草原にきらめく幻想的な“朝露美術館”(美ケ原高原・王ケ頭)

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朝日を浴び、オーロラの光彩を連想させながらきらめく朝露。草原にメルヘンの癒やしの世界が広がる=ニコンD3S、ニコン AF マイクロニッコール105㍉、9日午前6時25分、美ケ原高原王ケ頭

二十四節気の「白露」(今年は9月7日)を迎えた松本市、上田市、長和町にまたがる美ケ原高原。9日早朝の気温は8・5度。朝日を浴びて足元に広がる草むらに、無数の水滴がキラキラとまぶしい。虹色、水色、エメラルド色…。大自然の宝石箱を開けたようにきらめく光景は幻想的な雰囲気を漂わせ、さながら“朝露美術館”だ。
俳句の秋の季語でもある白露は、二十四節気を立春から数えると15番目。暑さが一段落するという処暑からは15日目ごろ。夜間、大気が冷え込むようになり、草木の葉に朝露が宿るころとされる。
今夏の日本列島も体温を超えるような猛暑に見舞われた。暑さに疲れた人の心にそっと寄り添い、秋を告げる朝露。優しい秋便りとともに潤いを届けている。
太陽の移動とともにファインダーの中で変幻する朝露の彩りを追いかけていると…。アラスカやカナダ・イエローナイフで見た極北の空に舞うオーロラの彩りがオーバーラップしてきた。実はこの朝露との出会い、低緯度オーロラの発生を予想して撮影に臨んでいたときのものだ。6日夜に観測された太陽表面で起きた最大級の爆発現象「フレア」を受け、美ケ原高原王ケ頭で8日夕から徹夜で撮影に挑んだのだ。
北の地平線に目を凝らし続けたまま、夜が明けると待っていたのは、朝露がオーロラ色の光彩にきらめくメルヘンの世界だった。
(丸山祥司)