松川にバレエ教室「楽しさ伝えたい」

松川村西原の井上望さん(34)は6日、村内では唯一となるバレエ教室「Ballet Studio Nadia(バレエスタジオナディア)」を開いた。高校卒業後、ロシアに留学。プロになってからは、ポーランドのバレエ団でプリマバレリーナを務めるなど活躍した。「まずは、子どもたちにバレエを好きになってもらいたい」と第二のバレエ人生を歩み始めた。教室は、両親と暮らす自宅に併設された、かつて喫茶店だったスペース。広さは約37平方メートル。バレエ専用の床材を張り、壁に大きな鏡を設置するなど改装した。
「バレリーナとしてはやり切った感があり、現役には未練はありません」と語る井上さん。大阪府八尾市出身。6歳からバレエを始め、高校卒業後、2年間のロシア留学を経て、2004年にエストニア国立バレエ団に入団しプロに。07年、ポーランド州立オペラブロツワフスカにソリストとして移籍。08年に女性ダンサーの最高位、プリマバレリーナに昇格。15年にはポーランドの文化・国家遺産大臣から文化功労勲章を授与された。

バレエダンサーとして年齢や体力的に限界を感じたことに加え、それまで舞台を一緒に作り上げてきたメンバーが替わることなどから「引退」を考えた16年の夏、両親がIターンで暮らし始めた松川村に一時帰国した。
第二の人生を模索する中で、母親らから教室を開くことを勧められたが、「青春をすべてバレエにささげた。(教えることは)人の人生を左右しかねない」と不安があった。
しかし、村の子どもたちが笑顔であいさつする姿や人の優しさに感動。「直感的に、ここでなら教えることができると思った。バレエの楽しさを伝えたくなった」と決意した。
その年の11月に現役を引退し、村に移住。17年の初頭から公民館活動の一環で、教室を開いた。今回の教室開設の知らせは、近くのパン店と、母親の行きつけの美容院にチラシを置く程度だったが、既に20人以上の問い合わせがあり「予想以上の反応」だ。
井上さんは「自分が両親に苦労をかけた分、親に感謝する気持ちなども教えられたら」とした上で、「バレエの楽しさを見つけてもらい、新たな才能を開花させたい」と前を見据えた。
教室は、楽しむことをメインに指導するプライマリー、小学1~3年生、小学4年生以上、大人、の各クラスがある。入会金1万円。月額制で、週1回のレッスン5400円、週2回8800円、週3回1万3000円。
(浜秋彦)