岸野靖之ユース監督コラム「情熱は足りているか」6

Jユースカップ予選の3試合を終え、選手たちの練習への意欲が明らかに変わった。
0-8で敗れた京都戦(10月20日)は実力差に加え、スパイクのせいで雨でぬれた天然芝に対応できず滑っていた。
そこで選手が持つスタッド(いぼ)が固定されているスパイクではなく、より深く芝に刺さる取り替え式のスパイクに変えさせた。
ボールの動かし方や奪うポイントなど、もう一度戦術を徹底し、1週間後の横浜F・マリノス戦に臨んだところ、セットプレーで失点したが0-1と迫った。
強豪ユースと本気で戦い、これまでごまかしてきたことが一切通用しないと肌で感じたのではないだろうか。
二手三手先を一瞬で読まないとすぐにパスコースを消される。どんなパスを選択すれば成功するのか。選んだパスを正確にできる技術はあるか。
私に言われてもぼんやりとしかイメージできなかったものが、少しずつつかめてきたのではないか。
特に変わったのが仲間への要求だ。ミスをした仲間に対してきちんと指摘をする。これは、自分も同じミスをするかもしれないし、軽いプレーができなくなる、責任を伴う行為だ。これまで自信がないためか言える選手はいなかったが、徐々にそういう声も出るようになった。ミスをうやむやにしない代わりに皆でカバーして取り返す。チームワークの本筋はそういう中で生まれる。われわれが目指すのは競技スポーツだ。
変化する兆しが見えたここからまた新たなスタートが始まる。

U-18監督に就任が決まり1年がたつ。「うまくなりたい」という子どもたちの澄んだ思いにどう応えられるのか、本気で考え指導してきた。
来年入団する今の中学3年生は、私とコーチたちで県内のあらゆる試合を見て探しスカウトした子どもたちだ。U-15から上がる選手も含め現在13人が入団予定だ。しっかり育てたい。
耕した土に、種をまく時期がもうすぐ来る。プロを輩出する組織づくりと、子どもたちの育成にこれからも情熱を持って取り組んでいく。
(岸野U-18監督のコラムはおわります)