支える(5) 試合運営担当・長谷川亘さん

141120yamp長谷川亘さん(29)は、事業本部運営部で試合運営を担当する。
一口で言えば、「試合を滞りなく進めるタイムキーパー」だ。「試合と同じで、週に1度の90分間にいい仕事ができるかどうかは、準備にかかっています」という。
ホーム試合時はテレビ中継の時間を基準にチームやイベント関係先と折衝し、キックオフ時間を決めるところから始まる。
スケジュールが決まったら、相手チームや審判団、マッチコミッショナー、ボールパーソン-など、ピッチに関わる全ての人への説明や打ち合わせ。
アウェー試合時もチームに帯同し、ピッチサイドに立つ。準備の内容もほとんど変わらず、「1週間はあっという間です」。

新潟県十日町市生まれ。小学生でサッカーを始め、やがて選手より指導者を目指す気持ちが強くなり、新潟経営大(加茂市)2年生だった05年、部のマネジャーに転向。当時は大学リーグに加え、社会人カテゴリーの北信越リーグにも同じチームで参戦でき、指導や運営の基本的なノウハウを実地で学んだ。
大学を卒業した08年度は、地元の高校で非常勤講師を務めた。充実はしていたが「もっとサッカーに関わりたい」と翌09年、コーチとして母校に戻った。
山雅がJFL昇格を決めたのは同年末。試合運営のできるスタッフを探しており、山雅と縁があった部の指導者の推薦もあって、10年1月から山雅で働き始めた。
実は山雅との縁は、ともに北信越リーグに参戦していた大学時代にあった。
同大での試合時、近所からの要請で、急きょ応援団の鳴り物がNGに。それを山雅側へ伝えに走ったのが、長谷川さんだった。
「ずっと後で分かったのですが、僕は鳴り物を初めて止めた人物として、一部で知られていたそうです。今からすれば、何か運命的なものにも思えますね」とほほ笑む。

現在のスタッフの中でも古株という長谷川さん。J1昇格を決めた39節・福岡戦(1日)にも居合わせ、さぞ感慨深かったろうと思いきや、「選手もサポーターも想像以上の盛り上がりで…。感動に浸る余裕もなく、収拾に追われました」と苦笑する。
松本に戻り、報道に接してようやく実感が湧いてきたというが、「一番実感するのは、たぶん来季の開幕戦でしょう」という。
「これからやらなくてはいけないことはたくさんありますが、『お客さんに楽しんでもらう』という、最も大事にするところは変わりません」と長谷川さん。
「目指すのはJ1昇格ではなく、アルウィンを満員にすること。今まで山雅を知らなかった人にも来てもらい、もっと日常に根ざした、身近な存在になればいい。そのために、今後も頑張ります」
(長岩将弘)