桜花に浮かぶ「弘法山古墳」春景色(松本市)

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桜花が映える「弘法山古墳」。自分の領域を精いっぱい彩る一本一本の桜が、互いに支え合い助け合って共演すると壮麗な春景色に輝くことを現代人に教えている=4月12日午後1時半、ニコンD3、ニコールED600ミリ

桜花爛漫(らんまん)の松本市の国史跡「弘法山古墳」。望遠レンズで撮影すると満開の桜の海原にぽっかりと浮かぶ島のようだ。
以前はニセアカシアに覆われていたが伐採し、1985(昭和60)年に桜を植樹。当時、約4000本を植え、木の成長とともに間伐、現在はざっと2000本が咲き誇る。県内有数の“桜名所”だ。
桜の花言葉は「純潔」「心の美」「精神美」など。桜にまつわる言葉を列記すると、桜前線、開花宣言、何分咲き、桜花爛漫、花霞(がすみ)、さくら吹雪、花筏(いかだ)など数多い。
「桜七日」という言葉があるように、一斉にパッと咲き、またパッと散っていく。美しさとはかなさを併せ持つ桜の花風情に、日本人は人生観を重ね合わせて眺め、愛(め)でてきた。
平安の昔から多くの歌人や俳人に詠まれ、これほど日本人の精神面に影響を与えた花はない。この桜を100回見ることが難しいほど、人生ははかなく短い。カメラのファインダーで構図を決めながら、江戸時代の僧侶で歌人の良寛和尚の有名な句が脳裏をよぎる。「散る桜残る桜も散る桜」。
この春、出合った桜花に感謝し、一期一会の気持ちで愛でながら見届けたい。桜は、癒やしと生きる力を与えてくれる人生の“応援花”である。
(丸山祥司)