野菜高騰 乗り越えへ工夫と知恵

野菜の高騰が続いている。昨年10月の台風に加え、22日の大雪、厳しい寒さと、野菜にとっては三重苦の状況だ。高価格の野菜は、家計を直撃するだけでなく、飲食店の経営なども圧迫している。状況と共に、乗り越える工夫などを伝える。
JA松本ハイランドの直売所ファーマーズガーデンやまがた(山形村)の売り場には、キャベツ1玉400円、白菜1玉650円などの値段が付く。キャベツやホウレンソウなど、地場の野菜は昨年の3分の1程度しか入荷しないという。
昨年10月の2週続きの台風で、種が流れ、発芽につながらなかったことが大きな原因。さらに気温が低く、ホウレンソウの丈が伸びない、キャベツや白菜の巻きが悪いといったことも影響している。雪の重みで、ホウレンソウが折れるといったこともあるという。店長の菊池直樹さん(48)は「12月に入ってから高値が続いている。今回の雪で、露地物は出荷できないのではないか。低温の影響で、ハウスで栽培しているイチゴも20日程度遅れてる」と話す。

飲食店への影響も大きい。開店以来、サラダバーを提供しているレストランふらいぱん(塩尻市広丘高出)。キャベツは倍以上など、仕入れは通常より2~3割高いという。自家栽培野菜を半分ほど使っているため続けられるが「100%仕入れという状況だったら、値上げも検討しないといけない」とオーナーの石本信太郎さん(62)。
自家栽培の野菜も、雨の影響で生育が悪いといい、「高いのはつらいが、自然のことだから仕方がない。サラダバーを目当てに来る人もあり、お客様に喜んでもらえればうれしい」と話す。

スーパー各店では、野菜高騰のイメージを払拭(ふっしょく)するため、1商品あたりの内容量を減らして販売価格を抑えるなど工夫している。
イオン南松本店(松本市双葉)は、グループ全体の取り組みとして、カット野菜や少量に袋詰めした「小分け」タイプで対応。小松菜は通常1袋8束入りを3束にし、高騰前の価格帯で販売。キャベツは2分の1、4分の1サイズを用意。白菜は4分の1カットがすぐに売り切れ、8分の1サイズまで今季初めて棚に並べた。
売場責任者は「高いイメージのままだと野菜が売れない。カットすると日持ちはしないが、逆に使い切りで調理はしやすい」とPRする。
葉物を中心とした野菜が高騰する中、代替商品としてキノコ類が売れている。また、食べきりサイズに切った野菜を詰め合わせた袋商品、寄せ鍋セットなども人気だ。下ゆで済みの冷凍野菜も隠れた人気を集めている。

こんな時にどうするか。食事作りのヒントを大町市出身の料理研究家、横山タカ子さん(長野市)に聞いた。
活用するといいのは保存食という。お勧めはミネラルや食物繊維が豊富なワカメ、モズク、寒天、ヒジキを使った料理だ。たとえば、ワカメは塩抜きした後、豚肉か牛肉といためて、みりんとしょうゆ、または塩で味付けし、すりおろしたゴマやクルミをふる。ワカメはみそ汁の具としてだけでなく、ゆでたり、煮たりと材料の一つとしていろいろ利用するといいという。
そのほか、値段が安定しているニンジンや切り干し大根とヒジキといった組み合わせ、キノコ、ネギ、豆類を活用すれば、料理の幅を広げられるという。豆の炊き込みご飯や五目豆を作る時は、缶詰の豆を使うと手軽に1品ができる。
(取材班)