選手寮シェフの沼波さんに聞く献立のポイント

Jリーグの中でもハードな練習で定評がある松本山雅。これをこなす選手にとって、「食」は生活の重要な部分を占める。練習に励む選手を、食事を通してサポートするのが、松本市内の選手寮でシェフを務める沼波秀泰さん(51)だ。沼波さんが献立で心掛けていることと合わせ、独自に考案してもらったスポーツをする子どもたちにお薦めのメニューを紹介する。
沼波さんは週6日、トップチームの若手選手と、U-18(18歳以下)の選手計8人(2013年12月24日現在)の朝食と夕食を作る。料理人歴30年。軽井沢のホテルで料理長も務めたベテランだが、「プロ選手の食事は全く違う。栄養学を含め日々勉強です」という。
見た目の美しさや素材の良さを重視するのがホテルなら、プロ選手は、「ご飯をたっぷり食べるためのおかず」。選手は1食で米1合以上を食べるため、ご飯が進み、栄養をバランスよく補うのがおかずの役割。毎食4、5品は用意する。
特に大事なのは、筋肉を作るのに必要な栄養素、タンパク質だ。タンパク質を含む、肉、魚、豆、卵、牛乳を、必ず1食に2品は入れ献立を考える。特に牛乳は選手自身も積極的に摂取。育ち盛りのU-18の選手は、1日400ミリリットルを飲むという。海藻類などに含まれるミネラルや、果物のビタミンCも欠かせない。
反対に、取り過ぎに注意するのは体脂肪を増やす油。食材を焼くのではなく、煮たり蒸したり。焼く場合もフッ素樹脂加工のフライパンを使い、キッチンペーパーで余分な油を拭き取るなど一手間加える。
寮で暮らすU-18の山寺優作君(16、松本美須々ケ丘高校1年)は「いつもバランスが取れていて、練習終わりのおなかがすいた体には最高の食事。体づくりのために、毎日ご飯を大盛り2杯以上は食べるように心掛けている」と言う。
沼波さんは「みんながおいしく食べられるよう工夫している。プロが育つのが楽しみ」と笑顔を浮かべる。

<スポーツをする子どもたちにお薦めのメニュー>
スポーツをする子どもたちに「豚ヒレ納豆オクラ焼き」を紹介します。納豆や豆腐はお薦め食材。大豆はアミノ酸のバランスが完璧なので、選手の料理にも毎食使います。
ビタミンB1を含む豚肉と、栄養価が高く消化を助けるとろろとオクラのねばねばコンビも加えました。
作り方のこつは、焼いている肉の上に、納豆オクラを載せること。フライパンに肉を載せる時にこぼれず、失敗が少ないです。
お好みでポン酢などで食べてください。大人向けにお酒のおつまみにもなります。薄力粉が入っているので、納豆オクラだけで焼いても食べられます。
付け合わせの野菜には、大根、エノキタケ、カブなどが良いです。果物はタンパク質分解酵素を含み肉類の消化を助けるキウイフルーツがお薦め。ヒジキやワカメ、切り干し大根なども食べてミネラルを摂取してください。

「豚ヒレ納豆オクラ焼き」
【材料4人分】
豚ヒレ肉…600㌘
塩、こしょう、小麦粉、しょうゆ、かつお節…少々
〈納豆オクラ〉
納豆…200㌘
オクラ(ネギや大葉でも可)…200㌘
長芋…80㌘
卵…1個
薄力粉…30㌘
【作り方】
1豚肉には塩、こしょうをして小麦粉をまぶす。長芋をすり下ろし、オクラを刻む
2ボウルに納豆オクラの材料を入れ、混ぜ合わせる
3フライパンに油を入れ、豚肉を焼く
4片面を焼いている最中に、スプーンで納豆オクラをすくって肉の上に載せる
5裏返して、納豆オクラの面を焼く
6フライパンにしょうゆを垂らし、肉にからめる
7皿に盛り付け、かつお節を掛ける
(倉科美春)