J中継戸惑いの声 配信サービス「DAZN」移行で

170309yampJリーグの試合中継が今季、これまで10年間続けてきたスカパーJSATの衛星放送から、英パフォームグループが提供するインターネット動画配信サービス「DAZN(ダ・ゾーン)」に代わった。利用料金が下がる一方、視聴方法や契約内容にはテレビ観戦者も多い山雅のファン・サポーターから戸惑いの声が聞かれる。ダ・ゾーンへの取材を含めて対応を探った。
◆料金は安く
Jリーグはパフォームと10年間の放映契約を結び、ダ・ゾーンはJ1、J2、J3のリーグ全試合を中継する。
料金は月1750円(税別)で、提携する携帯電話のNTTドコモ利用者は980円(同)に。スカパーでJリーグ全試合が見られるプランは月3000円ほどだったため、ぐっと安くなった。
ただ、スカパーが昨季まで放送した詳細なハイライト番組などはダ・ゾーンになく、放映権を持たないカップ戦(天皇杯やルヴァン杯)も視聴できない。
◆品質は要改善
ダ・ゾーンの視聴はパソコンやスマートフォン、タブレット端末などが基本。テレビで見るには▽インターネットに接続できるスマートテレビを用意する▽「ファイヤーTVスティック」などの機器を使ってWi-Fi(ワイファイ)でネットに接続する▽パソコンの画面をテレビに出力する―必要がある。
2月25、26日のJ1、J2開幕節では、一部の試合が視聴できないトラブルが発生。中継で観戦した人たちからは「(映像が)時々乱れたり、止まったりする」「衛星放送に比べ画質が悪い」という声が聞かれた。
ダ・ゾーンのPR事務局は松本平タウン情報の取材に「配信画質は非常に大切。今後も改善に向けてテストを行うなど、質の向上に全力を尽くす」と回答している。
◆PV開催は可能
スカパーにあった法人契約がない点も、関係者の間に戸惑いを広げた。大型スクリーンに映して応援するパブリックビューイング(PV)が、店舗などでできるかが曖昧だったためだ。
PR事務局は取材に、法人契約について「現在準備中」とし、「法人契約が整うまでは、個人の契約で上映して問題ない」と回答した。
クラブは2月末に松本市に開店した「喫茶山雅」でアウェー全試合を流し、食事付きのイベントを開催。ほかにも個人契約で映像を流す飲食店がある一方、塩尻市の商業施設駐車場で観戦イベントを開いてきた第三セクター「しおじり街元気カンパニー」は開催を見合わせている。
移行初年とはいえ、ダ・ゾーンとJリーグ側の準備や周知の不足が、ファン・サポーターの盛り上がりに水を差した。両者は独占放映という、見る側にほかに選択肢がない形で有料サービスを提供しており、きちんとした対応が求められる。
(長岩将弘)