死力尽くすも勝ち点手繰り寄せられず-J1第1ステージ2節

敗れはしたものの、山雅は試合を通じて、組織だった堅い守備を披露。ラスト15分間は分厚い攻撃で勝ち点1をすぐそこまで手繰り寄せ、寒さを忘れさせる熱い戦いを見せた。反町監督は「選手は死力を尽くした。私の知恵が足りなかっただけ」と敗戦の責を背負い込み、敵将森保監督は「追加点が取れず松本に勢いを与えてしまった。松本で勝つのは至難の業だと感じた」と疲労感を漂わせた。
我慢の試合だった。強豪広島が「松本よりハードワークしよう」(森保監督)と意気込んで臨んだ前半、広島の速さと技術の高さから2失点。その中で、PKを得た場面は、自陣からオビナへのロングパスに何人もの選手が鋭く反応した結果で、山雅らしさが出た。
1点を追う後半、山雅は得点を焦ることなく我慢の姿勢を貫き、失点のリスクを最小限に抑えながら同点の機会を虎視眈々(たんたん)と狙った。「しっかりと意思統一されていた」(飯田)という戦いぶりは見応え十分。堅い守備で広島に決定機を与えなかった。
我慢の末に繰り出した残り15分からの波状攻撃は山雅の真骨頂。後半36分、後藤が自陣ゴール前のクリアボールを岩上へつなぐとそのまま敵陣ゴール前へ駆け上がり、左からの前田のクロスに頭で合わせた。39分の喜山、40分の前田のシュートも含め、同点まであと一歩と迫った。
しかし、巧みな試合運びをしてもなお得点に結び付かなかったのがJ1の厳しさ。反町監督の言う「知恵」が今後どうピッチ上で表現されるのか注目だ。
丁寧にパスを回してすきを突いてくる広島との戦いは、初戦の名古屋とはまた違う「J1基準」を知る機会だった。また、途中投入の前田や石原が確実に攻撃を勢いづけたことも明るい材料。今後がますます楽しみになる、実りあるホーム開幕戦だった。
(松尾尚久、長岩将弘)