雨氷の世界クリスタルファンタジー(松本市内田・崖の湯温泉)

160227sikip陽光を浴びて煌めき、幻想的な世界を演出する雨氷。見る人の心を癒やし、光の宝物を届ける=ニコンD3、ニッコールED300ミリ、2月4日、松本市内田(崖の湯温泉)

1月末から2月初めにかけ、松塩地域の標高800~約1000メートル付近で、過冷却となった雨が樹木などに纏(まと)わり凍り付く雨氷(うひょう)現象が見られた。倒木や停電など被害の規模は近年にないほど大きかった。一方、雨氷がつくりだす壮麗な光景は、氷細工の世界を連想させ、まさにクリスタルファンタジー。
青空を背景に太陽光を浴びると、キラキラと強烈なまぶしさを放つ。雨氷現象は珍しくはないが、今回は何日も解けず多くの人の目に触れた。「生まれて初めて」とか「60年生きて来たが見たことがない」など自分の人生を重ねて語るほど衝撃的な光彩に映った。
言葉でこの光景を伝えるのは難しい。そう思いながらも脳裏に次々と似た言葉が並ぶ。「光る」だけでもない。「輝く」では物足りない。ダイヤモンドのような雨氷の透明さが際立つキラキラした光彩は「煌(きら)めく」が一番似合う。
差し込む太陽光の角度によって、雨氷は壮大なプリズムに変わり、光は魔術師になる。心のカメラのファインダーに描かれた水玉模様の「虹色のページェント」。雨氷のステージで光の精たちがにぎやかに奏でながら風のリズムに合わせ踊っている。どうやら雨氷と光が演出する幻想的な真昼の舞踏会に記者は招待されてしまったようだ。
(丸山祥司)