母の結婚式を娘がプロデュース

お母さんの結婚式を私の手でプロデュースしたい-。松本市渚の専門学校「未来ビジネスカレッジ」で学ぶ丸山鈴奈さん(18、塩尻市片丘)の夢をかなえようと、同校の1、2年生の有志約40人が協力し、このほど丸山さんの母・智佳子さん(47)と西村正寿さん(50、伊那市)の結婚式と披露宴を同校で催した。受け付けや司会、会場の音響など全てを担い、心温まる演出をした。
鈴奈さんは、智佳子さんと祖母と3人暮らし。母子家庭で育ち、将来は人を幸せにするブライダル業界で働きたいと今春、同校のホテル・観光・ブライダル学科に入学した。
娘の高校卒業を機に再婚を決めた智佳子さんは、当初は式を挙げないつもりだった。しかし、鈴奈さんが「一生に一度のお願い」と頼み込み、学校の仲間や先輩たちが「自分たちの将来にも役立つ」と式の開催を買って出た。学校も会場を提供するなど全面的に協力した。
生徒らは6月からチームを組んで準備。ウエディングケーキはパティシエ・ブーランジェ学科2年の石原涼菜さん(20)が、新郎新婦の要望を聞いて「和モダン」をイメージしたチョコレートケーキを作った。新婦のネイルアートはホテル・観光・ブライダル学科2年の永田彩貴さん(20)、ブライダルエステやハンドマッサージはトータルビューティー学科2年の清沢紗理奈さん(20)、百瀬あやさん(21)が担当した。
当日は両家の親族、新郎新婦の友人や会社の同僚ら約20人が出席。生徒たちは料理の配膳をしたり、バーカウンターでノンアルコールカクテルを振る舞ったりするなどした。
鈴奈さんはアテンド(新郎新婦の介添え役)を担当。黒いスーツを着て目立たぬように新郎新婦に付き添い、式や披露宴でお辞儀をするタイミングを教えたり、出席者のカメラを預かり記念撮影をしたり。スタッフの1人として振る舞い、母の晴れ舞台を陰で支えた。
披露宴の終盤、サプライズで手紙を披露した鈴奈さんは「お母さんの娘で本当によかった。産んでくれてありがとう。結婚式を手伝わせてくれてありがとう。大好きです」と声を震わせながら読み上げ、会場からすすり泣きの声も。
司会を務めた浅川晴美さん(20、ホテル・観光・ブライダル学科2年)は「鈴奈さんの思いを聞き、絶対に成功させようとみんなで誓った。少しは役に立てたかな」。プランナーとして式をまとめた唐澤佑さん(22、同)は「みんなで一から創り上げた式と披露宴。鈴奈さんもお母さんも喜んでくれてうれしい。この感動を胸に、将来はウエディングプランナーを目指す」。
「(母子家庭で)鈴奈にはずっと寂しい思いをさせてきた」と言う智佳子さんだが、「まさかこのような日が訪れるとは夢にも思わなかった。皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです」と目を潤ませた。
(高山佳晃)