月別アーカイブ: 2013年7月

豊科の蔵久で木工作家の安井さんが作品展 (2013年7月25日号より)

安曇野市豊科の「蔵久」敷地内のギャラリーカフェは31日まで、大町市大町の木工作家、安井孝治さん(61)がクリやキハダの板をくりぬいて作った額を展示している。「絵や書を飾るための額というより、額そのものを芸術品として見てほしい」(藤澤文徳店長)と企画した。
木目や木の形を生かした12点を展示。若木の丸太から作った幅の細い板を材料に、丸や四角、水滴などの形にくりぬき、植物素材のオイルや着色オイルで仕上げた。どれも、両脇には木の表皮面がそのまま残っている。「細い丸太だからこそ、できる。太ければ大きすぎて両脇に表皮が出ない」と安井さん。
半面、細木材料ゆえの苦労もある。「若い木は乾燥に弱く、反ったり割れたりしやすい。作品にする前に十分乾かし、くせを出し切らなくてはいけない」と言い、入手した板を3、4年は天日干し。その後、額用の大きさに切り、家の中でさらに半年ほど乾燥させてから、やっと作品作りに取り掛かる。
「ただくりぬくだけでなく、職人技を加えたい」と、裏にもう1枚小さめの額を取り付け、二重構造でガラス面を奥深い位置にするなど、工夫を重ねている。
額造りのきっかけは付き合いの深い大北森林組合(大町市)で10年ほど前に細い丸太が残っているのを見たこと。「パルプにしてしまうだけでなく、何か使い道を」と考え出した。
額の中には妻が作った押し花や自作の押し葉、知人の書などを入れて展示している。
午前10時-午後5時。蔵久電話73・0170
(長田久美子)

にぎやかな商店街を再び 26日から「萩町直売所」 (2013年7月25日号より)

松本市北深志の萩町商店街に以前のにぎやかさを取り戻そうと、eープロジェクト(同市笹賀)は26日、「萩町直売所」を同商店街駐車場で始める。同社のほか、地元の3店も出店。将来は歩行者天国にしたり、萩町だけでなく安原、新町まで広げたりする構想を掲げ、「輪島の朝市」のようなにぎわいを目指す。
26日から毎週金曜午前9―10時、北深志3の飯田サイクル北隣の駐車場で開く。出店は野菜を販売するe―プロジェクト、総菜店のみくにや、甲子豆腐店、フラワーショップさわや。地域色を出し、店の売り上げアップにつなげる。
e―プロジェクトの澤田英一郎社長(45)によると、同社が大村や蟻ケ崎北などで開く野菜市には、遠方から車で買いに来る人も多い。買い物弱者は少ないが、近くに買い物できる店がないことが課題という。
今回の取り組みは、店を元気にすることで、地域に活気を持たせようという試み。商店街を面白くすれば、地域外からも人が集まる。車を通さないことで、子どもが遊べる空間ができたり、商店街周辺を歩き回るきっかけになったり、さまざまな可能性を期待する。
萩町商工会の大岩洋介会長(63)は「大型店の出店で商店街が崩壊。その大型店が撤退すると、後には何も残っていない。小さな店が地域に散らばれば、商店街もにぎやかになる」。e―プロジェクトの活動には協力していくといい、「対面販売でコミュニケーションが取れる。防災の地域ネットワーク、高齢者への声かけなどにも流れが広がればありがたい」と話す。
今後は、より多くの店に出店を呼び掛ける。将来は駅前通りから安原、萩町までの通りを歩行者天国にしたいとし、市などへの働きかけも行っていく。
澤田社長は「直売所は商店街をにぎやかにするための土台づくり。将来は、地元以外の店、農家の出店があったり、観光客が訪れたり。輪島の朝市のようにしたい」と夢を描く。e―プロジェクト電話88・2666
(八代啓子)

上松小の古瀬君 自転車トライアルで世界へ (2013年7月25日号より)

上松町の古瀬颯樹君(9、上松小4年)は8月2-4日、スイス・ムードンで開く自転車のトライアル競技のワールドユースゲーム(9-16歳)に日本代表として初出場する。この世代にとっての世界選手権に当たり、古瀬君は「予選を突破して表彰台を狙いたい」と、世界との戦いに気合が入っている。
出場するのはプッシン(9-10歳)というカテゴリーで日本からはただ一人。4月の全日本選手権(愛知県)で3位、Jシリーズ第1戦(5月、山梨県)、同2戦(7月、岐阜県)でともに3位入賞。この結果で、日本自転車トライアル協会から推薦された。
古瀬君が競技を始めたのは5歳の時。オートバイのトライアル競技者で、現役時代に国際B級ライセンスまで取得した父正敬さん(39)が、「自転車を買ってあげる」と連れて行った先がスポーツ自転車専門店。「普通の自転車を買ってもらえる」と思っていた古瀬君に与えられたのは、サドルが付いていないトライアル用だった。
「最初は嫌々だった」が、スクールなどに参加して徐々に技術を身に付けると面白さに目覚め、小学1年の時に全日本選手権に出場した。「半分だまして始めさせたが、ここまでのめり込むとは思わなかった」と正敬さんは苦笑いする。

オートバイのトライアルと技術的に共通点が多く、主に指導するのは正敬さん。自宅の庭にドラム缶や丸太などで障害物を造り、学校から帰って毎日1時間半、練習している。
自転車に乗ったまま静止したり「ダニエル」「ジャックナイフ」など障害物を乗り越える技術はもちろん、1度失敗してもめげない精神力が重要といい、正敬さんは「負けず嫌いで、闘争心を前に出すのはいいが、それをコントロールできないのが課題」と話す。
大会は3日予選、4日決勝。昨年は20人前後が出場し、12人が決勝に進んだという。3位以内を目指すと宣言する古瀬君に対し、正敬さんは「この年齢で世界と戦える機会はめったにない。競技を続けるうえで何かつかんでくれればいい」と温かく見守っている。
2人の遠征費は、ほぼ全額が自己負担のため、27日に開く上松町の「ひのきの里の夏まつり」で町民有志がカンパを募る予定。

【トライアル】岩や丸太、斜面などの自然地形や人工構造物でのコース(セクション)を走行し、いかに足着きや転倒をなくすかを競う。1回の足着き1点、転倒5点など加点方式の採点で、1セクションで5点に達するとそのセクションでの走行は中止。複数のセクションを走って合計点数が最も少ない者が勝者となる。
(浜秋彦)

身近な物の美 あべおさむさん絵画展 朝日美術館 (2013年7月20日号より)

朝日村の朝日美術館は8月25日まで「おさむ絵の世界-阿寒から波田へ」を開いている。北海道出身で2010年、松本市波田に移り住んだ画家あべおさむさん(64)が、北海道の阿寒時代から移住後までに描いた絵画を中心に115点を展示。「身近な物、ありがたいと感じる物を描いている」というあべさんの思いがあふれる作品が並ぶ。
アクリル絵の具、油彩、クレヨンなどを使い、紙やキャンバスだけでなく、手に入った板を切った物まで画材として使用。「○○画」という表現は「変な先入観が入るので使いたくない」と言うあべさんは「描きたい物に合わせて画材を作ったり選んだりする」という。
そんなあべさんが描くテーマは「身近な物」。「人間もそうだけど外見より中身を見たい」と、食べた後のブドウの軸や切ったウリの中身など「絵にならない」と言われるような物を丁寧に描く。
若い頃、美しい物を探し回って外国を旅したが見つからず、家に帰ると「なんて美しい物に囲まれているんだろうと気付いた」とあべさん。「美しい物はありがたいと思う物。ありがたい物に日々囲まれて過ごしていて、美しい物は身の回りにある」と、身近な風景や野菜、人物などを愛情を込めて描いている。
午前9時-午後5時、月曜休館。小中学生100円、高校大学生200円、大人300円。7月28日午後1時半から、あべさんのギャラリートーク「絵描きの旅」を展示室で開く。入館料が必要。同館電話99・2359
(上條香代)

古里を舞台に子らの姿書く 大町の俳人・酒井麗子さんが小説を初出版(2013年7月20日号より)

大町市俵町の俳人、酒井麗子さん(83)は、自身初となる小説「無医村ものがたり-母を思う子といじめっこ」を文芸社(東京都新宿区)から出版した。酒井さんは旧美麻村(現大町市美麻)出身。幼少期の思い出を基に、子どもたちが純真に生きる姿を描いた。
同村を想定した、1936(昭和11)年ごろの積雪、寒冷地にある無医村が舞台。国民学校や、村、家族の日常を淡々とつづり、友情や淡い恋心、いじめや愛憎などを、子どもの目線で描いている。
また草花や虫たちの息吹など、四季の移ろいも豊かに描き、温かさが伝わってくる作品だ。
酒井さんは2010年にエッセー集「天上の夫へ」を出版した際、テレビ取材を受け、「今後も、見聞きしたものでエッセーを執筆する」と答えたものの、体調を崩し、身動きできないように。「それならば小説を書いてやろう」と虚構の世界に初めて挑戦した。
2歳年上の兄を思い浮かべながら、執筆開始。「次々と場面が膨らみ、面白くて仕方なかった」と振り返る。
完成に安堵(あんど)の表情を見せる酒井さん。「次作は無理と思う」と言いながらも、「書きたいことがすでに浮かんでいる」と瞳を輝かせる。
酒井さんは1970(昭和45)年、俳誌「夏草」入会。80年に夏草新人賞を受けた。89年に俳誌「草の實(み)」入会、90年からは俳誌「天為」の同人として活躍している。
四六上判303ページ。1400円(税別)。同市の塩原書店デリシア大町駅前店電話0261・23・5885)に置いてある。
(石田純二)

英語で指導 インターナショナル小学校が開校目指す(2013年7月20日号より)

松本市南松本で今年1月、就学前の子どもを対象に開いたワールドインターナショナルプレスクール(遊び場園)が、小学校の設立に向けて動き始めた。1クラスの定員は15人で、指導言語を英語とする計画。国語の授業は日本語で行い、日本文化に関する教育も重視する。開設準備会を立ち上げ、2016年4月の開校を目指す。
「ワールドインターナショナルスクール(WIS)小学校」。プレスクール卒園後の子どもたちが通う場所として、学校設立の必要性を感じていた園長の栗林りえさん(35)に、保護者らの要望が後押しした。
カリキュラムは日本の小学校教育指導要綱の水準をカバー。地元に豊かな工業技術などの基盤があることから、企業や団体と連携し、長期的なプログラムとして共同活動を構想。ものづくりの活動経験や、保育、看護の仕事などを体験したり講習を受けたりして理解を深めていく。サマースクールや留学生の受け入れなどを通して、国際交流も学んでいく考えだ。
園でのほとんどを英語で過ごし、カリキュラムに沿った活動をするプレスクールは、定員を超える応募があり、キャンセル待ちが出るほどだ。栗林さんが保護者に行ったアンケートでは、小学校の設立に全員が「興味がある」と回答した。

このため、保護者を中心に開設準備会を結成、12日に開いた会合には15人が参加した。「早すぎるのでは。園の活動に支障が出ないか」「親が英語ができないので、宿題を見てあげられない」といった不安の一方、「協力したい。何ができるか」などの声が活発に挙がった。また、「学校を卒業する時、一般の中学についていけるのか」と、他の小学校と比べ授業内容の不足を心配する声もあった。
栗林さんは「しっかりしたカリキュラムがあり大丈夫」とした上、「例えば指導要綱では3、4年から始まる理科や社会の内容を、遊びや生活の中でプレスクールでも取り入れている。開校後は1学年から取り入れ、そこに教室外での経験や体験が加わり、より深い理解につなげられる」と自信を見せる。
「松本に小学校が一つ増える、というわけではなく、これまでにない学校を創ろうとしている」と意欲を見せる栗林さん。賛同者を募りつつ、場所の選定などを具体化させる。ワールドインターナショナルプレスクール・電話87・5971
(上條香代)

収穫と課題と 京都に1―1  (2013年7月18日号より)

yamagapJ2は14日、各地で24節の11試合を行った。11位の山雅は4位の京都とアルウィンで対戦し、1-1で引き分けた。J2屈指の強豪から勝ち点1をもぎ取り、いまだ後半戦は無敗だが、昨季からリーグ戦3戦では負けなし、無失点だった相手に初失点。チャンスをつくりながら勝ちきれなかったのも確かだ。し烈さを増す中位集団を抜け出すために、もう一皮むけたい。
試合終了を告げる笛が鳴ると、山雅の選手たちはその場にうずくまったり、ピッチに座り込んで頭をたれたり。
幾度も攻め込まれ、自軍の2倍の18本のシュートを打たれながら2点目を許さず、「守りきった」という安堵(あんど)もあっただろう。だが、自らもかがみ込んでいた多々良は「一番大きいのは悔しさ。勝ちたかったし、勝てるチャンスはあった」と明かす。
山雅はホドリゴカベッサと船山を2トップに配し、岩沼をアンカーとした3ボランチのフォーメーション。
京都は3トップを採用した21節以降、3試合で9点を挙げている。パスでつないでは激しい攻撃で押してくることを見越し、中盤を厚めにして挑んだ。
前半をしのぎきった後半3分、犬飼がクリアし損ねたボールを拾われ、痛恨の失点。だがその4分後、右CKを飯田が頭でたたき込み、同点に追い付く。
失点後の早い時間に試合を振り出しに戻した山雅は、運動量の落ちてきた京都に対してその後も走り続けたが、勝ち越し点は奪えなかった。
反町監督は、ホドリゴカベッサや犬飼といったフレッシュな戦力がチームにプラスになっているとし、「(3連敗した前半戦終盤に比べて)さほど良くなっているわけではないが、今回は最後まで相手に対応しきれた。一歩成長できたゲーム」と締めくくった。
山雅は9勝6分け9敗とし、11位のまま。10-12位が勝ち点で並び、7-15位の9チームが勝ち点差4以内にひしめく。
「(京都に押し込まれた)前半はもっとうまくできたはず。この先、強い相手にどうやって勝つかがいっそう課題になる」と多々良が漏らしたように、どう混戦を抜け出していくか。
次節は20日、ホームに13位の札幌を迎える。
(長岩将弘)