J1初戦 名古屋と3-3で勝ち点1

150310yamp【敵地で1万人が声援】
サッカーのJリーグ1部(J1)に今季初めて参戦した松本山雅FCは7日、名古屋グランパスと豊田スタジアム(豊田市)で戦い、3-3で引き分けた。観客3万3558人のうち約1万人を山雅側が占め、激闘を繰り広げる選手たちを後押し。新戦力が躍動し3得点の一方、先行しながら2度追い付かれるなど、手応えとともに課題も見える初陣となった。
「これはすごいな」-名古屋側の報道陣も嘆声をもらすほど、アウェー側スタンドは緑一色に染まった。
試合は短時間にめまぐるしく得点が動く展開になった。
前半32分、左CKからオビナ選手が頭で押し込み先制したものの、直後に同点弾を許し、1-1で後半へ。
後半は18分に池元選手、31分に喜山選手が得点し3-1としたが、その後のわずか4分間で2失点。45分にはPKを与え万事休したかと思われたが、村山選手が好守。そのまましのぎきった。
池田町会染の高山比呂志さん(58)は「とてもいい試合だった。やはりJ1は簡単には勝てないが、この勝ち点1は大きい」。元同僚の中平考さん(45、伊那市)も「全員で点を取る意識がうかがえた。臆せず今年のスタイルを示せたのでは」と話した。
家族4人で訪れた松本市波田の加茂周作さん(37)は「山雅らしいサッカーで引き分けたが、個の力でやられた部分もある。そういったところを振り切れるようにならなくては」。長女の杏菜さん(8、波田小3)は田中隼磨選手のファンで「負けなくてよかった」と、ほっとした様子。

ホーム初試合となる14日は午後7時から、アルウィンにサンフレッチェ広島を迎える。

【松本でも熱く応援】
松本山雅の初戦。会場に直接行けなかったサポーター約60人が松本市桐2のスポーツカフェガレージに集結し、試合を見守った。
名古屋グランパスと点の取り合いとなった展開に、店内は歓声とため息の繰り返し。後半45分に与えたPKでは、GK村山選手が死守した瞬間、大歓声に包まれた。松川村の平林怜さんは友人の加藤あづみさんと観戦。「本当は勝ちたかった。でも、PKをしのいで勝ち点1を得たのは大きいと思う。J2で見た良い試合のようなゲームだった。これからが楽しみ」と話した。

【スタイル貫き健闘】
初のJ1の舞台で選手は浮き足立つことなく「山雅のスタイル」を貫き健闘した。ただ、3-1とリードした後は、攻撃の厚みを増した名古屋の前に個の力で圧倒され、なんとか勝ち点1を持ち帰る形となった。
3得点は自分たちのスタイル、スカウティングの力、サポーターの後押しなど、持てる力を結集した成果。
新戦力もチームにフィット。オビナはポストプレー、パス展開、シュートと能力をいかんなく発揮し、池元も攻守両面で躍動。最終ラインの後藤、酒井も上々の守備を見せた。
得点やPKセーブは選手の力と分析精度のたまもの。岩上は「名古屋は速いボールが苦手でマークも離れて付く。速いボールを入れて自分たちが先に触る意図で中に入れた」と得点を振り返り、PKを止めた村山も「闘莉王のキックの傾向は分かっていた。試合の流れや時間、相手の性格を考え、真ん中にきそうだなと感じていたので、ぎりぎりまで動くのを我慢した」と打ち明ける。

ただ、そうした力が結集した上でなお3失点したという事実が重くのしかかる。
1失点目は前線へプレスをかけた岩沼の穴を埋められず、左サイドで数的不利をつくってしまっての「ミス」とも言える失点だったが、2失点目は飯田が闘莉王に競り負け、3失点目は酒井が川又に勝てずにボールを中へ折り返され、さらに後藤がノバコビッチに振り切られた形。いずれも高い個人能力の前に屈する形で、J1で戦っていく末恐ろしさを感じる。
試合終了の笛が鳴ると、山雅サポーターは選手にずっと拍手を送り続けた。選手も「今日犯したミスを繰り返さなければ必ず勝ち点3を得られる」(田中)、「セットプレーはJ1、J2関係ない。もっと極めたい」(岩上)、「試合ごと学び、良くしていくことが大切」(オビナ)と前を向き、反町監督は「われわれの強みを90分間出せたという点では胸を張って帰れる。これを標準にして勝ち点3を目指して努力したい」と闘志を燃やしていた。
(取材班)