育成組織の充実へ 臼井弘貴U-18監督に聞く

150409yamp山雅U-18(18歳以下=高校生年代)を2年間指導した岸野靖之前監督(現J3富山監督)の後を受け、12年からコーチを務めてきた臼井弘貴さん(35)が今季、監督に就任した。トップチームが国内最高峰の舞台に挑んでいるクラブにとって、育成組織の充実は大きな課題のひとつ。その未来を託された臼井監督に、思いや意気込みを聞いた。
「分析力、伝達力、愛情の3点を、いかに高めていけるかではないか」。指導者として大切なことを、臼井監督はそう整理する。
厳しさと愛情を持って選手たちと真摯(しんし)に向き合った岸野前監督から、間近で学んだことも大きな財産だ。「岸野さんの人間の器もある。まねしようと思ってできるものではないかもしれないけれど、その姿勢は受け継いでいきたい」と話す。
塩尻市広丘郷原出身。松商学園高3年だった1998年度は主将としてチームをまとめ、全国高校選手権にも出場した。
日大を卒業後、長野エルザSC(現AC長野パルセイロ)でプレーしながら、育成組織での指導にも携わった。実績を買われ、「育成に力を入れたい」として山雅に招かれたのは12年のことだ。
今季は「J1クラブのユース」。参戦する県リーグや各種大会でも結果が求められるが、「育成の観点から、この年代に必要なこと、今やるべきことをやって勝ちたい」と力を込める。
「技術が足りないから割り切った戦い方しかできない-ではなく、技術を身に付け、目指す戦い方をする。大変だとは思うけれど、そのうえで勝つことで、正しさを証明していきたい」と臼井監督。
その思いの源は、人気と実力のある山雅なら地域のレベルを引き上げる存在になり得る-との考えだ。
高校で全国を経験し、大学時代に外から長野県を見て、「サッカー後進地域」を実感し、何とかしたい思いが募ったという。
「自分の小さいころを振り返ると、あの時もっとああしていればよかった、という後悔もある。まして、自分より素質のある選手ならなおさら。当然トップチームに選手を輩出するのも重要な使命ですが、例えば欧州など、もっと大きな舞台に羽ばたく選手も出したい」
自身の研さんも欠かせない。時間をつくってのトップチームの練習見学は、山雅入り当時から続けている。
山雅入りの「同期」反町監督をはじめとするスタッフには「努力する、全力を尽くすとはこういうことか、と思います」と敬服。内容自体も、指導の仕方も、できるだけ学び取ろうと心掛ける。
「自分でも勉強してきたつもりですが、まだまだ足りない。海外サッカーを中心に映像もよく見て、研究しています」
県リーグ2部の主力チーム、3部のセカンドチームとも、2節を終えて連勝。竣工(しゅんこう)間もない市かりがねサッカー場での練習も始まり、今季のスタートは上々だ。
「こういう環境でできるということは、感謝の気持ちを持ってひたむきに取り組み、結果を残し、成長する責任も負う。選手には常に言い聞かせています」と臼井監督。
「ただ、そういうものを背負いながら日々練習するのは、得難い経験でもある。プレッシャーを糧に、精神面でもたくましく頑張っていきたいですね」
(長岩将弘)