学び、良くしていくことが大切」(オビナ)と前を向き、反町監督は「われわれの強みを90分間出せたという点では胸を張って帰れる。これを標準にして勝ち点3を目指して努力したい」と闘志を燃やしていた。
(取材班)

いよいよJ1開幕へ ファンら700人とキックオフイベント

150303yampJ1松本山雅FCは2月28日、山形村のアイシティ21で、恒例のキックオフイベントを開いた。県外でキャンプを行っていた反町康治監督や選手が松本のファンらの前に姿を見せるのは、約1カ月ぶり。7日に迫った開幕に向けて意気込みを語り、700人余の来場者とともに気勢を上げた。
田中隼磨選手を除く計31選手と反町監督が参加。ゲスト司会者にサッカー通で知られるタレントの平畠啓史さんを迎え、全員が1人ずつ壇上に立った。
ゲーム主将を多く務める飯田真輝選手は「チーム内の雰囲気はすごくいい」と充実した表情。
反町監督は、キャンプを「順調に終えられた」と振り返り、今季の戦い方について「かなり攻め込まれると思うが、そのぶん守備には時間をかけたつもり。勝ち点を得られるチャンスを広げるためにも、無失点の試合を増やすことが大事」とにらんだ。
職場の同僚の村上茂子さん(33、同村)と深澤春菜さん(21、松本市筑摩)は静岡市でのキャンプを訪れ、横浜市で行った横浜F・マリノスとのプレシーズンマッチも観戦。
村上さんは「みんな頼もしい」、深澤さんは「新加入選手もすっかりなじんでいる様子で、開幕戦がいっそう楽しみになった」と期待した。
(長岩将弘)