月別アーカイブ: 2014年5月

J2第15節 圧巻走力で上位対決制す

140529yampJ2第15節は24日、各地で11試合を行った。松本山雅は松本市のアルウィンでジュビロ磐田を2-1で下し、ホーム4連勝。“名門”を相手に山雅の魅力が凝縮した一戦となった。
2-0で迎えた後半ロスタイム、磐田が元日本代表FW前田のゴールで追いすがると、サポーターから「ワン・ソウル」コールが湧き起こった。スタジアムが震えるほどの大声援。試合終了間際の相手シュートがバーを越えたとき、それは必然のように思われた。
試合後、反町監督と選手はサポーターへの感謝を次々と口にしたが、サポーターの気持ちを引き出したのは紛れもなく選手たちのひたむきなプレー。最後まで前線から複数人で圧力をかけて守り、同時にゴールを狙い続けた。
圧巻は後半ロスタイムに見せた2つのカウンター攻撃。92分に4人、94分にも3人が、自陣から全速力で相手ゴール前へなだれ込むさまは、ホームチームながらぞっとするほどだった。
特に船山は、前半の速さと切れ味を最後まで持続させる無尽蔵の動きを披露。追加点を奪えなかった悔しさを語る記者会見での姿は、エースが今後さらなる成長を遂げることを予感させた。
磐田の激しいファウルに、時折アルウィンは不穏な空気になったが、その中でも熱く冷静にプレーを続ける山雅の姿は、チャントの一節にある“俺たちの誇り”と呼ぶにふさわしく、子どもから年配者まで強いメッセージを届けたに違いない。
見る者にさまざまなものを与え、胸に刻まれるであろう好ゲームだった。
(松尾尚久)

勝ちきる強さを物に-今季序盤を振り返る

今季の鍵として反町監督が開幕前から口にしてきた「スタートダッシュ」。目論見通り、シーズンの3分の1を終えて3位と、好調を維持している。昨季までと比較しながら、序盤の戦いぶりを振り返るのと同時に、中盤を展望する。
J2での過去2季と今季の、15節終了時点における勝敗や順位を比較すると、総失点が過去2季とさほど変わらない一方、総得点の多さが目を引く。12年より引き分けが増えた昨季は「負けない」試合で勝ち点を伸ばしたが、今季は「勝ちきる」試合が増えている。
総得点の4割に当たる10得点を挙げているのは船山だ。現時点のリーグ得点ランキングでは、元日本代表の京都・大黒(11得点)に次ぐ2位。12年の1シーズン12得点を上回り、キャリア最高となる可能性が、早くも見えてきた。
しかし船山は「自分だけ調子がいいわけではない。チームとしてしっかりハードワークができているということ」(東京Vとの開幕戦でハットトリックを決めて)など、折に触れてチーム状態の良さを強調する。
主力の多くは昇格時から在籍。継続的な強化で、個としても組織としても、着実に力を上積みしてきた。岩上、田中らの加入により、攻撃の幅が年々広がっている点も見落とせない。
反町監督は磐田戦後、「上位にいる充実感は選手たちに間違いなくある」と話した。上位にいることで高まる周囲の関心と期待。それが選手たちに高いモチベーションや緊張感をもたらす、好循環を生んでいると言える。
喜山は今季序盤について「去年、一昨年の失敗や悔しさを、最初から生かせている。勝っても、みんなで集中しようと引き締め合えている」と振り返る。

ただ、不安材料もある。塩沢と岩間が15節の磐田戦で負傷。特に塩沢は左アキレスけんを断裂し、長期離脱を余儀なくされた。前線からの守備やゴール前でのつぶれ役など、山雅らしさともいえる「泥くさいプレー」を体現するFWの離脱は、大きな痛手だ。
また昨季は6月、昇格後初の3連敗を含む1勝4敗と大きく負け越した。他チームが息切れする7月以降、好成績を残しただけに、中盤戦もこの状態を保てるかが、もう一つの鍵になりそうだ。
(長岩将弘)

雪形の獅子の顔は国宝級(大町市社)

140524sikip鹿島槍ケ岳に現れる「獅子」の雪形の顔。鋭いまなざしに威厳も感じる形相だ(ニコンD800E、ニッコールED1200㍉、PL、5月13日、大町市社)

北アルプスの信州側に現れる雪形が、今にぎやかだ。松本平から白馬地方にかけ28体を数える。
農事暦として伝えられてきた雪形は、先人たちが自然に順応し生きた証しであり、山名の由来にもなっている。躍動感がある白馬岳の「代掻(か)き馬」はトップスター。プリマドンナは蝶ケ岳の「蝶」。今にも稜線(りょうせん)から大空へ舞い上がるかのようだ。五竜岳には戦国武将の紋所の「武田菱」=「御菱(ごりょう)」が。2人の「種まき爺(じい)さん」が共演する爺ケ岳、常念岳には托鉢(たくはつ)姿の「常念坊」が祈りの世界を伝える。
双耳峰の雄姿を誇る鹿島槍ケ岳。南側の大冷沢(おおつべたざわ)源頭部の岩壁に現れる「獅子と鶴」は雪形絵巻さながらだ。
1978(昭和53)年6月、日本の雪形研究第一人者の田淵行男さん(1905-89年)宅に、宮田村の民俗学者、向山雅重さん(1904-90年)が訪れたときのこと。2人の雪形談議は弾み、獅子と鶴の雪形は「国宝級の岳の屏風(びょうぶ)絵」と称賛。獅子の顔は特にリアル。たてがみや鋭い目、開いた口には牙も見え、格調高い風格と威厳ある表情で迫ってくる。
今年も陽春に輝く獅子と鶴の雪形を撮った。時を経ても変わらない獅子の表情に、人の命のはかなさが重なって見えた。あの時、笑顔で語った2人の巨匠をしのび、冥福を祈った。
(丸山祥司)

松本市と協定 市民の健康づくり支援へ講座

140522yamp松本山雅FCを運営する松本山雅が、松本市民の健康づくりを支援する取り組みを始めた。5月14日、ホームグラウンド「アルウィン」がある松本市神林地区で、「健康寿命延伸都市」を掲げる同市と協定を締結。さっそく、神林体育館で健康講座を開いた。
講座に参加したのは、地元の子どもから70代まで約50人。松本山雅の元選手で現在ホームタウン担当スタッフの片山真人さん(30)らと一緒に、さまざまなストレッチや運動をした。
運動プログラムは、健康運動指導士らでつくるNPO法人CFM実行委員会(事務局・同市)が作成。高齢者を中心に、幅広い世代を対象にしたメニューを用意し、CFM所属のインストラクターが講師を務める。
講座は3年かけて市内36カ所で開催。主に地区の福祉ひろばで行う。毎回、山雅の選手かスタッフが参加し、市民と一緒に運動。講座参加者には、講座限定オリジナル缶バッジをプレゼントする。
市健康福祉部の竹内あゆみさんは「山雅の力を借りて、幅広い世代に福祉ひろばを知ってもらい、健康意識を高めてもらえたら」と期待。山雅スタッフの内田佑介さん(32)は「元気な体を維持して、ずっとアルウィンに応援に来てほしい。それが選手たちの力になる」と話した。
(松尾尚久)

子ども向けサッカースクール安曇野校を開校

山雅ユースアカデミー(育成組織)は5月13日夜、安曇野市の穂高牧運動場で、子ども向けサッカースクールの安曇野校を開校した。松本校、諏訪校に続く3校目で、初日までに未就学児-小学6年生の計50人ほどが登録。同日は3クラスで計30人余が参加し、天然芝の上で基礎的な技術を楽しみながら学んだ。
09、10年に山雅でFWとして活躍した小林陽介さん(31)ら、ユースアカデミーのスタッフ3人が指導した。
小学2、3年生のクラスは、椅子取りゲームの要領で敏しょう性を高めるなど、ゲーム感覚を取り入れた練習も。仕上げは4チームに分かれ、指導陣も交えたミニゲームをした。
穂高北小3年の市川瑠生君(8)は「点も取れたので、ミニゲームが楽しかった。うまくなってもっと(点を)決めたい」。小林さんは「サッカーの技術や面白さだけでなく、あいさつ、礼儀なども含めた『人育て』をしていきたい」と話した。
原則的に同運動場で週2回(火、木曜)実施。問い合わせ、申し込みはユースアカデミー電話88・5523

「山雅仕様」に自転車修理 安曇野の北村さん

安曇野市堀金の北村自動車工業の北村末男社長(72)が、処分依頼を受けて引き取った電動アシスト自転車を修理し「山雅仕様」でよみがえらせた。新品同様の姿で、エコにもなっていると話題だ。
引き取ったのは4月初め。10年ほど前の型で汚れてもいたが、動作に問題はなく「もったいない」と修理を決意。直すだけでなく、地域で盛り上がっている山雅をモチーフにしようと思い立った。
もともと機械いじりは好き。分解して丁寧にさびや汚れを取り、部品を磨き上げた。色は見栄えを重視し、社員の助けも借りてメタリックグリーンを調色。仕事の後などに少しずつ作業を進め、1カ月弱で完成させた。
健康づくりも兼ね、近くで用事がある際に乗る。まだアルウィンでの観戦経験はないといい、「ちょっと遠いけど、これで行ってみたいね」と笑う。

J2第13節 持ち味出た2得点で横浜FCに2-0

140515yampJ2は11、12日、各地で13節の11試合を行った。11日、横浜FCをアルウィンに迎えた山雅は2-0で勝ち、今季初の3連勝とともに、J昇格以来初のホーム3連勝も飾った。3位を守り、2位磐田との勝ち点差を1まで詰めた。
今季の横浜は高いボール保持率が特徴だが、前半は引き気味に構え、「ボールを持たせておけばさほど怖くないので、持たせておいた」(横浜・山口監督)。敵将の思惑通り、山雅は攻撃の糸口をつかめない時間が続いた。
試合が動いたのは後半25分。岩上の右クロスが相手にはじかれると、そのこぼれ球に岩間が反応。放ったシュートは犬飼の頭に当たって弾道が変わり、先制点を生んだ。
その5分後には、船山の地をはう右クロスに、途中出場の塩沢が滑り込んで合わせ追加点。決して華麗ではないものの、田中が「俺たちの持ち味」と評した2得点だった。
一方で田中は前半について、「たまたま失点しなかっただけ。ボールを回しては奪われることの繰り返しで、情けなさ過ぎた」と切って捨てた。
次節は山形、次々節は磐田と、J1経験のあるクラブとの対戦が続く。相手に分析されることも増えた今季、不得手な展開をいかに打破できるかが、より重みを増しそうだ。
「われわれは(技巧的なパスサッカーで知られる欧州強豪の)バルセロナではない。自分たちができることの120%を出し尽くして、やっとこの位置にいられる」と反町監督。
山雅らしさを貫き、ホームに戻って来られるか。
(長岩将弘、松尾尚久)