正しい口腔ケア 一般と介護職向け研修会

県内の歯科衛生士や歯科医師らでつくる「信州口腔(こうくう)ケアネットワーク」は6月4日、一般市民や介護現場で働く人などを対象にした「第1回研修会」を、松本市旭3の信大医学部付属病院で開く。誤嚥(ごえん)性肺炎を防ぐ意味でも重視される口腔ケアだが、学ぶ場は少ない。同団体は「正しい知識を身につけてほしい」としている。
誤嚥性肺炎は、口の中の細菌が唾液などと一緒に肺へ入ることで起きる。ものを飲み込む「嚥下機能」の衰えに起因する。日本人の死亡原因の第3位は肺炎で、そのうち9割以上が高齢者だ。「高齢者の肺炎の70%以上が誤嚥に関係していると言われている」(日本呼吸器学会)。
しかし、「ご家族や介護職員が口腔ケアを学ぶ機会はなかなかない」と、介護現場での勤務経験を持つ信大病院の高橋絢歯科衛生士。本年度は長野、上田市、富士見町でも研修会を開く。
今回の研修会は入門と実践の2コース。
入門コースは歯磨き、口の内側の粘膜や舌の掃除、入れ歯の手入れ、口の中の保湿などについて正しい方法を学ぶ。口腔ケアに使われる器具や薬も紹介。口の開け方やほっぺたの引っ張り方など、口の中の見方も学ぶ。
実践コースは介護現場などで口腔ケアを行っている人が主な対象。車いすやベッドの上での適切な体勢、洗面所がないところでのやり方など、事前に介護現場から集めたアンケートを元に、疑問や悩みを解消していく。
口腔ケアには、歯ブラシなどで口の中をきれいにする「口腔清掃」と、顔や舌を動かすなどして衰えた機能を回復させる「口腔機能訓練」の2つの要素がある。
信大医学部歯科口腔外科学教室の栗田浩教授(54)は「固いものをかむ習慣は1歳から始めなければならないし、嚥下機能の低下は50代から始まる。口腔ケアは高齢者だけのものではない」と指摘する。

同団体は4月発足。研修会は知識を得る場であると同時に、市民や介護職員が、地域の歯科衛生士や歯科医師とつながる場でもある。「困った時に気兼ねなく聞ける関係をつくってほしい」と栗田教授。病院歯科の勤務が長い佐古迪子歯科衛生士は「病院歯科が相談窓口になり、地域の歯科医院を紹介するなどの仕組みもつくれたら」と展望する。
入門、実践、共に午後0時15分~3時45分で、定員各15人。参加無料。申し込みは24日まで。信大医学部歯科口腔外科学医局・電話37・2677
(松尾尚久)