鉢伏山で出合った金星、木星と火星の共演(松本市・岡谷市)

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鉢伏山山頂の「鉢伏大権現」の祠の上で繰り広げる天体ショー。金星(右)と木星が並んで輝き、火星(左下方に赤く見える)が共演。幽玄神秘な雰囲気が辺りを包む=ニコンD3、ニッコールED80―200ミリ、10月26日午前3時20分

松本市と岡谷市の境にある鉢伏山(1928・5メートル)。山岳信仰の山として知られ、昔から「雨乞い神事」が行われてきた神聖なる山だ。
10月26日未明、この鉢伏山の山頂で金星と木星、火星が接近し共演する天体ショーに出合った。
午前1時半。誰もいない氷点下3度の山頂は、枯草を揺らし、耳元で不気味に騒ぐ風の音があるだけだった。祀(まつ)られた鉢伏神社の前に立つ。十三夜の月の光が鳥居の影を映し「鉢伏大権現」の祠(ほこら)を浮かび上がらせる。身が引き締まる凛(りん)とした光景だ。
午前2時55分。金星と木星が寄り添い、鉢伏大権現の祠の真上に昇る。金星のきらめきが、星とは思えないほどまぶしい。後を追うように赤ら顔の火星が祠の上に輝く鉢伏山で観望する天体ショー。こんな神秘で壮麗な光景を前にした時、人はただ祈るしかない。撮らせてもらった大自然との感動の出合いに感謝し、思わず般若心経を唱えた。
午前3時50分。月が沈むと天頂に1等星6個を結んだ「冬のダイヤモンド」が豪華に輝く。北斗七星がひしゃくの柄を立て、南天の地平線付近にカノープスがきらり。朝焼けが始まった東の空に輝くおとめ座のスピカが一際明るい。希望と幸せの新しい朝を連れて昇ってきた。
(丸山祥司)