18年かけ完成 下西条区が区誌刊行

塩尻市の下西条区はこのほど、区誌を刊行した。住民に提供を呼び掛けて集まった数千枚の写真など、膨大な資料を基に住民有志の編纂(さん)委員会が執筆・編集し、18年かけて完成させた。同区の約180戸に配布し、市などに寄贈した。
B4判、454ページ。表題や文中の表記は明治期の合併以前の村名「下西條」とした。
「美しい下西條四季の散歩」の項は、風景や人物の写真に住民が投稿した俳句を添え、区の今の姿を後世に伝える。「やまのおくりもの自然」の項は地形や川、動植物、自然災害などについて記述。「うちは半日村」という住民の声を聞き、谷筋の集落の日照時間差を調べたり、冷気がたまる「霜道」の存在を確認したりした。
「むかしむかし歴史」の項は、出土品から古代の集落の姿を想像し、中世の遺構調査と資料解読にも挑戦。「村のくらし」の項は、今昔の代かきや田植えなどを撮ったカラーとモノクロの写真を並べて比較した。
刊行を決めた当時の区長の廣島和彦さん(85)は「区民の視点で作ろう」と、自らを含む住民数人に編纂委員を委嘱。委員らは足を棒にして資料を検証した。編集作業は途中からパソコンを使う時代になり、定年退職直後の“若手”を引き込んで対応した。
「区民の皆さんの協力と、委員たちの粘り強さに感謝」と廣島さん。残部わずかだが希望があれば区外にも4500円で販売する。問い合わせは笠原さん電話52・1488
(小林和男)