月別アーカイブ: 2013年8月

松本の山本さん 児童ノンフィクション大賞の受賞作が出版

松本市の児童文学作家山本まさみさん(42)の児童ノンフィクション「発見!発掘! とがり石の縄文先生宮坂英弌(ふさかず)物語」が、学研教育出版(東京)から出版された。子ども向けのノンフィクション作品を対象にした国内唯一のコンテスト「子どものための感動ノンフィクション大賞」最優秀作品で、山本さんにとって全国デビュー作だ。
コンテストは日本児童文学者協会が2005年に創設し、翌年から2年に1度開催。これまで最優秀に選ばれたのは、10年に受賞した山本さんの作品を含め2作品だけだ。
本作の主人公宮坂英弌(1887-1975年)は、八ケ岳の麓、尖石遺跡(茅野市)の発掘に生涯をささげた。考古学とは無縁な生活を送っていた42歳の時、知人に頼まれて遺跡発掘作業を手伝い、のめり込んだ。
まだ遺跡の発掘が広く行われていない時代に「尖石の鬼」と呼ばれるほどの情熱を注ぎ、縄文人の暮らしを解き明かしていった。
山本さんは、宮坂の人柄や発掘にかける思いだけでなく、発掘作業の様子も描写し、読み手をぐいぐい引き込む作品に仕上げた。

山本さんは71年松本市生まれ。日本児童教育専門学校(東京)で児童文学を専攻。卒業後、波田町役場(現松本市)に勤務。在職中から童話を執筆し、05年発表の「オレンジ牛乳の想(おも)い出」は、信濃毎日新聞「親子ときめき童話」年間大賞を受賞した。
09年に退職して執筆活動を本格化。初めて手がけた子ども向けノンフィクションが高く評価された。「ノンフィクション児童文学はまだ新しい分野。それまで読んだことがなく、手探りの執筆だった」と振り返る。
役場職員時代、町文化財を6年半担当。当時まだ手つかずだった「若沢寺(にゃくたくじ)跡」(現松本市指定文化財)の発掘、調査を手がけた。その時に感じた発掘の楽しさや喜びが、今作の執筆活動を支えたという。
「あのとき自分が感じた“わくわく感”を、多くの人に伝えたいと思った。歴史や文化財は、ただの『過去』ではなく、今のわたしたちにいろんなことを教えてくれる。だからこそ子どもたちに、もっと興味を持ってもらいたくて」

宮坂が発掘を始めた年齢と同じ42歳になった山本さん。「フィクションとノンフィクションは、伝え方は違うけれど、作品を通して伝えたいことは同じ。今後も両方手がけていきたい」と決意を新たにしている。
A5判、116ページ。1470円。
(松尾尚久)

高齢者に弁当と安心届ける コープながのが松本エリアで宅配始める

コープながの(上田均理事長)は26日、松本市笹賀のコープデリ松本センターを拠点に、松本エリアで高齢者世帯を中心にした夕食用弁当の宅配を始めた。一人暮らし世帯などの「見守り」も視野に入れた事業だ。
カロリーや塩分など、5日間の栄養バランスを考慮した生協仕様のメニューで、病院食などを手がける「デリクックちくま」(長野市篠ノ井)に製造を委託。配達無料で月|金曜日、弁当を毎日宅配する。
値段は人数分によって異なるが、1人用だと「舞菜弁当」は、週平均1食当たり、おかず5種類とご飯(500キロカロリー、塩分3グラム以下)で、5日分が2650円。「舞菜おかず」は、おかず6種類(400キロカロリー、塩分4グラム以下)で同2850円。「舞菜御膳」は、おかず8種類(500キロカロリー、塩分4グラム以下)で、同3490円。
既に事業を行う地区では、利用者から「糖尿病で通う病院から、数値が良くなっていると言われた」「これだけの材料をそろえるのは大変だから助かる」などの声がある。また、「一日中誰とも話す人がいない」と、訪れるスタッフを心待ちにしている利用者もいるという。
他の配送事業で、配達先の異変に気付いて通報するなどの事例があり、見守り面でも期待される。さらに週1回、夕食宅配と一緒に牛乳や卵などの商品も無料で配達、買い物弱者への手助けを担う。
松本エリアで既に200食分の申し込みがあり、初日は出発式を行った後、128軒180食分を積み込んだ5台の車が出発した。
利用には組合員の登録が必要で、同センターから片道30分以内の地域が対象。利用が増えてくれば拠点を増やす予定だという。申し込み、問い合わせはコープデリの夕食宅配受付センター電話0120・502・160(月-金曜午前9時-午後6時)
(上條香代)

山雅フラッグ作って応援 上土商店街で8日にイベント

松本市の上土商店街振興組合は、松本山雅FCのゲームフラッグを作り、試合観戦をするイベントを企画している。フラッグは、試合当日までは組合加盟店に張り出し、商店街を訪れてもらうきっかけにしたい考えだ。選手のサインも入るといい、松本山雅FCの元気にあやかり、商店街をにぎやかにしようと期待。現在、参加者を募集している。本年度の国の地域商店街活性化事業助成金約400万円の一部を充てる。9月8日、上土ふれあいホールで参加者が1組1枚ずつフラッグを作り、29日の栃木SC戦に自作のフラッグを持って、アルウィンに乗り込み、応援する。
8日は午前9時半集合。白、緑、黄の3色から好きな色を選び、選手の名前や背番号、「onesoul」などの文字を、樹脂系のペンキで入れる。最大は110センチ四方で、入れたい選手の名前などがあれば、拡大コピーをして持参する。参加無料。先着30人。軍手、ゴム手袋などを持参。汚れてもいい服装で参加する。昼食は自分で用意する。
作ったゲームフラッグは、栃木SC戦まで、加盟23店に飾る。背番号、名前の場合は、その選手のサインを、それ以外は反町康治監督のサインを書いてもらう予定だ。29日は現地集合、現地解散。チケットのない人は、組合がチケットを用意する。
橋倉直樹理事長(51)は「作ったフラッグを見に、上土に足を運び、回ってほしい。商店街の元気を出すため、山雅にあやかりたい。11月には、上土ふれあいホールで、フラッグの展示会も予定している」と話している。
問い合わせ、申し込みは橋倉理事長電話090・1042・3467
(八代啓子)

教える楽しさ目覚め 元山雅選手大橋さんが松本でサッカー教室

130829yamp松本市の和田児童センターがこのほど、同市和田グラウンドで開いたサッカー教室に、昨季まで山雅に所属した大橋正博さん(32)が講師として訪れた。引退した現在は、横浜市内のサッカースクールでコーチを務めながら、出張教室などを手掛ける会社「アディショナル」を設立。現役時代とはまた違うサッカーの魅力に目覚めつつあるようだ。
「ほらほら、だんごサッカーになってるぞ」「シュート打つときはどうするんだっけ」。子どもたちの歓声に交じり、大橋さんの声が響く。グラウンドは朝まで降っていた雨を吸って湿り、転んで泥だらけになる子もいた。
クリニックやミニゲーム、PK大会といった内容で、小学生60人余りが参加。子どもたちと一緒にボールを追う場面もあった大橋さんは終了後、「やっぱりグラウンドはいいですね」と笑顔を見せた。
横浜市生まれ。J1横浜F・マリノスなどに所属したのち11年、当時JFLだった山雅へ。J2昇格初年の昨季はシーズン後半に出番が増え、高いパス技術と仲間の動きを見極める視野で決定機を演出。「右肩上がり」の成績に貢献した。
だが、11月に契約満了となり退団。12月には合同トライアウトを受けたが、引退を決めた。
決意は「気持ちに従った」ためだ。それまではシーズンを終えると、張り詰めた気持ちをいったんほどき、再び次季に向けて盛り上げていった。が、昨季は気持ちが上がる感覚がなく、「ここまでにしようと思った」。
スクールコーチになるにあたり、1カ月間「殺人的なスケジュール」(大橋さん)で研修。その中で自分の技術やサッカー論を整理でき、「選手時代は気付かなかったことに気付くことができた」という。
指導も手慣れたものだ。会場の様子を確認し、参加見込み人数を聞いて、クリニックのプランを組み立てた。PK大会で模範を披露したときはシュートを外したが「まず悪い例をやりました。次がお手本だから」と、笑いを誘った。「教えることが楽しくなってきた。やっと楽しむ余裕が出てきました」という。
黒く短い髪で、大声で指示を飛ばしては、子どもたちと共に喜び、悔しがる-。選手時代と印象は変わったが、サッカーへのひたむきさは変わっていない。
「教えたことができたときの喜びは大きい。子どもたちの『やった』という表情を見るのも好きです」。はつらつと語る大橋さんの顔には、充実感が漂っていた。
(長岩将弘)

中信で不用食器回収の取り組み広がる

松本、塩尻市、池田町、山形村など中信地区で、不用食器回収の取り組みが広がり、8月末から10月にかけて各地で回収を行う。これまで埋め立てごみとして処理されていた食器を集め、資源として再利用する活動。住民団体が主導し、行政が今年から場所の提供、広報、運搬などで協力するところも多い。ごみの減量化、処分場の延命などにもつながるとして期待が大きい。
不用食器回収は、リデュース(廃棄物の発生抑制)、リユース(再利用)、リサイクル(再生利用)の3R運動。松本地方では2007年、当時の波田町消費者の会が始めた活動だ。
松本市消費者の会波田地区は9月7、8日、波田公民館正面玄関東で開く。昨年までは消費者の会が独自で実施、企業が無料で運搬を請け負っていたが、継続が困難になったため、市消費者の会波田地区が市の協働事業提案制度に提案。市が岐阜県土岐市までの運搬費用、再生料を負担することになった。
市環境政策課の羽田野雅司課長補佐(49)は「回収の手間などを考えると、市だけで取り組むのは難しい。市民団体と協力し、当面続けていく」としている。

8月31日に行うのは池田町と山形村。池田町は健康生きがいづくりクラブ不用食器リサイクル実行委員会が福祉会館ピロティーで開く。昨年は内山玲子さん(73)が試験的に開催、今年は実行委員会を組織しての取り組みで、町は運搬費用を受け持つ。
山形村は役場西側駐車場。村エコライフを考える会が中心になって行う。今回は村が初めて協力、運搬費用などを持つほか、場所の提供や回収作業を手伝う。村住民課環境係の中村貞寿係長(42)は「処分場は、当初の計画からすると満杯の状態。不用食器回収、焼却灰の資源化などで、20年は延命できるのではないか」としている。

塩尻市は、市衛生協議会連合会が10月6日、初めて大門商店街で開く。白馬村も同日、白馬村多目的研修集会施設前で行う。昨年に続いての開催で、村は広報、トラックの提供などで協力する。

松本市消費者の会波田地区の織田ふじ子さん(65)は「ごみ問題は、行政が関わらないと解決できない。食器を埋め立てではなく、協働で資源として活用できるのは素晴らしい活動。今後は輸送コスト削減のため、近隣の行政区で連携できればいい」と話している。
(八代啓子)

9年越しの夢かなう 塩尻の加藤さん 孫に贈る巨人阿部選手のサイン

塩尻市大門三番町の理容師加藤久男さん(77)は20日、長野オリンピックスタジアムで開いたプロ野球セ・リーグ公式戦のヤクルト-巨人戦で、巨人の阿部慎之助選手からボールにサインしてもらった。加藤さんが孫・貴英さん(22、東京都)と共に宝物にしてきたボールで「9年越しの夢がかなった」と喜んでいる。
ボールは、2004年7月に同スタジアムで開いたプロ野球オールスターゲームで、阿部選手がスタンドにファンサービスで投げ入れたもの。家族で観戦に来ていた当時中学1年の貴英さんが捕った。
貴英さんは小学生から高校まで野球に打ち込み、社会人になった今も野球チームのキャプテン。選手時代、阿部選手の記念ボールをお守りにしてきたという。
そんな姿を見てきた久男さんは「野球が好きで頑張ってきたご褒美に、自筆サインの記念ボールを贈りたい」と、9年間、阿部選手が出る試合やトークショーに出かけ、サインを依頼してきたが果たせなかった。
今年になり、久男さんの理容店の常連で野球指導者の今任靖之さん(68、同市大門)がこの話を聞き、間を取り持ってくれることに。久男さんは、20日の試合前に阿部選手と直接会い、ボールと色紙、ユニホームにサインしてもらった。
折しも21日は久男さんと貴英さんの誕生日。久男さんは「喜寿のお祝いをもらったように、孫に良いプレゼントができた。夢と希望に向かって頑張れば必ず成し遂げられると伝えたい」と話す。
(井出順子)

「松田直樹を忘れない。」スポーツライター二宮寿朗さんの本発売

当時JFLだった山雅在籍中の11年8月、練習中に急性心筋梗塞で倒れ急逝した松田直樹さんの最後の1年余りをドキュメンタリー風につづった『松田直樹を忘れない。~闘争人●(ローマ数字の2)永遠の章~』(三栄書房)が、発売された。
著者は、前作に当たる『闘争人松田直樹物語』(同)も執筆したスポーツライターの二宮寿朗さん。綿密な取材に基づく細かなディテールを積み重ね、「等身大の松田直樹」を生き生きと描出。北村や大橋、木島兄弟ら当時の山雅選手を含め、松田さんをめぐる多くの人々の思いもすくい上げた。
全5章で、松本と本格的に関わってくるのは「松本山雅との邂逅(かいこう)」と題した第2章以降。章の合間には松田さんへのインタビューと、横浜F・マリノスの松田さん解雇を考察した当時のコラムも差し挟んだ。
コラムには、解雇を直接伝えた下條佳明・チーム統括本部長(松本県ケ丘高校卒)のインタビューも収めた。
豪快な熱血漢のイメージが強いが、迷い、悩みながら進む道を模索する姿や、友人らの目を通して描かれる山雅入団後の微妙な変化が印象的だ。文中で松田さんが繰り返す「松本はいいぞ」「山雅をJ2ではなく、J1に上げるのが目標」という言葉は、今も胸に響く。
B6判、224ページ。1600円。

アスリートおにぎり 31日から販売開始

NPO法人ジョイフル(塩尻市)と松本大学大学院(松本市)、企業合同体TOYBOXが、「アスリートおにぎり」を開発した。松本市神林の松本平広域公園陸上競技場にある「カフェジョイフル」で、31日の第66回県陸上競技選手権大会初日に販売を始める。
同競技場の利用者を対象にした商品で、うめひじき、肉巻き、枝豆チーズのおにぎり3種1パックが390円。塩分、鉄分(うめひじき)、ビタミンB1(肉巻き)、タンパク質(枝豆チーズ)など、栄養のバランスを考え疲労回復などに役立つ要素を詰め込んだ。
ご飯の量は1個60グラムと小ぶりだが、熱量は3個で約500キロカロリー。選手が競技の間にも食べられるよう工夫している。
カフェジョイフルは、4月オープン。アスリート支援とともに、同カフェを認知してもらおうと、6月に3者でプロジェクトを発足。松本大大学院の呉泰雄(オテウン)准教授研究室の山田昌さん、上條治子さん(ともに2年生)を中心に開発した。
当初は、ボリュームたっぷりの弁当を検討したが、大会ではおにぎりを食べる選手が多いことから、おにぎりに焦点を当てた。
山田さん、上條さんは「3つで栄養のバランスが取れるよう工夫した。コンビニにはない、ここでしか食べられないおにぎりを目指した」。カフェジョイフルの手塚みき店長は「原価の面など不安はあったが、形になってすごくうれしい。ぜひ食べてもらい、少しでも記録を伸ばして」と話した。
31日、9月1日は各日限定15パックを販売。その後は様子を見ながら販売数、販売方法などを検討する。予約(10個以上)も受け付ける。
カフェジョイフル電話57・5875
(八代啓子)