福島県から移住の片寄さんが松本でランチ営業

東日本大震災のため福島県から避難してきた片寄久美さん(41、松本市里山辺)が、ランチや弁当を提供する「Kumi’s Lunch manma~まんま」(大手4)を開いた。2011年に子ども2人とともに、全く知らない地へ移住。人とのつながりを再構築しながら、見つけた夢を形にした。
店舗を構えるのではなく、「鉄板焼き ぼんちゃん」の空き時間、平日の昼に開店する。店のコンセプトは、「でっかいファミリーをつくりたい!!」。提供するのは、温かさや優しさ、癒やし、栄養などが詰まったお母さんの「おっぱいご飯」だ。
メニューは、まぜごはんと具だくさんのスープ、バランスを考えたおかずを盛り込んだ日替わりランチ(750円)だ。持ち帰ることもできる。
取材の日はポテトサラダがたっぷり盛られていた。ジャガイモだけでなく、サツマイモを混ぜ、豆腐をマヨネーズ代わりにして作った1品。「お母さんの家ご飯だが、そこに一手間、二手間をかけている」と片寄さん。
manmaは、お母さん、ごはん、そのまんまの3つの意味を込める。「飲食店ではなく、コミュニティーの場と考えている。食べることは、お互いに心を開いた状態。一緒に食べたり、飲んだりして、大きなファミリーをつくりたい」と願う。
片寄さんは、友人が松本市に移住していたこと、市の受け入れが手厚かったことから、「子どものことを最優先」に11年5月、夫の弘昌さん(44)を福島に残し移住することを決断した。初めて訪れる土地で、周りは知らない人ばかり。泣いてばかりいた。
徐々に人との絆を結び、1年後には、夫も仕事を見つけ、松本に。親子4人の生活が始まった。生活が落ち着いて「何かしたい」という思いが芽生えた。もともと料理は大好き。その上、みんなで集まってわいわいするのも好きという片寄さん。昨年6月から1年間、両島にあるコワーキングスペースで月2回、ランチ会を開いた。
たまたま飲みに出かけたぼんちゃんで、大将の西村知泰さん(47)が、忙しそうに切り盛りする姿を見て、「お手伝いしたい」とアルバイトを始めた。ランチ会で「おいしい。店をやってみたら」と言われたこともあり、同店でランチ営業することを西村さんに打診。とんとん拍子に開店が決まった。
今後は、丼物、昼飲みのおつまみなども手がけていく。「離れていても思い合う。近くにいれば安心感がある。ご飯を通し、温かいつながりができたらいい」とほほえむ。
火~金曜、午前11時半~午後2時。
(八代けい子)