最終盤を展望 優勝狙い2位死守を

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1年でのJ1復帰を目指し、今季J2で戦う山雅。10月30日に敵地で山形を1-0で下し、38節まで終えて21勝12分け5敗の勝ち点75。クラブ最長となる14試合無敗で、J1自動昇格圏内の2位を維持している。2位で昇格した2014年シーズンと比較し、ここまでの戦いぶりを振り返りながら、残り4試合の最終盤を展望する。
今季の山雅は昨季J1での苦戦を基に、縦への速さやセットプレーの強さ、堅い守りという従来の特長に加え、パスをつないで相手を崩す新たな攻撃の形に挑戦。
そのスタイルを確立し切れなかった序盤はもたついたが、7節から3連勝で急浮上すると、14~23節は9勝1敗とし、中盤戦で波に乗った。14年シーズンと同じ22節でJ1自動昇格圏の2位に浮上し、以降は維持し続けている。
今季、思わぬ困難となったのが、けが人の多さだ。昨季は主力だったオビナ、安藤らが序盤で長期離脱し、6月初めには精神的支柱でもある田中が右目網膜剥離(はくり)のため、約3カ月間チームを離れた。
9月には一時10人以上を欠き、練習にも影響が出た。警告累積による出場停止も重なり、反町監督が「(選手のやりくりが)これほど厳しいのは初めて」と嘆くほどだった。
それでも、3月に緊急で獲得した高崎、夏の移籍期間に加わったパウリーニョら、途中加入の即戦力がチームに適合。けが人に代わり出場機会を得た飯尾、那須川らも遜色のない働きを見せ、敵地で札幌に惜敗した24節を最後に、38節まで3カ月以上負けていない。
36節には敵地で千葉に快勝し、J1昇格プレーオフ進出圏内の6位以上を確定させた。

38節終了時点の状況を前回J1昇格を決めた2年前と比較すると、山雅は同じ2位だが他の上位チームとの勝ち点差が開いておらず、混戦なのが大きな違いだ。
14年は、湘南が3節以降1度も首位を譲らない独走で2位以下を大きく引き離し、最終的に勝ち点101で優勝。山雅も38節時点で3位磐田に勝ち点10差をつけ、最終的には3位千葉を15上回る勝ち点83とした。
ところが今季は、1~4位が勝ち点9差内にせめぎ合う。11節以降首位を維持し続けてきた札幌が37、38節と連敗し、2位山雅との差は1勝分の勝ち点3に縮まった。
札幌は中~下位チームとの対戦を残すのみだが、山雅は残り4試合で優勝が狙える状況に。しかし、勝ち点3差で迫る3位清水は得失点差で山雅を15上回っており、このまま勝ち点で並ばれると順位が入れ替わる。
4位C大阪を含めて4チーム間の直接対決は全て終わっており、自動昇格争いは勝ち点を取りこぼしたチームが脱落するサバイバルレースだ。

38~40節は、1週間で3試合を戦う最終盤のヤマ場だ。山雅は39節(3日)と40節(6日)は移動の負担がないホームでの連戦。好条件だが、重圧や隙といった“内なる敵”との戦いにもなる。
ここ14試合無敗だが、その内訳は7勝7分け。「引き分けが多過ぎる。『負けてない』という感覚はない」と田中が言う通り、強さが際立つという数字ではない。
しかし、けが人や出場停止が重なった時期を、無敗で乗り切ったのは大きい。現在、出場停止選手はおらず、警告あと1回で停止になるのは石原と飯尾だけ。練習には安藤、オビナ、柴田を除く全員が参加し、終盤を戦い抜く戦力は整った。
「どの相手も強敵。楽に勝てる試合など一つもない」と、反町監督は繰り返す。残り4試合、チームとクラブ、サポーターの総力を結集し、来季J1の舞台に戻る資格があることを証明したい。
(長岩将弘)