甲府で代替開催 ホーム開幕戦は岡山に1-1のドロー

サッカーJ2松本山雅FCの今季ホーム開幕戦が17日、甲府市の山梨中銀スタジアムで行われた。ここまで2分け1敗の勝ち点2で17位の山雅は、2位のファジアーノ岡山と対戦して1-1で引き分け。今季初白星は挙げられなかったが、9000人を超えるファン・サポーターが駆け付け、大声援で選手を後押しした。
アルウィン(松本市神林)が芝生の張り替えで3月いっぱい使用できず、山雅は初の代替地での試合開催。観客の9割以上を山雅を応援する人が占め、スタジアムを緑に染めた。
山雅は前半35分に失点したが、後半32分に岩上祐三選手が同点ゴール。その後も攻め続けたが得点できず、勝ち点1の上積みにとどまり順位は17位のまま。
家族3人と訪れた多田わかなさん(41、同市南原)は今季初観戦。「新加入の選手が何人もいて新鮮。3年ぶりに戻ってきた岩上選手の応援歌を歌い、懐かしかった」
ホームゲームは欠かさず観戦するという小口智秋さん(42、同市笹賀)は「今季は攻撃陣が充実し、シュートで終わる場面が増えて気持ちよいが、勝ってほしかった。4月1日のアルウィン開幕戦では勝利を」と期待した。

開幕から無失点で3連勝中の難敵岡山を迎え撃った“代替”ホーム開幕戦。終盤に岩上の一撃で追い付いたが、相手の2倍近いシュート17本を放ちながら1得点にとどまり、これで開幕から4戦未勝利。選手や反町監督は内容について手応えを口にするが、結果が伴わないもどかしさもにじむ。
試合後、反町監督は「今は苦しい状況。『何をやっているんだ』と言われてもおかしくないが、疑問符がつく内容ではない。(内容と結果の)僅差をどう埋めていくかだ」と強調した。
「昨季の今頃と比べて勝ち点は少ないが、確実に良くなっている」と話すのはゲーム主将の橋内。「今はじたばたせず、精度を上げていくことが大事」と力を込め、4戦続けて先発の永井は「決めなければいけない場面があった。いい感じだが、もう1歩。その1歩を何とかしないと」と悔しがった。
今節から9日間で3試合する過密日程で、次節と次々節は再びアウェー。加えてU-21代表の海外遠征に招集された前田大を欠く。
「(続く2戦で)われわれらしさを何とか出したい。先制されると苦しくなるので、こちらが先制点を取るために何ができるか、考えながらやっていく」と指揮官は前を向いた。

山雅は前節の東京V戦から先発3人を入れ替え、岩上が今季初出場。開始直後は攻め立てたが次第に押し込まれて前半35分、相手のうまいポストプレーで失点。
後半も立ち上がりから攻めて32分、左CKでショートコーナーを選択した岩上が工藤とパス交換の後、ペナルティーエリア手前からミドルシュートを決めて同点。その後も途中出場の前田大、セルジーニョ、石原らを含めて猛攻を仕掛けたが、勝ち越せなかった。
次節は21日。山雅は2勝2分けで5位の町田ゼルビアと敵地で対戦する。午後6時開始。昨季の対戦成績は山雅の1勝1分け。

【初の県外ホームゲームにサポーター大挙】

松本から100キロほど離れた甲府で行われた今季のホーム開幕戦。アルウィンでの試合を待ち切れないサポーターが、山梨中銀スタジアムを埋め尽くした。
「山雅サポーターをなめてました。ごめんなさい」と飲食物の販売コーナーに焼き鳥店を出した地元業者の女性。午前11時の営業開始と同時に行列ができ、先行入場が始まる午後0時半前には売り切れた。カレーを売った地元店もあっという間にご飯が底を尽き、追加で炊くなど対応に追われた。
「他会場で行うホームゲームの雰囲気を味わいたくて来た」という田村紘一さん(25、富士見町)は「ここまで緑一色で埋まるとは。アルウィンと同じように楽しかった」。
2010年から応援しているという松本市の男性(44)は「こんなに離れた所で試合をしても、これだけ大勢の人が来るのはすごい。山雅の成長を感じる」と感慨深げ。
「会場を貸してくださった甲府の方々には本当に感謝」と力を込める赤沢秀典さん(43、松本市野溝木工)は「飲食の販売に甲府の店もあり楽しかった」と県外でのホームゲームを満喫していた。
試合前にボールボーイと担架隊を務める地元の高校生が紹介されると、山雅サポーターが総立ちで拍手。“山雅愛”と甲府への感謝に満ちた、温かなホームゲームだった。
(長岩将弘、松尾尚久)