米国のクラブと提携

170831yamp山雅は8月25日、米国メジャーリーグサッカー(MLS)のレアル・ソルトレーク(RSL)と業務提携を結んだ。海外クラブとの提携はシンガポールのゲイラン・インターナショナルFCに続き2件目。国際交流は「ひとづくり・まちづくり・未来づくり」をうたう山雅のクラブビジョン実現に向けた取り組みの一つ。育成や運営面での成果も期待される。
JリーグとMLSのクラブ提携は初めて。RSLの本拠地ユタ州ソルトレーク市は松本市の姉妹都市で、提携をトップチーム・育成組織の選手、指導者の交流にとどめず、都市・地域間交流の発展にも役立てるとした。
山雅運営会社の神田文之社長(39)は「具体的に何ができるかはこれから」としつつ、「MLSは競技レベルが高く、ゲイランとの提携とは違った形になる」とみる。RSLは新たな練習場や5000人収容のセカンドチーム用スタジアムなどを建設中。「施設を整えるとどうなるかなど、クラブ運営も学びたい」とする。
MLSは1993年に発足。現在は米国とカナダの22クラブが加盟し、11チームずつ東西2地区に分かれて争う。RSLは2005年に参戦し、09年にリーグ優勝。昨季は西地区6位。
RSLアシスタントゼネラルマネジャーのエリオット・フォールさんは、米国のサッカー人気について「皆さんが思うより劇的な成長を遂げている」と言う。MLSと共に育った30~40代を中心に若い世代に支持され、1試合の平均観客数は2万人超。神田社長は「その集客力にも興味があった」と明かす。
RSLは選手育成にも力を入れ、5~6月に韓国で開いたU-20(20歳以下)W杯の米国代表(21人)には4人が選ばれた。昨年を「育成元年」と位置付け、強化に取り組む山雅が学ぶべき点がありそうだ。
RSLとゲイランのU-14チームは、県サッカー協会設立70周年記念事業で26、27日に松本市などで開いた「信毎杯U-14国際ユーストーナメント」(8チーム)に出場。RSLが優勝した。

山雅とゲイランは昨年11月に提携。山雅は昨季までU-18監督を務めた臼井弘貴さんを指導者派遣し、「発展途上」(臼井さん)の競技レベルの向上に協力している。
今年2月にゲイランのトップチーム選手が山雅のキャンプに参加。6月にはゲイランの役員らがアルウィンや喫茶山雅を視察。7月は神田社長らがシンガポールを訪れ、建設中の新スタジアムを視察-などの行き来も続ける。
ゲイランU-14に帯同して一時帰国した臼井さんは現在、トップチームのアシスタントコーチとU-21監督を兼任。現地での半年余りを「多民族国家で多様な価値観に触れ、日本の常識は常識でないと実感する。指導者としても人間としても成長できている」と言う。
山雅U-14との対戦(27日)は0-3で敗れたが、臼井さんは試合中の声の大きさや試合後の相手ベンチへのあいさつなど「ゲイランの選手たちのほうが能動的なアクションが多い」と指摘。
「勝ち負けだけでなく、互いに足りない部分を自覚し、相手のよい点を学ぶ姿勢も大事。そういう橋渡しの手伝いもしたい」と強調した。
(長岩将弘)