車のフロントガラスに出現した“霜銀河”(美ケ原高原)

171209sikip日を浴びて輝く車のフロントガラスにできた霜。幻想的で不思議な造形が宇宙の世界を連想させる=ニコンD3S、ニコンAFマイクロニッコール105ミリ、11月20日午前8時10分、美ケ原高原

氷点下11.8度と厳しい冷え込みになった11月20日朝の美ケ原高原。満天の星空の駐車場に一晩置いた車に戻ると、フロントガラスにできた霜の一角に目を奪われた。まるで宇宙の世界へ誘うような不思議な“霜銀河”の造形をマイクロレンズで切り撮った。
斜光線の日を浴びて霜の造形が際立つ。日陰を背景に撮影しながらレンズの位置を変えた瞬間、オレンジ色の星形を散りばめて輝く銀河を連想させる光彩が浮かび上がった。
俳句の冬の季語でもある「霜」は、放射冷却で冷やされた大気中の水蒸気が、地面や地物(ちぶつ=樹木や建物など地上にある一切の物)の表面に昇華してできた氷の結晶だ。樹木に付いた霜を「樹霜」(じゅそう)と呼び、積もった雪の表面にできる「雪面霜」(せつめんじも)は、朝日を浴びて昼蛍(ひるぼたる)のようにきらきら輝く。窓ガラスにできる「窓霜」(まどしも)はよく知られ、「霜の華」とも。
近年、話題を呼んでいるのが同高原にある「王ケ頭ホテル」の窓霜だ。車の場合と違い部屋の内側に付く。繊細で幻想的な造形ができるメカニズムが知りたくて、かつて記者は、何日も徹夜で撮影に挑んだ。窓霜は一晩かけてでき上がるのではない。外気温と室内の湿度や温度のタイミングで数秒間でできる自然が秘めた“瞬間芸術”である。
(丸山祥司)