現役引退 鐡戸に聞く決断への思いと今後

161215yamp今季最後の試合となった11月27日のプレーオフ準決勝後、鐡戸裕史(34)が現役引退を表明した。北信越リーグ1部だった2009年途中から在籍するチーム最古参でJFL、J2、J1と3度の昇格に貢献した“レジェンド”は、来季からクラブのスタッフになる。選手生活を振り返ってもらいながら、現在の思いや今後について聞いた。

-引退を決めた今の気持ちは。
悔いが残らないように-との思いを持ってやってきたが、実は気持ちの整理がつかない。僕はエリートではなく、選手生活もアマチュア契約からのスタート。ようやくつかみ取ったプロへのこだわりもあり、自ら幕を引くのは勇気が要った。
-決断した決め手は。
試合出場を目指すのは当然だが、出られなくても練習に取り組む姿勢や裏方などで良い影響を与えられるなら、存在価値があると思いやってきた。来季もやれる自信はあるが、試合に出る機会が減っている自分にどれだけ説得力があるのか悩み、これ以上は難しいと思った。
-移籍して現役を続ける選択は。
ユニホームを脱ぐなら山雅でと決めていた。練習も多くの人が見に来て応援してくれる。これほどやりがいのある環境は他にない。
-山雅でプレーして印象に残ったことは。
たくさんあるが、加入初年は大きなシーズンだった。Jから地域に来て、チームの雰囲気や環境などギャップに悩んだ。「ここで負けたら先がない」という試合が続き、綱渡りのようだった。それまで以上に一日、一瞬に全力で臨むことを心掛け、自分も成長した。
JFL昇格を懸けた全国地域リーグ決勝大会決勝ラウンド最終戦(09年12月6日)はアルウィンの観客が1万人を超え、その光景は今でも鮮烈に覚えている。地域で1万人なんて、ちょっと信じられなかった。この熱を冷まさずJに持っていきたい、この人たちのためにも持っていかなければと強く思った。
-スタッフとして山雅や地域とどう関わっていくか。
具体的な仕事はまだ決まっていないが、指導、営業、経営などいろいろなことを学んで経験したい。チームと会社の一体感をより強くしたり、ファンやスポンサーなど地域を大事にしたりする、その象徴になりたい。どんな仕事でも、その力になれればいい。
(長岩将弘)