通年リーグ戦3分の1を消化-序盤振り返り中盤戦を展望

県内クラブとして初めてJ1に昇格し、国内最高峰のリーグに挑んでいる山雅。公式戦はここまで5勝4分け7敗。リーグ戦はシーズンの3分の1に当たる第1ステージ第12節までを終え、4勝3分け5敗、勝ち点15で9位だ。J1初年度に掲げたのは、残留できる「トップ15入り」。リーグ序盤の戦いぶりを振り返りながら、中盤戦を展望する。
過去3シーズンにおける15位だったチームの最終勝ち点をみると、14年の清水は36、13年の甲府は37、12年の新潟は40-となっている。一概に比較はしにくいが、年間勝ち点で争う今季も、このあたりが実質的な残留ラインだろう。
仮に山雅がここまでと同じペース(1試合あたり1・25)で勝ち点を重ねたとすると、最終勝ち点は42・5。ここ3戦の無敗が大きいが、安泰と言える数字ではない。
気になるのは、試合終盤の失点の多さだ。
ここまでの総失点13のうち、半分近い6点が後半30分以降。その時間帯の失点により、リードした状況から引き分けで終わったのが3試合、同じく同点から負けを喫したのが2試合ある。
反町監督は「(終盤に得点が動くのは)今季のリーグ全体の傾向」と分析するが、「最も(点を)取られてはいけない時間に取られている。勝ちきることができない要因のひとつ」と悔しがるのは村山だ。「自分のパフォーマンスもそうだし、もっとうまくチームを集中させなければ。まだまだだと感じる」と明かす。
チームで断トツのJ1出場経験を持つ田中は「一瞬の隙やミスの代償は小さくないと思うが、(J1)経験の少ない選手たちにとって、それぞれが得たものや手応えはあるはず。それをどう生かしていくか。遠くを見るのではなく、目の前の試合に全力で臨む。それを積み重ねていくしかない」と力を込める。

反町監督は、今季のJ1の印象について「開幕前の予想通り、個の力量も戦術面でも、非常にレベルが高い」と話す一方、ここまでのチームの出来については「もう少しやられるかもしれないと思っていたが、失点は少なくなってきた。いろいろな意味で、そこそこできているとは感じる」と、一定の手応えを明かした。
4月18日から5月10日にかけ、ヤマザキナビスコ・カップを含む7試合を約3週間でこなした過密日程を2勝2分け3敗で終えたことは、前向きにとらえられるだろう。
リーグ戦に限れば2勝2分け2敗。無失点も3試合ある。
だが5月に入り、谷奥、後藤、那須川と、守備陣が相次いでけがに見舞われ、長期離脱を余儀なくされた。
特に後藤は第9節前半で負傷交代するまで、開幕戦から3バックの中央でフル出場を続けてきた。指揮官も「やっと(山雅の戦い方に)慣れてきたところだったが…」と、口惜しさを隠さない。
守備陣の「緊急事態」を乗り切れるか。夏の補強をにらみつつ、塩沢など他ポジションからのコンバートも、既に練習で試している。山雅の代名詞でもある夏場のタフさも発揮し、チームの真価を示したい。
「J1の中ではあらゆる意味で小さなクラブだが、どの試合に対しても、今できることの最大値をもって臨んでいることは胸を張って言える」と反町監督。「ここまでの結果を受け止め、より上を目指すだけ」と誓った。
(長岩将弘)