月別アーカイブ: 2014年4月

J2第9節 辛勝も連戦に弾み岐阜に1-0

140429yamp26日から5月6日までの11日間で4試合を戦う山雅。その初戦はラモス監督率いる岐阜を1-0で破り、今季のホーム初勝利も飾った。岐阜は元日本代表の川口、三都主ら経験豊かな選手を補強し、昨季とは陣容が一変。セットプレーからの1点のみという辛勝ではあったものの、続く連戦にも向け、勝利の価値は大きい。
山雅は長いボールを前線に送り、立ち上がりから何度もチャンスをつくるものの、決めきれない。一方、母国コロンビアで世代別代表の経験も持つ大型FWナザリトを軸とした岐阜の攻撃を集中してよくしのぎ、試合は我慢比べの様相を呈した。
山雅が均衡を破ったのは後半29分。船山が倒されてゴールほぼ正面で得たFKを、岩上が蹴った。
「落ち着いて蹴ることができた。蹴った瞬間に入ったと思った」と岩上が振り返ったボールにGK川口は反応できず、ゴール左隅に吸い込まれた。
その後は押し込まれる時間帯もあったものの、虎の子の1点を守りきった。
ただ、快勝とは言えない内容に、反省を口にする選手も。岩上が「(自身のFKまで)点が入らなかったことは、うちらの課題でもある」と言えば、塩沢も「流れの中から点を取れていないし、試合終盤、本来走り勝たなくてはいけない時間帯に押し込まれた」。
とはいえ、京都戦で喫したような得点直後の失点はなく、5試合ぶりに無失点。サビアの戦列復帰など、明るい材料もある。
「大事なのは勝ち続けていくこと」と、選手たちは口をそろえる。反町監督は「ここでチームの総合力が問われる。おおむね4分の1となる区切りの10試合をいい形で終え、ホームに戻ってきたい」と、次節をにらんだ。
(長岩将弘、松尾尚久)

ホーム初勝利 心一つに歓喜の時

サッカーJ2の松本山雅は26日、松本市のアルウィンで岐阜を1-0で破り、今季ホーム初勝利を挙げた。ホーム4戦目で訪れた歓喜の時を、選手と1万3000人を超えるサポーターが分かち合った。
北アルプスを挟んだ隣接県同士の戦い。試合前、サポーターは県歌「信濃の国」の大合唱で心を一つにし、選手をピッチに迎えた。
始まると、四方からチャントを送って選手を後押し。後半29分、岩上のフリーキックが決まると、スタンドは総立ちでタオルマフラーをぐるぐる回し、試合が終わると凱歌(がいか)「勝利の街」を高らかに歌い上げた。
「昨季は岐阜に逆転負けしてホーム初勝利を逃した。同じ思いはしたくなかったので本当にうれしい」と同市芳川小屋の古町秀美さん(53)と山田美津子さん(52)。同市県の萩原健司さん(38)はホーム開幕戦以来の観戦で、長男の啓太君(7)は「また応援に来る」と目を輝かせた。

J2第8節 知略と闘争心で強豪京都に2-2

140424yampJ2は20日、各地で第8節の11試合を行った。松本山雅は京都サンガと松本市のアルウィンで戦い、2-2の引き分け。今季ホーム初勝利はおあずけになったが、高い技術の強豪に知略と闘争心で立ち向かったチームに、試合後、約1万2000人のサポーターからは「ありがとう」「よく頑張った」の声が飛んだ。
堅い守備で前半を0-0で切り抜けた山雅は、後半29分に船山のPKで先制。その後、京都のエースで元日本代表・大黒の1ゴール1アシストで逆転を許したが、45分、岩上のCKを犬飼が頭で合わせて同点にした。
京都にボールを保持されながらも、組織的な守備とカウンター攻撃で善戦。ロスタイムには船山がGKをかわして放ったシュートが相手DFにはばまれる場面もあり、反町監督も「負けなくて良かったのか、勝てた試合だったのか…」と悔しがった。

パスサッカーの強豪を、手持ちの武器でいかに破るか。その答えをピッチ上で表現しようと、チームが頭と体をフル回転させた試合は、サッカーの面白さをあらためて示した。
前半は、パスを回しながらじわじわと獲物を追い詰める京都と、その攻撃を粘り強くかわしながら一撃で仕留める機会をうかがう山雅、という構図。
特に守備では、FWを含め全員が連動して相手攻撃陣を囲み、大黒や山瀬(元日本代表)に決定的な仕事をさせなかった。
後半は一転、山雅は右MFの田中を起点に何度も京都にかみついた。
狙い続けたのは、シンプルなパス交換で相手最終ラインの裏を取る形。その結果、試合を通じて12回もオフサイドの網に引っかかったが、愚直に続けたことが船山のPKや、同点につながるCKを生んだ。試合終了間際には、船山の右足が京都を仕留めかけた。
一方、京都の2得点も自らの持ち味を生かした格好。攻撃への比重が高まった山雅の足元をすくうかのような巧みさだった。
「『ボールを支配していても優位なわけではない』と証明したかった。(山雅は)まだその域には達していないが、良い手応えを感じた」と指揮官。
知性と技術、意地と体力がせめぎ合う、ひりひりとした試合。勝ち点1という数字以上の高揚感がアルウィンを包んでいた。
(松尾尚久、長岩将弘)

移籍延長自ら志願しチームと自身の夢追う DF犬飼

先制してからわずか4分後の後半33分。相手選手の放ったシュートは犬飼の足の間を抜け、山雅ゴール左隅へ突き刺さった。
「僕のところで防げた失点だった」。犬飼は膝をつき、地面をたたいて悔しがった。
さらに40分には、犬飼が失ったボールが起点となり2失点目。土壇場で自ら挙げた同点ゴールにも「うれしさより、その前の失点が悔やまれる」と、硬い表情を崩さなかった。
J1清水の下部組織で育ち、12年にトップチームに昇格したが、同年のリーグ戦出場は1試合。出場機会を求め、昨年6月末に期限付き移籍した。
同年7月3日の22節・水戸戦で初先発し、2-0の完封勝利に貢献。最終節まで3バックの一角として定着することになった。
今季の移籍期間延長は、自ら志願した。「試合に出させてもらっていることを含めた山雅での経験全てが、自分にとってプラス。昨季は果たせなかったJ1昇格にも貢献したい」と、理由を語る。
反町監督は試合後の会見で「プレーが綿菓子のように軽い」と指摘した。犬飼も「普段から注意される点。すぐに『うまく攻撃につなげられないか』などと考えてしまう。ああいう場面では、もっとシンプルにやってよかった」と、自らの判断の甘さを戒める。
ただ、反町監督は先の指摘に続けて「若いのだから、もっと学んでほしい。その辺ができるようになってくれば、日本を背負って立つ力はある」とも。
将来の目標はフル代表入り。五輪代表を率いた経験もある指揮官の下、チームと自らの夢を追い、犬飼の挑戦は続く。

ユースU―18が県選手権2回戦突破

140417yamp第19回県サッカー選手権は4月13日、各地で2回戦を行った。山雅ユースU―18(18歳以下)は、池田町アルプス広場多目的グラウンドで、FCテンペスト(上田市、東信リーグ)と対戦。社会人選手を相手に4―1で快勝し、3回戦に駒を進めた。
前後半35分ずつ。山雅は前半14分、FW高橋晟弥(松本筑摩2)が左サイドを突破し、飛び出したGKの足元を抜き先制。20分には、MF池上雄太(松商3)の右サイドからのボールを高橋が押し込み、2点目を奪った。
後半は、10分にMF唐澤真三郎(同2)が相手選手をかわして左足でゴール。27分には、途中出場のFW小松蓮(同1)が4点目を決めたが、終了間際に1点を奪われ、零封はならなかった。
山雅は20日に行う3回戦で、FC・TOGAMI(千曲市、県リーグ)と犀川河川敷Bグラウンド(長野市)で対戦する。

「合格点を70点とするなら、70点の試合」。チームを率い2シーズン目の岸野靖之監督(55)は試合後、こう評価した。
チームは、相手エリアで攻め、ミスを誘うことを心掛けて臨んだ。「落ち着いたボール回し、サイドの高い位置で相手を崩すなど、手応えはあった。強化してきたトレーニングが実りつつあり、サッカーを理解し、グラウンド状況が悪いにもかかわらず、それを把握した試合運びができた」と指揮官。
選手も、今季は高校2、3年生が主体になり、技術面での伸びに加え、精神面でも成長している。主将の篠原貫太(松商3)は「ディフェンスラインからボールをつなげる意識が出るなど、監督に言われていることができてきている」と胸を張る。
スピードがアップした時のパスの精度など課題はあるが、岸野監督は「リーグ戦(U―18県リーグ)で2部に引き上げるのが今季の目標」。篠原は「落ち着いた試合ができ、要所で点が取れたのが大きかった。全部勝って決勝に行きたい」と話した。
(八代啓子)

松本中心市街地に応援フラッグ サイン探して

松本商店街連盟と松本山雅FCは4月、市中心部の商店街や大型店など計21カ所で山雅応援フラッグ(旗)の掲出を始めている。応援ムードを盛り上げようと、J参戦前から続く取り組み。昨年に続いて選手の直筆サイン入りフラッグを交ぜ、「好きな選手のサインを探しながら街歩きも楽しんでほしい」と、市街地の活性化も狙う。
フラッグは街路灯から下げる形式と、のぼり旗形式の2タイプ。サイン入りは選手30人分があり、1カ所当たり1、2選手分を交ぜる。今月から順次掲出し、松本ぼんぼんなどのイベント時を除いて、原則的に11月の今季終了まで掲げる。
11日は元山雅選手でホームタウン担当の片山真人さん(29)も参加し、上土商店街と大名町商店街で商店主らと飾り付けをした。上土には船山選手、大名町は岩上、永井両選手のサイン入りフラッグが交ざっている。
昨季はサインを見つけて喜ぶ人たちを目の当たりにし、「回遊性を高める効果を感じた」と話すのは、上土商店街振興組合の橋倉直樹理事長(52)。
大名町商興会の木下匡晃会長(50)は「山雅は観光の目玉になり得る。松本の街を訪れるアウェーチームのサポーターにも楽しんでもらえればいい」と期待する。

安曇野らしい応援を 後援会支部発足へ

140410yamp松本山雅FCを支援する山雅後援会の安曇野市の会員有志は、安曇野支部を発足させる。22日午後6時半から豊科の安曇野スイス村サンモリッツで支部発足式を開催。会員の増強などさまざまな活動をしていく計画で、多くの参加を呼び掛ける。
「安曇野支部をつくろうよ」。昨年の夏あたりから、安曇野市のサポーター仲間による酒の席で、そんな話が出始めた。
昨年、市がクラブ運営会社に500万円を出資して、山雅のホームタウンになったり、有志が応援旗を街に飾ったりしている。
また、クラブの歴史をひもとくと、安曇野は山雅にとって重要な地。チームは、JR松本駅前の喫茶店「山雅」の常連客によって1967(昭和42)年につくられたが、彼らの多くが安曇野の人々だったこともあり、山雅に対する思いは、松本の人たちと同様に強い。
こうした山雅を応援しようという機運の高まりを受け、サポーターたちは今年2月、支部設立発起人会を発足。4月5日の打ち合わせ会議では、子どもの山雅観戦ツアーやサッカー教室、アウェー応援ツアーなど、さまざまな活動案を出し合った。
「地域活性化につながれば」と発起人会代表の辻谷洋一さん(36)。山雅の応援を通じて、世代を超えた住民同士の交流が生まれることを期待する。
現在、安曇野在住の後援会員は40人ほど。100人以上を目標に掲げる。発起人の一人、上兼裕さんは「身の丈に合った活動をしながら、安曇野ならではの取り組みをしていきたい」と抱負を語った。
発足式は誰でも参加できる。申し込み書は山雅後援会ホームページから。当日、会場で後援会への入会も受け付ける。式後の親睦会は後援会員限定で、参加費は大人5000円、小学生以下3000円。問い合わせは辻谷さん電話090・1418・1275
(松尾尚久)

J2第5節 実力確信の大敗 湘南に1-4

140403yampJ2は3月30日、各地で第5節の11試合を行った。山雅は勝てば単独首位に躍り出る湘南とのホーム戦。結果こそ1-4だったが、内容は「首位決戦」にふさわしい試合だった。
前半押し込んだのは山雅。37分、湘南CBから最前線へのロングパス1発で先制されたが、その後もペースを握り、後半はギアを入れ替えた湘南との激闘に。
どちらが点を取ってもおかしくない状況で、まず結果を出したのは山雅。村山と飯田の連続好守備で流れを引き寄せた直後の15分、田中の右サイドからのクロスを飯田が頭で押し込み同点。5分後、湘南はすぐ追加点を取ったが、山雅の足は止まらなかった。
しかし43分、湘南は山雅CKのこぼれ球をカウンター攻撃につなげて3点目をもぎとり勝負を決め、ロスタイムにも加点した。

「こういう試合を1つでも多くできれば、上位争いに入れると自信を持って言える」。試合後、反町監督はそう総括した。
山雅は前半をほぼ支配。カウンターから先制を許したものの、前線からのプレス、鋭い出足によるこぼれ球の保持、重層的なサイド攻撃など、見事な試合運びをした。
後半は両チームの意地がぶつかり、首位決戦と呼ぶにふさわしいゲームに。その中で同点にしたのは、山雅に確かな力があることの証しだろう。
力の差が出始めたのは追いついた後。すぐ加点した湘南は終盤まで運動量が落ちず、支配率を高めていった。
残り13分、山雅は攻撃的な2選手を投入したが、攻撃意識が強まった山雅の足元を確実にすくう湘南が一枚上手。山雅の息の根を止めた3点目は、トップスピードで走りながら吸い付くようなパス交換をし、最後はボランチが仕留め、格の違いを見せつけた。
「負けたが、下を向く内容ではない。正々堂々と帰路に就いていい」と反町監督。雨でずぶぬれになった9124人のサポーターも、心を温かくして帰ったのではないか。
(松尾尚久、長岩将弘)

成長期す新戦力 岩間と椎名がホーム初出場

新加入の岩間と椎名が、初めてアルウィンのピッチに立った。雨中の大歓声に感謝と手応えを口にしつつ、プレー内容には到底満足しない様子だった。
岩間は初先発で90分を戦い切った前節に続き、今節も先発出場。後半32分に退くまで中盤の底で汗をかいたが、「全然貢献できていない。もっともっとやらなくては」。
07年から4季、JFLのアルテ高崎(現在は活動休止)で働きながらプレーした。プロ契約を得たのは11年、当時JFLだった長崎に移籍してから。チームがJ2昇格を果たし、自身のJ初年でもあった昨季は、リーグ41試合に出場した。
「自分たちの時間帯もあったが、最後の精度はまだ低い。決め切る力は相手が上だった」と岩間。昨季はJ1で戦った湘南の地力を肌で感じ、たたき上げのJリーガーはさらなる成長を期した。

椎名は1点を追う後半32分に登場。ピッチに飛び出すなり相手ボールを奪いチャンスをつくったが、「いい入り方ができた以上に、それ以降(存在感が)消えたのが悔しかった」と唇をかんだ。
才気あふれるプレーで早くから注目されたが、高校3年時と大学3年時に左膝靱帯(じんたい)を切り手術。けがに苦しんできただけに、プレーそのものへの渇望は人一倍だ。
40分にはゴール前の浮き球を頭で押し込んだが、味方がオフサイドを取られ、無効に。
「ゴール前でプレーできたことは収穫」としつつ、「自分に求められていたのは前への推進力やゴール。どんな展開でも結果を出し、存在感を示していかなくては」と戒める。
それでもロスタイムを含め15分間余の出場は、今季3試合目で最長。「まずは使い続けてもらえる選手になる」と、メンバー定着を誓った。