白馬に“花火バー”開店 注文に応じ打ち上げ

“花火バー”の「祭(まつり)」が今冬、白馬村北城にオープンした。花火師が常駐し、花火の打ち上げサービスを提供する、斬新なスタイルのバーだ。経営する下川政治さん(37)は「特別感のある打ち上げ花火を、誕生日、プロポーズなどの記念日に気軽に楽しんで」と話す。
下川さんの友人で信州煙火工業(長野市)の煙火打揚責任者、花見千博さん(35)が常駐し、打ち上げの注文を受けると、約30分の準備後、バーから北に100メートルほど離れた場所から上空に打ち上げる。花火は最大で3号(直径約9センチ)までの4種類を用意し、1発4800円から。何発かまとめて注文すると割引もある。
注文時に色や模様の要望を聞き、花見さんが自社から持ってきた中からできるだけ近いものを選択。トランシーバーで打ち上げ場所にいる花見さんにバーから連絡し、タイミングを指定できる。
花見さんから、花火大会で各地にひっぱりだこになる夏に比べて、冬は仕事が減る、という話を聞いた下川さん。自身はたこやきの移動販売を行っていたが、販売に使っていた車が昨年夏に故障したことも重なり、世にも珍しい花火バーの出店を思いついた。地元の警察と消防に届け出に行った際にも「おそらく日本で初めての試みだろう」と驚かれた。
花火は毎日、花見さんが信州煙火工業の火薬保管庫から運んでくる。法律上、店舗では花火の保管ができないので、余った分はその日のうちに保管庫に戻している。花見さんは「面白いアイデアだったので引き受けたが、こんな面倒なことをする花火師はまずいない」と笑う。
前代未聞の試みは周知もこれから。下川さんは、英語も駆使してSNS(会員制情報サイト)で発信。苦労を重ねつつも「打ち上がったところを見た人はとても喜んでくれる」と目を細める。
バーは雪風に強いというモンゴルの移動式住居「ゲル」の中で営業。メニューは瓶ビールや軽食などを用意している。知り合いの移動販売業者に声を掛けて販売に来てもらい、「毎日がお祭りのような場所にしたい」と思い描く。
今季は3月18日までの営業だが、来季以降も続けたいという。バーの営業は午後4時~午前0時、花火打ち上げは日没から午後9時半まで。花火は村内の広い場所から見ることができるため、打ち上げだけを依頼することも可。強風時は見合わせる場合もある。問い合わせは電話090・6480・3936
(大山博)