林直哉先生の還暦祝う 県内6高校の放送部の教え子ら

松本深志高校(松本市)の林直哉教諭(60、安曇野市三郷)の還暦を祝う会「ちゃんちゃんこ祭り」が8月12日、松本市蟻ケ崎の深志高校教育会館であった。35年間にわたり放送部を指導した県内6校の教え子が実行委員会を組織して企画。全国各地から元放送部員ら約80人が駆け付けた。
林教諭は、これまで顧問を務めた各校の放送部を「もう一つの学校」と呼び、「人を変える力がある」とする番組制作で「調べる、まとめる、伝える」を徹底的に実践。社会問題を掘り起こした作品などで、東京ビデオフェスティバルで2度のグランプリ、NHK杯全国高校放送コンテストでは11回の全国優勝と100回余りの入賞へと導いた。
また、番組制作で育んだ社会を見つめる視点と、「調べる、まとめる、伝える」力を大学入試に生かす小論文講座を実施。受講生のほとんどを希望大学に合格させた。
この実践が評価され昨年は中日新聞教育賞を受賞。今夏は、現在顧問を務める深志高校放送委員会制作班がNHK杯で全国優勝し、みやぎ総文祭では優秀賞を獲得した。この日は、同校の現役メンバーが成績を報告し、参加者から祝福される場面もあった。
31年前、大町北高校(当時)放送部で林教諭に出会い、NHK杯全国優勝と信大経済学部進学を果たした西沢みゆきさん(46、東京)は「反抗ばかりしていたが、今思えば先生は私の道しるべだった」と振り返る。実行委員の生田和徳さん(31、松本市寿)は「皆が父親のところに帰って来た子どものように思えて感動している」と話す。
林教諭は、教え子から贈られた手作りの赤いベストと帽子姿で酒を酌み交わしながら笑顔のあふれる会場を見渡し、「目指したのは番組制作による仲間づくり。自分のやってきたことは間違っていなかった」とうれしそうに話した。
(宮沢厚子)