選手の「呼び名」あれこれ

150512yamp初めて挑むJ1の舞台で激闘を続ける山雅。チームが一丸となって力を最大限発揮するため、ピッチ内外でのコミュニケーションは欠かせない。その基礎になるのが、選手同士の呼び掛けだ。スムーズな意思疎通のために、工夫や特徴はあるのだろうか。選手間で使われる互いの呼び名について探ってみた。
選手会長の村山は「呼びやすさは大事だが、特にルールなどがあるわけではなく、人によってもまちまち」と話す。周囲が呼びやすいように呼んでいるうちに定着するようだ。
具体的にはユウゾウ(岩上)、ユウダイ(岩間)、ナオキ(前田)などファーストネームそのままだったり、ムラ(村山)、イシ(石原)、シオ(塩沢)など姓を縮めたり。イーチャン(飯田)、テッチャン(鐡戸)といったパターンもある。
年長者に対しては、ヨシロウさん(阿部)、ハユさん(田中)など「さん・君」が付くが、プレー中ははしょられることも。
「この世界では当然なので気にしたことはないし、年下の選手もピッチ内で遠慮はいらないと思う」と最年長の阿部。「上下関係に厳しい育成組織や学校部活動などでは(さん・君付けを)徹底させるところもあるらしいが、大学以上だと、こだわるチームはないのでは」とも話す。
ほかにもシュンスケ(岩沼)は「シュン」など、プレー中に短く呼ぶ例は多いようだ。
同じ名前がある場合はフルネームを短縮。リュウタロウ(飯尾)と柴田コーチがいるため、柴田は「シバリュウ」、サカイ(酒井)、タツヤ(和田)とかぶる坂井は「サカタツ」といった具合だ。
「サカタツ」について坂井は「競技生活の中では初めてだが、大学時代に部活以外の友達からそう呼ばれたことがある」とか。「でも、考えてみれば(酒井)隆介君が『リュウスケ』で定着しているので、僕は『サカイ』でいい気もしますけど…」と、首をかしげていた。
呼び名とは少し違うが、柴田は太ももがゾウのように太いことから「モモゾウ」、練習中、右サイドで切れのあるプレーを見せる道上は「ベッカム」-など、若手はさまざまなあだ名を付けられ「いじられる」こともあるようだ。
ブラジル人選手2人は、登録名そのままで呼ばれることがほとんど。ドリバはファーストネームの「ドリバル」から。オビナは人名に由来する愛称だ。
「オビナ」は、かつて母国で所属したヴィトーリア入団時、オビナと入れ替わりでチームを去ったナイジェリア人練習生の名前だという。面識はないが似ていたらしく、周囲から呼ばれ始めた。
それまではファーストネームの「マヌエル」にもひっかけ、「馬鹿、愚か者」などといった意味(ただし侮辱的なニュアンスはなく、冗談めいた表現)のポルトガル語「マネ」と呼ばれることが多かったそうだ。
オビナは母国でも高名なため、母国の若手選手や子どもたちの中にも、オビナにちなんだ愛称や登録名が増えているという。
オビナは「自分の仕事が結果として表れていると感じるし、人間としてもよい手本でありたいと思う。もっともっといいプレーをしたいね」と、励みにしているようだ。
(長岩将弘)