銀座NAGANOで安曇野PRイベント 成果と課題

安曇野の魅力を首都圏から発信しようと、東京の県情報発信拠点「銀座NAGANO」を会場に、安曇野市が本年度から初めて取り組んだイベント「安曇野の四季シリーズ」の最終回が22日に開かれた。季節ごとの旬の農産物を体験、体感してもらい、物産の需要拡大や誘客につなげる狙い。来場者の安曇野に対する印象や今後の課題などを探った。
22日は冬編で、安曇野の特産ワサビをメインに、クラフトビールを組み合わせ「ツンと辛い冬の安曇野を届ける体験会」と銘打った。参加費は1500円。昨年12月15日から募集を始めたところ「3日ほどで定員(20人)に達した」(市農林部農政課マーケティング担当、矢島悦子さん)という人気だ。
当日は、女性を中心に18人が参加。農産物直売所、Vif穂高(同市穂高有明)の女性従業員が講師になり、わさび漬け作りを体験。ワサビの根茎を千切りにし、塩でもんで酒かすなどと混ぜ合わせるなどして、約1時間をかけ1品を作った。
その後は、Vifの従業員が手作りした料理でランチ会。大根のワサビ葉巻き、わさびクリームチーズの干し柿巻き、信州サーモンの手まりずしなど、7種類の料理を一皿に盛り、かす汁、安曇野産クラフトビール「穂高」を提供した。参加者が食事を楽しむ間、ワサビ生産者の松本遊穂さん(37、穂高)が北アルプスやワサビ田の写真を使いながら安曇野の四季を紹介した。
東京都小平市の長谷川幸子さんは、ワサビに興味があり初参加。安曇野を訪れたことはないが「水と空気がきれいという印象。参加してますます興味を持った。住んでみたいとも思う」と喜んだ。
安曇野が好きで、数回訪れたことがある都内の30代女性は「わさび漬けの作り方を知りたかった」のが参加の理由。「ワサビはいろんな使い方ができる食材。今日の料理も味は一級品だが、PRの仕方が上手とは言えず、少しもったいない気がする」とやや厳しい意見も出た。

四季シリーズは、5月22日に春編で第1回を開催。夏編(7月13日)、秋編(10月6日)、銀座NAGANO主催の秋の番外編(9月7日)と今回で計5回行った。
最も参加者の反応が良かったという秋編は、安曇野産の4種類のワインに、JAあづみ女性部が、秋野菜煮物、セロリの炒め物、本うり奈良漬け、ナスの鉄火、カボチャの団子汁など「これぞ田舎料理」を手作り。県産ワインの評価が高まっていることや野菜料理との意外な組み合わせが、参加者21人の半数近くを占めた男性に好評で、ワイン談議に花が咲いた。
一方、「あづみの夏野菜カリー」を販売した夏編は、販売告知だけで、事前に参加者の募集を行わなかったため集客に苦戦した。
矢島さんは「ワインへの関心が高いなど、興味の持たれ方の違いが分かった」と分析。複数回参加した人もいて「より深い絆が築けたのは確かで、輪が広がってほしい」とした一方、「銀座でこれだけのイベントを開くには場所が小さすぎる。集客や開催方法は検討しないと」と話す。

さまざまな観光地や自治体のPRイベントがある首都圏。参加者は関心が高く、目が肥えている印象もあった。この日は大雪でスタッフの到着が遅れ、準備や運営にどたばたした雰囲気を残してしまったのは残念だった。
わさび漬け作りの「体験」は安曇野の特徴をPRするのに魅力があったものの、その後の商品の宣伝や飲食時の盛り上げには一工夫する余地がありそうに見えた。東京の銀座という立地を生かし、どうPRするか。本年度の経験を踏まえた再挑戦に期待したい。
(浜秋彦)