降格…成長の糧に J1初挑戦16位終戦

151126yamp今季、県内のクラブとして初めてJ1に参戦、残留できる「トップ15(年間15位)入り」を目指して戦った山雅。苦闘の末に目標達成はかなわず前節でJ2降格が確定し、7勝7分け20敗、勝ち点28の年間16位でシーズンを終えた。今季の戦いを振り返りながら、今後について考察する。
シーズン序盤こそ健闘し残留圏の順位を維持したが、第1ステージ13節から7連敗。2連勝を挟んだものの、その後は8戦勝ち星なし-と、中盤以降は苦しんだ。順位も、8戦未勝利の皮切りとなった第2ステージ5節の川崎戦(7月29日)で降格圏に転落して以降、最後まで巻き返すことはできなかった。
同13節の清水戦(10月3日)で9試合ぶりの勝利を手にし、勝ち点3差に迫った15位・新潟との直接対決を迎えたが、反町監督が「土壇場で力を発揮できなかった」と悔やんだとおり、内容的にも乏しい試合で敗戦。
続く鳥栖戦は終盤の2失点で敗れて窮地に追い込まれ、勝利が絶対条件だった神戸戦も、同じ展開で終盤に2失点し逆転負け。降格が決まった。
新潟戦で金甫炅(日の下に火)、鳥栖戦で工藤を欠き、さらに神戸戦ではオビナが欠場するなど、ここ一番で主力の負傷が相次いだ点も痛かったが、「けが人のせいにはできない。それも見越して戦力を整えられるかどうか」と指揮官は言う。
力を発揮できなかった一因として、反町監督は「1試合を見渡すと、リズムのいい時と悪い時とがはっきりしている」点を挙げ、「悪い時なりに我慢できるかといえば、できない。実力不足と言えばそれまでだが、相手を褒めるというより、われわれに落ち度がある」と苦りきった。
20敗に上るリーグ最多の黒星も気になるところだ。「先制してもひっくり返されたり、追い付かれたりした試合があまりにも多かった」と指揮官が振り返ったように、先制しながら逆転負けを喫したのは5試合、同じく引き分けに持ち込まれたのも5試合あった。
関連して目立つのは、先の鳥栖戦、神戸戦に象徴される終盤の失点。それまでリードしていたり同点だったりしながら、残り15分(後半30分以降)で追い付かれたり逆転されたり、勝ち越されたりといった試合は、計9試合。勝ち点を取りこぼした印象は否めない。
最終節を終えた反町監督は「選手だけでなく、自分も、スタッフも、会社も、全員の力の足りなさがこの結果になっている」と受け止めつつ、「ただ、最終節に表れているように、持っている力は尽くした」。指揮官や選手が口をそろえたとおり、今後どう生かすかが、今季の経験の価値を決めるだろう。

続投が決まっている指揮官は、今後のチームづくりについては「これからじっくり考える」という。
山雅とともに今季昇格した湘南は、育成型に舵を切って鍛え上げてきた生え抜きの若手らが選手層を支え、3度目のJ1挑戦で初の残留を果たした。理想的ではあるが、同じスタイルを目指しても結果が出るまで相当な時間がかかるだろう。
一方で、即戦力ばかりを補って即座にJ1に戻ったところで、今季の繰り返しになるおそれもある。
「クラブの規模を考えながら、できる範囲で最大限いいマネジメントをし、トライすることが大事。いずれにしても、いばらの道だ」と、反町監督は悲壮な覚悟を漏らす。
北信越リーグ、JFL、J2-と、これまで順調にステップを上がってきた山雅にとって、わずか1年でのカテゴリー降格は初めての経験だ。
この「試練」を乗り越え、クラブとしてさらなる成長曲線を描けるかどうか。来季は正念場となりそうだ。
(長岩将弘)