総合力試される年に 神田社長に聞く

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昨季はJ2で8位に終わり、J1復帰を逃した松本山雅FC。12年のJリーグ参入以降初めて、ホーム試合の入場者数が2季連続で減少するなど、ピッチの内外で右肩上がりの成長曲線が描けなくなり、今後はクラブの総合力がいっそう試される。運営会社の神田文之社長(40)に昨季を振り返ってもらい、今季の取り組みなどを聞いた。

-昨季を振り返って。
クラブのこれまでの急成長からすると、結果的に苦しいシーズンが続いた。責任を痛感しているが、さらなる成長の「踊り場」だと信じている。
営業収入は増え、シーズンパスの販売数もわずかだが増えた。新たなファンを獲得するのは難しかったと思うが、長い目で応援してくれるコアなサポーターを増やせた。
ここ数年で新しいスタッフが増え、昨季は部署内・間でのミーティングを増やし、意思疎通を図った。クラブの現状や、これから何をすべきかを大いに議論した。今年こそ結果に結び付けたい。
-入場者増やスタジアムの魅力を発信する策は。
ここ数年、ホーム試合の集客はうまくいっている感があっただけに、2季連続の入場者減は真摯(しんし)に受け止めなくては。昨季終盤は注目カードに限って天候に恵まれなかったが、天候に左右されない魅力づくりで、何かできることがあったのでは|と反省している。
31節の徳島戦(9月2日)は、シーズンパス購入者に誘われた1人が無料で観戦できる「プラスワン!キャンペーン」を行った。成果は大きく、サポーターの力を改めて感じた。
今年は事業本部内にマーケティングに特化した作業グループを設け、より狙いを絞った集客策を打ち出す。
-昨年2月に開店した「喫茶山雅」の手応えと今後は。
「山雅はよく知らないが喫茶店に行ってみよう」という人を取り込むような、アンテナショップ的な役割を果たしている。クラブをより身近に感じてもらう場所として大事だが、事業の一つとして収支も重視している。
スタジアムと同様に永続的に集客するために、1人でも多くの人に訪れてもらうためのチャレンジを続けていく。
-トップチームは世代交代が課題。選手育成の見通しは。
昨季は育成組織の各年代も成績的に厳しい年だった。ただ、育成は短い期間で結果を追い求めるわけにいかない。こらえながら、じっくりやっていく。今年は指導体制を含めた環境整備の面で、何かしら足跡を残す取り組みをしたい。
U-18(18歳以下チーム)は(2年連続で参入戦で敗れた)北信越プリンスリーグに昇格したい。トップチームに選手を送り出せていない現状はもちろん、県全体の同年代のレベルを引き上げるためにも、トップの盛り上がりと合わせて北信越や全国の舞台で存在感を発揮するようにしていく。

【かんだ・ふみゆき】1977年、山梨県田富町(現・中央市)生まれ。東京学芸大を卒業し2000年、当時J2の甲府に入団。FCホリコシを経て05年8月、北信越リーグ2部だった山雅に加入し、2試合に出場して1部昇格に貢献。同年引退し、東京の不動産会社に勤めた後、12年に山雅運営会社に入社。管理本部長などを経て15年から現職。