月別アーカイブ: 2014年7月

J2第23節 もどかしい試合 東京Vと1-1

140729yampJ2第23節は26日、各地で11試合を行った。松本山雅FCは松本市アルウィンで東京ヴェルディと対戦し、1-1で引き分けた。山雅は、先制されてからギアが入るもどかしい試合を展開。逆転するには時間が足りず、勝ち点1の上積みにとどまった。
前半の立ち上がり、山雅はセットプレーを生かした自分たちの攻撃を繰り返し、サビアが何度かゴールを脅かした。
短いパスをつなぐ攻撃が特徴のヴェルディも、序盤はロングボールを多用。長いパスが行き交う間延びしたリズムに身を委ねたか、30度を超える暑さの影響か、山雅の動きは徐々に切れ味をなくしていき、一方のヴェルディは、時間を追うごとにパスをつなぐ本来のサッカーを取り戻していった。
後半、ギアチェンジできないままの山雅に対し、ヴェルディは19歳のMF安西を投入して攻撃を活性化。20歳前後の選手が多いヴェルディは押せ押せの状態になり、30分、21歳のFW杉本の右足が火を噴き、山雅の守備をこじ開けた。
しかし、そこからは山雅の時間。目の覚めた選手たちは波状攻撃を開始。35分、反町監督は玉林をピッチへ送り出して最終ラインに入れ、飯田を前線へ投入すると、1分後に岩上のCKを犬飼が同点ヘッド。
さらに、船山のドリブル、田中のクロス、山本のくさびのプレーなど、あらゆる手段でゴールを強襲。ロスタイムに岩上が2発シュートを放つなどあと一歩まで迫ったが、逆転はかなわなかった。
試合後、反町監督は「全試合ぴりっとはできない。だからこそ、次節を大きなターニングポイントにしなければいけない。『最後の15分は走り勝った』ではなく、『最後の15分も走り勝った』にしなければだめ」と強調。
30日の熊本戦は、サポーターの胸を熱くする「がむしゃらなプレー」を期待したい。
(松尾尚久、長岩将弘)

小松憲太 覚悟と決意の移籍「タイでトップに」

140724yamp山雅は13日、塩尻市出身のMF小松憲太が、タイ2部リーグのアユタヤFCに移籍すると発表した。「選手として日本に戻るつもりはない。まずはタイでトップに行き、さらに上を目指す」と小松。大きな覚悟と決意を持ち、新たな道を歩み始めた。

移籍発表の日は、アルウィンで行ったファン感謝デー当日。閉会セレモニーであいさつに立った小松は、声を詰まらせながら言葉を紡いだ。
JFL昇格初年の2010年シーズンに、大卒で入団。当初は別に仕事を持ちながらプレーした。尊敬する松田直樹さんとの出会いと別れ、J2昇格、アルウィンでのゴール-など、さまざまな思いが去来しただろう。
「下手くそで、走ることしかできない自分をずっと応援してくれて、ありがとうございました」。そう締めくくると、大きな拍手と声援が送られた。
「地元だし、他のチームを知らないというのもあるかもしれないけれど、やっぱり自分の中では日本一のチームです」。全てが終わった後、小松は晴れやかな笑みを浮かべた。

今季は出場機会を得られず、かねてから考えていた海外挑戦を具体的に検討。移籍希望先をタイに定め、クラブに意向を伝えた。
チームがJ1昇格に向けて一丸となっている雰囲気に、水を差しはしないか-。そんな心配もあったが、反町監督は「頑張ってこい」と後押ししてくれた。「普段のコミュニケーションは多くないが、それだけに重く響いたし、心強かった」と、小松は振り返る。
7月初めに1週間ほど現地に赴き、練習に参加。「やってやる、という楽しみな気持ちしかない」と手応えを得ている半面、気になるのは国民性や価値観の違いだ。
一例として、時間に関して非常に「ゆるい」という。公共交通が大幅に遅れても、怒る客もいなければ、運行側が悪びれる様子もない。現地でプレーするうちに、サッカーを取りまく環境についても、それを感じる機会は多くなるだろう。
「『タイ流』を受け入れつつ、染まらないように自分らしさを保つのが大事。生活や練習態度は変えるつもりもないし、変えちゃいけない部分だとも思う」と言う。

「わがままを聞いてもらったクラブや、温かく送り出してくれたファン、サポーターの皆さんには、すごく感謝している」と話しつつ、「もしかしたら、そういう部分に甘える意識もどこかにあったのかもしれない、とも思う」と明かす。
移籍先ですぐに活躍できる保証はない。「タイに行けば『外国人』。プレーや言動により責任を持たなければいけないし、結果やチームの勝利にも、もっとシビアにならざるを得ない」と表情を引き締める。
7月中にはタイに渡り、チームに合流する。全18チームで争う2部リーグは20日現在、21試合を終えており、アユタヤFCは9勝3分け9敗で9位だ。
「常に山雅の名を背負って戦うことになる。こちらにも評判が聞こえてくる選手になるよう、頑張ります」。力を込めた言葉に、決意がにじんだ。

【こまつ・けんた】1988年1月19日生まれ。桔梗小-広陵中-武蔵工大二高(現・都市大塩尻高)-東海学園大。高3時(05年)は主将を務め、全国高校総体に出場した。173センチ、70キロ。
(長岩将弘)

触れ合う力後半戦へ ファン感謝デー2500人が選手らと交流

140717yamp山雅は13日、松本市のアルウィンで、サポーター会員を対象とした「ファン感謝デー」を開いた。雨がちの天気だったが2500人ほどが訪れ、試合中とは違う表情をのぞかせた選手たちと多彩なイベントで交流。「シーズン後半戦も頑張って」と声援を送りながら楽しんでいた。
来場者はサイン会やミニサッカー、バドミントンといったゲームなどの他、グッズ売り場の手伝いに参加した選手らと触れ合った。ピッチで選手たちによる絵のうまさを競い合うコーナーや、お題に沿った選手を発表し合うトークショーなどは、オーロラビジョンでも中継した。
選手チームと指導陣チームとのPK対決は会場じゅうが注目。敗れた指導陣は、普段選手に課しているシャトルランを罰ゲームとして披露し、喝采を浴びた。
閉会セレモニーでは、イベント中とは打って変わって表情を引き締めた反町監督が「これからが勝負。一層の応援をよろしくお願いします」。同日、タイ2部リーグのアユタヤFCへの移籍が発表された小松も、声をつまらせながらあいさつに立ち、温かな拍手が送られた。
(長岩将弘)

天皇杯2回戦 讃岐に1-0 辛勝、内容に課題

140715yampサッカーの第94回天皇杯全日本選手権は7月12、13日、各地で2回戦を行った。初戦の山雅は12日、同じJ2のカマタマーレ讃岐をアルウィンに迎え、1-0で下した。2年連続で3回戦(8月20日、J1FC東京と)に駒を進めたが、主体となった初先発の選手たちは消極的なプレーも目立ち、内容には課題を残した。
前週のリーグ戦21節から前線の3人を含む先発7人を入れ替えた山雅。前半は、その前線から、リーグ戦とほぼ同じ陣容の相手にプレスをかけられず、後手に回る場面が目立った。
守備陣がよく対応し決定的な場面はつくらせなかったものの、自軍のシュートは前半16分、GKに止められた道上の1本のみ。
山本をトップに据えた後半は徐々に積極的な姿勢を取り戻し41分、田中の左クロスに右から走り込んだ椎名が頭で合わせ、これが決勝点となった。
反町監督が「特に前半は見ていて恥ずかしかった」と振り返れば、田中も「前半はサッカーになっていなかった」と切って捨てた。
厳しさを増すリーグ後半戦、これまで思うように出場機会を得られていない選手たちの奮起は欠かせない。
田中は「俺が単に答えを教えるんじゃなく、いいコミュニケーションを取り、若い選手が力を発揮できるよう、しっかり伝えていきたい」と力を込める。
「緊張もあって消極的なプレーが出てしまった」(道上)、「得点は素直にうれしく思うが、ハーフタイムの監督のげきでエンジンがかかるようではいけなかった」(椎名)-など、得られた手応えと課題をどう生かすか。
シーズン折り返し地点にあるこの1戦の価値を決めるのは、選手たち自身だろう。
(長岩将弘、田中信太郎)

白星で今季折り返し・好調の福岡に逆転勝利(J2第21節)

140710yampJ2は7月5日、各地で第21節を行った。山雅は前節まで5位のアビスパ福岡をアルウィンに迎え、先制されながら2-1で勝ち、3連勝を果たした。シーズン前半戦最後の試合にして、逆転勝ちは今季初。順位は変わらず3位ながら、4連勝中と好調だった福岡の勢いをそぎ、いい形で今季の折り返しを迎えた。
互いに攻め合いながら決め手を欠いていた前半だったが35分、自軍ゴールほぼ正面で与えたFKから先制を許す。しかし6分後、右CKの流れからサビアのヘディングを相手GKがはじくと、詰めていた犬飼が蹴り込み同点。試合を振り出しに戻して折り返した。
決勝点を挙げたのは、ひと月前に加わった新戦力だった。後半29分、相手パスミスからショートカウンターで船山がシュート。相手GKははじいたものの、逆の左サイドから走り込んだ山本が、頭で押し込んだ。
終盤は、交代で攻撃の選手を増やしていた福岡の激しい攻撃にさらされたが、村山が好守を連発。ゴールを割らせなかった。

開幕前、7位だった昨季を上回る成績を目標に掲げていた反町監督は、前半戦を終えて「6位以内に入っていたいとは思っていたが、この位置はある意味で予想以上」と明かした。
過去2季の課題だったスタートダッシュに成功し、序盤から上位を維持してきた。その要因として、「選手の意識も含め、仕上がりのいい中でシーズンに入れたし、昨年の反省をもとに、勝ち点1や得点1、失点1などの重みについて、普段の練習からこだわりが見られる」と指揮官。
「苦しい時間帯や踏ん張りどころは、俺が言わなくてもみんな意識できている」(田中)、「昨季みんな悔しい思いをしているから、勝ったことでまたシーズン後半戦につながる」(岩上)など、選手からはそれを裏付ける言葉が聞かれた。
厳しい試合で勝ち切る力が付いてきた一方、安定感のある試合運びは課題と言える。警告累積やけが人も考慮すると、山本ら若手の一層の奮起も欠かせないだろう。
天皇杯全日本選手権2回戦(12日)を経て、後半戦は20日に始まる。
(長岩将弘、松尾尚久)

支える(1) ホームタウン担当・内田佑介さん

140703yamp内田佑介さん(32)は事業本部企画部ホームタウン担当だ。ホームタウン担当と聞くと、元山雅選手の「ガチャ」こと片山真人さんを思い浮かべる人も多いだろう。同担当は2人おり、片山さんとコンビを組むことも珍しくない。
ホーム試合時は、飲食ブースの運営やシャトルバスの運行状況管理が主な仕事。「○○市デー」など自治体関連の催しがある場合、首長ら来賓への対応も行う。
ホーム試合時以外は、選手らが出演するイベントやサッカー教室の企画・調整、実行に携わる。
「世代や地域を絞り、もっと明確な狙いを持って催しなどを仕掛けていければいいんですが、その辺りは課題ですね」と、内田さんは苦笑する。

企業や病院、競技場などのフードサービスを手掛ける東京の会社で働いていた内田さんが山雅への就職を希望したのは、2011年末。山雅がJ2昇格を決め、「いつかは松本で働きたいと思っていた。今しかないと思った」という。
スポーツと社会との関わりなどを学んでいた信大4年時の05年、授業で山雅の試合運営ボランティアを知り、その活動に取り組んだ経験がある。
北信越リーグだった当時は、環境面も観客数も今とは大きく違ったが「お客さんとじかに接しながら、知恵と工夫で試合を盛り上げる楽しさを知った」。
しかし入社当初は、組織も「プロ」へのいち早い変革を求められていたとき。会社内もばたついており「仕事を教わるという状況ではなかった。できる仕事を探して積み重ね、手探りで役割や居場所をつくっていった」と振り返る。

忘れられない体験がある。昨年、筑北村の女子中学生の職場体験学習を受け入れた時のことだ。
「山雅が好き」と、毎日はるばる電車と徒歩で通う彼女に、好きになったきっかけを聞いた。すると前年、地元の祭りに山雅の選手が訪れ、優しく接してくれたから-という答えだった。
「仕事として多くの催しをこなしているとルーティンになりがちな部分もあるが、その中の1つをずっと大事にしてくれる人がいる。うれしくて感動しつつ、気持ちが引き締まった」という。
「山雅を知らない人、まだアルウィンに来たことのない人に魅力を伝え、アルウィンに足を運んでほしい。そのために、今後も頑張ります」

今季のサブスローガンに「走力×創力×総力」を掲げる山雅。力の結集に欠かせないのが、運営会社スタッフの存在だ。スポットライトが当たることは少ないが、陰に日なたにクラブを支える彼らの仕事や、懸ける思いに迫る。月1回掲載予定。
(長岩将弘)

チームつくって参加を 小2、3生向けミニサッカー大会

山雅は27日午前9時―午後1時半、安曇野市のGAC穂高工場芝生グラウンドで「ESCO・松本信用金庫プレゼンツ松本山雅FCミニサッカー大会」を開く。小学2、3年生を対象に、10日まで参加チームを募集している。
競技経験は問わず、学校やクラブに帰属しない「草チーム」も可。「友達と誘い合ってチームをつくり、積極的に参加して」と呼び掛けている。
1チームは選手5-10人と、大人の引率者(監督)1人で構成。試合はGKを含め5対5で行い、成績上位チームには賞品もある。最大24チームで、先着順に受け付ける。
担当の恒本大輔さん(31)は「未経験者はサッカーの魅力に触れる場として、経験者は同世代と切磋琢磨(せっさたくま)する場として、思い切り楽しんでほしい」と話す。
参加費は1人500円(当日徴収)。ユースアカデミー事務局電話88・5523

梅雨空に映える癒やしのラベンダー(池田町会染)

140701sikip薄紫色の花園のステージで愛を舞うモンキチョウ。香りで包む癒やしの風情が人の心を開き、メルヘンの世界へ誘う(ニコンD3、ニッコールED300ミリ、6月27日、池田町会染)

池田町会染で満開のラベンダーが梅雨空に明るい。薄紫色の花園を渡る風が甘い香りを運び、癒やしの光景を演出している。
ラベンダーの産地は、北海道・富良野地方が有名だが、近年は松本平でも初夏を彩る花として目立っている。
「ハーブの女王」とも言われるラベンダーを植物図鑑などで調べてみた。原産地は地中海沿岸。学名は、ラヴァンデュラ・アングスティホリア。シソ科、ラベンダー属の常緑小低木。香りの良さから薫衣草(クンイソウ)の別名も。芳香成分は、リナロールや酢酸リナリルである。
古代ローマ時代から香り高い薬草として鎮痛、精神安定などに効果があると珍重されてきた。入浴や洗濯の際に古代ローマ人たちは湯や水にラベンダーを好んで入れ、学名のラヴァンデュラは「洗う」という意味のラテン語に由来している。
6月27日、香る薄紫色の花園を前に立った。写真を志した未熟な当初、被写体が「撮ってくれ」と言っているように思えた。今は「どう表現するの? 撮れるものなら撮ってみて」と被写体が挑戦してくる。
ラベンダーは、香りまで撮ってこそラベンダーである…と、心のファインダーに香りの世界を描いた瞬間、モンキチョウのカップルが飛んできた。
(丸山祥司)