教えて!「食」のこだわり

150623yampスポーツ選手にとって、食べることは非常に大切だ。これから夏場を迎えると食欲も落ちがちだが、厳しい戦いが続く中で最大限のパフォーマンスを発揮するため、どんな工夫をしているのだろうか。普段の食生活で心掛けていることや、試合前の「勝負飯」、好物・苦手な物など、食に関するこだわりを選手たちに聞いた。

夏場は、やはり水分の取り方に気を使う選手が多い。
「喉が渇くままに飲んでいると、水でおなかがいっぱいになってしまい、ご飯が入らない。そうならないよう、意識して少しずつ小まめに飲む」という村山をはじめ、脱水を防ぎつつ、がぶ飲みしないよう注意する―との声が多かった。
岩沼は「たくさん飲む日と、ほとんど飲まない日ができないよう、毎日ある程度決まった量を飲むようにしている」と話す。
夏場に困るほど食欲が落ちるという選手は皆無だったが、暑さや疲労で食が進まないときは「麺類とか、食べやすいものをしっかり食べる」(岩間)、「オクラやナガイモなど、栄養価が高くてつるっと入るものを取り入れる」(鐡戸)などで乗り切るそうだ。
飯田は「スポーツ選手は食べることも仕事。無理にでも突っ込む」と、プロ意識をにじませた。

多くの品数を食べて栄養バランスに気を配ったり、食べ過ぎないよう注意したりはするものの、多くの選手がさほど厳密な節制はしていないようだ。
「長く選手を続けるには、ストレスをためないことも大事。節制するときはするが、オフの前日は好きな物を食べるなど、めりはりをつけている」と話すのは、ベテランの阿部。飯田は「そもそもジャンクな食べ物は好きじゃない。食べたいものをおいしく食べるようにしている」という。
村山、岩上、飯尾らは、揚げ物など油っこい物は控えめにしている。「体が重くなるような気がして、山雅に来てから試合前には食べない」という村山に対し、2人は「胃もたれがして、体質的に苦手」。岩上は「食べる前はおいしそうだけど、ついつい食べてから後悔する」と苦笑いする。
柴田は「ご飯は最低でも茶碗大盛2杯は食べないとおなかがすく」という、チームきっての健啖(けんたん)家。ただ、現在は体を絞るために量を抑えているといい、「正直、けっこうつらいです」と明かす。

飯田や喜山、飯尾らは、「勝負飯」としてうなぎを挙げた。
飯田は昨季、ホーム試合の前日には多々良(現仙台)とうなぎを食べに行ったそうで、「そうするとほとんど負けなかった。験担ぎの意味合いもありました」と話す。
飯尾はシーズン中、1~2週間に1度くらいは食べるといい、「もともと好きというのもあるけれど、やっぱり元気になれる気がする。チーム内でも好きな人はけっこう多いですよ」。さすが伝統のスタミナ食といったところか。
岩沼は、食べ物としてはないが、ホーム試合の前日に食事をする店が決まっているという。「メニューの栄養バランスがいいのもあるけれど、食べ慣れたものを食べ、試合に備えて心身のリズムを整えるという点も大きい」。前所属のJ2札幌時代も、行きつけの店があったそうだ。

好物は肉料理との答えが多かった。柴田はずばり、トンカツ。「トンカツ定食とかソースカツ丼とか、気がつくとカツ系を頼んでいる。松本はおいしい店が多いです」
意外と人気を集めたのが果物。岩上はグレープフルーツ、岩間はモモ、村山はパイン-といった具合だ。
阿部はイチゴが好きで、「小さいころ、1パックを1人で食べるのが夢でした」。石原は「メロンは丸ごと1個でもいけます」。岩沼は「宮崎県の友達に頼んで送ってもらったくらい」マンゴーが好きという。
一方で岩沼は魚のカマの塩焼き、サバのみそ煮など、渋いメニューも好みだそう。
「日本の鶏肉や、もっちりした米(ジャポニカ米)がおいしい」と話すのはオビナ。「おいしくて健康的」な日本食はどれも好きで、特にすしは母国でも食べていたが、来日後は「まだあまり食べる機会がない」と、少し残念そうだ。
苦手なもののある選手は少なかった。意外なところでは、村山はプリンと、サツマイモなど甘い芋。岩上は酢飯がだめだという。
「小骨のある魚など苦手なものはあるが、体のことなどを考えると、えり好みはしていられませんね」という阿部の言葉が、実際のところだろう。
(長岩将弘)